軒裏(軒天)とは

 軒裏・軒天とは、屋根の真下部分にある壁の事で、屋根の裏の部分を指します。軒裏、軒天は、同じ部分を指しています。最近の住宅では、建築主や家主の意向によって、軒裏を設けていないケースが増加傾向にありますが、もともと軒裏は家を守るために設置していたもので、あることで受けられるメリットや、デメリットがあります。

メリットの1つは、隣家で火災が発生した場合に、その延焼を防止する効果があることです。使用する頻度は高くありませんが、万一に備えた機能となっています。そのため、軒裏には、準防火地域の木造2階建ての場合、30分以上の耐火時間が必要というように、一定基準を満たす防火性能が求められています。

次に、屋根裏の換気ができるというメリットもあります。屋根裏を換気することで、屋根裏内の結露を防止し、家が苦手とする湿気から守ることができます。

しかし、軒裏にもデメリットがあります。それは、軒裏自体が経年劣化するため、きちんとメンテナンスを行わなければならないという点です。ここでは、軒裏の劣化の判断基準と、メンテナンス方法についてご紹介します。

軒裏の役割

軒天には、主な役割には以下の2つがあります

  1. 見た目を整える  軒をきちんと出した家では、軒天の色選びも家のイメージを左右する大切な要素になっています。もし軒天が無いと、地上から見ると屋根裏の野地板や垂木が丸見えになってしまい、そのままだと見栄えはよくありません。それらを隠すためにも軒天が貼ってあります。壁の色に揃えれば壁の延長として、のびやかな印象になります。住まいのイメージにあわせて、外壁材や屋根材の配色を、トータル的にコーディネートしましょう。
  2. 延焼対策  火事の時に窓から炎が上がった場合、すぐに軒までに炎が達しますが、防火の観点から、軒天は現在ケイカル板がメインに使われています。屋根裏までの一気の延焼を食い止めます。

軒裏の劣化

 軒裏も建築物の一部ですので、外壁や屋根と同様に劣化します。その軒裏の劣化については、以下の症状があります。

  1. 色褪せ  軒裏は、直接紫外線が当たる場所ではありませんので、その速度は緩やかですが、照り返し等の原因で色褪せが発生します。しかし、色褪せそのものは、軒裏の色の問題であるため、軒裏の機能としては、まだ問題はありません。
  2. はがれ  軒裏に合板や化粧板を使用している際に発生しやすい現象で、表面だけが剥がれている場合から、軒裏の板がはがれている場合まで、様々な状態があります。表面だけが剥がれている場合であれば、きっちり剥がれている部分を剥がし切って、きれいにしてから塗装工事することで補修はできますが、比較的内部まで剥がれが進んでしまうと、塗装だけでは補修することができません。無理に塗装を行っても、板の剥離に伴って、せっかく塗った塗料もボロボロに剥がれてしまい、汚く見えてしまう上に、塗装の効果が得られません。そのため、軽度な剥がれ以外の場合は、軒裏の張り替えを検討する必要があります。
  3. シミ  軒裏は、基本的には屋根がきちんと排水できている限り、シミは発生しません。軒裏にシミが発生するのは、屋根で排水しきれずに、家の内側に雨水が入り込み、そこから軒裏に入り込んでくる場合です。つまり、一旦家の中にまで入り込み、そこからさらに移動しているということは、家の中で雨漏りする可能性が非常に高い状態ということです。軒裏でシミを発見した場合は、すぐに業者に調査を依頼する必要があります。
  4. 藻・カビの付着  藻やカビの発生についても、軒裏に湿気が含まれているという点で、シミと同様に注意が必要です。しかし、シミとは違い、少しの湿気や雨水でも発生するため、シミほど緊急性は高くありません。屋根や軒裏できっちり排水ができているか、しっかり確認しておく必要があります。
  5. 部品の欠落、穴あき  劣化によって、部品が落下したり、軒裏に穴が開いてしまっている状態です。このまま放置してしまうと、部品の穴や劣化による穴に虫や小動物、鳥などが入り込み、内側から家を破壊してしまう可能性があります。そのため、できるだけ早く対応する必要があります。

軒裏のメンテナンス

塗装

 軒裏に目立った大きな劣化がないうちに、定期的に塗装を行っておくことで、軒裏の耐久年数を伸ばすことができます。

劣化状態の「①色褪せ」の場合や、「②剥がれ」の中でも軽傷なものについては、塗装で補修することができます。

塗装工事を行う場合は、しっかりと軒裏の汚れを取り、剥がれなどもきれいに処置してから塗り始めなければ、汚れの上や剥がれかけている板の上から塗ることとなり、塗装による補修の効果は見込めません。塗装工事を行うことにより、軒裏に塗膜ができ、外部からの湿気や雨水から軒裏を守ることができます。

ヨコイ塗装が軒天に使用するメイン塗料

日本ペイント「ノキテンエース」

特長

  • 省工程
    改修塗装時に旧塗膜が活膜の場合には、シーラー塗装工程が不要で、上塗り塗料を直接塗装することが可能です。
  • 厚膜性
    ローラーでの厚膜仕上げが可能なことから、旧塗膜剥離箇所の不陸を緩和します。
  • 透湿性
    塗膜には透湿性がありますので、背面からの水分の影響を緩和し、膨れや剥離を抑制します。
  • 微弾性
    微弾性塗膜なので、下地のヘヤクラックを抑制します。
  • 高耐久性
    水性反応硬化形なので、各種旧塗膜への密着性に優れ、一般水性塗料と比較し、優れた耐久性を発揮します。
  • 防藻・防かび性
    藻やかびの発生を抑制し、建物の美観を維持します。

【塗り重ね時間】

  • 5−10度 5時間以上
  • 23度 2時間以上
  • 30度 1時間以上

日本ペイントさんより

となっています。寒い時期は、下請けの業者さんだと、ハウスメーカーさんから納期を迫られることもあります。忙しくなって職人さんがしっかりと乾燥時間を守ってくれるかどうかも、塗膜の適切な品質さを保つ上で重要です。しっかりと見積もり時に確認してみてくださいね。

配色については、しっかりとした白色は、綺麗ですが、砂埃等の汚れが目立ってしまいます。あまりに汚れが気になるようでしたら、少し色味をぼかして、目立たないようにするのも良いです。

張り替え

 塗装工事だけでは補修がしきれないほど劣化している状態である場合は、軒裏の板を張り替える必要があります。

この場合、劣化している一部分だけを張り替えるのではなく、全面張り替えなければ、張り替え前後の部分で劣化の速度が異なり、すぐに他の部分が劣化してしまいます。その都度、補修をしていると、時間もコストも無駄にかかってしまうため、軒裏に穴があいている場合や、軒裏の板が大部分剥がれている場合などは、軒裏の板を全面張り替えるほうが、結果として安く抑えることが可能です。

木部の洗い

 家を建てるときの素材として、木材は外せない素材となっています。その木材を使用した木部について、使用している面が大きければ大きいほど、紫外線等によるシミや汚れが徐々に目立ってしまいます。木部に染み込んでしまった汚れは、普通に高圧洗浄等を行ったとしても落とすことができません。

そんな木部の汚れをしっかり落とすとともに、木部の保護を行うことで、きれいで丈夫な木部を取り戻す事ができます。特に、木部の保護については、雨や湿気による内部腐敗の防止にも効果がありますので、定期的に実施しなければなりません。

1.あく洗い

 最初に、木部に染み込んだ最も頑固な汚れを落とす作業から開始します。この作業では、過酸化水素水を主成分とした薬品を塗り、汚れが浮き出てくるまで放置します。汚れが浮き出てきたら、水をつけた刷毛で薬品を洗い流し、汚れを除去します。

木部の汚れを落とす作業では、この「あく洗い」が最も重要となります。この作業を雑に行ってしまうと、木部の内部に染み込んだ汚れが落ちきらず、きれいに仕上げたとしても、その汚れが目立ってしまう結果となってしまいます。そのため、「あく洗い」については、薬品を塗って、水で洗い流す作業を、通常は3回程度繰り返し、内部の汚れまでしっかり落としてしまいます。

2.しみ抜き

「あく洗い」によって、木部の内部にまで入ってしまった汚れを落とすことはできますが、紫外線によってついてしまったシミについては、落とすことができません。そのため、次のステップでは、木部の「しみ抜き」を行います。

手順としては、あく洗いと同様に、しみ抜き専用の薬品を、シミやシミの素となる部分に塗り込んで行きます。こうすることによって、薬品とシミが化学反応をおこし、シミが消えていくという仕組みになっています。ここで使用した薬品は、水洗い等は行わずに、このままにしておきます。

3.漂白

 あく洗いとしみ抜きによって、汚れやシミはしっかり落とすことができました。次は、紫外線による日焼けを落とす作業になります。この作業のことを漂白といいます。また、漂白で使用する薬品は、しみ抜きで使用した薬品を中和する働きがありますので、日焼けがない部分についても、しみ抜きを行った場所については、漂白を実施しなければなりません。

 この作業についても、漂白用の薬品を塗り込んでいくという作業になります。この漂白用の薬品を塗り込むことで、しみ抜きで使用した薬品が中和されますが、その際にガスが発生しますので、漂白作業を行う際には、注意する必要があります。

4.修正洗い

 ここまでで、木部についた汚れ等はすべて除去することができています。修正洗いのステップでは、これまでに塗り込んできた薬品をしっかり拭き取り、黒ずみ等があれば研磨剤で取り除くという仕上げの作業を実施します。これによって、汚れやシミ、日焼けといった木部の汚れがすべてなくなり、きれいな木部を再現することができます。

5.木部保護

 修正洗いによって、きれいな木部に仕上げることはできていますが、このまま終了指定舞うと、また、すぐに汚れが付着したりシミや日焼けが生じてしまいます。また、木部に雨等が入り込んでしまい、内部から腐食してしまうことも考えられます。

 そうならないためにも、木部を保護するための塗装作業を行います。木部の塗装を行うことによって、お好みの色に仕上げることもできますし、木目を活かした自然な仕上げを行うこともできますので、第一に美観を保つ事ができます。

 次に、紫外線をカットする顔料が含まれている塗料を使用することで、紫外線によるシミや日焼けから木部を守ることができます。さらに、塗料を塗ることによって塗膜が貼られることになりますので、防水性能も向上します。これによって、木部を雨や湿気から守ることができます。

6.木部洗いのまとめ

 木部の洗いは、木部の定期メンテナンスとも言える作業です。あく洗いから修正洗いまでの各プロセスは、

通常の外壁塗装の下地処理と同じような役割であるといえます。そのため、あく洗いから修正洗いまでの各ステップは非常に重要な工程であるといえます。

 通常の外壁塗装であれば、下地処理で手を抜いても塗料によって隠せてしまいますので、下地処理の手抜きを発見するのは、非常に困難ですが、木部の洗いについては、木部がそのまま仕上がりとして表面に現れますので、雑な作業を行う業者であった場合、すぐにその雑さがわかってしまいます。

 軒裏下地処理例

埃がだいぶついています。塗装で大切なことは、塗る表面のしっかりと汚れを取る事。塗装は、よくお化粧にも例えられます。すぐに化粧をしないですよね。まずはしっかりと洗顔をしますよね。同じく、いきなりお化粧をするわけでもなく、ファンデーションをしますよね。

塗装も一緒でまずは、掃除と下地処理が大切です。

納期等のプレッシャーがあるのでしょうか?よく下地処理もしないで、すぐに塗装作業にかかってしまう業者さんも見受けられます。下地処理や掃除をしないで、すぐに塗ってしまうのは本当にだめなことです。動画では伝わらないかもしれませんが、埃がだいぶ載っています。

そのため、しっかりとした掃除が必要になります。ペーパー掛けをして、なおかつ高圧洗浄をして水拭き等をしてすっきりときれいにしてから、ようやく下塗りが始まります。埃の上になっても、すぐに塗膜が剥がれてきてしまいます大切な事はしっかりと汚れを取ることです。見積もり時に、下地処理の内容を聞いておくと良いかもしれません。

軒裏おかしな事例

この映像見て、何か不思議に感じませんか?空気抜けが飾りになっています!!今回のお住まいで見受けられた不思議な構造です。通常家の構造は、夏暑い空気がこもらないように、天井や軒裏などに軒裏換気があります。(軒裏換気とは、換気口を取り付け天井裏にこもった熱気や湿気を排出する換気システムの一種。)今回こちらにお伺いさせていただいた現場では、空気は長飾りになってきました。これですと上部にこもった熱気、湿気が逃げるところもなくなってしまいます。その結果、天井裏の空気は逃げ道を失いないます。

映像のように空気穴が飾りで、逃げ道がないので内部に空気がこもってしまいます。その結果、軒裏に貼るベニヤ板がボロボロになって劣化しています。沢山現場を見ていると、昔からの構造で結構ずさんに作られていたお住まいもけっこうあります。ふだん気になるところがあったら、めもをしておき、相談してみると良いでしょう。これ以上の被害を食い止めるにも、リフォームついでに処理してもらいましょう。

ハチ退治

塗装していますと、ハチが飛んでいることがあります。特に軒天多いですね。足場がありますので、外壁塗装工事のついでに退治をしてもらうと良いかもしれません。特に小さいお子さんが居る事は、気にかけてもらうと良いかもしれません。

足場を組むと言う事は、費用もかかりめったにやることではありません。目を実際に足場を組んでみないとわからないということも結構あります。普段気になることもすっきりさせて、心も塗り替えられると良いですね。