折半屋根やトタン屋根は金属製であるため、適切な塗装処理を行わないと錆びやすく、経年劣化によるトラブルが起きやすくなります。今回は折半屋根の塗装において特に重要な「錆止め塗料」の選び方や、塗料の耐久性を向上させるための重要なポイントを専門家の視点から解説します。
1. 錆止め塗料の種類と特徴
一液型錆止め塗料
一液型の錆止め塗料は混合不要で手軽に使用できる反面、耐久性や密着性において二液型と比べて劣ることがあります。
二液型錆止め塗料
二液型は主剤と硬化剤を混合して使うタイプであり、耐久性と密着性が高く、折半屋根やトタン屋根に最適です。特に「スーパーエポツー」のような製品は専門業者にも推奨されています。
2. 耐久性を向上させる塗装ポイント
塗料の組み合わせを統一
下塗り・中塗り・上塗りは、基本的に同一メーカーの同シリーズを使用することが推奨されます。メーカー間での相性問題を避けるため、塗装の層ごとに同じ塗料シリーズを使用することが重要です。
淡色系の下塗りが推奨される理由
下塗りに淡色系(特に白系)を使用すると遮熱性が向上し、屋根材への蓄熱を抑えることができます。これは、塗膜の劣化を防ぎ、塗装の耐久性向上につながります。
3. 塗料の色選びと耐久性
塗料の耐久性には色選びも関係します。酸化チタンの含有が多い白色系はラジカル劣化が懸念され、また黒系などの濃色は熱劣化が懸念されます。
- 淡色系のメリット:遮熱性が高く熱劣化を防ぐ
- 濃色系のデメリット:熱を蓄えやすく、熱劣化リスクが高まる
茶色系などの中間色は、耐久性と見た目のバランスが良く、多くの現場で推奨されています。
4. 塗装トラブルを防ぐための注意点
素地調整(ケレン)の徹底
塗装前にしっかりと素地調整を行うことが非常に重要です。錆や汚れの除去が不十分だと、塗膜の密着不良が起きやすくなります。
製品仕様の変更への注意
塗料メーカーは規制変更や製品改善などにより、塗料の組成を変更することがあります。そのため、過去の施工で問題がなかった製品でも、仕様変更後に問題が生じる可能性があるため、最新の製品情報を常に確認することが重要です。
まとめ
折半屋根・トタン屋根の塗装においては、適切な錆止め塗料の選定と塗料シリーズの統一、色の選定、そして素地調整の徹底が非常に重要です。特に二液型の錆止め塗料を選び、淡色系の塗装を検討することが耐久性向上の鍵となります。ぜひ本記事を参考に、耐久性の高い屋根塗装を実現しましょう。