ケレン作業

外壁塗装の技術、プロとDIYでどこまで差が出るか?

最近は、ホームセンターで外壁塗装を行う工具や塗料がたくさん販売されており、高いお金を払って塗装業者に依頼するよりも、安価に自分で塗装を行うことができると判断される方が増えてきました。確かに、ホームセンターで塗料を購入し、安価な工具を使用することで、塗装そのものは可能となります。

では、その仕上がりはどの程度の差が生じるものなのでしょうか。

今回は、プロの塗装と、DIYの塗装の差についてご紹介したいと思います。(ここで紹介するDIYは、過去に塗装業者での勤務経験等の無い、塗装に関する素人の方を対象としています)

下塗りの塗装

 外壁塗装では、中塗りや上塗りの塗料をしっかりと外壁に密着させるための下塗りが重要となります。下塗りの塗料の選定間違うと、中塗りや上塗りの塗料の密着度が低くなり、塗料が簡単に剥がれ落ちてしまいます。しかし、下塗り用の塗料は、中塗りや上塗りで使用する塗料の色を変化させないために、主に透明の塗料を使用します。ただ、白色や薄い色を塗装する時に、中塗り、上塗りで色が留まらないので、下塗りにも着色をする場合があります。

そのため、経験の浅い方がDIYで塗装した場合には、

「上塗りで色がしっかりと留まらない・・・」

そんな結果が生じることありえます。

また、塗料が全く付着していない部分もあれば、塗料を塗りすぎて下に垂れてくるということも良くあります。また、凹凸のある部分について、凹んだ部分がうまく塗れないというのもDIYでよくある失敗となります。このように、塗装のムラがあると、仕上がりもムラが生じてしまいますので、結果として外壁の仕上がりが見苦しいものになってしまいます。プロの塗装業者では、基本的に塗料の塗りムラがありません。また、手早く、均一に塗装を行っていくため、

塗装にかかる時間や、乾燥時間もDIYに比べると短く済みます。

中塗り・上塗りの塗装

 中塗りからは、色のついた塗料を使用しますので下塗りの塗料よりもどれだけ塗ったかがよくわかります。しかし、だから簡単に塗装ができるかと言われると、そうでもありません。

塗装になれていない方がDIYで塗装を行う場合、足場と高圧洗浄に、まずは壁が出来てしまいます。

例えば、高圧洗浄無い状態で、塗装を行っていきますので、剥がれのや不良自己の原因となってしまいます。さらに案外と予想以上の作業量から、仕事と並行して作業するのが困難な方が多いようです。非日常状態を繰り返すと、身体や精神面への負担が分厚くなってしまいます。しかし、足場屋さんはいつまでも貸してくれることは無いので、まずます納期に焦ることになり、結果として雑な塗装となってしまいます。

また、素人さんが塗装を行う場合、ほとんどの方が天気をそこまで考慮することがないので、天候からのスケジュール調整に苦戦することをありえます。働きながらですと、どうしても時間的に制約があるので、長期の休みを取れるかたに限られてしまうかもしれません・・・

プロの塗装業者では、天気を含めて工程をしっかりと把握していますので、雨天時に出来る作業を後回しにして塗装を行います。ただそういった工程をトータルに考えたスケジュール調整は、経験から調整可能です。

プロがDIYをお勧めしない理由

 このように、塗装になれていない方が塗装を行う場合と、プロの塗装業者が塗装を行う場合とでは、その品質は大きく差が生じることとなります。この比較は、あくまで同じ塗料、同じ道具を使用した場合の比較となりますので、プロが普段使用する塗料や道具を使用すると、その差はさらに大きく開くことになってしまいます。中には、プロと素人の差が、見た目の問題だけなのであれば、安く抑えられる方がいいと考えられる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、プロが行った塗装とDIYの塗装の差は、見た目だけではないのです。

プロが行った塗装は、必要な塗膜が必要なだけ張られているという状況ですので、その塗料が持つ最大限の効果を得ることができます。

例えば、外壁を塗装する大きな目的の1つである防水性能ですが、均一な塗装を行っているからこそ、水分が全く入り込む余地がなく、塗料の持つ防水性能を最大限に発揮することができます。

そして雨漏りの原因になる、建物上の怪しい部分にも対応することが出来ます。ただ、塗るだけで無く、トータルに住まいを見れる事もプロの視線になります。

しかし、DIYで行ったムラのある塗装の場合、凹凸部分に塗り漏れがあるなどで、水分が侵入してしまう余地がありえるだけでなく、すでに雨漏りに侵されている危険な状態を止めることが出来ません。そこから水分が侵入してしまうと、外壁そのものの劣化につながってしまうこととなります。また、塗装を分厚く重ねすぎても、塗膜内に収縮応力が働き、塗装が割れることがあります。つまり、塗装技術は塗装の耐久性にも大きくかかわってくるのです。

参考:プロが教える!塗装工事の正しい工程と大事な目的

DIYでの外壁の洗浄

 外壁塗装を行う上で、最も重要なポイントが外壁の洗浄にあります。外壁の洗浄では、初めに長年の汚れをしっかりと落とし、古い塗膜も除去するところから始めますが、家庭用の洗剤では、外壁についたしつこい汚れを落としきることはできません。そのため、ホームセンター等で売られている外壁用の洗浄剤を使用して、丁寧に汚れや古い塗膜を除去しなければなりません。もし、汚れが残ってしまうと、その汚れの上に塗料を塗ることになってしまいますので、外壁材そのものに塗料が密着しません。

そうなると、汚れが剥がれると同時に塗料もはがれてしまうことになり、塗装の寿命が大きく縮んでしまうことになります。また、家庭用の高圧洗浄機も使用することは可能ですが、外壁の劣化等により外壁材に傷がついていたり、クラック(ひび)が入っていると、そこから外壁材の中に水が浸入してしまうことになります。外壁材の中に侵入した水は、そのまま外壁材の中にとどまり続けて、徐々に内部から腐食させていくことになりますので、外壁の専門家以外の方が高圧洗浄機を使用するのは、建物にとって非常に危険だといわれています。

そのため、ご自身で外壁の洗浄を行う場合は、ブラシを使用してしっかりと磨くのが最も安全で効果が高いのですが、その分、大変な手間がかかってしまいます。

下地処理

 外壁の洗浄が終了したら、次は下地処理を行わなければなりません。下地処理では、外壁や屋根にある傷やクラックを修復しなければなりませんが、それには専用の工具や部材が必要となります。

最近では、これらの工具や部材もホームセンターで購入することができますが、最も注意しなければならない点は、下地処理の段階で修復が漏れてしまうと、次回の外壁塗装まで、その部分は傷やクラックが残った状態になるという点です。傷やクラックがあると、その部分から塗料にひびが入ったり、剥がれ落ちたりする可能性が非常に高く、塗装の寿命が大きく下がるほかに、その部分から水が侵入して建物内部から腐食してしまうことが考えられます。

しかし、素人目ではなかなか判断のつかないような細かな傷やクラックもありますので、ご自身で下地処理を行う際には、慎重に外壁や屋根をチェックする必要があります。そして塗料がしっかりと密着するように、丹念にケレン作業などを行わなければいけません。

使用する塗料

 ご自身で外壁塗装を行う場合に、最も初めに思いつくのが塗料の準備かと思います。この塗料についても、様々な種類が用意されていますが、その種類ごとの特徴をしっかりと認識しておかなければ、想像していたよりも劣化が激しい、思っていたよりもコストがかかるといったトラブルが発生してしまいます。(大手塗料メーカーでも耐用年数が驚くほどがっかりな塗料があります。そしてそれらは塗った後、数年経過後にしか分からない・・・そんな業界です)

また、下塗りで使用するシーラーやフィラーといった塗料と、中塗り・上塗りで使用する塗料、それぞれを用意しておかなければならない点や、塗料を塗るための工具も用意しなければならないという点にも注意しなければなりません。

外壁塗装にかかる日数

 一般的に外壁塗装を業者に依頼する場合は、10日~2週間程度かかるとされています。これは、雨天等も考慮すると多少前後しますが、ほぼ毎日、塗装工事を行った場合の日数となります。

 すでにリタイアされている方でない限り、ご自身で塗装工事を行う場合に、10日~2週間といった長期間、外壁塗装のみを行い続けるのは非常に困難かと思います。そのため、通常は週末の土日だけで外壁塗装を行うことになるかと思いますが、

単純計算で5週間~7週間必要となります。

もちろん、その他のご予定や天候によっては、10週間以上必要と考えられます。10週間ということは、単純計算でも2か月半程度の工期がかかります。その間、養生や足場をどうするか、塗装の順序はどうするか、工事終了まで外壁をどう保護するか(例えばコーキング処理が途中ですと、断面から雨水が入ってしまいます。サイディングの断面は防水未処理です。耐久性は非常に低い状態になってしまいます。)を検討しなければなりません。

他にも、養生の注意点や足場の近隣の方への影響注など、様々な点に注意しなければならないです。ご自身で行う外壁塗装ですが、コストが安いのかというと、実は業者に依頼するのと大きく変わらないというのが結論となります。その理由としては、外壁塗装で使用する部材や工具は非常に種類が多く、塗料も必要な強度を持った塗料を買おうと思った場合には、比較的高い塗料を使用しなければなりません。

そのため、それらをすべて購入していると、結局同じようなコストになることが多くあります。さらに、ご注意いただきたいのが作業中の事故で、プロであっても年間に500名以上の建築業で職人さんが足場からの転落事故が発生しています。そのため、初めて外壁塗装を自分で行うという方には、特に事故には注意してもらう必要があります。

このように、外壁塗装をご自身で行うには、多くのデメリットが存在します。それらのデメリットに対し、費用が安くなるというメリットは実はそれほど大きくありませんので、外壁塗装については、高い品質を約束するプロに依頼するのがおすすめの選択といえます。 それでも安くDIYしたい方向けのサービスも始めました。

https://yokoi-tosou.net/diypro/

下地処理や下塗りにかかる期間について

外壁塗装工事で何が一番重要か?

 一般的に外壁塗装にかかる期間は、30坪程度の家の場合で1~2週間かかります。(ヨコイ塗装では、おおよそ3週間かかってしまいますが・・・)その工程としては、 ①足場組み、 ②下地処理、 ③屋根の塗装、 ④外壁の塗装&雨どい、雨戸等の付帯部の塗装 ⑤足場崩し ⑥掃除 という6つの工程で行います。

この中で、外壁塗装工事にとって最も重要な部分は②の下地処理となります。下地処理を簡単に説明すると、汚れをきっちり落として、塗装する前にきれいな状態にするという工程になります。

下地処理で何が変わるのか

 外壁塗装工事において、下地処理が重要な理由は、第1に仕上がりの美観を良くするため、第2に塗装の耐用年数を上げるためという2つの目的があります。下地処理をきっちりやってないために、せっかく塗った外壁が部分的に1年~3年で剥がれたりめくれのトラブルになってしまうというケースもあります。

そのため、多少コストがかかっても、塗りなおすことを考えると、きちんと下地処理を行う業者に依頼した方がお得という結果になります。では、なぜ下地処理によって、ここまで差が出るのかということを理解するために、塗装の劣化原因について確認してみましょう。

塗装の劣化要因

結局、塗装が持たないのは??

塗膜の劣化要因についてお話をします。主なものとしては3つあります。

1つ目が紫外線、2つ目が熱、3つ目が水になります。

紫外線がうまくに与える影響はかなり大きいです

したがって、なるべく紫外線対策には、紫外線に強いフッ素系の塗料やシリコンの含有量が多い塗料、そういったものを使うと良いと思います。

熱による塗膜の伸び縮みに対応するためには

職人さんにローラでたっぷりと、ペンキを含まして、なるべく塗膜の厚みをもたしてもらう、そんな工夫もできます。経費を浮かせたい業者さんなんかは、むやみやたらにシンナーで塗料を薄めて、なるべく塗れる面積を増やそうとすることも考えれないわけでもありません・・・なるべく使用した塗料の量を明確にするためにも、使用後のペンキ缶を見せてもらう、そんなこともしても良いかもしれません

水に関して

まずは、壁が十分に乾いている状態で塗る、そんなことが塗装の基本になっています。またお化粧と一緒で、充分な下地処理をしてからやっと塗装を始める、そういったことも塗装する基本になってきます。

下地処理では

外壁についた汚れやコケ、藻をきれいに掃除するために高圧洗浄やバイオ洗浄を行ったり、古くなったコーキングを補修したり、外壁に生じたヒビを補修したりと、外壁塗装を実施する前に行う準備作業を実施します。

下地処理にかかる工期について

 下地処理には、

  • ケレン作業
  • 外壁の高圧洗浄
  • ひび割れ補修 
  • コーキングの補修、

と、4つの工程があります。

ケレン作業

 ケレン作業の部位としては、軒裏、雨樋、トイ金具、庇、水切りなどがあります。これらの補修作業の目的も外壁の補修やコーキングの補修と同様に、塗装する部分の汚れ落としと、表面の目荒らしをして塗料の密着力を高めるといった目的があります。これらの作業は、高圧洗浄の前に行うのがコツで、ケレンで出た埃を、洗浄で一緒に洗い流すことで手間が省けます。

塗装前の外壁の洗浄

 外壁についた汚れやコケ、藻といった汚れや古い塗料を除去する作業となります。基本的には高圧洗浄機によってしっかりと汚れを落としていくことになりますが、高圧洗浄機が使用できない部分については、手作業で汚れを落としていくことになります。

あまり品質の高くない業者の場合は、高圧洗浄機でざっと汚れを除去するだけの場合や、そもそも洗浄作業を行わないという場合があります。汚れが残っていた場合は、汚れの上から塗料を塗ることになりますので、その汚れが剥がれる際に、一緒に塗料が剥がれてしまうことになります。そのため、この洗浄をしっかりと行わなければ、外壁との密着性が悪く、外壁塗装の耐久性が大きく低下することになります。

外壁の洗浄は、一般的な住宅でおおよそ半日はかかります。塗装面が広い場合や、汚れがひどい場合には、普通に作業を実施してもまる1日かかる場合もあります。これより短い期間で外壁の洗浄が終わる場合は、外壁の洗浄がおろそかになっている可能性があります。

見積もり時に、高圧洗浄にかける時間を聞いて比べることで、業者の比較材料にすることが出来ると思います。

外壁のひび割れ補修

塗装工事ではペンキを塗る前にヒビを補修する必要があります。そのまま塗装を行うと、例え新しく塗装をしても、塗料で埋まるわけでもなくひび割れが目に見えて分かり、見た目悪いことがあります。また、ひび割れをしっかりと補修しておかないと、さらにひび割れが酷く進んでいきます。(そもそもの構造的な欠陥には、塗装での対応も限度があります。)ひび割れ処理をしていないと、雨水等が侵入することで、躯体内部の劣化が進み、大事なことにもなりかねないので、早めの対応が必要です。

この作業は、ヒビの数や大きさによって補修にかかる日数は異なります。ほとんどヒビが発生していない場合や、発生していてもあまり大きくない場合は、1日で補修ができますが、ヒビが大きい場合や数が多い場合は、2日以上必要となる場合があります。

コーキングの補修

 外壁材にサイディングボードを使用している場合には、サイディングボードをつなげているコーキングの補修も行う必要があります。コーキング部分も経年劣化によりヒビや痩せといわれる縮みが発生して隙間ができてしまいますので、基本的には塗装前に古いコーキングを除去して、新しいコーキングを入れなおします。

 

ここも、外壁の補修と同様に古い状態でそのまま上から塗装してしまうと、新しく塗った塗料もろとも、古いコーキングが剥がれてきます。また、施工時はコーキングの乾燥や雨天時のサイディング断面への染み込みに配慮する必要があります。 (コーキングに作業において マスキングテープの種類によって作業時間は異なってきますので、 職人さんがどこまでマスキングテープにこだわっているかを知ることも作業品質を見極めるコツになります。)

参考:塗装工事の養生テープの種類と使い分けに関して

下塗りにかかる工期について

 下塗りは、これから実施する中塗りや上塗りという実際に色を付ける塗料を塗る前に、その本番の塗料がしっかりと外壁材に密着するように補助するための下塗り塗料を塗る作業となります。下塗りをしっかり行っておかなければ、中塗りや上塗りで塗った塗料は、外壁材にしっかり密着せずに簡単に剥がれ落ちる原因となってしまいます。

外壁の素材に適したペンキを使うことが大切で、塗料に対する知識も必要になってきます。一般的なお住いでは、下塗りに必要な期間は1日とされています。

一口に塗装業者といっても、ヨコイ塗装のように、直接ご依頼をお受けして塗装工事を行う業者もあれば、受注だけ行って、実際の塗装工事は下請け業者に丸投げするという業者もあります。もちろん、下請け業者を利用するのが悪いわけではありませんが、直接ご依頼をお受けして工事する場合に比べて、受注を受けた業者のマージンが発生しますので、そのマージンの分、お客様から頂く料金を高く設定するか、下請け業者に支払う料金を下げる必要があります。マージンの分、料金に上乗せがされていますと、お客様が通常より高い料金を支払わなければなりませんので、相場よりも高い工事費が発生することになります。

逆に、マージンの分を下請け業者に支払う料金から差し引いていた場合、下請け業者は通常よりも安いコストで塗装工事を行わなければならない状況となってしまいます。そうなると、本来必要な工程を省略する、いわゆる手抜き工事が行われる可能性があります。

では、どの工程で手抜き工事が行われやすいのかというと、パッと見ただけでは仕上がりに影響しない「下地処理」で手抜きが行われることが多くなります。しかし、「下地処理」で手抜きが行われた場合、その塗装工事の品質は非常に低いものとなってしまいます。

参考:シーラーとは接着剤に近いです

下地処理で実施すべき作業

 まずは、塗装工事における下地処理についてご説明いたします。下地処理は、実際に塗装を行う前に実施しておかなければならない作業を総称して使う言葉で、その内容としては、屋根や外壁の破損している個所の修理やシーリングの補修、付着している汚れ、コケ、藻等の除去となります。

 例えば、モルタルの外壁にクラックといわれるひび割れが発生している場合、外壁の素材そのものにダメージを受けている状態ですので、このまま塗装を行うことができません。そのため、しっかりとクラックを修復させたうえで塗装を実施する必要があります。ほかにも、外壁素材の中で鉄製のパーツを使っている部分には、サビが付着していることもあります。このまま塗装を行ってしまうと、塗膜の中で金属のパーツはサビに包まれている状態となりますので、見た目はきれいでも、内部でサビが広がってしまい、塗装後すぐにペンキが剥がれたり、最悪の結果、気付いたら、その部分から建物全体に大きなダメージが入ってしまうというケースも考えられます。

そのため、下地処理では最高のパフォーマンスで塗装を行うことができるように、しっかりと事前準備を行うという目的があります。

下地処理で手を抜くと…

 下地処理は、しっかりやっていようと、手を抜いてやっていようと、塗装工事が終わった直後であれば、なかなか変化に気が付きにくい作業となります。なぜなら、塗料を塗ってしまうと、これまでの外壁と新しい塗料による美しい外壁の差が大きく感じてしまい、手抜き作業が見えない可能性があるためです。

しかし、下地処理で手を抜いている場合、仕上がった工事の品質は非常に低いものとなります。例えば、外壁の補修を行わないまま塗料を塗っている場合ですと、塗料を塗った外壁はきれいに見えますが、塗膜の中の外壁材そのものはダメージを負ったままとなっておりそのクラック等は徐々に開いてしまいます。

クラックが開くと、雨水の侵入を許し、新しく上から塗っていた塗膜も、一緒に浮いたり剥がれ落ちてしまうこととなることもあります。そして、その時点で新しい塗料による防水性能等は機能しなくなってしまいます。ほかにも、高圧洗浄で手を抜いた場合は、外壁材に塗装しているのではなく、外壁材に付着している汚れに塗装しているということになりますので、塗料が簡単に剥がれ落ちる結果となってしまいます。

参考:外壁塗装工事後の塗膜の剥がれを防ぐために

下地処理をしっかりと行うためには…

 下地処理は手間と根気がいる作業です。その為、下地処理をしっかりと行うためには、職人の仕事に対する姿勢や向き合う時間も大切になってきます。しかしながら、下請けの厳しい環境かで利益を出そうとすると、どうしても仕事を急いでしまい、大切な作業を疎かにしがちになってしまいます。

しかし、このコストと時間は、建物の耐久性能を維持するためには必要不可欠なものとなります。この下地処理を、コストがかかるから、時間がかかるからといった理由で手抜きをしてしまうと、せっかく良い塗料を使っても、行った塗装工事の品質は非常に低いものとなってしまいます。

 しかし、下請け業者の場合は、使えるコストも納期も、自身でお客様と交渉することができず、親会社の指示に従わなくてはなりません。外壁材の状況によっては、修復に大きな時間が必要となると判断できる場合であっても、その時間を確保できないというケースも考えられます。

塗装工事にケレン作業は本当に必要?

只今、扶桑町で補助金を使った塗装をしています。お客様から疑問が出ましたので、ケレン作業について書いて行きたいと思います。

 

外壁塗装を行う下地処理で、一番初めに行う作業がケレン作業です。塗装業者から見積書を取った時にも「ケレン」という言葉で記載されていることがありますが、一般的には「ケレン」という言葉はあまりなじみがありません。そのため、この「ケレン」という作業がどんな作業なのか、本当に必要なのか判断がつかないかと思います。今回は、この「ケレン作業」というのは、どういう作業を行うのか。外壁塗装を行う上で必要なのかについてご説明いたします。

ケレン作業とは

 ケレン作業は、これから新しい塗料を塗る外壁のサビや古い塗膜を落とす作業のことを言います。例えば、鉄製の部品を使用している外壁材であれば、少なくとも7年~10年程度は風雨にさらされている状態となりますので、少なからずサビが発生してしまいます。このサビがついている状態で塗料を塗ってしまうと、新しく塗った塗料の中で金属の部品はサビたままになっていますので、パッと見ただけではわからないような内部でサビが進行してしまい、気づいたころには鉄製の部品はサビで使い物にならなくなるという最悪な状況に陥ってしまうことがあります。

また、そこまでひどい状況にならなくても、サビが浮いている鉄製の部品に塗装を行っても、それは鉄製の部品そのものに塗料を塗ったのではなく、サビに塗料を塗っただけになりますので、サビがはがれた時には一緒に塗料もはがれてしまうといった状況にもなり得てしまいます。

そのため、鉄製の部品にでたサビについて、しっかりと落とす必要があるのです。では、「我が家は、外壁はすべて木製だからケレン作業は要らないよね」と、言われる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、木製の外壁材を使用している場合は、長年の風雨によって材木が毛羽立っていたり、へこみや傷などで外壁材に様々な汚れがついてしまっています。表面の汚れをしっかりきれいにすることもケレン作業の一つなのです。

また、素材の表面に微細な凹凸を作ることで、外壁材に塗料が密着させることができるため

塗装の耐久性が向上します。さらに、ケレン作業では古い塗膜の除去も行います。これまで長年の間、外壁材を守ってくれた古い塗膜ですが、すでに役割を終えて、十分な機能性を発揮できなくなってしまっています。経費がもったいないからと、この古い塗膜の上から新しい塗料を塗ってしまうと、新しい塗料は外壁材に密着せずに、古い塗膜についてしまいますので、古い塗膜がはげ落ちると同時に、新しい塗料もはがれてしまうという問題があるのです。

そのため、ケレン作業によってしっかりと古い塗膜をはがしておく必要があるのです。(ここが優良業者の見極めどころです)

ケレン作業は必要か?

 すでに、説明しているとおり、ケレン作業をしっかりと行わなければ、外壁材と新しい塗料がしっかりと密着しませんので、塗料の耐久年数が非常に低いものとなってしまうことになります。過去に、ケレン作業の手を抜かれていたことによって、通常7年~10年は持つといわれている外壁への塗装が、わずか1年~3年で剥離の症状が現れ、仕方なく再度外壁塗装を行ったという方もいらっしゃいます。そのため、外壁塗装を行う際、ケレン作業は必ず必要な作業となるのです。

なお、ケレン作業にかかる費用については、現在の外壁の状態によって実施するケレンが異なることから、その外壁を実際に確認してみなければ判断することができません。

参考:外壁塗装工事後の塗膜の剥がれを防ぐために

ヨコイ塗装のケレン作業

 ヨコイ塗装では、外壁塗装の品質はどれだけ丹念に下地処理を行ったかで決まると考えています。そのため、下地処理の1プロセスであるケレン作業についても一切妥協を行うことはございません。

サビを除去すべきところはすべて除去し、毛羽立った木材は、すべて修復し、古い塗膜は徹底的にケレン作業を実施いたします。そのため、他の業者よりもケレン作業に関する費用が高いというケースや、作業日数が多いというケースも出てしまいます。しかし、ここで時間や費用をしっかりとかけてでも、ケレン作業を妥協なく行うことで、高品質な塗装に仕上げるために必要な時間と費用となっています。他の業者よりも少し高く、また工期も伸びてしまいますが、最初のケレン作業をしっかりと行っておくことで、外壁塗装の仕上がりはとてもきれいに仕上がりますし、その耐久年数も長くなりますので、長期的に見た場合、外壁塗装にかかる費用は安くなるとかんがえられます。 

ケレン作業の重要性

 ケレン作業は、外壁塗装工事の品質を決定する非常に重要な作業であると説明しました。なぜ、ケレン作業が重要なのかというと、ケレン作業を行わずに、サビや汚れ、古くなった塗膜の上から塗装を行うと、塗装する面に大きな凹凸があるため塗装にムラが生じてしまい、美しく塗ることができません。

また、そのようにして行われた塗装は、外壁にしっかりと塗料が乗っておらず、サビや汚れの上に塗料が乗っているという状態ですので、外壁からサビや汚れが剥がれ落ちるときに、塗料も剥離してしまいます。また、外壁に塗料が乗っていませんので、サビや汚れと外壁の間に空洞ができてしまいます。その隙間は、塗料による防水性能は期待できませんので、水が入り込んでしまうと、家の内部が腐食してしまうという問題もあります。

つまり、ケレン作業は外壁塗装の美観だけでなく、耐久性にも大きく影響する重要な作業であると言えます。

ケレン作業の内容

 ケレン作業は、鉄の部分のサビをしっかり落とす作業がメインとなります。では、木造部分にはケレン作業を行わなくてもいいのかというと、そうではありません。木造部分では、サビはありませんが、木の毛羽立ちなどによる凹凸を慣らす作業が必要となります。

また、完全にツルツルに磨かれた状態では、逆に塗料が付着しません。そのため、細かな傷をつけて、塗料の乗りをよくするのもケレン作業の目的の一つと言えます。

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ケレンの種類

ケレン作業は、外壁の状態によって、2種ケレンから4種ケレンの中から、適切なケレンを行います。

  • 1種ケレンはサビや腐食が相当ひどい場合に使われることがありますが、一般住宅で行われることは、まずありません。なぜなら、一般住宅の場合において、1種ケレンが必要な場合は、その部分を取り換えてしまうほうが安価であるためです。1種ケレンは、ブラスト工法によりサビや古い塗膜を除去する方法になりますが、ブラスト工法は粉じんや騒音など、環境への配慮が必要とされていますので、非常に高価な作業となってしまいます。
  • 2種ケレンは、重度のサビや腐食がある場合に行われるケレン作業です。2種ケレンでは、電動工具を使用して、徹底的にサビや古い塗膜を除去します。2種ケレンも、非常にコストと手間が発生するため、取り換えの方が安価な場合が多く、一般住宅ではあまり使われることはありません。価格は、1㎡当たり1,400円~2,200円が相場となっています。
  • 3種ケレンは、サビや古い塗膜の劣化がひどくなく、サビていない部分や塗膜が劣化していない部分が残っている状況で使われるケレン作業です。3種ケレンは、主に手作業か電動工具によるブラッシングでサビや古い塗膜と除去します。3種ケレンが、ケレン作業において最も選択されているケレン作業になります。価格は、1㎡当たり500円~1,200円が相場となっています。
  • 4種ケレンは、サビや古い塗膜がほとんどなく、表面を洗浄するレベルできれいにできる状態の場合に選択されるケレン作業です。主に手作業で、紙やすりを使用して行われます。価格は、1㎡当たり200円~400円が相場となっています。

 

まとめ

 ケレン作業はサビや汚れ、腐食の度合いによって、コストが大きく異なります。特に、1種ケレンや2種ケレンを行わなければならないほど、重度なサビや腐食がある場合は、ケレン作業ではなく、取り換え作業になりますので、非常に高価な工事となってしまいます。

 しかし、そこで取り換えを行わずに、塗装でだましだまし使っていたとしても、塗装自体の耐久性も下がるうえに、塗料がしっかりと付着しませんので、家そのものの耐久性も下がってしまう事となります。そのため、1種ケレンや2種ケレンが必要な状態まで進んでしまうと、非常に高いコストを支払わなければならなくなるのです。

しかし、3種ケレンで対応できる状態で外壁塗装工事を定期的に行っておけば、サビや汚れ、腐食も定期的にきれいに取り除かれていますので、比較的安く、塗装もいい状態をキープすることができます。さらに、塗膜が古くなる前に塗り替えますので、防水性能も高く、家へのダメージも少なくて済みます。(ここでの作業の質が、品質につながり、良い職人かどうかの分かれ目になります。)そのため、定期的に外壁塗装工事を行うことで、外壁のメンテナンスを行うことをおすすめいたします。

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