屋根や外壁を塗装工事する場合は、下塗り・中塗り・上塗りと、最低でも3回の塗装を行います。
それぞれの工程で塗装を行いますので、しっかりと塗料が乾かない状態で次の作業を行ってしまうと、
塗装の縮みや割れといった、様々な不具合が生じてしまいます。
そのため、屋根や外壁の塗装を行う際には、塗料がしっかり乾くまでの乾燥時間が非常に重要になります。
今回は、そんな乾燥時間についてご説明します。
1.塗料の乾燥状態について
塗料は、塗った後に雨が降ったりしなければ、4つの段階を経て完全に乾燥することとなります。
①塗りたて
塗装を行ってすぐの状態です。全く乾燥していない状態ですので、指で触ると指に塗料が付着してしまう段階です。
「ペンキ塗りたて」
と同じ状態ですので、塗装個所に何らかのモノが当たらないように注意が必要な状態となっています。
②指触乾燥
塗料を塗ってしばらく時間が経過すると、指触乾燥という段階に入ります。
指触乾燥の段階では、軽く指で触った程度では塗料が指に付着しない程度まで乾燥している状態です。
しかし、力強く触ると指に付着する程度にしか乾燥していませんので、次の塗装の段階に移行するにはまだ乾燥が足りないという状態です。
③半硬化乾燥
指触乾燥の次の乾燥段階は、半硬化乾燥という段階になります。
半硬化乾燥の段階では、指でこすった程度では、塗料にこすり跡が残らない程度に表面がしっかり乾燥してきている状態になります。
まだ、強く押し込むと凹みが発生する程度に、塗料内部は乾燥していない状態になりますが、
表面はある程度、乾燥していますので、次の塗装の段階に移行しても大丈夫と言われる状態になります。
④硬化乾燥
半硬化乾燥の次は硬化乾燥という段階になります。
硬化乾燥の段階では、指で強く押し込んでも凹みが出ない程度に、
塗料内部も乾燥している状態になります。
硬化乾燥まで進んでいると、見た目や感覚としては、完全に乾燥している状態に見えますが、
実際には内部では少し乾燥していない部分が残っているという状態になります。
⑤完全乾燥
塗料が表面も内部もすべてしっかりと乾燥して硬化している状態のことを完全乾燥と言います。
この段階まで進むと、塗料はしっかりと乾ききっていると言えますが、
この段階に到達するのは、塗料を塗ってから1~2か月かかると言われています。
屋根や外壁の塗装を行う上で、重ね塗りを行うための乾燥としてここまで待つのは現実的ではありませんし、
長くても硬化乾燥の状態では、雨等による影響はないと言われています。
ただし、完全乾燥の段階までは薬品に弱いという特性がありますので、
掃除をする際に薬品を使ってしまう事で塗料が劣化してしまう事も考えられます。
その点だけには注意が必要です。
2.一般的な乾燥までの時間
雨や雪が降ったというような状況でなければ、
ほとんどの塗料で重ね塗りを行うまでの時間はおおむね4時間と言われています。
例えば、日本ペイント製の水性シリコンエポサーフという下塗材では、
温度が23度、湿度が50%のときは4時間と記載されています。
しかし、使用する塗料によって適正乾燥時間が異なります。
特に、防水性の高い塗料については乾燥しにくいという特徴があります。
実際には適正乾燥時間をメーカーが定めてカタログや塗料に記載がされていますので、
その時間を守る必要があります。
また、温度や湿度によって乾燥にかかる時間が変化します。
それらを考慮して、乾燥までの時間を考慮して、重ね塗りの時間を定めなければなりません。
3.乾燥の重要性について
乾燥していない状態で塗料の重ね塗りを行うと、どのような影響が出るのかについてですが、
まず1つ目に、乾ききっていない塗料自体がしわになってしまうという問題があります。
このような状態になってしまった場合は、一度剥離してやり直す必要があります。
そうしなければ、しわになった部分の縮みによる塗装の割れ等につながってしまいます。
次に、下に塗った塗料と重ねて塗った塗料の色が混ざってしまい、
狙い通りの色を出すことができなくなるという点です。
ほとんど乾燥時間を取らなかった場合に起こり得る問題ですので、ほとんどありませんが、
梅雨の時期等、乾燥しにくい時期においては発生する可能性があります。
4.まとめ
屋根や外壁の塗装は、下塗り・中塗り・上塗りと、3回に分けて重ね塗りを行っています。
塗料の乾燥状態については、重ね塗りを行う上で非常に重要なポイントとなります。
そのため、少なくとも半硬化乾燥の段階まで塗料が乾燥するまでは、重ね塗りを行うべきではありません。
どうしても短い期間で重ね塗りを行いたいという状況であれば、温度が低い、
天気が悪いといった条件の場合、乾燥までの時間が長くなりますので、
夏季や比較的温度が高い晴れた日に塗装を行う必要があります。
日当たりの良い南側から塗装工事をしてもらう等の工夫もできます。
そうすることで、少しでも乾燥までの時間を短くすることができます。
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