塗装工事にケレン作業は本当に必要?

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只今、扶桑町で補助金を使った塗装をしています。お客様から疑問が出ましたので、ケレン作業について書いて行きたいと思います。

 

外壁塗装を行う下地処理で、一番初めに行う作業がケレン作業です。塗装業者から見積書を取った時にも「ケレン」という言葉で記載されていることがありますが、一般的には「ケレン」という言葉はあまりなじみがありません。そのため、この「ケレン」という作業がどんな作業なのか、本当に必要なのか判断がつかないかと思います。今回は、この「ケレン作業」というのは、どういう作業を行うのか。外壁塗装を行う上で必要なのかについてご説明いたします。

ケレン作業とは

 ケレン作業は、これから新しい塗料を塗る外壁のサビや古い塗膜を落とす作業のことを言います。例えば、鉄製の部品を使用している外壁材であれば、少なくとも7年~10年程度は風雨にさらされている状態となりますので、少なからずサビが発生してしまいます。このサビがついている状態で塗料を塗ってしまうと、新しく塗った塗料の中で金属の部品はサビたままになっていますので、パッと見ただけではわからないような内部でサビが進行してしまい、気づいたころには鉄製の部品はサビで使い物にならなくなるという最悪な状況に陥ってしまうことがあります。

また、そこまでひどい状況にならなくても、サビが浮いている鉄製の部品に塗装を行っても、それは鉄製の部品そのものに塗料を塗ったのではなく、サビに塗料を塗っただけになりますので、サビがはがれた時には一緒に塗料もはがれてしまうといった状況にもなり得てしまいます。

そのため、鉄製の部品にでたサビについて、しっかりと落とす必要があるのです。では、「我が家は、外壁はすべて木製だからケレン作業は要らないよね」と、言われる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、木製の外壁材を使用している場合は、長年の風雨によって材木が毛羽立っていたり、へこみや傷などで外壁材に様々な汚れがついてしまっています。表面の汚れをしっかりきれいにすることもケレン作業の一つなのです。

また、素材の表面に微細な凹凸を作ることで、外壁材に塗料が密着させることができるため

塗装の耐久性が向上します。さらに、ケレン作業では古い塗膜の除去も行います。これまで長年の間、外壁材を守ってくれた古い塗膜ですが、すでに役割を終えて、十分な機能性を発揮できなくなってしまっています。経費がもったいないからと、この古い塗膜の上から新しい塗料を塗ってしまうと、新しい塗料は外壁材に密着せずに、古い塗膜についてしまいますので、古い塗膜がはげ落ちると同時に、新しい塗料もはがれてしまうという問題があるのです。

そのため、ケレン作業によってしっかりと古い塗膜をはがしておく必要があるのです。(ここが優良業者の見極めどころです)

ケレン作業は必要か?

 すでに、説明しているとおり、ケレン作業をしっかりと行わなければ、外壁材と新しい塗料がしっかりと密着しませんので、塗料の耐久年数が非常に低いものとなってしまうことになります。過去に、ケレン作業の手を抜かれていたことによって、通常7年~10年は持つといわれている外壁への塗装が、わずか1年~3年で剥離の症状が現れ、仕方なく再度外壁塗装を行ったという方もいらっしゃいます。そのため、外壁塗装を行う際、ケレン作業は必ず必要な作業となるのです。

なお、ケレン作業にかかる費用については、現在の外壁の状態によって実施するケレンが異なることから、その外壁を実際に確認してみなければ判断することができません。

参考:外壁塗装工事後の塗膜の剥がれを防ぐために

ヨコイ塗装のケレン作業

 ヨコイ塗装では、外壁塗装の品質はどれだけ丹念に下地処理を行ったかで決まると考えています。そのため、下地処理の1プロセスであるケレン作業についても一切妥協を行うことはございません。

サビを除去すべきところはすべて除去し、毛羽立った木材は、すべて修復し、古い塗膜は徹底的にケレン作業を実施いたします。そのため、他の業者よりもケレン作業に関する費用が高いというケースや、作業日数が多いというケースも出てしまいます。しかし、ここで時間や費用をしっかりとかけてでも、ケレン作業を妥協なく行うことで、高品質な塗装に仕上げるために必要な時間と費用となっています。他の業者よりも少し高く、また工期も伸びてしまいますが、最初のケレン作業をしっかりと行っておくことで、外壁塗装の仕上がりはとてもきれいに仕上がりますし、その耐久年数も長くなりますので、長期的に見た場合、外壁塗装にかかる費用は安くなるとかんがえられます。 

ケレン作業の重要性

 ケレン作業は、外壁塗装工事の品質を決定する非常に重要な作業であると説明しました。なぜ、ケレン作業が重要なのかというと、ケレン作業を行わずに、サビや汚れ、古くなった塗膜の上から塗装を行うと、塗装する面に大きな凹凸があるため塗装にムラが生じてしまい、美しく塗ることができません。

また、そのようにして行われた塗装は、外壁にしっかりと塗料が乗っておらず、サビや汚れの上に塗料が乗っているという状態ですので、外壁からサビや汚れが剥がれ落ちるときに、塗料も剥離してしまいます。また、外壁に塗料が乗っていませんので、サビや汚れと外壁の間に空洞ができてしまいます。その隙間は、塗料による防水性能は期待できませんので、水が入り込んでしまうと、家の内部が腐食してしまうという問題もあります。

つまり、ケレン作業は外壁塗装の美観だけでなく、耐久性にも大きく影響する重要な作業であると言えます。

ケレン作業の内容

 ケレン作業は、鉄の部分のサビをしっかり落とす作業がメインとなります。では、木造部分にはケレン作業を行わなくてもいいのかというと、そうではありません。木造部分では、サビはありませんが、木の毛羽立ちなどによる凹凸を慣らす作業が必要となります。

また、完全にツルツルに磨かれた状態では、逆に塗料が付着しません。そのため、細かな傷をつけて、塗料の乗りをよくするのもケレン作業の目的の一つと言えます。

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ケレンの種類

ケレン作業は、外壁の状態によって、2種ケレンから4種ケレンの中から、適切なケレンを行います。

  • 1種ケレンはサビや腐食が相当ひどい場合に使われることがありますが、一般住宅で行われることは、まずありません。なぜなら、一般住宅の場合において、1種ケレンが必要な場合は、その部分を取り換えてしまうほうが安価であるためです。1種ケレンは、ブラスト工法によりサビや古い塗膜を除去する方法になりますが、ブラスト工法は粉じんや騒音など、環境への配慮が必要とされていますので、非常に高価な作業となってしまいます。
  • 2種ケレンは、重度のサビや腐食がある場合に行われるケレン作業です。2種ケレンでは、電動工具を使用して、徹底的にサビや古い塗膜を除去します。2種ケレンも、非常にコストと手間が発生するため、取り換えの方が安価な場合が多く、一般住宅ではあまり使われることはありません。価格は、1㎡当たり1,400円~2,200円が相場となっています。
  • 3種ケレンは、サビや古い塗膜の劣化がひどくなく、サビていない部分や塗膜が劣化していない部分が残っている状況で使われるケレン作業です。3種ケレンは、主に手作業か電動工具によるブラッシングでサビや古い塗膜と除去します。3種ケレンが、ケレン作業において最も選択されているケレン作業になります。価格は、1㎡当たり500円~1,200円が相場となっています。
  • 4種ケレンは、サビや古い塗膜がほとんどなく、表面を洗浄するレベルできれいにできる状態の場合に選択されるケレン作業です。主に手作業で、紙やすりを使用して行われます。価格は、1㎡当たり200円~400円が相場となっています。

 

まとめ

 ケレン作業はサビや汚れ、腐食の度合いによって、コストが大きく異なります。特に、1種ケレンや2種ケレンを行わなければならないほど、重度なサビや腐食がある場合は、ケレン作業ではなく、取り換え作業になりますので、非常に高価な工事となってしまいます。

 しかし、そこで取り換えを行わずに、塗装でだましだまし使っていたとしても、塗装自体の耐久性も下がるうえに、塗料がしっかりと付着しませんので、家そのものの耐久性も下がってしまう事となります。そのため、1種ケレンや2種ケレンが必要な状態まで進んでしまうと、非常に高いコストを支払わなければならなくなるのです。

しかし、3種ケレンで対応できる状態で外壁塗装工事を定期的に行っておけば、サビや汚れ、腐食も定期的にきれいに取り除かれていますので、比較的安く、塗装もいい状態をキープすることができます。さらに、塗膜が古くなる前に塗り替えますので、防水性能も高く、家へのダメージも少なくて済みます。(ここでの作業の質が、品質につながり、良い職人かどうかの分かれ目になります。)そのため、定期的に外壁塗装工事を行うことで、外壁のメンテナンスを行うことをおすすめいたします。

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