カラーベスト

カラーベストの塗装と張替えはどのタイミングで?

カラーベストは、セメントとけい砂、それに繊維を原料とした屋根材で、「化粧スレート」と呼ばれる屋根材のとある商品名を指しますが、最近ではカラーベストといえば「平型化粧スレート」のことと言われるほど定着しています。ホッチキス(商品名)とステープラのような関係ですね。カラーベスト屋根は、ケイミューというメーカーが販売している化粧スレート屋根の総称で、コロニアル・クァッド、コロニアル・グラッサ、コロニアル・グランデグラッサといった通称「コロニアル」シリーズが非常に有名です。カラーベスト屋根は、施工性がよく、価格も安いことから、最近の住宅には多く取り入れられている屋根材となっています。

 今回は、カラーベストのメンテナンスについて、ご説明いたします。

カラーベストの劣化について

劣化したカラーベスト

カラーベストとアスベスト

 以前、「アスベストは危険だ」というニュースが流れ、アスベストの使用に制限がかけられたことを記憶されている方も多いかと思います。カラーベストは、昭和36年ごろから販売されており、当時はアスベストについては問題視されていませんでした。そのため、2006年頃までに販売されたカラーベストにはアスベストが含まれていますが、それ以降に販売されたカラーベストには含まれていません。そのため、カラーベストの劣化を見つけた際、そのメンテナンスを行う際には、もしアスベストが含まれているカラーベストを使用していた場合、アスベスト対策が必要になるという点について、注意が必要です。

カラーベストの寿命

 カラーベストの寿命はおおむね20年と言われています。ただし、アスベストの有無や使用環境によって、それよりも早く劣化する場合もあれば、30年程度持つといった事例もありますので、20年はある程度の目安として捉える必要があり、実際にはカラーベストの劣化状態を見ながら判断することになります。

カラーベストの劣化

 カラーベストが劣化しているという状態は、主に3つに分類することができます。

 

峰のトタン抑えの釘は大体浮いてきます
  1.  カラーベストが劣化し、割れてしまっている状態です。カラーベストの下にはルーフィングという防水材が入っているため、カラーベストが割れたからすぐに雨漏りにつながるというわけではありませんが、屋根材の内部に水分が侵入することに変わりはありませんので、ルーフィングの劣化を早めることにつながり、最終的に雨漏りの原因となります。カラーベストが割れる原因としては、台風や強風など、風によって運ばれてきた飛来物などの物理的な接触で割れてしまうケースと、経年劣化で割れるケースの2通りあります。カラーベストは、材料をセメントで固定している屋根材になりますので、少なからず屋根材の中に水分が含まれています。この水分が凍結や融解を繰り返すことによってわずかながら体積の変動が生じ、繰り返し、その状態が続くことによって、素材が耐え切れなくなり割れてしまうのが、経年劣化の原因と言われています。
  2.  カラーベストは割れる以外にも反ってしまうという劣化の状態もあります。原因は経年劣化によってカラーベストが割れることと似ていますが、カラーベストの表面と裏面の温度変化によって、中の素材が伸縮を繰り返していますが、通常はそれでもしっかり密着させるよう作られています。しかし、経年劣化によって、その密着が維持できなくなった場合に、表裏の温度変化によってカラーベストがいびつに伸縮してしまい、それが反りにつながってしまいます。カラーベストが反ってしまった場合にも、その部分から雨水が屋根材の内部に侵入することになりますので、雨漏りの原因となってしまいます。
  3.  カラーベストを固定している釘やビスが劣化して外れてしまうことや、地震などによってこの釘やビスが外れてしまうことがあります。それらが1つや2つ、外れてしまったからと言って、すぐに屋根全体が外れてしまうというわけではありませんが、少なくともその釘やビスで固定していた部分にはズレが生じ、カラーベスト同士の接触などによって、カラーベストが割れたり、ひびが入ったりしてしまうケースがあります。また、これらは、自然災害や経年劣化だけではなく、施工した業者の腕が悪かった場合や、手抜き工事が行われた場合にも同様の症状が発生します。そのため、建てたばかりだからと安心して、全くチェックしていなかった場合、カラーベストの劣化に気付かず、雨漏りして初めて気づくといった事象も存在しています。
  4. カラーベストは、基本的に塗装を行って使用します。この塗装は、物理的なカラーベストの劣化を防止することはできませんが、屋根材の強度を増したり、防水性能を増す、大切なメンテナンスとなります。この塗装工事は、おおむね10年に1度、実施することが推奨されていますので、この塗装工事の際に、カラーベストの劣化状況をプロの業者にチェックしてもらうことで、劣化を早期発見し、適切なメンテナンスをとることが可能となります。

 非常に、軽量で丈夫なカラーベストですが、それでも時間やその他の要因によって劣化してしまいます。それを早期発見し、適切な対処を行うことで、建物を長く使い続けることが可能となります。カラーベストのメンテナンスにお悩みの方は、ヨコイ塗装にご相談ください。

参考: カラーベスト・コロニアル

 

屋根は塗膜への環境が厳しいので無機がおすすめ

カラーベスト屋根の張替えと塗装の見極め

 カラーベスト屋根のメンテナンスを行うにあたり、コスト面で考えると①塗装、②重ね葺き、③葺き替え、という順になります。しかし、コストを安く抑えるために塗装を行いたくても、カラーベスト屋根の状態によっては張替えを選択しなければならないというケースもあります。そこで、張替えと塗装、どちらを選択するのか、その見極め方法についてご説明します。

コストが最も低い、塗装を行うためには、既存の屋根材が、そのまま使用できなければなりません。カラーベスト屋根そのものに傷が入っていたり、劣化がひどい状況では選択することができません。あくまで塗装で回復できるのは、表面の塗膜だけであって、屋根材そのものの耐久性を回復させることはできないのです。見た目で判断する基準としては、以下の点が考えられます。

①チョーキング

 塗装が劣化して、触ると白い粉がつく状態です。この症状は、塗装の劣化が原因となりますので、塗装工事を行うことで、本来の性能を取り戻すことができます。チョーキングは、目に見えて塗装の劣化が分かるため、塗装工事を行う1つの判断基準といえます。

②塗膜の剥離

 チョーキングを放置しておくことで、塗装の劣化がすすみ、塗装が剥がれている状態です。この程度までは、なんとか塗装でメンテナンスを行うことができますが、剥離している部分から水分などが入り込み、屋根材にダメージを受けている可能性があります。(下に防水シートがありますので、躯体に害はありません。)この症状が現れたら、できるだけ早めに塗装を行ったほうが良いでしょう。

③カラーベスト屋根の極度の劣化

 塗膜が剥離している状態で長期間放置し、カラーベスト屋根がボロボロの状態です。カラーベスト屋根の内部に水がしみ込んでしまうと、水分に弱いカラーベスト屋根は、膨張し、徐々に破損していきます。この状態で塗装工事を行ったとしても、劣化により素材自体の表面が薄くなっていますので、塗装自体が意味のないものになります。

初期の状態であれば、カラーベスト屋根の強度がある程度残っていますので重ね葺きによるメンテナンスも選択することができますが、さらに放置し、大きな反りや劣化が発生してしまうと、上から重ねて葺くこともできなくなります。そうなった場合は、葺き替えによるメンテナンスしか取れなくなってしまいます。

コロニアル屋根を塗装するタイミング

 コロニアル屋根はその設置時期によって様々な種類があります。

  • 昭和54年から平成13年までは、ニューコロニアルという商品で、メンテナンス時期は建築後30年から35年と言われています。また、メンテナンスの方法もカバー工法によるリフォームとされており、塗装とはされていません。このニューコロニアルは、アスベストが使用されているコロニアルで、非常に耐用年数が長いのが特徴ですが、しっかりメンテナンスしていなければ、大量のコケが発生する特徴があります。コケの発生を抑えるためには塗装を行わなければならず、このコケの量が塗装を行うタイミングといえます。ニューコロニアルは、アスベストが含まれているため、処分には高額な費用が発生します。そのため、塗装を含めてしっかりとメンテナンスを行い、少しでも長く使えるようにしておく必要があります。
  • 次に、平成13年に販売されたコロニアルNEOですが、こちらは現在生産が中止となっています。このコロニアルNEOは、アスベストが規制された直後に作られたコロニアルで、メンテナンス時期は20年程度と言われています。アスベストが含まれていないことから、耐用年数は大幅に落ちており、10年程度で屋根先の毛羽立ちや変色、ヒビの発生が生じてきます。ですので、塗装を行うタイミングは、それら不具合が生じてきたころと言うことになります。
  • 最後に、現在販売されているコロニアルクァッドですが、こちらは製品に改良が加えられており、メンテナンス時期は建築後30年程度とアスベストを含むニューコロニアルと同程度の耐用年数が実現できています。現在、主に利用されているコロニアル屋根はコロニアルクァッドとなっています。しかし、耐用年数が長くてもコケやカビが生えやすいということに変わりはありませんので、それらによって美観が損なわれたときが塗装のタイミングであるといえます。

コロニアル屋根の塗装のポイント

コロニアル屋根は他の屋根材と同様の塗装を行ってしまうと、問題が生じてしまいます。そのため、コロニアル屋根を使用している場合は、コロニアル屋根の塗装手順に従って塗装を行う必要があります。コロニアル屋根の塗装手順は

  1. 洗浄、
  2. 板金処理、
  3. サビ止め塗装、
  4. シーラー塗装、
  5. タスペーサーによる通気性の確保、
  6. 塗料の中上塗り

という手順になります。この内、タスペーサーによる通気性の確保がコロニアル屋根の塗装を行う上でのキーポイントとなります。

コロニアル屋根は板状の屋根材を重ね合わせて作られていますので、屋根材と屋根材の間にしっかりと通気口を確保して置かなければ、入り込んだ雨水等が逃げる場所がなくなり、屋根材と屋根材の間に溜まりこんでいきます。こうして溜まった水分は、屋根材を内部から腐食させていき、屋根の劣化や雨漏りの原因となります。そのため、しっかりとタスペーサーによる通気性の確保を行う必要があるのです。

雨漏りになってしまう事例

コロニアルまとめ

コロニアル屋根は、建築された時期によって耐用年数が大きく異なります。しかし、特徴であるカビやコケの生えやすさは、どのコロニアル屋根であっても同様で、美観を保ち、かつ屋根の耐用年数を伸ばそうと思うと、屋根の塗装を欠かすことはできません。コロニアル屋根を塗装するタイミングは、カビやコケの発生をもって塗装を行うという判断でも問題ありませんが、コロニアルNEOについては他のコロニアル屋根よりも耐用年数が低く、10年程度で劣化が始まりますので、この屋根材を使用している場合に限っては屋根の変色や毛羽立ちといった、屋根材の劣化の症状を見落とさないようにしなければなりません。

カラーベストの塗装タイミング

 カラーベストの屋根は、日本瓦の屋根と違い、塗装によって防水性や耐熱性を保っています。そのため、塗装が劣化してしまうと、十分な防水性や耐熱性を得ることができなくなってしまいます。特に防水性が劣化してしまうと、カラーベスト内部に雨などの水分が侵入してしまうこととなり、雨漏りの原因になってしまいます。

また、雨漏りまでいかなかったとしても、屋根内部の木材が水分を吸収してしまい、腐食してしまうこともありますので、カラーベストの屋根は定期的に塗装を行う必要があります。

屋根塗装 カラーベスト

 一般的には、カラーベストの再塗装は使用する塗料にもよりますが、一般的なシリコン塗料で8年~10年程度といわれています。ただし、外壁と違って屋根を間近で見る機会はそれほど多くありませんので、そのタイミングは非常につかみづらく、状況によっては10年以内に雨漏りしてしまうケースもあり得ます。例えば、前回塗装を行ってから10年を経過していなかったとしても、屋根に色むらや色あせがある場合、カビやコケが見える場合、塗装が剥げているように見える場合は、早めに塗装を検討するのがおすすめです。

カラーベストの塗装

 カラーベスト屋根は、塗装による塗膜によって防水性や耐熱性を維持しています。そのため、塗装が劣化してしまうと、防水性や耐熱性が大幅に低下してしまい、雨漏り等の原因となってしまいます。塗装が劣化した場合は、カラーベスト屋根の塗装を行うことで、防水性や耐熱性を高める必要があります。外壁などの塗装と同じく、得られる防水性や耐熱性、耐候性については、使用する塗料によって大きく変化しますが、後ほど説明する張替えに比べると、安価に実施できるメンテンナンスとなっています。通常、カラーベスト屋根の塗装の間隔は、10年程度といわれていますが、塗装の劣化状況によっては、それよりも早く塗装工事を行う必要があります。しかし、そのタイミングが非常に分かりづらいという問題があります。

 カラーベストの塗装が劣化したときに、塗装工事を行って防水性、耐熱性を取り戻すメンテナンスは、長くカラーベストを使用するうえで重要なメンテナンスになります。しかし、劣化してしまったカラーベストの耐久性までを復元することはできませんので、カラーベストの劣化が進む前に、定期的に塗装工事を行うことをお勧めします。

カラーベスト 高圧洗浄 注意

 カラーベストの塗装を行う場合、使用する塗料によって耐久性は大きく異なります。例えば、安価なウレタン塗料を使用した場合、1回あたりのコストは安く済みますが、耐用年数が5年~8年程度しか持ちません。一方、単価が高い断熱塗料を使用した場合には、1回あたりのコストは高いものの15年~20年という長期間の耐久性を有しています。

現在、ヨコイ塗装がおすすめしているのは、無機塗料で、10年~15年という耐久年数がります。屋根は紫外線などの影響で劣化が激しいので、高性能な塗料をおすすめしています。

カラーベストの張替えタイミング

 カラーベストは、塗装を行うことで防水性や耐熱性を取り戻すことはできますが、それはカラーベスト自体に問題が生じていない場合に限ります。カラーベストそのものに、ひび割れなどの劣化が生じている場合には、カラーベストの張替えという工事が必要になります。

カラーベスト

 カラーベストの張替えは、古いカラーベストを取り除き、新しいカラーベストに張り替える「葺き替え」と、古いカラーベストの上から新しいカラーベストを張る「重ね葺き」という方法がありますが、いずれもカラーベストそのものが劣化し、そのまま使用できない場合に実施することになります。そのため、タイミングとしてはカラーベストのひび割れを発見した場合、ズレやゆがみを発見した場合となります。それらの症状は、環境によって左右されるため、明確に何年程度と示すことができません。

カラーベストの張替え

カラーベスト屋根が劣化した際には、張替えを行うことができます。張替えとは、新しいカラーベスト屋根に張替える工事のことを言い、重ね葺きと葺き替えの2通りの方法があります。重ね葺きは、古いカラーベスト屋根の上から新しいカラーベスト屋根を張る張替え方法で、葺き替えに比べると、古いカラーベスト屋根の撤去が必要ない分、安価に、また、短期間で工事を行うことができます。しかし、屋根全体が2倍の重さとなるため、軽量であるメリットが損なわれ、耐震性が低下します。

一方、葺き替えは古いカラーベスト屋根をすべて撤去し、新しいカラーベスト屋根を張る張替え方法になります。重ね葺きと違い、古いカラーベスト屋根をすべて撤去するため、費用と工期が必要となりますが、全く新しい屋根になりますので、新築の時と同様の防水性能を発揮することができます。しかし、古い屋根をすべて撤去する際に、職人さんの腕や環境によって内部に雨が入り込みやすくなってしまいます。

 カラーベストの張替えは、葺き替えか重ね葺きかによって、その結果が大きく異なります。

 葺き替えの場合、古いカラーベストを撤去して新しいカラーベストを張りますので、コストが高くなるというデメリットがあります。しかし、カラーベストの下のルーフィングや野地板のメンテナンスも同時に行うことができますので、それらに劣化が生じた場合は、早期発見を行うことができます。また、重量もこれまでとは変化しませんので、耐震性能が低下する心配もありません。

 一方、重ね葺きの場合、古いカラーベストの上から新しいカラーベストを張るため、2倍の重量が必要になってきます。重量が増えると耐震性が低下してしまいますので、葺き替えに比べると、耐震性能が低下してしまうことになります。しかし、古いカラーベストを取り除かない分、コストは安く抑えることができ、また単純に屋根が2層になるとことなので、雨漏れの心配も減ってきます。ただし、古いカラーベストの劣化状況がひどい場合には、重ね葺きができない場合があります。

 葺き替えと重ね葺きには、それぞれメリットとデメリットがありますが、カラーベストが劣化した場合には、今後のメンテナンスや耐久性を考慮し、葺き替えを行うことをお勧めしています。。

スレート屋根(カラーベスト)塗装工事の注意点|扶桑町の外壁リフォーム【ヨコイ塗装】

ご自宅の外壁塗装をリサーチをしている人、

  • 「屋根のフッ素塗装はどんな塗料がオススメ?」
  • 「どこのメーカーが良いの??」

こういった疑問に答えます。

屋根も建物を守る外壁の一部ですが、視線よりもかなり上にあるため、外壁ほど美観については気になさらない方が多いようです。しかし、外壁塗装工事が美観のためだけでなく、外壁の保護をメインとしたメンテナンスであるように、屋根の塗装工事についても、屋根のメンテナンスが主たる目的となります。そのため、なかなか見える機会が無いからと放置するのではなく、きちんと定期的に塗装を行う必要があります。

今回は、屋根に対する塗装工事の必要性と、その効果についてご説明いたします。

カラーベスト屋根に塗装は必要? 地震に強い、軽くて丈夫な屋根として人気を集めているカラーベストの屋根材は、吸水率が非常に低く、物性面の変化も殆ど無いという特徴があります。その為、カラーベストの屋根材にはメンテナンスが要らないという方もいらっしゃいますが、本当でしょうか?

カラーベスト屋根の塗装の必要性

 カラーベスト屋根は、丈夫で吸水率が低いため、メンテナンスの手間が非常に少ないという特徴があります。そのため、全くメンテナンスが要らないかと聞かれれば、メンテナンスは必要という回答になりますが、他の屋根材に比べると、そのスパンはとても長くなります。カラーベスト屋根を取り扱っているメーカーでは、30年間相当の経年試験を行っても、耐久性に問題はないと言われており、少なくとも30年程度はメンテナンスがなくても問題がないことが多いとされています。

 しかし、30年以上経過したカラーベスト屋根については、適切にメンテナンスを行わなければ、その品質を維持することはできません。耐久度が高いため、通常の屋根のように10年前後でのメンテナンスは不要ですが、全くメンテナンスを行わなくても良いというわけではなく、30年程度を周期としてメンテナンスを行う必要があるのです。(建てた年代や材料によって違いはあります。現在でも新築から10年程度しか、表面の塗膜が持たなくて塗り替えられる方もいらっしゃいます。

また、耐久期間の30年間についても、通常の環境下であった場合で、例年よりも強い紫外線を複数年浴び続けた場合や、台風等の影響で物理的に傷がついてしまった場合などはこの限りではありません。その場合は、修理と併せてきっちり塗装を行って置かなければ、最悪のケースでは、傷口から雨水等が侵入し、雨漏りの原因につながってしまいます。(下の防水シートまで劣化していた場合)

そのため、通常であれば30年程度、特殊な環境下であった場合は、目視で傷や痛みを確認し、問題があればその都度メンテナンスを行っていく必要があります。

カラーベスト屋根の塗装方法

カラーベスト屋根を塗装するためには、

①洗浄、②板金処理、③サビ止め塗装、④シーラー塗装、

⑤タスペーサーによる通気性の確保、⑥塗料の中上塗り

という手順になります。

  1. カラーベスト屋根は、汚れをしっかりと落としておかなければ、塗料がすぐに剥がれてしまいます。そのため、外壁等と同様に、高圧洗浄を行い、汚れやカビ・藻をキレイに除去します。高圧洗浄の後は、しっかり乾燥させて水分を残さないように注意します。水分が残ってしまうと、カラーベスト屋根が水分を弾き、上に塗った塗料を押しのける力として働いてしまいます。
  2. ケレン処理では、傷んだカラーベスト屋根を修復する他、塗料の乗りを良くするために、あえて細かい傷を付けるという目的もあります。細かい傷を付けることで、塗料がしっかりと付着し、剥がれにくく鳴るのです。
  3. カラーベスト屋根の金属部分には、しっかりとサビ止め塗料を塗り、サビによる塗料の剥離を防止します。
  4. 中塗り、上塗りの塗料をしっかりと吸着させるための下塗り塗料を塗ります。これにより、下地を強化する効果も見込めます。
  5. タスペーサーを使用してしっかりと縁切りを行います。これによって、屋根材と屋根材の間にしっかりと通水路を確保します。シーラー塗装を行った後、通水路を確保しないまま作業を行ってしまうと、カラーベスト同士が密着してしまい、雨水が流れ落ちる場所がなくなり、雨漏りの原因となりますので、しっかりと通気性を確保する必要があります。
  6. ご指定のカラーで中塗り・上塗りを行います。使用する塗料によって耐久年数や効果に変化がありますので、使用する塗料はしっかりと選択してください。

また、30年という長い耐用年数についても、その期間は問題がない可能性が高いというだけで、30年間放置していても絶対に大丈夫かと言われれば、そうではありません。

台風等の災害や建っている家の環境によって耐用年数は変動してしまいます。長い耐用年数があるからと放置しておくのではなく、定期的に問題がないか確認し、問題があれば早期対応を行うことで、今以上に家を長持ちさせることができます。

さらに、可能であれば、耐用期間内であっても定期的にメンテナンスを行うことで美観を維持するとともに、屋根材にかかる負担を軽減することもできますので、定期的なメンテナンスを行うことをおすすめします。

塗料による効果

 屋根の塗装工事に使用する塗料の種類によって、遮熱や断熱の効果は大きく差があります。また、耐久性も塗料の種類によって、異なっています。

  1.  ウレタン系塗料は価格としては最もお手頃な価格ですが、遮熱効果、断熱効果ともに期待できません。また、耐久性は5年~7年と言われています。
  2.  シリコン系遮熱塗装は、シリコン系塗料に遮熱効果が付いたもので、その分、若干値段が上がっています。しかし、このシリコン系遮熱塗料が最もオーソドックスな価格帯となっています。機能としては、シリコン系塗料に遮熱効果が加わり、耐久性が7年~10年に伸びているという特徴があります。
  3.  フッ素塗料は比較的耐久性の高いフッ素系塗料に遮熱効果を加えたもので、シリコン系遮熱塗料に比べて、値段が高価になっています。その分、耐久性が10年~15年と比較的長くなっています。
  4.  無機塗料はフッ素系塗料よりもさらに耐久性の高い無機系塗料に遮熱効果を付けた塗料で、これまで紹介した塗料の中で最も高価な塗料となっています。その分、耐久性能は非常に高く、15年以上持つといわれています。

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屋根をフッ素で塗装するなら外壁はシリコンにした方が良いです。

なぜなら屋根は紫外線や雨が直接あったりかなり塗膜にとっても劣悪な環境だからです。屋根と外壁を同じ風子で塗装をすると屋根だけ劣化が早く年数を経った時に見たらとても見苦しいような状態になると思います。屋根壁を同じフッ素で塗装するならば、屋根を抜きで塗装をして外壁をシリコンで塗装すると言うようなバランスをとり、価格面でも同じ位のレベルにもっていくことができます。屋根にはとにかく良い材料を使ったほうがいいです。シリコンよりもフッ素、フッ素よりも向き。水性塗料よりも溶剤系の塗料の方をお勧めします。実際に体感としましては、シリコン塗料での塗装は7から8年で色あせが見られているような感じを受けます。 屋根と外壁で塗り替えスパンを備えることが大切です

□よくある質問:遮熱塗料はどれぐらい効果があるのですか?

職人の体感としてお答えします。夏場の炎天下の時に遮熱塗料を施行すると実際に効果はあるように感じます。なぜなら遮熱塗料を塗る前は地下足袋裏に熱が伝わると10秒も同じ場所に立っていられないような感じですがしかし遮熱塗料を塗った後は同じ場所に足を置いていられるような感覚です。ただ実際住んでみての感覚は異なるようです。遮熱塗料を屋根を屋根に塗装するよりも、窓をいろいろな工夫したほうが効果が高いと思います。二重窓にしたり遮熱コートを塗ったり手段はいろいろありますが、米よりはかなり涼しくなります。ヨコイ塗装でも、東京で窓ガラスコーティングを体感したのですがかなり涼しく感じました。

https://www.asucurin.co.jp

屋根のと塗料メーカーとしては昔から水谷ペイントさんが有名です。

メーカーさんにも特徴があり、橋梁の塗料なら大日本塗料さんのように得意な部分があるようです。僕の父親やパートナーの職人さんのような経歴のある方は「やっぱり屋根の塗料と言えば水谷ペイントだよね」と言う話は聞きます。

ただ実際のヨコイ塗装が屋根のメイン塗料に使用しているのは、KFケミカルさんのワールドセラルーフになります。

http://www.k-fine.co.jp/paint/paint04/

理由としましてはやっぱり屋根には、1番耐久性の良いものを使いたいと言うこと。無機塗料の中で1番の実績があると言うことで「ワールドセラルーフ」を採用しています。

結論、屋根の塗装ではとにかく高耐久のものを使ってもらいましょう。そしてもし遮熱板との提案がありましたらそこまでの効果がありませんので、それでしたらトリオのグレードを上げていただいた方がお勧めです。もし夏の暑さ対策などを考えているのでしたらば、まずは窓の二重窓にすることをお勧めします。その他の注意点としまして、屋根のカラーベストを塗装する際の大切なことをにてん紹介します。1つ目は雨漏り防止に関わる「俺切り作業」。2つ目は下法の重ね塗りになります。YouTube動画を参考に下記に貼っておきますのでもしよろしければご覧ください。屋根塗装では俺切り作業はもちろんのこと、下塗りを塗り重ねることもとても大切になってきます。

カラーベストの破損、ひび割れについて

 カラーベストは、軽量かつ強度が高い屋根材として人気がありますが、それでもひび割れが発生してしまうことがあります。カラーベストがひび割れする主な原因は、以下の通りとなります。

屋根塗装 劣化激しい カラーベスト

①経年劣化によるもの

 強度の高いカラーベストであっても、15年~20年と時間が経つにつれ、劣化してひび割れが発生することがあります。経年劣化によるひび割れは完全に防ぐことはできませんが、定期的に屋根の塗装を行うことによって、素材を塗膜で厚くしたり保護膜を作ることで、ひび割れを予防することが可能です。

②物がぶつかった衝撃による破損

台風や強風などによって飛ばされた枝などが当たってしまうことによっても、カラーベストが破損してしまうことがあります。

③釘を打ち込む際の破損

新築時や屋根材の葺き替えの際、カラーベスト屋根を施工する際に、適切な工事を行わなかったことにより破損するケースです。通常、下穴を開けてから釘を打ち込むという工法を行い、カラーベストが破損しないように工事を行うのですが、一部の業者では、この工法を行わずにカラーベストの葺き替え等を実施するため、カラーベストに負荷がかかって破損してしまいます。残念ながら、カラーベストの破損で最も多いのがこのケースとなっています。

④水切りなどの役物周りの破損

 水切りなどの役物付近のカラーベストの上に乗ってしまうことで破損してしまうケースです。これは、水切りなどの役物周りに設置されたカラーベストは、その構成上、若干ういた状態で設置されています。そのため、その上に乗ってしまうと、カラーベストが重さに耐えきれず破損してしまうことになります。アンテナの工事などで不用意に屋根に乗った際に破損するケースが非常に多くなっています。

カラーベストが破損した場合の影響

屋根材には、雨水等が建物の内部に侵入しないよう、防止する役目があります。カラーベストが破損してしまうと、その部分が隙間となり雨水が建物の中に侵入しやすくなってしまいます。そのままカラーベストの破損を放置してしまうと、その部分から雨水が侵入し続け、カラーベスト劣化促進の原因となってしまいます。(カラーベスト下には防水シートがあるので、すぐすぐ大惨事には至らないです)そのため、カラーベストが破損した場合には、なるべく早めの補修が必要となります。しかし、カラーベストの破損は、屋根に登らなければ確認することができません。そのため、定期的に建物のメンテナンスとして外壁塗装を行うことを前提として、外壁塗装を行う際にカラーベストの破損状況を確認し、その補修を行うのがコスト面からも一般的です。

カラーベストの補修

 カラーベストが破損した場合は、その補修を行うか、新しいカラーベストに交換するかのいずれかの方法を取ります。基本的には、破損したカラーベストを使用し続けずに、カラーベストの交換を実施しますが、破損状況によっては補修を行うことで本来の性能に回復させることも可能です。

しかし、カラーベストの補修を行うためには、カラーベストの補修専用の補修材が必要になります。一部の業者では、カラーベストの補修を行う際に、シーリング剤を使用することがありますが、シーリング材はカラーベストの補修を行うために開発されたものではないため、その強度、耐久性に問題があります。そのため、シーリングで補修したカラーベストと、専用の補修材で補修したカラーベストとでは、再度、破損するまでの期間が大きく異なります。

参考:シリコンコーキングの耐熱温度はどれぐらいか?

ヨコイ塗装のカラーベストの補修方法

 ヨコイ塗装では、「タスマジック」を採用しております。

カラーベストの破損状況によって、カラーベストの交換を行うか、補修を行うかを、プロの視点でしっかり確認します。そのうえで、カラーベストの補修を行うと選択した場合は、プロ向けのカラーベスト補修材を使用し、カラーベストの交換を行ったのと同じような効果を持つ補修を実施しています。

 ヨコイ塗装の使用している補修材は、浸透型補修材ですので、カラーベストの表面だけが補修されているように見えるという状態ではなく、しっかりと内部まで補修材が浸透し、しっかりとくっつけることが可能です。また、内部まで浸透することによって、補修跡が殆ど目立ちませんので、カラーベストに求められるデザイン性についても、大きく損なうことはありません。さらに、通常、カラーベストを補修した場合には、補修部分が再度破損する可能性が高いのですが、ヨコイ塗装で使用している補修材は、補修箇所の強度を向上させ、再度の破損を予防することができます。

屋根塗装工事の下地処理

下地処理が大変だった事例:後始末が大変でした・・・(泣)

トタンの釘を打ち直してもらいましょう

洋瓦屋根の塗装工事について

しっかりと高圧洗浄して汚れを落としてから、浸透力の強いシーラーで固めることが大切です。ボソボソのビスケットをイメージしてください。そちらに何か塗ってもすぐ剥がれますよね。まずはビスケットを強固に固めることが大切です。

冬季の屋根塗装によくある塗装事故

外壁塗装には、建物のメンテナンスと、美観を良くするという2つ目的があります。およそ10年に1度の大きな工事ですので、美しい外観にするために艶のある塗料を使用される方も多くいらっしゃいます。

 しかし、艶ありの塗料を使用したにも関わらず、思ったよりも光沢が出ないといった「艶引け」と呼ばれるトラブルが発生することがあります。今回は、そんな「艶引け」と呼ばれるトラブルについて、ご紹介いたします。

艶引けとは

 艶引けとは、艶のある塗料を使用したにも関わらず、短時間のうちに艶が失われる現象のことを言い、塗装が失敗している状態のことを指す言葉です。艶引けは、環境的な要因だけではなく、人為的な要因もありますので、塗装業者の技術不足によって発生する可能性も考えられるトラブルとなります。

艶引けが発生する原因

 艶引けが発生する原因は非常に多岐に渡ります。

第1に外壁材に問題がある場合で、外壁材の劣化により、下塗りしたときに、下塗り用の塗料を吸い込みすぎてしまい、下塗りの塗膜がうまく塗れていない場合や、外壁材の表面がザラザラで荒すぎる場合(研磨不足や研磨が荒すぎる場合)、研ぎムラや研ぎ残しがある場合に艶引けが発生します。これらは、塗装業者が、下地処理や下塗りをしっかりと行うことで防止ができます。

第2に塗料に問題がある場合で、塗料の配合や分散に問題がある場合や、塗料の硬化剤が不足している場合、塗料が古くなっている場合などで、艶引けが発生する可能性があります。こちらは、塗料メーカーの指定する配合や溶剤を使用することで防止することができます。

第3に環境的に問題がある場合で、気温が低すぎる場合(5℃未満の場合)や、湿度が高すぎる場合、塗装した直後(乾燥していない状態)で雨が降ってしまった場合などに艶引けが起こる可能性があります。

第4に塗装方法に問題がある場合で、下塗り塗料や中塗り塗料がしっかり乾燥していない状態で塗装した場合や乾燥時間が長すぎた場合、塗膜が薄すぎる場合、逆に塗膜が厚すぎる場合などの場合に艶引けが発生する可能性が高まります。

艶引けを発生させないための対策

 艶引けを発生させないためにできることは、スキルの高い塗装業者を見つけることと、外壁塗装を行う時期を検討するという2点になります。艶引けが発生する要因の大半は人為的な要因にあります。例えば、外壁材の問題についても、下地処理をきちんとこなし、劣化している外壁材を修復することで、下塗り用の塗料の吸い込みすぎを防止することができますし、外壁材が塗料を吸い込みやすいのであれば、塗料を吸い込みやすい外壁用の下塗り塗料を使用することによっても艶引けを防止することができます。(下塗りを場合によっては3回塗ることもあります。)

また、外壁材の研磨は下地処理の基本となりますので、高い技術を有する塗装業者であれば、この点がおろそかになることはありません。また、塗料に関する問題も、塗料の配合や分散、硬化剤の量などは、メーカーが量を指定しており、その基準値内で使用すれば問題は発生する可能性は非常に低くなります。一般的に悪徳業者といわれる業者は、費用を下げるために塗料を希釈しすぎる場合や質の悪いシンナーを使用する場合があり、その場合に艶引けが発生する可能性が高くなります。

塗装方法に関しても、しっかりとした乾燥時間を確保することは、塗装を行う上で非常に重要なポイントですが、少しでも時間を短縮して費用を下げようとする業者では、乾燥時間を十分に確保せずに中塗りや上塗りを実施してしまいますので、艶引けが発生する可能性が非常に高くなってしまいます。

環境に関しては、自然の問題ですのでスキルの高い業者や品質のいい業者を選んだとしても、急な雨等によって止む無く艶引けが起こってしまう可能性があります。しかし、品質を大切に考える業者であれば、急な雨によって塗装が中断された場合は、その部分を再塗装するなどして、しっかりと品質を高めるのに対し、質の悪い業者は雨の中、塗装を継続したり、中断したとしても再開するのは中断した場所からで、特に再塗装を行わないというところもあります。

また、温湿度に関しても、品質を重視する業者の場合は、塗装を行う問題点を説明することで、時間をズラしたり、日を改めるといった対策を取りますが、質の悪い業者は、温度が低かろうが、湿度が高かろうが、塗装を行ってしまい、艶引けが発生してしまいます。

艶引けは、様々な原因で発生してしまいますが、いずれも塗装業者がしっかりと対策をとることによって防止することができます。しかし、塗装業者が対策をとるために、コストが発生してしまいますので、少しでもコストを下げて外壁塗装を行おうとする業者は、これらの対策にかかるコストをかけないことが多いようです。その結果、艶引けという美観を損なう状況になってしまうのです。