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ウレタン塗装について

ウレタン塗装は、最近ではあまり選ばれなくなった塗料ではありますが、外壁塗装にとって完全にシリコン塗装に劣っているかと言われると、そうではありません。シリコン塗装が主流の現在においても、あえてウレタン塗装を選択するケースがあります。今回は、そんなウレタン塗装についてご説明します。

 

1.ウレタン塗装とは

 ウレタン塗装は、ウレタン塗料という塗料を使用する塗装方法になります。ウレタン塗料は、耐候性がありつつ、低価格であることから、少し前までは主流の塗料となっていました。しかし、その後、シリコン塗料というウレタン塗料よりも耐候性が高く、価格もリーズナブルな塗料が登場したことによって、徐々に使用される機会が減少しています。

 しかし、現在においても、ウレタン塗装が完全になくなったわけではありません。シリコン塗料よりも耐候性が劣りますが、その分、コストを抑えることができますので、例えば、雨樋部分のみをウレタン塗装をすることによって、トータルコストを削減する場合や、改装などを計画しており、長期間使用する予定ではないため、耐候性が低くても問題がないウレタン塗装を行うといった使い分けが可能となっています。

 

2.ウレタン塗料の種類

①水性塗料か溶剤(弱溶剤、強溶剤)か

ウレタン塗料は、塗料そのままで使用することはできず、希釈のための溶剤と混ぜ合わせる必要があります。この混ぜ合わせる溶剤によって水性、弱溶剤、強溶剤の3つのタイプに分けることができます。

(1)水性

  ウレタン塗料を水で薄めるタイプの塗料です。塗料独特の匂いが少なく、作業が容易であるという特徴があります。 昔から水性塗料と溶剤系比較すると溶剤系塗料の方が耐久性が良いです。ウレタンは耐候性も低いので、 屋内での使用を除き、なるべく溶剤系の塗料を使用した方が良いです。

(2)弱溶剤

  ウレタン塗料を薄めのシンナーで薄めるタイプの塗料です。水性に比べ、匂いは発生しますが、 水性塗料に比べ塗料の粘度があるため、密着度や耐久性が向上しています。

(3)強溶剤

  ウレタン塗料を強めのシンナーで薄めるタイプの塗料です。他の2つに比べ、匂いが強く、人体や環境への影響もありますので取り扱いには注意が必要ですが、弱溶剤よりも高い密着度、耐久性があります。 仕上がりがなめらかで、ハケ目が目立たないなどきれいな仕上がりが特徴です。ただ臭いがきついため職人さんに与える影響は大きいです。

②1液型か2液型か

2液型は、塗料の缶と硬化剤の缶の2つから構成され、塗装の直前に塗料と硬化剤を混ぜ、そこに上記の希釈剤を入れることによって使用できるウレタン塗料です。2液型の塗料は、耐久性が高く、様々な場所に塗装できる一方で、混ぜたらすぐに使用しなければならず、余った分は後日使用できないといったデメリットが存在します。 一般住宅では下請けの職人さんが工事に来てくれることがよくあります。そこではしっかりと混合比率を守って職人さんが塗装してくれているかどうかも確認するポイントとして降ってます。秤をちゃんと使用しているかどうかそちらがポイントになってきます。

③1液型

1液型は、塗料の缶は1つだけで、そこに上記の希釈剤を入れることによって使用できるウレタン塗料です。1液型の塗料は、2液型に比べて価格が安く、残っても翌日、再度利用することはできますが、耐久性が低く、使用できる場所が限定されるというデメリットが存在します。 材料はシンナーで希釈されているため、余った材料が多すぎる場合は再利用はできませんが、現場ではそこまで希釈率に対する意識が低いためなので収まっています。

 

3.ウレタン塗装の耐久性

 ウレタン塗装の耐久性は、一般的に5年~7年と言われています。現在、主流のシリコン塗装の耐久性は7年~10年ですので、それに比べると耐久性は低いといえます。1缶あたりのコストは、ウレタン塗料が5,000円~20,000円なのに対し、シリコン塗料は15,000円~40,000円となっており、費用対効果はウレタン塗料のほうが高いように見えますが、実際には外壁塗装の工賃等もかかるため、長期的に見た場合は、シリコン塗装の方がコストパフォーマンスは高いといえます。逆に耐久性が7年未満で問題ないのであれば、ウレタン塗装のほうがコストパフォーマンスは高いといえます。

 

4.ウレタン塗料のメリットとデメリット

①ウレタン塗装のメリット

(1)低価格

これまでの説明でも何度か出てきていますが、ウレタン塗装のメリットとして第一に挙げられるのは、その費用の安さです。ウレタン塗装は、数ある塗装の中でも非常に安価ですので、コストを抑えるには、真っ先に候補に上がる塗装方法となります。また、似たような価格帯のアクリル塗装よりも耐久性に優れており、使用できる素材が多くあるのもメリットとなります。

(2)塗料の種類

 ウレタン塗料は、シリコン塗料が登場するまで、外壁塗装の主流でしたので、各メーカーから様々な塗料が販売されています。各メーカーが様々な工夫を凝らした塗料の中から最適な塗料を選択できるのもウレタン塗装のメリットとなります。

(3)使い慣れた職人さんが豊富

 先程も記載した通り、ウレタン塗料は、昔から使用されている塗料ですので、ウレタン塗料を使い慣れた職人さんが多く活躍しているのもメリットの1つでしょう。多くの職人さんが使い慣れているため、塗装の品質が高く、安心しておまかせすることができます。

(4)ウレタン塗料の弾性

 ウレタン塗料は弾性が高く、ひび割れが起きにくい特徴があります。例えば、木材などは時間の経過や水分の保有状況によって伸縮する特徴がありますが、弾性の低い塗料で塗装した場合、その伸縮に塗料が耐えきれず、ひび割れが発生していまいます。しかし、ウレタン塗料であれば、弾性が高いため、木材の伸縮に合わせて塗料も伸縮し、ひび割れが起きにくいというメリットがあります。 夏冬の寒暖差による雨樋の伸び縮みにも対応ができるのが特徴です。

②ウレタン塗料のデメリット

(1) 耐久性

 こちらの何度が記載していますが、シリコン塗装に比べてウレタン塗装は耐久性が低いというデメリットがあります。耐久性が低いと、その分、塗り替えの頻度が増し、長期的にはコストがかかってしまうというデメリットとなります。

(2) 紫外線の影響

 ウレタン塗装は、紫外線から建物を保護する力はありますが、塗料そのものが紫外線の影響を受けやすく、艶びけが早く起こることがあります。そのため、ウレタン塗料は紫外線が当たりにくい部分に適しており、屋根や直接紫外線を受ける外壁にウレタン塗料を使用した場合は、変色すること可能性が高いことに注意しなければなりません。

(3) 塗料の膨張

 断熱材が入っている住宅が増加していますが、外壁に断熱材が入っている場合、外壁と塗料の間に熱がこもりやすくなります。この熱によりウレタン塗料が膨張してしまい、剥がれてしまうケースがありますので、断熱材が入った外壁への塗装には向いていません。

 

現在ではシリコン塗装が主流となっていますが、ウレタン塗装もメリットとデメリットをしっかりと理解した上で使用することで、現在でも有効な塗装方法となります。ウレタン塗装のメリットとデメリットについては、信頼できる業者さんに相談することでしっかり説明をうけることができますので、お気軽にご相談ください。

ウレタン塗料とは?現在の主流の塗料とは?

1液ウレタン塗料は、現在の外壁塗装においてはほとんど使われておりません。

現在見積もり時においては、アクリル、ウレタン、シリコン、フッ素、無機塗料 とそれぞれ のグレードに分かれて見積に提案されると思います。その中でウレタン塗料は一昔前に比べ、見積もり時においても選ばれることが少なく、ヨコイ塗装でも実際に工事には使っておりません。 価格が安いので工事価格は安いのですが、耐久性が5~8年と非常に短いのが原因です。現在で最も使わ れているのはシリコン塗料になります。 最近ですと農協さんやエデンさんなどがエスケー科研とタイアップしてフッ素塗料をよく使用している感じです。ヨコイ塗装でもメインの塗料は無機塗料もしくはフッ素塗料になってきています。

ウレタン塗料は外壁塗装にオススメできるの??

ウレタン塗料は、耐候性が低く外壁塗装にはお勧めできません。そちらの根拠をまず説明したいと思います。

塗料はまず艶が引けてから、そのあと顔料が褪せてきて、 いわゆる色あせが起こる状態になります。ウレタン塗料は他の塗料と比べ比較的早く艶が引けてしまいます。 そのため現在では外壁塗装においては耐久性の低さからあまり使われる事は少なくなっております。

現在主流になっている塗料は、一般的にはシリコン塗料以上のグレードのものが多くなってきています。 日本ペイントさんシリコン塗料では「ファインシリコンフレッシュ」あたりが主流ではないでしょうか。

※ツヤびけに関して、ウレタン塗料とシリコン塗料では明らかに違いが出てきます。

ウレタン塗料の特徴とは?外壁塗装前に知るべきメリットとデメリット

ウレタン塗料のメリットとしては、塗料自体にかなり柔軟性があり雨どいや木部などの伸縮する素材に対しても対応できると言うことです。 逆にデメリットとしては上記にお伝えしたように紫外線に対して弱く、ツヤびけが早いことです。 屋根の塗装に関しては、紫外線がきついので、ほとんどウレタン塗料で塗装する事はなくなってきています。( 紫外線をからの塗膜の劣化を出るのが塗料の通夜の部分になります。)

そんな現在活躍の場を失ってきた ウレタン塗料ですが、メリットとしては非常に塗りやすく、塗膜の美観にも優れ、 どことなく高級感を感じさせるます。ヨコイ塗装で一昔前には、実際日本ペイントの「1液ファインウレタン」をよく使用をしておりました。使用する箇所としては、紫外線の当たらない車庫の内部の鉄骨、などに使用をしておりました。

逆にデメリットは、紫外線に弱く耐久性が低いと言うことになります。 したがって紫外線のよく当たる、屋根塗装においてはオススメはできません。

ただどちらにしろウレタン塗料を現在外壁で塗装使用する事はかなり少なくなってきています。

 

ウレタン塗装(塗料)はどんな場合に適している?

「ウレタン」は一般的に「ポリウレタン」の通称として使われており、塗料業界ではウレタンといえばポリウレタンのことを指します。ウレタン樹脂は、組成内にウレタン結合を有するポリマーのことで、基本的には2個以上のイソシアネート基をもつ化合物と2個以上の水酸基を持つ化合物を反応させることで得られます。

ウレタン樹脂塗料は、主剤として複数の水酸基を持つ樹脂(ポリオール)と硬化剤としてのポリイソシアネートを組み合わせた塗料の総称で、使用するポリオールとポリイソシアネートの組み合わせ次第で、様々な特徴を示します。
塗料としては、耐候性が求められる上塗りとしてよく用いられます。また、一液湿気硬化型の下塗りや低温硬化型塗料としても用いられます。大日本塗料株式会社より引用

ポリウレタン樹脂を使用した塗料は現在でも比較的に使われることが多いです。ウレタン塗料に比べ耐候性も高く、非常に長持ちします。 ヨコイ塗装が破風の部分に、ポリウレタンの塗料「ファイン木部用クリアー」 よく使用していますが、10年近く持っているお住まいが多いです。(破風や鼻隠し等の木部の箇所を、「キシラデコール」で塗装する事は非常に多いです。 つるっとした感じの仕上がりになるのが特徴です。「キシラデコール」単体では非常に耐候性が弱く、3年から5年に置いて塗膜が剥がれてくると言うようなことがあります。 そういった時に「キシラデコール」の上にクリア塗膜をかぶせることで、非常に耐久性を高めることができます。 ポリウレタン樹脂の塗料は鉄橋や橋などにも よく使われています。

また同様のウレタン塗料として2液型の塗料も使っておりました。 ロックペイントさんの「ユメロック」 は非常に使いやすく、また柔軟性も非常にあるため木部の塗装においても過去に非常に重宝していました。 木部の塗装事においては柔軟性をより持たせるために、弾性用の硬化剤を使うことをお勧めしております。

ウレタン塗装はどんな時に使うべき?

ウレタン塗料はシリコン塗料に比べ、とにかく安いです。したがって店舗等の塗り替えのように、5年前後を持てば充分と思うような場合で、塗り替えスパンが短い場合、ウレタン塗料を使用するのも良いと思います。 (シリコンだと7から8年程度、 フッ素塗料ですと10年前後、と言われています)

※ メーカーは机上の空論で、比較的期待対抗年数は多めに盛ってきていることがので、実際の対抗年数は2 -3年低く見積もってた方が良いです。

れている箇所としては現在使われる塗料は、フッ素と無機塗料が多いです。ベランダ床面の防水ウレタン防水に関しては現在でも使用することが多いです。

 

カラーベストの塗装と張替えはどのタイミングで?

カラーベストは、セメントとけい砂、それに繊維を原料とした屋根材で、「化粧スレート」と呼ばれる屋根材のとある商品名を指しますが、最近ではカラーベストといえば「平型化粧スレート」のことと言われるほど定着しています。ホッチキス(商品名)とステープラのような関係ですね。カラーベスト屋根は、ケイミューというメーカーが販売している化粧スレート屋根の総称で、コロニアル・クァッド、コロニアル・グラッサ、コロニアル・グランデグラッサといった通称「コロニアル」シリーズが非常に有名です。カラーベスト屋根は、施工性がよく、価格も安いことから、最近の住宅には多く取り入れられている屋根材となっています。

 今回は、カラーベストのメンテナンスについて、ご説明いたします。

カラーベストの劣化について

劣化したカラーベスト

カラーベストとアスベスト

 以前、「アスベストは危険だ」というニュースが流れ、アスベストの使用に制限がかけられたことを記憶されている方も多いかと思います。カラーベストは、昭和36年ごろから販売されており、当時はアスベストについては問題視されていませんでした。そのため、2006年頃までに販売されたカラーベストにはアスベストが含まれていますが、それ以降に販売されたカラーベストには含まれていません。そのため、カラーベストの劣化を見つけた際、そのメンテナンスを行う際には、もしアスベストが含まれているカラーベストを使用していた場合、アスベスト対策が必要になるという点について、注意が必要です。

カラーベストの寿命

 カラーベストの寿命はおおむね20年と言われています。ただし、アスベストの有無や使用環境によって、それよりも早く劣化する場合もあれば、30年程度持つといった事例もありますので、20年はある程度の目安として捉える必要があり、実際にはカラーベストの劣化状態を見ながら判断することになります。

カラーベストの劣化

 カラーベストが劣化しているという状態は、主に3つに分類することができます。

 

峰のトタン抑えの釘は大体浮いてきます
  1.  カラーベストが劣化し、割れてしまっている状態です。カラーベストの下にはルーフィングという防水材が入っているため、カラーベストが割れたからすぐに雨漏りにつながるというわけではありませんが、屋根材の内部に水分が侵入することに変わりはありませんので、ルーフィングの劣化を早めることにつながり、最終的に雨漏りの原因となります。カラーベストが割れる原因としては、台風や強風など、風によって運ばれてきた飛来物などの物理的な接触で割れてしまうケースと、経年劣化で割れるケースの2通りあります。カラーベストは、材料をセメントで固定している屋根材になりますので、少なからず屋根材の中に水分が含まれています。この水分が凍結や融解を繰り返すことによってわずかながら体積の変動が生じ、繰り返し、その状態が続くことによって、素材が耐え切れなくなり割れてしまうのが、経年劣化の原因と言われています。
  2.  カラーベストは割れる以外にも反ってしまうという劣化の状態もあります。原因は経年劣化によってカラーベストが割れることと似ていますが、カラーベストの表面と裏面の温度変化によって、中の素材が伸縮を繰り返していますが、通常はそれでもしっかり密着させるよう作られています。しかし、経年劣化によって、その密着が維持できなくなった場合に、表裏の温度変化によってカラーベストがいびつに伸縮してしまい、それが反りにつながってしまいます。カラーベストが反ってしまった場合にも、その部分から雨水が屋根材の内部に侵入することになりますので、雨漏りの原因となってしまいます。
  3.  カラーベストを固定している釘やビスが劣化して外れてしまうことや、地震などによってこの釘やビスが外れてしまうことがあります。それらが1つや2つ、外れてしまったからと言って、すぐに屋根全体が外れてしまうというわけではありませんが、少なくともその釘やビスで固定していた部分にはズレが生じ、カラーベスト同士の接触などによって、カラーベストが割れたり、ひびが入ったりしてしまうケースがあります。また、これらは、自然災害や経年劣化だけではなく、施工した業者の腕が悪かった場合や、手抜き工事が行われた場合にも同様の症状が発生します。そのため、建てたばかりだからと安心して、全くチェックしていなかった場合、カラーベストの劣化に気付かず、雨漏りして初めて気づくといった事象も存在しています。
  4. カラーベストは、基本的に塗装を行って使用します。この塗装は、物理的なカラーベストの劣化を防止することはできませんが、屋根材の強度を増したり、防水性能を増す、大切なメンテナンスとなります。この塗装工事は、おおむね10年に1度、実施することが推奨されていますので、この塗装工事の際に、カラーベストの劣化状況をプロの業者にチェックしてもらうことで、劣化を早期発見し、適切なメンテナンスをとることが可能となります。

 非常に、軽量で丈夫なカラーベストですが、それでも時間やその他の要因によって劣化してしまいます。それを早期発見し、適切な対処を行うことで、建物を長く使い続けることが可能となります。カラーベストのメンテナンスにお悩みの方は、ヨコイ塗装にご相談ください。

参考: カラーベスト・コロニアル

 

屋根は塗膜への環境が厳しいので無機がおすすめ

カラーベスト屋根の張替えと塗装の見極め

 カラーベスト屋根のメンテナンスを行うにあたり、コスト面で考えると①塗装、②重ね葺き、③葺き替え、という順になります。しかし、コストを安く抑えるために塗装を行いたくても、カラーベスト屋根の状態によっては張替えを選択しなければならないというケースもあります。そこで、張替えと塗装、どちらを選択するのか、その見極め方法についてご説明します。

コストが最も低い、塗装を行うためには、既存の屋根材が、そのまま使用できなければなりません。カラーベスト屋根そのものに傷が入っていたり、劣化がひどい状況では選択することができません。あくまで塗装で回復できるのは、表面の塗膜だけであって、屋根材そのものの耐久性を回復させることはできないのです。見た目で判断する基準としては、以下の点が考えられます。

①チョーキング

 塗装が劣化して、触ると白い粉がつく状態です。この症状は、塗装の劣化が原因となりますので、塗装工事を行うことで、本来の性能を取り戻すことができます。チョーキングは、目に見えて塗装の劣化が分かるため、塗装工事を行う1つの判断基準といえます。

②塗膜の剥離

 チョーキングを放置しておくことで、塗装の劣化がすすみ、塗装が剥がれている状態です。この程度までは、なんとか塗装でメンテナンスを行うことができますが、剥離している部分から水分などが入り込み、屋根材にダメージを受けている可能性があります。(下に防水シートがありますので、躯体に害はありません。)この症状が現れたら、できるだけ早めに塗装を行ったほうが良いでしょう。

③カラーベスト屋根の極度の劣化

 塗膜が剥離している状態で長期間放置し、カラーベスト屋根がボロボロの状態です。カラーベスト屋根の内部に水がしみ込んでしまうと、水分に弱いカラーベスト屋根は、膨張し、徐々に破損していきます。この状態で塗装工事を行ったとしても、劣化により素材自体の表面が薄くなっていますので、塗装自体が意味のないものになります。

初期の状態であれば、カラーベスト屋根の強度がある程度残っていますので重ね葺きによるメンテナンスも選択することができますが、さらに放置し、大きな反りや劣化が発生してしまうと、上から重ねて葺くこともできなくなります。そうなった場合は、葺き替えによるメンテナンスしか取れなくなってしまいます。

コロニアル屋根を塗装するタイミング

 コロニアル屋根はその設置時期によって様々な種類があります。

  • 昭和54年から平成13年までは、ニューコロニアルという商品で、メンテナンス時期は建築後30年から35年と言われています。また、メンテナンスの方法もカバー工法によるリフォームとされており、塗装とはされていません。このニューコロニアルは、アスベストが使用されているコロニアルで、非常に耐用年数が長いのが特徴ですが、しっかりメンテナンスしていなければ、大量のコケが発生する特徴があります。コケの発生を抑えるためには塗装を行わなければならず、このコケの量が塗装を行うタイミングといえます。ニューコロニアルは、アスベストが含まれているため、処分には高額な費用が発生します。そのため、塗装を含めてしっかりとメンテナンスを行い、少しでも長く使えるようにしておく必要があります。
  • 次に、平成13年に販売されたコロニアルNEOですが、こちらは現在生産が中止となっています。このコロニアルNEOは、アスベストが規制された直後に作られたコロニアルで、メンテナンス時期は20年程度と言われています。アスベストが含まれていないことから、耐用年数は大幅に落ちており、10年程度で屋根先の毛羽立ちや変色、ヒビの発生が生じてきます。ですので、塗装を行うタイミングは、それら不具合が生じてきたころと言うことになります。
  • 最後に、現在販売されているコロニアルクァッドですが、こちらは製品に改良が加えられており、メンテナンス時期は建築後30年程度とアスベストを含むニューコロニアルと同程度の耐用年数が実現できています。現在、主に利用されているコロニアル屋根はコロニアルクァッドとなっています。しかし、耐用年数が長くてもコケやカビが生えやすいということに変わりはありませんので、それらによって美観が損なわれたときが塗装のタイミングであるといえます。

コロニアル屋根の塗装のポイント

コロニアル屋根は他の屋根材と同様の塗装を行ってしまうと、問題が生じてしまいます。そのため、コロニアル屋根を使用している場合は、コロニアル屋根の塗装手順に従って塗装を行う必要があります。コロニアル屋根の塗装手順は

  1. 洗浄、
  2. 板金処理、
  3. サビ止め塗装、
  4. シーラー塗装、
  5. タスペーサーによる通気性の確保、
  6. 塗料の中上塗り

という手順になります。この内、タスペーサーによる通気性の確保がコロニアル屋根の塗装を行う上でのキーポイントとなります。

コロニアル屋根は板状の屋根材を重ね合わせて作られていますので、屋根材と屋根材の間にしっかりと通気口を確保して置かなければ、入り込んだ雨水等が逃げる場所がなくなり、屋根材と屋根材の間に溜まりこんでいきます。こうして溜まった水分は、屋根材を内部から腐食させていき、屋根の劣化や雨漏りの原因となります。そのため、しっかりとタスペーサーによる通気性の確保を行う必要があるのです。

雨漏りになってしまう事例

コロニアルまとめ

コロニアル屋根は、建築された時期によって耐用年数が大きく異なります。しかし、特徴であるカビやコケの生えやすさは、どのコロニアル屋根であっても同様で、美観を保ち、かつ屋根の耐用年数を伸ばそうと思うと、屋根の塗装を欠かすことはできません。コロニアル屋根を塗装するタイミングは、カビやコケの発生をもって塗装を行うという判断でも問題ありませんが、コロニアルNEOについては他のコロニアル屋根よりも耐用年数が低く、10年程度で劣化が始まりますので、この屋根材を使用している場合に限っては屋根の変色や毛羽立ちといった、屋根材の劣化の症状を見落とさないようにしなければなりません。

カラーベストの塗装タイミング

 カラーベストの屋根は、日本瓦の屋根と違い、塗装によって防水性や耐熱性を保っています。そのため、塗装が劣化してしまうと、十分な防水性や耐熱性を得ることができなくなってしまいます。特に防水性が劣化してしまうと、カラーベスト内部に雨などの水分が侵入してしまうこととなり、雨漏りの原因になってしまいます。

また、雨漏りまでいかなかったとしても、屋根内部の木材が水分を吸収してしまい、腐食してしまうこともありますので、カラーベストの屋根は定期的に塗装を行う必要があります。

屋根塗装 カラーベスト

 一般的には、カラーベストの再塗装は使用する塗料にもよりますが、一般的なシリコン塗料で8年~10年程度といわれています。ただし、外壁と違って屋根を間近で見る機会はそれほど多くありませんので、そのタイミングは非常につかみづらく、状況によっては10年以内に雨漏りしてしまうケースもあり得ます。例えば、前回塗装を行ってから10年を経過していなかったとしても、屋根に色むらや色あせがある場合、カビやコケが見える場合、塗装が剥げているように見える場合は、早めに塗装を検討するのがおすすめです。

カラーベストの塗装

 カラーベスト屋根は、塗装による塗膜によって防水性や耐熱性を維持しています。そのため、塗装が劣化してしまうと、防水性や耐熱性が大幅に低下してしまい、雨漏り等の原因となってしまいます。塗装が劣化した場合は、カラーベスト屋根の塗装を行うことで、防水性や耐熱性を高める必要があります。外壁などの塗装と同じく、得られる防水性や耐熱性、耐候性については、使用する塗料によって大きく変化しますが、後ほど説明する張替えに比べると、安価に実施できるメンテンナンスとなっています。通常、カラーベスト屋根の塗装の間隔は、10年程度といわれていますが、塗装の劣化状況によっては、それよりも早く塗装工事を行う必要があります。しかし、そのタイミングが非常に分かりづらいという問題があります。

 カラーベストの塗装が劣化したときに、塗装工事を行って防水性、耐熱性を取り戻すメンテナンスは、長くカラーベストを使用するうえで重要なメンテナンスになります。しかし、劣化してしまったカラーベストの耐久性までを復元することはできませんので、カラーベストの劣化が進む前に、定期的に塗装工事を行うことをお勧めします。

カラーベスト 高圧洗浄 注意

 カラーベストの塗装を行う場合、使用する塗料によって耐久性は大きく異なります。例えば、安価なウレタン塗料を使用した場合、1回あたりのコストは安く済みますが、耐用年数が5年~8年程度しか持ちません。一方、単価が高い断熱塗料を使用した場合には、1回あたりのコストは高いものの15年~20年という長期間の耐久性を有しています。

現在、ヨコイ塗装がおすすめしているのは、無機塗料で、10年~15年という耐久年数がります。屋根は紫外線などの影響で劣化が激しいので、高性能な塗料をおすすめしています。

カラーベストの張替えタイミング

 カラーベストは、塗装を行うことで防水性や耐熱性を取り戻すことはできますが、それはカラーベスト自体に問題が生じていない場合に限ります。カラーベストそのものに、ひび割れなどの劣化が生じている場合には、カラーベストの張替えという工事が必要になります。

カラーベスト

 カラーベストの張替えは、古いカラーベストを取り除き、新しいカラーベストに張り替える「葺き替え」と、古いカラーベストの上から新しいカラーベストを張る「重ね葺き」という方法がありますが、いずれもカラーベストそのものが劣化し、そのまま使用できない場合に実施することになります。そのため、タイミングとしてはカラーベストのひび割れを発見した場合、ズレやゆがみを発見した場合となります。それらの症状は、環境によって左右されるため、明確に何年程度と示すことができません。

カラーベストの張替え

カラーベスト屋根が劣化した際には、張替えを行うことができます。張替えとは、新しいカラーベスト屋根に張替える工事のことを言い、重ね葺きと葺き替えの2通りの方法があります。重ね葺きは、古いカラーベスト屋根の上から新しいカラーベスト屋根を張る張替え方法で、葺き替えに比べると、古いカラーベスト屋根の撤去が必要ない分、安価に、また、短期間で工事を行うことができます。しかし、屋根全体が2倍の重さとなるため、軽量であるメリットが損なわれ、耐震性が低下します。

一方、葺き替えは古いカラーベスト屋根をすべて撤去し、新しいカラーベスト屋根を張る張替え方法になります。重ね葺きと違い、古いカラーベスト屋根をすべて撤去するため、費用と工期が必要となりますが、全く新しい屋根になりますので、新築の時と同様の防水性能を発揮することができます。しかし、古い屋根をすべて撤去する際に、職人さんの腕や環境によって内部に雨が入り込みやすくなってしまいます。

 カラーベストの張替えは、葺き替えか重ね葺きかによって、その結果が大きく異なります。

 葺き替えの場合、古いカラーベストを撤去して新しいカラーベストを張りますので、コストが高くなるというデメリットがあります。しかし、カラーベストの下のルーフィングや野地板のメンテナンスも同時に行うことができますので、それらに劣化が生じた場合は、早期発見を行うことができます。また、重量もこれまでとは変化しませんので、耐震性能が低下する心配もありません。

 一方、重ね葺きの場合、古いカラーベストの上から新しいカラーベストを張るため、2倍の重量が必要になってきます。重量が増えると耐震性が低下してしまいますので、葺き替えに比べると、耐震性能が低下してしまうことになります。しかし、古いカラーベストを取り除かない分、コストは安く抑えることができ、また単純に屋根が2層になるとことなので、雨漏れの心配も減ってきます。ただし、古いカラーベストの劣化状況がひどい場合には、重ね葺きができない場合があります。

 葺き替えと重ね葺きには、それぞれメリットとデメリットがありますが、カラーベストが劣化した場合には、今後のメンテナンスや耐久性を考慮し、葺き替えを行うことをお勧めしています。。

破風板(鼻隠し)の劣化と塗装工事について

破風・鼻隠のメンテナンス

切妻造や入母屋造の屋根の妻の三角形の部分のことを破風と言い、その破風に取付けた板のことを破風板といいます。

  1. その文字が指す通り、風を破る目的、つまり耐風性能を向上させるという目的です。

  2. 防火性能の高い板を使用することで、火災時に窓から上がった火が延焼しにくくするという防火性能を向上するという目的になります。

  3. 破風には雨どいが設置されていませんので、雨水がうまく流れずに、壁面に浸水してしまう事があります。これを防止する防水性能の向上という目的になります。

  4. 屋根の外観を美しく見せるための見栄え向上の目的となります。

鼻隠しも目的は同じですが、取り付けられている部分が異なります。破風が地面に対して傾いている部分であるのに対し、鼻隠しは地面に対して水平になる部分(軒もしくは軒先)に取り付けます。

破風板(鼻隠し)の劣化

 破風板や鼻隠しは、4つの目的で設置されていることをご説明しましたが、美化を目的とした4つ目以外は、全て建物を保護する目的となっています。言い換えれば、破風板(鼻隠し)によって、保護されるものが多く、それだけダメージを負いやすい部材であるともいえます。

特に、雨どいが付いていない破風板については、屋根よりも劣化が早いと言われています。「住宅塗装工事の変化は破風板から始まる」とも言われています。

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 破風板や鼻隠しの劣化は、屋根や外壁の劣化と同様で、塗装の状態によって判断することができます。塗装のヒビや剥離、チョーキングがある場合は、塗膜が劣化してきていますので、早めにメンテナンスを行う必要があります。特に、剥離している場合は、そこから水が侵入していきますので、すぐにでもメンテナンスを行ったほうがいいでしょう。

また、カビや藻が付着している場合も、塗膜の防水性能が低下して、湿気を含んでいる状態ですので、早めのメンテナンスが必要となります。

 破風板(鼻隠し)のメンテナンス

破風板は、「板」という名前ではありますが、今では技術も向上し、木材以外にも窯業系、金属系の素材が使われることもあります。特に、最近の建物には木材系の破風板が使われることは非常にまれになっています。

しかし、築20年以上経過している建物には、ほとんどが木材系の破風板が使われています。木材系の破風版は、その性質上、耐火性能が高くありません。木材なので、どのような塗装を行ったとしても、耐火性能はあまり向上しないのです。また、木材という材質の特性から、耐久性もあまり高くないというのも理由の1つとなっています。

 破風板に対するメンテナンスは、塗装修理と金属板包み修理、破風板交換の3種類があります。塗装修理に関しては、全ての素材で必要となりますが、金属板包み修理や破風板交換は、主に木材系の破風板に対する修理となります。

  1. 塗装修理ー塗膜が劣化した破風板に対して、塗装を行う修理方法となります。外壁塗装や屋根の塗装と同様に、下地処理で汚れや古い塗膜を剥がし、新しい塗料を塗ることによって、塗膜による防水性能を向上させるとともに、美観を保ちます。この修理については、木材であれば5年~6年程度、金属系のうち、トタン製のものについても木材と同様に5年~6年程度、カラーステンレスやガルバリウム鋼板については10年以上、窯業系の素材であれば、10年程度を目途に塗装修理が必要となります。
  2. 金属板包み修理ー金属板包み修理は、木材系の破風板を使っている場合に行う修理方法で、ガルバリウム鋼板の板で、既存の木材系の破風板を覆う修理方法です。木材系の破風板を利用している場合には、最もよく行われている修理方法となります。木材系素材の破風板に対しては、塗装修理を行うよりも、耐久性能の向上と、耐火性能の向上について効果が高い特徴があります。
  3. 破風板交換ー既存の破風板そのものが劣化してしまい、ボロボロになった場合は、塗装修理や金属板包み修理を行っても、一時しのぎにしかならず、耐久性能は非常に低いものとなってしまいます。そうなってしまった場合は、破風板そのものを取り換えるという修理を行います。この場合、現在の破風板と同じサイズ、同じ形を用意しなければなりませんので、最も容易に作成ができる窯業系の破風板が使用されます。

破風板・鼻隠しは、屋根の中でも重要な部分の1つであり、劣化の速度も他の部位よりも早いというのが特徴です。そのため、定期的なメンテナンスは欠かすことができません。特に、木材系の破風板を利用している場合においては、塗膜によって保護されているという部分が非常に大きいため、塗膜の劣化が、そのまま家のダメージとなっているというケースも少なくありません。

大切な家を保護する重要な部分となりますので、屋根や外壁以上に、破風板や鼻通しの劣化具合についても確認し、必要に応じて塗装工事を行うようにしてください。

破風の下処理:ペーパーがけをして表面の汚れを取ります

ケレン作業あとの工程では、木部を洗う専用の薬品をまず染み込ませて、それから高圧洗浄して汚れを落としていきます。

その後大阪ガスケミカルさんの「キシラデコール」を使用します。この塗料はヨーロッパで開発され、日本の気象条件に合うする合うものに研究されてきたものです。高温多湿で気象条件の厳しいところでも、性能が持つように工夫されております。特に防カビ、防虫性などの性能評価も高いです。こちらを2回塗装することでしみこませていきます。

ただ破風の場合、材質が木になります。したがって長い年数をかけてできたシミなどは、どうしてもきれいに落とせない時があります。そんな場合はシミが目立たないように、少し色が濃いものを提案させていただいております。また、「キシラデコール」はとても良い材料なんですが、ただシンナーの含有量がとても多いです。そのため塗った後に、シンナーが既発して、その結果、残る塗膜が非常に薄くなってしまいます。実際になっている時の感触としましては、かなりしゃばしゃばしているような感じです。

そのため紫外線によるキシラデコールの劣化を防ぐために、日本ペイントさんの「ファインウレタン U100 木部用クリアー」を塗っていきます。

この塗料の特徴としましては塗膜が呼吸し、木部の伸び縮みに塗膜が弾力性を持って追従します。また紫外線の耐久性も高くキシラデコールにも、しっかりと上塗りができる特徴があります。破風の場合、直射日光や雨がよく当たり、塗膜への環境条件が良くありません。したがって、こういった塗料塗ることで長持ちする工夫をしています。ただクリアーを塗ってしまうと、ツヤが気になってしまう方もをいらっしゃいます。そんな時はなるべく自然な形にするように、つや消しのクリアーを塗って、自然な形を見せる工夫をしています。

ー現場で見られた怪しい箇所ー