張り替え

カラーベストの塗装と張替えはどのタイミングで?

カラーベストは、セメントとけい砂、それに繊維を原料とした屋根材で、「化粧スレート」と呼ばれる屋根材のとある商品名を指しますが、最近ではカラーベストといえば「平型化粧スレート」のことと言われるほど定着しています。ホッチキス(商品名)とステープラのような関係ですね。カラーベスト屋根は、ケイミューというメーカーが販売している化粧スレート屋根の総称で、コロニアル・クァッド、コロニアル・グラッサ、コロニアル・グランデグラッサといった通称「コロニアル」シリーズが非常に有名です。カラーベスト屋根は、施工性がよく、価格も安いことから、最近の住宅には多く取り入れられている屋根材となっています。

 今回は、カラーベストのメンテナンスについて、ご説明いたします。

カラーベストの劣化について

劣化したカラーベスト

カラーベストとアスベスト

 以前、「アスベストは危険だ」というニュースが流れ、アスベストの使用に制限がかけられたことを記憶されている方も多いかと思います。カラーベストは、昭和36年ごろから販売されており、当時はアスベストについては問題視されていませんでした。そのため、2006年頃までに販売されたカラーベストにはアスベストが含まれていますが、それ以降に販売されたカラーベストには含まれていません。そのため、カラーベストの劣化を見つけた際、そのメンテナンスを行う際には、もしアスベストが含まれているカラーベストを使用していた場合、アスベスト対策が必要になるという点について、注意が必要です。

カラーベストの寿命

 カラーベストの寿命はおおむね20年と言われています。ただし、アスベストの有無や使用環境によって、それよりも早く劣化する場合もあれば、30年程度持つといった事例もありますので、20年はある程度の目安として捉える必要があり、実際にはカラーベストの劣化状態を見ながら判断することになります。

カラーベストの劣化

 カラーベストが劣化しているという状態は、主に3つに分類することができます。

 

峰のトタン抑えの釘は大体浮いてきます
  1.  カラーベストが劣化し、割れてしまっている状態です。カラーベストの下にはルーフィングという防水材が入っているため、カラーベストが割れたからすぐに雨漏りにつながるというわけではありませんが、屋根材の内部に水分が侵入することに変わりはありませんので、ルーフィングの劣化を早めることにつながり、最終的に雨漏りの原因となります。カラーベストが割れる原因としては、台風や強風など、風によって運ばれてきた飛来物などの物理的な接触で割れてしまうケースと、経年劣化で割れるケースの2通りあります。カラーベストは、材料をセメントで固定している屋根材になりますので、少なからず屋根材の中に水分が含まれています。この水分が凍結や融解を繰り返すことによってわずかながら体積の変動が生じ、繰り返し、その状態が続くことによって、素材が耐え切れなくなり割れてしまうのが、経年劣化の原因と言われています。
  2.  カラーベストは割れる以外にも反ってしまうという劣化の状態もあります。原因は経年劣化によってカラーベストが割れることと似ていますが、カラーベストの表面と裏面の温度変化によって、中の素材が伸縮を繰り返していますが、通常はそれでもしっかり密着させるよう作られています。しかし、経年劣化によって、その密着が維持できなくなった場合に、表裏の温度変化によってカラーベストがいびつに伸縮してしまい、それが反りにつながってしまいます。カラーベストが反ってしまった場合にも、その部分から雨水が屋根材の内部に侵入することになりますので、雨漏りの原因となってしまいます。
  3.  カラーベストを固定している釘やビスが劣化して外れてしまうことや、地震などによってこの釘やビスが外れてしまうことがあります。それらが1つや2つ、外れてしまったからと言って、すぐに屋根全体が外れてしまうというわけではありませんが、少なくともその釘やビスで固定していた部分にはズレが生じ、カラーベスト同士の接触などによって、カラーベストが割れたり、ひびが入ったりしてしまうケースがあります。また、これらは、自然災害や経年劣化だけではなく、施工した業者の腕が悪かった場合や、手抜き工事が行われた場合にも同様の症状が発生します。そのため、建てたばかりだからと安心して、全くチェックしていなかった場合、カラーベストの劣化に気付かず、雨漏りして初めて気づくといった事象も存在しています。
  4. カラーベストは、基本的に塗装を行って使用します。この塗装は、物理的なカラーベストの劣化を防止することはできませんが、屋根材の強度を増したり、防水性能を増す、大切なメンテナンスとなります。この塗装工事は、おおむね10年に1度、実施することが推奨されていますので、この塗装工事の際に、カラーベストの劣化状況をプロの業者にチェックしてもらうことで、劣化を早期発見し、適切なメンテナンスをとることが可能となります。

 非常に、軽量で丈夫なカラーベストですが、それでも時間やその他の要因によって劣化してしまいます。それを早期発見し、適切な対処を行うことで、建物を長く使い続けることが可能となります。カラーベストのメンテナンスにお悩みの方は、ヨコイ塗装にご相談ください。

参考: カラーベスト・コロニアル

 

屋根は塗膜への環境が厳しいので無機がおすすめ

カラーベスト屋根の張替えと塗装の見極め

 カラーベスト屋根のメンテナンスを行うにあたり、コスト面で考えると①塗装、②重ね葺き、③葺き替え、という順になります。しかし、コストを安く抑えるために塗装を行いたくても、カラーベスト屋根の状態によっては張替えを選択しなければならないというケースもあります。そこで、張替えと塗装、どちらを選択するのか、その見極め方法についてご説明します。

コストが最も低い、塗装を行うためには、既存の屋根材が、そのまま使用できなければなりません。カラーベスト屋根そのものに傷が入っていたり、劣化がひどい状況では選択することができません。あくまで塗装で回復できるのは、表面の塗膜だけであって、屋根材そのものの耐久性を回復させることはできないのです。見た目で判断する基準としては、以下の点が考えられます。

①チョーキング

 塗装が劣化して、触ると白い粉がつく状態です。この症状は、塗装の劣化が原因となりますので、塗装工事を行うことで、本来の性能を取り戻すことができます。チョーキングは、目に見えて塗装の劣化が分かるため、塗装工事を行う1つの判断基準といえます。

②塗膜の剥離

 チョーキングを放置しておくことで、塗装の劣化がすすみ、塗装が剥がれている状態です。この程度までは、なんとか塗装でメンテナンスを行うことができますが、剥離している部分から水分などが入り込み、屋根材にダメージを受けている可能性があります。(下に防水シートがありますので、躯体に害はありません。)この症状が現れたら、できるだけ早めに塗装を行ったほうが良いでしょう。

③カラーベスト屋根の極度の劣化

 塗膜が剥離している状態で長期間放置し、カラーベスト屋根がボロボロの状態です。カラーベスト屋根の内部に水がしみ込んでしまうと、水分に弱いカラーベスト屋根は、膨張し、徐々に破損していきます。この状態で塗装工事を行ったとしても、劣化により素材自体の表面が薄くなっていますので、塗装自体が意味のないものになります。

初期の状態であれば、カラーベスト屋根の強度がある程度残っていますので重ね葺きによるメンテナンスも選択することができますが、さらに放置し、大きな反りや劣化が発生してしまうと、上から重ねて葺くこともできなくなります。そうなった場合は、葺き替えによるメンテナンスしか取れなくなってしまいます。

コロニアル屋根を塗装するタイミング

 コロニアル屋根はその設置時期によって様々な種類があります。

  • 昭和54年から平成13年までは、ニューコロニアルという商品で、メンテナンス時期は建築後30年から35年と言われています。また、メンテナンスの方法もカバー工法によるリフォームとされており、塗装とはされていません。このニューコロニアルは、アスベストが使用されているコロニアルで、非常に耐用年数が長いのが特徴ですが、しっかりメンテナンスしていなければ、大量のコケが発生する特徴があります。コケの発生を抑えるためには塗装を行わなければならず、このコケの量が塗装を行うタイミングといえます。ニューコロニアルは、アスベストが含まれているため、処分には高額な費用が発生します。そのため、塗装を含めてしっかりとメンテナンスを行い、少しでも長く使えるようにしておく必要があります。
  • 次に、平成13年に販売されたコロニアルNEOですが、こちらは現在生産が中止となっています。このコロニアルNEOは、アスベストが規制された直後に作られたコロニアルで、メンテナンス時期は20年程度と言われています。アスベストが含まれていないことから、耐用年数は大幅に落ちており、10年程度で屋根先の毛羽立ちや変色、ヒビの発生が生じてきます。ですので、塗装を行うタイミングは、それら不具合が生じてきたころと言うことになります。
  • 最後に、現在販売されているコロニアルクァッドですが、こちらは製品に改良が加えられており、メンテナンス時期は建築後30年程度とアスベストを含むニューコロニアルと同程度の耐用年数が実現できています。現在、主に利用されているコロニアル屋根はコロニアルクァッドとなっています。しかし、耐用年数が長くてもコケやカビが生えやすいということに変わりはありませんので、それらによって美観が損なわれたときが塗装のタイミングであるといえます。

コロニアル屋根の塗装のポイント

コロニアル屋根は他の屋根材と同様の塗装を行ってしまうと、問題が生じてしまいます。そのため、コロニアル屋根を使用している場合は、コロニアル屋根の塗装手順に従って塗装を行う必要があります。コロニアル屋根の塗装手順は

  1. 洗浄、
  2. 板金処理、
  3. サビ止め塗装、
  4. シーラー塗装、
  5. タスペーサーによる通気性の確保、
  6. 塗料の中上塗り

という手順になります。この内、タスペーサーによる通気性の確保がコロニアル屋根の塗装を行う上でのキーポイントとなります。

コロニアル屋根は板状の屋根材を重ね合わせて作られていますので、屋根材と屋根材の間にしっかりと通気口を確保して置かなければ、入り込んだ雨水等が逃げる場所がなくなり、屋根材と屋根材の間に溜まりこんでいきます。こうして溜まった水分は、屋根材を内部から腐食させていき、屋根の劣化や雨漏りの原因となります。そのため、しっかりとタスペーサーによる通気性の確保を行う必要があるのです。

雨漏りになってしまう事例

コロニアルまとめ

コロニアル屋根は、建築された時期によって耐用年数が大きく異なります。しかし、特徴であるカビやコケの生えやすさは、どのコロニアル屋根であっても同様で、美観を保ち、かつ屋根の耐用年数を伸ばそうと思うと、屋根の塗装を欠かすことはできません。コロニアル屋根を塗装するタイミングは、カビやコケの発生をもって塗装を行うという判断でも問題ありませんが、コロニアルNEOについては他のコロニアル屋根よりも耐用年数が低く、10年程度で劣化が始まりますので、この屋根材を使用している場合に限っては屋根の変色や毛羽立ちといった、屋根材の劣化の症状を見落とさないようにしなければなりません。

カラーベストの塗装タイミング

 カラーベストの屋根は、日本瓦の屋根と違い、塗装によって防水性や耐熱性を保っています。そのため、塗装が劣化してしまうと、十分な防水性や耐熱性を得ることができなくなってしまいます。特に防水性が劣化してしまうと、カラーベスト内部に雨などの水分が侵入してしまうこととなり、雨漏りの原因になってしまいます。

また、雨漏りまでいかなかったとしても、屋根内部の木材が水分を吸収してしまい、腐食してしまうこともありますので、カラーベストの屋根は定期的に塗装を行う必要があります。

屋根塗装 カラーベスト

 一般的には、カラーベストの再塗装は使用する塗料にもよりますが、一般的なシリコン塗料で8年~10年程度といわれています。ただし、外壁と違って屋根を間近で見る機会はそれほど多くありませんので、そのタイミングは非常につかみづらく、状況によっては10年以内に雨漏りしてしまうケースもあり得ます。例えば、前回塗装を行ってから10年を経過していなかったとしても、屋根に色むらや色あせがある場合、カビやコケが見える場合、塗装が剥げているように見える場合は、早めに塗装を検討するのがおすすめです。

カラーベストの塗装

 カラーベスト屋根は、塗装による塗膜によって防水性や耐熱性を維持しています。そのため、塗装が劣化してしまうと、防水性や耐熱性が大幅に低下してしまい、雨漏り等の原因となってしまいます。塗装が劣化した場合は、カラーベスト屋根の塗装を行うことで、防水性や耐熱性を高める必要があります。外壁などの塗装と同じく、得られる防水性や耐熱性、耐候性については、使用する塗料によって大きく変化しますが、後ほど説明する張替えに比べると、安価に実施できるメンテンナンスとなっています。通常、カラーベスト屋根の塗装の間隔は、10年程度といわれていますが、塗装の劣化状況によっては、それよりも早く塗装工事を行う必要があります。しかし、そのタイミングが非常に分かりづらいという問題があります。

 カラーベストの塗装が劣化したときに、塗装工事を行って防水性、耐熱性を取り戻すメンテナンスは、長くカラーベストを使用するうえで重要なメンテナンスになります。しかし、劣化してしまったカラーベストの耐久性までを復元することはできませんので、カラーベストの劣化が進む前に、定期的に塗装工事を行うことをお勧めします。

カラーベスト 高圧洗浄 注意

 カラーベストの塗装を行う場合、使用する塗料によって耐久性は大きく異なります。例えば、安価なウレタン塗料を使用した場合、1回あたりのコストは安く済みますが、耐用年数が5年~8年程度しか持ちません。一方、単価が高い断熱塗料を使用した場合には、1回あたりのコストは高いものの15年~20年という長期間の耐久性を有しています。

現在、ヨコイ塗装がおすすめしているのは、無機塗料で、10年~15年という耐久年数がります。屋根は紫外線などの影響で劣化が激しいので、高性能な塗料をおすすめしています。

カラーベストの張替えタイミング

 カラーベストは、塗装を行うことで防水性や耐熱性を取り戻すことはできますが、それはカラーベスト自体に問題が生じていない場合に限ります。カラーベストそのものに、ひび割れなどの劣化が生じている場合には、カラーベストの張替えという工事が必要になります。

カラーベスト

 カラーベストの張替えは、古いカラーベストを取り除き、新しいカラーベストに張り替える「葺き替え」と、古いカラーベストの上から新しいカラーベストを張る「重ね葺き」という方法がありますが、いずれもカラーベストそのものが劣化し、そのまま使用できない場合に実施することになります。そのため、タイミングとしてはカラーベストのひび割れを発見した場合、ズレやゆがみを発見した場合となります。それらの症状は、環境によって左右されるため、明確に何年程度と示すことができません。

カラーベストの張替え

カラーベスト屋根が劣化した際には、張替えを行うことができます。張替えとは、新しいカラーベスト屋根に張替える工事のことを言い、重ね葺きと葺き替えの2通りの方法があります。重ね葺きは、古いカラーベスト屋根の上から新しいカラーベスト屋根を張る張替え方法で、葺き替えに比べると、古いカラーベスト屋根の撤去が必要ない分、安価に、また、短期間で工事を行うことができます。しかし、屋根全体が2倍の重さとなるため、軽量であるメリットが損なわれ、耐震性が低下します。

一方、葺き替えは古いカラーベスト屋根をすべて撤去し、新しいカラーベスト屋根を張る張替え方法になります。重ね葺きと違い、古いカラーベスト屋根をすべて撤去するため、費用と工期が必要となりますが、全く新しい屋根になりますので、新築の時と同様の防水性能を発揮することができます。しかし、古い屋根をすべて撤去する際に、職人さんの腕や環境によって内部に雨が入り込みやすくなってしまいます。

 カラーベストの張替えは、葺き替えか重ね葺きかによって、その結果が大きく異なります。

 葺き替えの場合、古いカラーベストを撤去して新しいカラーベストを張りますので、コストが高くなるというデメリットがあります。しかし、カラーベストの下のルーフィングや野地板のメンテナンスも同時に行うことができますので、それらに劣化が生じた場合は、早期発見を行うことができます。また、重量もこれまでとは変化しませんので、耐震性能が低下する心配もありません。

 一方、重ね葺きの場合、古いカラーベストの上から新しいカラーベストを張るため、2倍の重量が必要になってきます。重量が増えると耐震性が低下してしまいますので、葺き替えに比べると、耐震性能が低下してしまうことになります。しかし、古いカラーベストを取り除かない分、コストは安く抑えることができ、また単純に屋根が2層になるとことなので、雨漏れの心配も減ってきます。ただし、古いカラーベストの劣化状況がひどい場合には、重ね葺きができない場合があります。

 葺き替えと重ね葺きには、それぞれメリットとデメリットがありますが、カラーベストが劣化した場合には、今後のメンテナンスや耐久性を考慮し、葺き替えを行うことをお勧めしています。。

軒裏の塗装工事について|扶桑町の外壁リフォーム【ヨコイ塗装】

軒裏(軒天)とは

 軒裏・軒天とは、屋根の真下部分にある壁の事で、屋根の裏の部分を指します。軒裏、軒天は、同じ部分を指しています。最近の住宅では、建築主や家主の意向によって、軒裏を設けていないケースが増加傾向にありますが、もともと軒裏は家を守るために設置していたもので、あることで受けられるメリットや、デメリットがあります。

メリットの1つは、隣家で火災が発生した場合に、その延焼を防止する効果があることです。使用する頻度は高くありませんが、万一に備えた機能となっています。そのため、軒裏には、準防火地域の木造2階建ての場合、30分以上の耐火時間が必要というように、一定基準を満たす防火性能が求められています。

次に、屋根裏の換気ができるというメリットもあります。屋根裏を換気することで、屋根裏内の結露を防止し、家が苦手とする湿気から守ることができます。

しかし、軒裏にもデメリットがあります。それは、軒裏自体が経年劣化するため、きちんとメンテナンスを行わなければならないという点です。ここでは、軒裏の劣化の判断基準と、メンテナンス方法についてご紹介します。

軒裏の役割

軒天には、主な役割には以下の2つがあります

  1. 見た目を整える  軒をきちんと出した家では、軒天の色選びも家のイメージを左右する大切な要素になっています。もし軒天が無いと、地上から見ると屋根裏の野地板や垂木が丸見えになってしまい、そのままだと見栄えはよくありません。それらを隠すためにも軒天が貼ってあります。壁の色に揃えれば壁の延長として、のびやかな印象になります。住まいのイメージにあわせて、外壁材や屋根材の配色を、トータル的にコーディネートしましょう。
  2. 延焼対策  火事の時に窓から炎が上がった場合、すぐに軒までに炎が達しますが、防火の観点から、軒天は現在ケイカル板がメインに使われています。屋根裏までの一気の延焼を食い止めます。

軒裏の劣化

 軒裏も建築物の一部ですので、外壁や屋根と同様に劣化します。その軒裏の劣化については、以下の症状があります。

  1. 色褪せ  軒裏は、直接紫外線が当たる場所ではありませんので、その速度は緩やかですが、照り返し等の原因で色褪せが発生します。しかし、色褪せそのものは、軒裏の色の問題であるため、軒裏の機能としては、まだ問題はありません。
  2. はがれ  軒裏に合板や化粧板を使用している際に発生しやすい現象で、表面だけが剥がれている場合から、軒裏の板がはがれている場合まで、様々な状態があります。表面だけが剥がれている場合であれば、きっちり剥がれている部分を剥がし切って、きれいにしてから塗装工事することで補修はできますが、比較的内部まで剥がれが進んでしまうと、塗装だけでは補修することができません。無理に塗装を行っても、板の剥離に伴って、せっかく塗った塗料もボロボロに剥がれてしまい、汚く見えてしまう上に、塗装の効果が得られません。そのため、軽度な剥がれ以外の場合は、軒裏の張り替えを検討する必要があります。
  3. シミ  軒裏は、基本的には屋根がきちんと排水できている限り、シミは発生しません。軒裏にシミが発生するのは、屋根で排水しきれずに、家の内側に雨水が入り込み、そこから軒裏に入り込んでくる場合です。つまり、一旦家の中にまで入り込み、そこからさらに移動しているということは、家の中で雨漏りする可能性が非常に高い状態ということです。軒裏でシミを発見した場合は、すぐに業者に調査を依頼する必要があります。
  4. 藻・カビの付着  藻やカビの発生についても、軒裏に湿気が含まれているという点で、シミと同様に注意が必要です。しかし、シミとは違い、少しの湿気や雨水でも発生するため、シミほど緊急性は高くありません。屋根や軒裏できっちり排水ができているか、しっかり確認しておく必要があります。
  5. 部品の欠落、穴あき  劣化によって、部品が落下したり、軒裏に穴が開いてしまっている状態です。このまま放置してしまうと、部品の穴や劣化による穴に虫や小動物、鳥などが入り込み、内側から家を破壊してしまう可能性があります。そのため、できるだけ早く対応する必要があります。

軒裏のメンテナンス

塗装

 軒裏に目立った大きな劣化がないうちに、定期的に塗装を行っておくことで、軒裏の耐久年数を伸ばすことができます。

劣化状態の「①色褪せ」の場合や、「②剥がれ」の中でも軽傷なものについては、塗装で補修することができます。

塗装工事を行う場合は、しっかりと軒裏の汚れを取り、剥がれなどもきれいに処置してから塗り始めなければ、汚れの上や剥がれかけている板の上から塗ることとなり、塗装による補修の効果は見込めません。塗装工事を行うことにより、軒裏に塗膜ができ、外部からの湿気や雨水から軒裏を守ることができます。

ヨコイ塗装が軒天に使用するメイン塗料

日本ペイント「ノキテンエース」

  • 省工程
    改修塗装時に旧塗膜が活膜の場合には、シーラー塗装工程が不要で、上塗り塗料を直接塗装することが可能です。
  • 厚膜性
    ローラーでの厚膜仕上げが可能なことから、旧塗膜剥離箇所の不陸を緩和します。
  • 透湿性
    塗膜には透湿性がありますので、背面からの水分の影響を緩和し、膨れや剥離を抑制します。
  • 微弾性
    微弾性塗膜なので、下地のヘヤクラックを抑制します。
  • 高耐久性
    水性反応硬化形なので、各種旧塗膜への密着性に優れ、一般水性塗料と比較し、優れた耐久性を発揮します。
  • 防藻・防かび性
    藻やかびの発生を抑制し、建物の美観を維持します。

【塗り重ね時間】

  • 5−10度 5時間以上
  • 23度 2時間以上
  • 30度 1時間以上

日本ペイントさんより

となっています。寒い時期は、下請けの業者さんだと、ハウスメーカーさんから納期を迫られることもあります。忙しくなって職人さんがしっかりと乾燥時間を守ってくれるかどうかも、塗膜の適切な品質さを保つ上で重要です。しっかりと見積もり時に確認してみてくださいね。

配色については、しっかりとした白色は、綺麗ですが、砂埃等の汚れが目立ってしまいます。あまりに汚れが気になるようでしたら、少し色味をぼかして、目立たないようにするのも良いです。

張り替え

 塗装工事だけでは補修がしきれないほど劣化している状態である場合は、軒裏の板を張り替える必要があります。

この場合、劣化している一部分だけを張り替えるのではなく、全面張り替えなければ、張り替え前後の部分で劣化の速度が異なり、すぐに他の部分が劣化してしまいます。その都度、補修をしていると、時間もコストも無駄にかかってしまうため、軒裏に穴があいている場合や、軒裏の板が大部分剥がれている場合などは、軒裏の板を全面張り替えるほうが、結果として安く抑えることが可能です。

木部の洗い

 家を建てるときの素材として、木材は外せない素材となっています。その木材を使用した木部について、使用している面が大きければ大きいほど、紫外線等によるシミや汚れが徐々に目立ってしまいます。木部に染み込んでしまった汚れは、普通に高圧洗浄等を行ったとしても落とすことができません。

そんな木部の汚れをしっかり落とすとともに、木部の保護を行うことで、きれいで丈夫な木部を取り戻す事ができます。特に、木部の保護については、雨や湿気による内部腐敗の防止にも効果がありますので、定期的に実施しなければなりません。

1.あく洗い

 最初に、木部に染み込んだ最も頑固な汚れを落とす作業から開始します。この作業では、過酸化水素水を主成分とした薬品を塗り、汚れが浮き出てくるまで放置します。汚れが浮き出てきたら、水をつけた刷毛で薬品を洗い流し、汚れを除去します。

木部の汚れを落とす作業では、この「あく洗い」が最も重要となります。この作業を雑に行ってしまうと、木部の内部に染み込んだ汚れが落ちきらず、きれいに仕上げたとしても、その汚れが目立ってしまう結果となってしまいます。そのため、「あく洗い」については、薬品を塗って、水で洗い流す作業を、通常は3回程度繰り返し、内部の汚れまでしっかり落としてしまいます。

2.しみ抜き

「あく洗い」によって、木部の内部にまで入ってしまった汚れを落とすことはできますが、紫外線によってついてしまったシミについては、落とすことができません。そのため、次のステップでは、木部の「しみ抜き」を行います。

手順としては、あく洗いと同様に、しみ抜き専用の薬品を、シミやシミの素となる部分に塗り込んで行きます。こうすることによって、薬品とシミが化学反応をおこし、シミが消えていくという仕組みになっています。ここで使用した薬品は、水洗い等は行わずに、このままにしておきます。

3.漂白

 あく洗いとしみ抜きによって、汚れやシミはしっかり落とすことができました。次は、紫外線による日焼けを落とす作業になります。この作業のことを漂白といいます。また、漂白で使用する薬品は、しみ抜きで使用した薬品を中和する働きがありますので、日焼けがない部分についても、しみ抜きを行った場所については、漂白を実施しなければなりません。

 この作業についても、漂白用の薬品を塗り込んでいくという作業になります。この漂白用の薬品を塗り込むことで、しみ抜きで使用した薬品が中和されますが、その際にガスが発生しますので、漂白作業を行う際には、注意する必要があります。

4.修正洗い

 ここまでで、木部についた汚れ等はすべて除去することができています。修正洗いのステップでは、これまでに塗り込んできた薬品をしっかり拭き取り、黒ずみ等があれば研磨剤で取り除くという仕上げの作業を実施します。これによって、汚れやシミ、日焼けといった木部の汚れがすべてなくなり、きれいな木部を再現することができます。

5.木部保護

 修正洗いによって、きれいな木部に仕上げることはできていますが、このまま終了指定舞うと、また、すぐに汚れが付着したりシミや日焼けが生じてしまいます。また、木部に雨等が入り込んでしまい、内部から腐食してしまうことも考えられます。

 そうならないためにも、木部を保護するための塗装作業を行います。木部の塗装を行うことによって、お好みの色に仕上げることもできますし、木目を活かした自然な仕上げを行うこともできますので、第一に美観を保つ事ができます。

 次に、紫外線をカットする顔料が含まれている塗料を使用することで、紫外線によるシミや日焼けから木部を守ることができます。さらに、塗料を塗ることによって塗膜が貼られることになりますので、防水性能も向上します。これによって、木部を雨や湿気から守ることができます。

6.木部洗いのまとめ

 木部の洗いは、木部の定期メンテナンスとも言える作業です。あく洗いから修正洗いまでの各プロセスは、

通常の外壁塗装の下地処理と同じような役割であるといえます。そのため、あく洗いから修正洗いまでの各ステップは非常に重要な工程であるといえます。

 通常の外壁塗装であれば、下地処理で手を抜いても塗料によって隠せてしまいますので、下地処理の手抜きを発見するのは、非常に困難ですが、木部の洗いについては、木部がそのまま仕上がりとして表面に現れますので、雑な作業を行う業者であった場合、すぐにその雑さがわかってしまいます。

 軒裏下地処理例

埃がだいぶついています。塗装で大切なことは、塗る表面のしっかりと汚れを取る事。塗装は、よくお化粧にも例えられます。すぐに化粧をしないですよね。まずはしっかりと洗顔をしますよね。同じく、いきなりお化粧をするわけでもなく、ファンデーションをしますよね。

塗装も一緒でまずは、掃除と下地処理が大切です。

納期等のプレッシャーがあるのでしょうか?よく下地処理もしないで、すぐに塗装作業にかかってしまう業者さんも見受けられます。下地処理や掃除をしないで、すぐに塗ってしまうのは本当にだめなことです。動画では伝わらないかもしれませんが、埃がだいぶ載っています。

そのため、しっかりとした掃除が必要になります。ペーパー掛けをして、なおかつ高圧洗浄をして水拭き等をしてすっきりときれいにしてから、ようやく下塗りが始まります。埃の上になっても、すぐに塗膜が剥がれてきてしまいます大切な事はしっかりと汚れを取ることです。見積もり時に、下地処理の内容を聞いておくと良いかもしれません。

軒裏おかしな事例

この映像見て、何か不思議に感じませんか?空気抜けが飾りになっています!!今回のお住まいで見受けられた不思議な構造です。通常家の構造は、夏暑い空気がこもらないように、天井や軒裏などに軒裏換気があります。(軒裏換気とは、換気口を取り付け天井裏にこもった熱気や湿気を排出する換気システムの一種。)今回こちらにお伺いさせていただいた現場では、空気は長飾りになってきました。これですと上部にこもった熱気、湿気が逃げるところもなくなってしまいます。その結果、天井裏の空気は逃げ道を失いないます。

映像のように空気穴が飾りで、逃げ道がないので内部に空気がこもってしまいます。その結果、軒裏に貼るベニヤ板がボロボロになって劣化しています。沢山現場を見ていると、昔からの構造で結構ずさんに作られていたお住まいもけっこうあります。ふだん気になるところがあったら、めもをしておき、相談してみると良いでしょう。これ以上の被害を食い止めるにも、リフォームついでに処理してもらいましょう。

ハチ退治

塗装していますと、ハチが飛んでいることがあります。特に軒天多いですね。足場がありますので、外壁塗装工事のついでに退治をしてもらうと良いかもしれません。特に小さいお子さんが居る事は、気にかけてもらうと良いかもしれません。

足場を組むと言う事は、費用もかかりめったにやることではありません。目を実際に足場を組んでみないとわからないということも結構あります。普段気になることもすっきりさせて、心も塗り替えられると良いですね。