春・秋に塗装する場合

塗料が乾きやすいことはもちろんのこと、職人が作業しやすいことまでも考えてあげると、春・秋が比較的適した季節と言えます。気候が良いため作業がしやすく、湿度が低いため塗料も乾きやすいからです。また、工事中は窓を開けられませんが、湿気が少なく室内気温もさほど影響がなく、気候が良いことは、施主さんにとっても好都合です。このことから、最も工事町中で見かけられる時期ではないでしょうか。ただ秋は、春に比べると台風などの天候不良が多いですが、足場のネットを外すなどしっかりと対策を練れば、さほど影響が無いといえます。

夏に塗装する場合に

梅雨が明けて夏本番を迎える頃は、気温が高いので塗料の乾燥が良く、外壁塗装工事には決して不向きな季節ではありません。乾燥が良ければ作業も早く進みます。室内がこもり温度が温度が上がってしまいますが、窓を開けられない不快さはエアコンでカバーすると良いでしょう。炎天下で作業をする職人にとっては少し辛い作業になりますが、この時期に行う人も多くいます。

ただ梅雨にずれ込めば、湿気の多い季節に窓を開けられないことと、工期が延びる可能性があることが心配です。しかし職人がしっかりと乾いた状態で塗装を行えば、塗装工事にはなんの問題もありません。(ただ工期が追われている業者さんは、納期の関係で不十分な乾きで塗装する場合がありますので確認が必要です)

ツバメが巣を作り

燕はよく、幸運のシンボルと言われていますね。

日本においては、水稲栽培において穀物を食べず害虫を食べてくれる益鳥として古くから大切にされ、ツバメを殺したり巣や雛に悪戯をする事を慣習的に禁じ、農村部を中心に大切に扱われてきた。江戸時代にはツバメのは雑草の駆除に役立つと考えられていた。「人が住む環境に営巣する」という習性から、地方によっては、人の出入りの多い家、商家の参考となり、商売繁盛の印ともなっている。また、ツバメの巣のある家は安全であるという言い伝えもあり、巣立っていった後の巣を大切に残しておくことも多い。一方で車庫や店内等に巣を作られ糞の物品への落下等の問題や、玄関の内部等に巣が出来て不在時の戸締りが困難になり不審人物の侵入を許す可能性もあり、已む無く巣作りを妨害、ないし出来てしまった巣を撤去するというケースもある。(ウィキペディアより引用)

 

そして、実際に「ツバメの巣は残して、工事して欲しい。」そんなことを言われることもあります。

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塗装では工事をすることは決心したもののどんなタイミングでやればいいか、悩まれる方もけっこういらっしゃると思います。もし燕など大切にしていらっしゃるかと言うらっしゃいましたら、4月から7月にかけた燕が繁殖をする時期を避けて、工事をされてみてはいかがでしょうか?塗装工事は乗り換えることで心をすっきりさせるためにするものです。気持ちを焦らせるようなセールストークに惑わされることなく、ご自身の気持ちの良いタイミングで決断されてくださいね。

塗装工事は塗ったあとから長い期間影響をあたえるものです。のちほども気持ちの良い生活が遅れるように、良い決断をされてくださいね。

外壁塗装が可能な温湿度

一般的に外壁塗装は、温度が5度以下の場合、もしくは湿度が80%以上の場合は避けたほうが良いと言われています。

外壁塗装は、塗料を塗って、それを乾かして、また塗料を塗ってという作業を繰り返します。下塗りの上に中塗り、中塗りの上に上塗りを行う場合、新しい塗料を塗る前に、下に塗った塗料がしっかり乾いていなければ、しっかりと塗膜が密着しないことになり、品質が大きく損なわれてしまうことになります。

そのため、乾燥というプロセスは非常に重要なプロセスとなるのですが、温度が5度以下の場合、もしくは湿度が80%以上の場合というのは、この乾燥が行いにくい温湿度となっています。

湿度が80%以上というのは、ほとんどの場合が夏季となり、冬場は空気が乾燥しているため、湿度が80%以上になることはありません。冬場で注意しなければならないのは、温度が5度以下の場合です。

寒波の時は、5度を下回ることが非常に多いため、この気温の面で注意する必要があります。

冬に塗装する場合に

冬は気温が低く塗料の乾きがおそいです。

 しかし、冬場はほとんどの日が気温5度を下回っています。気温が5度を下回ると、外壁や鉄部で結露が生じます。空気は温度が高い時ほど多くの水分を保有することができ、温度が低くなるにつれ、保有できる水分量が少なくなる性質があります。日中、温められた空気は、多くの水分を含んでいますが、夜間、空気が冷やされることによって、空気中に保有できる水分が減少し、余った水分が結露として外壁や鉄部に付着してしまいます。

つまり、結露は水分そのものですので、乾燥させている部分に結露が発生すると、その部分の乾燥が遅れてしまうことになります。そのため、冬場は結露によって塗料が乾燥しにくい部分が生じてしまうという問題点があります。

また、塗装した一部分だけに結露が生じることによって、その部分の塗料が色あせてしまうこともあります。結露の形に変色してしまうという状況です。残念ながら、その場合は上から塗りなおすしかありません。つまり、結露が生じてしまった場合には、いつも以上にしっかりと外壁の乾燥状況を確認しなければなりません。しかしながら昔と比べ、塗料の品質も良くなり殆どの塗料が半日で乾いてしまいます。(しかしながら夏と比べると、一日二日間隔をあける必要はあります。)屋根に降りる霜によって屋根表面が塗れます。こういった場合はしっかりと乾かし、お昼後に塗装するなど、しっかりと対応しなければいけません。

 さらに、冬場は夜露や霜が降りる可能性もあります。これらも水分や水分が凍結したものとなり、乾燥の大敵となります。これらが生じた場合も、結露と同様に乾燥が遅れていたり、塗料がほかの部分の色と異なってしまうことがありますので、慎重に確認する必要があります。

寒波によるその他の影響

 寒波による影響は、塗装工事が行いにくいだけではありません。少し暖かい日から、急に寒波に入ることによって、温暖差が大きいうえに、空気が乾燥することによって、ある程度経年劣化している瓦が割れてしまうというケースも良くあります。

 経年劣化している瓦は、多かれ少なかれクラックが生じていますが、日中、まだ温かい時間帯にこのクラックに水分が入り込んでしまい、夜間、急激に気温が下がることによってクラック内の水分が凍結することで膨張し、瓦が割れてしまうという状況です。

 瓦が破損してしまった場合、屋根を守るもの毀損が始まってしまうこととなります。この状況で雨や雪が降ってしまうと、その部分から雨漏りが発生する可能性が高くなりますので、できるだけ早く補修を行う必要があります。同じ原理で、劣化した外壁のクラックに水が入り込み、凍結することによって塗装の剥離につながることもあります。この場合も、塗装が剥がれてしまった部分から水が入り込んでしまい、外壁の劣化につながる可能性が高まりますので、できるだけ早く補修を行う必要が生じます。(風呂場廻の外壁で見られることが多いです。)

コーキング 凍結 サイディング

 

 

冬の塗装工事の工期

 塗装工事は、下塗り・中塗り・上塗りと、最低でも3回の塗装工程がありますが、それぞれの工程で塗料を塗った後、その塗料をしっかり乾燥させなければ次の工程に進むことができません。塗料の乾燥は、洗濯物の乾燥と同様に、夏場であれば、高い気温によってすぐに乾燥させることができますが、冬場は気温が低く乾燥させるために長い時間を要します。そのため、塗料の乾燥時間が延びる分、工期を長く見積もらなければなりません。しっかり乾燥させていない状態で次の塗装工程に進んでしまった場合、塗料の密着性が悪くなり、耐久性は大きく低下したり、ツヤびけと呼ばれる塗料のツヤがでない、もしくはすぐに失われてしまう現象が発生してしまうことになります。

また、冬場は夏場と比べて日照時間が短いため、1日の間に、塗装工事に使える時間そのものが短くなっています。そのため、冬場は夏場に比べて、塗装工事の工期を長めに設定しなければなりません。

冬に塗装できない環境

 冬場も、注意点をしっかり守れば塗装を行うことができると記載しましたが、環境によっては、塗装できない環境というのも存在します。

①積雪地域

 常に雪が積もっている地方では、塗装工事を行おうと思っても、雪が邪魔で塗装工事そのものを行うことができません。また、塗料は塗装した後にしっかりと乾燥するまで、水分に弱いため、常に雪が積もっている地方でなくても、雪が積もった日には、塗装工事を行うことができません。

 また、安全面でも、雪の日には屋根や足場から滑り落ちることが多くなりますので、工事を強行するのは難しいと言えます。

②気温が5度より低い場合

 冬場は、塗料の乾燥時間が夏場より長くなるのはすでに説明した通りですが、気温が5度を下回った場合には、塗料が乾燥し、塗膜が出来上がる段階で、塗膜が凍結してしまうおそれがあります。塗膜が一度凍結してしまった場合、例えその後に気温が上昇し、解凍されたとしても、塗膜の成分は破壊され、塗膜の品質は著しく低下した状態となってしまいます。また、使用している塗料が水性であった場合、塗料そのものが凍結する可能性もあり、その場合も、例え解凍できたとしても、元の塗料の成分に戻すことはできなくなってしまいます。そのため、気温が5度を下回る環境では、塗装工事を行うことができません。

塗装面のチェック

 冬場に塗装を行う場合、塗装面のチェックは入念に行う必要があります。特に屋根は、朝方になると霜がおりていることがあり、これが解けてうっすらと水分を含んだ状態になっているケースがあります。そのまま塗装してしまった場合、塗料と水分が混ざり合ってしまい、塗膜の強度が不足してしまったり、ツヤびけなどを起こしてしまうことになります。

冬季の屋根塗装は得に注意が必要です。

また、雪の翌日も注意が必要で、雪が溶けたと思っていても、その溶けた雪がうっすら凍結し、屋根や外壁に残っている場合があります。この状態の時も塗装することができません。

冬場に塗装を行う場合は、雪や霜、結露など、屋根や外壁に水分が残っていないか、慎重に確認しなければなりません。塗装工事は、乾燥した屋根や外壁に対してのみ、実施することができると考えておく必要があります。

塗装中のトラブル

 このように、冬場に塗装を行う際には、注意しなければならない点が多数ありますが、塗装工事を行っている最中も、注意が必要となるケースがあります。例えば、塗装中に雪がぱらついてきた場合など、時間帯にもよりますが、小雨と違って雪はすぐには無くならず、しばらくその場に停滞してしまうことから、塗装中の塗料の上に雪がぱらつくと、再度塗装をやり直さなければならなくなるケースがあります。また、雨や雪によって作業が停滞してしまうと、その日のうちに仕上げてしまわなければならないポイントまで到達することができず、そのまま夜露や結露、霜などによって塗膜が破壊されてしまうというケースも存在します。

 そのため、繰り返しになりますが、余裕をもった工期を組む必要があるとともに、どの時点で作業を切り上げるかといった適切な判断を行い、湿気による塗膜の品質低下が発生しないように管理する必要があります。