シリコン

コーキングとシリコンの違いについて

 外壁材がサイディングボードやALCの場合、ボード同士をつなぎ合わせるのにコーキング剤は欠かせません。コーキングは、ゴムのような素材でボード同士をつなぎ合わせると共に、高い伸縮性で外壁材が動いたとしても柔軟に衝撃を吸収することで隙間を作らず、建物の内部に水が侵入することも防止しています。

 コーキングと同じような性質をもったものとして、シリコンがあります。実際、シリコン製のコーキングも存在していますが、外壁をつなぎ合わせるのにシリコンを使用することはほとんどありません。

 今回は、よく似た性質のコーキングとシリコンの違いについてご説明します。

https://yokoi-tosou.net/estimate/question/kikubekisitumon/

シリコンの特徴

 「シリコン」という言葉は、塗料やコーキング以外の様々なところで聞く言葉ですが、実際にどんなものかと聞かれても、なかなか答えることができないものの1つではないでしょうか。シリコンは、シャンプーなどに配合して髪に艶を出すなどの目的で使用されており、最近はノンシリコンの方が髪にいい、などの広告から名前だけはご存知の方も多いのではないかと思います。

 シリコンは、ケイ素を主原料とした人工化合物のこと(正確には、シリコンは元素記号Siと表示する金属ケイ素、シリコーンがケイ素を主原料とした人工化合物)を指します。先述したシャンプーに配合されているのは、オイル状のシリコンですが、コーキングで使用するのはゴム状のシリコンです。

 シリコンは耐水性能、耐熱性能が高い素材で、弾力性もありますので、内装のコーキングなどに使用されています。シリコンコーキングは、ホームセンターなどで安価で購入できるため、DIYなどで使用できる手軽さがあり、キッチン周りのコーキングには最適な素材となっています。

 しかし、シリコンは、その高い防水性能で塗料までも弾いてしまうため、塗装が前提となる外壁で使用することができません。誤って外壁のコーキングに

シリコーン系コーキングを使用してしまった場合、その部分だけ塗料がのらず、塗膜の剥がれにつながってしまうことになります。

(ちなみに外壁塗装におけるシリコンとフッ素の違いは主に対応年数になります。シリコンが7年から12、フッ素が8年から13年程度になります。)

 シリコンシーラントは、非常にコストパフォーマンスに優れており、ホームセンターなどでも容易に購入することができます。シリコン系コーキングのメリットは、コストが低いわりに耐久性・防水性に優れており、プライマーが無くても施工ができるといった手軽さもあります。また、乾燥が早く、取り扱いやすいため、DIYで使用される方も多いコーキング材となります。

しかし、シリコンシーラントは、シリコンオイルが出続けてしまうため、周囲が汚れてしまう他、そのシリコンオイルの影響により、シリコンの上から塗装を行うことができません。このような特徴があるため、シリコンシーラントは外壁よりも浴槽周りやキッチンの周囲など、主に屋内の水回りで使用されることの多いコーキング材となっています。

参考:シリコンコーキングの耐熱温度はどれぐらいでしょうか?

シリコン系コーキング材の用途

 シリコン系コーキングは、主に屋内で使用されていると説明しましたが、外壁等で全く使用されていないかと言われると、そうではありません。シリコン系コーキングは、他のコーキング材よりも高い防水性や耐候性がありますので、デメリットよりもメリットが上回った場合、屋外でも使用することがあります。

 主に使用される用途としては、屋根や外壁の金属部分、特に雨がしみ込みやすい部分で使用することがあります。他にも樋や屋根の補修にもシリコン系コーキングを使用することがあります。

しかし、シリコン系コーキングは上から塗装できないというデメリットが存在します。そのため、外壁や屋根の塗装を行う場所では、シリコン系コーキングは使用することができません。通常、そういった場所にシリコン系コーキングを打つ場合は、先に塗装を完了させてから、最後にコーキングを注入します。しかし、後年再塗装をしたときに塗装しにくいというデメリットがあります。

※良く聞かれるシリコンコークとシリコンシーラントの違いは?

シリコンコークは商品名です。 シリコンシーラントはシーリングのことをいいます。したがってシーリングという作業の中で使う商品が「シリコンコーク」になります。

シリコン系コーキングと外壁塗装

 外壁や屋根の塗装工事を行う際、シリコン系コーキングが先に打たれている場合があります。先に打たれたコーキングが劣化している場合は、打ち替えを行うことで他のコーキング材を使用したり、

後から注入することも可能ですが、(シリコンの撤去はかなり難しく表面も見苦しくなります)先に打たれたシリコン系コーキングが劣化していない場合は、シリコン系コーキングを剥がさずに塗装をします。ほとんどの業者では、そういった場合は、お客様にご説明したうえでやむなくシリコン系コーキングをマスキングし、塗装を実施します。もしくは、細かいお話をせずに、シリコン系コーキングの上から塗装を行うような業者も存在します。そういった工事が行われた場合、塗膜が安易に剥がれてしまうことになります。また知識の無い一般の方が、シリコン系コーキングで安易にDIYを行った場合、業者の施工時に追加費用が発生することもあります。

(大前提として、コーキング屋外用を前提で使わないといけません)

シリコンカバー

シリコンカバーは、1成分型の特殊変性シリコン系樹脂組成物となっており、シリコン系コーキングにしっかりと密着します。シリコンカバーをシリコン系コーキングの上に使用することで、シリコン系コーキングを使用していても、その上から塗装を行うことが可能となります。そのため、塗装が必要な部分にシリコン系コーキングを使用したとしても、シリコンカバーを使用することで、マスキングしなくても塗装を行うことができるようになり、外観上の不自然さや塗装の耐久性を改善することができます。つまり、シリコン系コーキングのメリットを受けつつ、デメリットである「塗装ができない」という点を解消し、防水性能や耐久性の向上といった塗装によるメリットを受けることができるのです。

外観からは全く分からない部分ではありますが、こういった細部にまで気を配ることで、外壁やコーキングの耐久性は大きく向上させることができます。

外壁に使用するコーキングの特徴

 外壁材に使用するコーキングは変性シリコンコーキング(主にサイディングボード)やアクリルコーキング(主にALCパネル)、ウレタンコーキングを使用します。これらのコーキングは、建物を雨などの水から守るだけの防水性能を有しつつ、塗料をしっかり密着させることができるため、塗装が前提となる外壁材に使用することができます。

上記のシリコンカバー同様にコーキングにも専用のシーラーがあります。(※塗装で重要なシーラーについて

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これらは使わないとサイディングタンメンとコーキングがパックリと開いてしまいますので、十分に染み込ませて活用する必要があります。

①変性シリコンコーキング

 変性シリコンコーキングは、その名の通り、材料にシリコンが含まれています。しかし、シリコンコーキングで問題となった塗装まで弾いてしまう強い防水性は抑えられ、上から塗装を行うことができるよう改良が施されたコーキングとなっています。

 変性シリコーン系コーキングは、塗装面でも使用できるという特徴があるものの、耐久性が若干低く、メンテナンスの回数が増えてしまうというデメリットも存在します。そのため、コーキングする場所によっては、ほかのコーキング材を使用したほうがいい場合もあります。

※変性シリコーンコーキングと普通のシリコンコーキングの違いは塗装に使用できるかどうかです。しかしながら変性シリコンコーキングも約1週間程度すると硬化をして普通のシリコンコーキングと変わらなくなってしまいます。硬化後は塗料との密着が低くなってしまいますので、 コーキング打った後の経過時間には注意が必要です。 (屋根塗装でも変成シリコンを使う時がありますが、外壁と比べ温度が高いので使用可能時間もより短くなっていきます。)

コーキング材
塗装できるコーキング材

②アクリルコーキング

 アクリルコーキングは、素材にアクリルを使用しているため、水性で作業を行いやすいという特徴があります。しかし、水性であるがゆえに、硬化したときには、コーキングの痩せが発生しやすくなってしまうため、耐久性は高くありません。最近は、使用頻度の低下してきたコーキングです。

③ウレタンコーキング

 ウレタンコーキングは、素材にポリウレタンを使用したコーキングで、変性シリコンコーキングよりも安価で、かつ耐久性が高いという特徴があります。しかし、紫外線に対する耐久性が低く、ウレタンコーキングの上には、必ず塗装を施さなければなりません。塗装の品質が悪かったり、塗装のヒビや剥がれが発生した場合、その部分からコーキングが劣化することもあるため、塗装には注意が必要です。

 このように、同じ「コーキング」という名前であっても、シリコンとその他の素材では、特徴が大きく異なります。繰り返しになりますが、シリコンコーキングはホームセンターなどで手軽に購入できるため、購入前に、メンテナンスしたい部分で使用できるかどうか、しっかり確認してください。 DIYでやる場合コーキングの専用プライマーを忘れることが多いのでこちらも注意が必要です。専用プライマーは接着剤のような役割があり、言っていない場合外壁との密着力がなくすぐ剥がれてしまいます。

外壁のちょっとした補修をDIYでやってしまおうと、シリコンコーキングを購入してメンテナンスを行っている建物を何度か拝見したことがありますが、最悪の場合、建物自体の耐久性能につながってしまうこともあり得ますので、必ず素材と使用用途はしっかりと確認するようにしてください。

シーリング材 オートンイクシード
コーキングも色の種類が多数あります。

 ヨコイ塗装では、コーキングのメンテナンスにも自信があります。外壁に使用されている素材や、環境から、最も適したコーキング材を使用して、熟練の職人がメンテナンス作業を行いますので、高い品質でご満足いただけるメンテナンスを実施しています。扶桑町周辺でコーキングのメンテンナンスについてお悩みの方は、ヨコイ塗装にご相談ください。

塗装は下地処理が命ですよ

シリコンに塗装するときは|扶桑町の外壁リフォーム【ヨコイ塗装】

※シリコンにペンキを塗るとき

シリコンにペンキを塗ってもすぐ剥がれますよ!シリコンには、基本的に塗料は乗らないです。密着性を高めてからから、ペンキを塗らないと簡単に剥がれてきます。

ではどうすかというと?

ヨコイ塗装では、専用の接着剤を打って、シリコンの上に塗装をしています。今回のお住まいでは、プロパンから都市ガスに変えて、そしてその穴埋めに、シリコンが使ってありました。そういった補修後に、ただペンキを上に塗って、見栄えだけ良くする業者さんもいらっしゃいます。そんな細部までこだわってくれるかどうか?専用接着剤で密着を良くしてくれているか?そんな配慮があるとうれしいですね。

参考:外壁塗装工事後の塗膜の剥がれを防ぐために

扶桑町、大口町、犬山市、江南市で外壁塗装でお悩みの方は、

ヨコイ塗装にお気軽にご相談ください。

☎0587−93−1546