工事完成後のチェックポイント

外壁塗装の手抜き防止!完了時に必要な「テープ剥離テスト」とは?

1.はじめに

外壁塗装は家の美観を保つだけでなく、室内環境を守り、建物そのものの寿命を延ばす役割を果たします。しかし、その品質は施工後すぐには判断できないこともあります。本稿では、そんなホームオーナーのために、「テープ剥離テスト」をご紹介します。これは、塗装が適切に行われたかを確認する専門的な方法で、外壁塗装完了時に必要なチェック項目の一つです。このテストを知ることで、手抜き塗装を未然に防ぐことが可能となります。以下、具体的なテストの手順や、その他の完了検査項目について詳しく解説していきます。

2.「テープ剥離テスト」の重要性

「テープ剥離テスト」は、外壁塗装の品質を確認する重要な手段です。新しく塗装した際、塗膜が適切に固定されているか、塗料が正しく定着しているかを確認するために不可欠な検査方法です。また、テープ剥離テストは業者が手抜きをしていないかの確認ツールとしても機能します。塗装作業が適切に行われていれば、テープ剥離テストで塗膜の剥離は起こりません。

具体的には次のようなポイントが挙げられます。

  1. 塗装の品質を確認する手段:  塗装後、テープ剥離テストを行うことで、塗膜が適切に固定されているか、また塗料が正しく定着しているかを確認します。

  2. 手抜き防止のツール:  業者が手抜きをしていないかを確認するためのツールとして、テープ剥離テストは重要です。外壁塗装が適切に行われていれば、テープ剥離テストで塗膜の剥離は起こりません。

これらを踏まえると、「テープ剥離テスト」は外壁塗装の完了時チェックにおいて、欠かせないものと言えるでしょう。

(1)塗装の品質を確認する手段

「テープ剥離テスト」は、外壁塗装の品質を確認するための有効な手段となります。このテストは、塗膜の密着性を確認するために行われ、外壁の塗装が適切に行われているかを評価します。

具体的な手順は次の通りです。

  1. 塗装面に特殊なテープを貼ります。

  2. 一定時間後、テープを一気に剥がします。

  3. 剥離したテープに塗料が付着しているかを確認します。

塗料が大量に付着している場合、塗装の密着性が低いと判断されます。逆に、テープにほとんど塗料が付着していない場合は、塗装の密着性が高いと評価されます。

この結果をもとに、品質の低い塗装が行われていないかをチェックできるため、塗装の品質を確認する手段として非常に有効です。

(2)手抜き防止のツール

外壁塗装は、業者による「手抜き」が発生しやすい領域の一つです。何故なら、表面的にはきれいに見えても、素材と塗料の密着力が弱いと劣化が早まります。このため、テープ剥離テストは手抜き防止の重要なツールと言えます。

テープ剥離テストは、塗料が適正に塗布されているかを確認するためのテストで、塗装作業の完了後に行います。このテストを行うことで、塗装作業者は塗料の薄塗りや、不均一塗布などの手抜き作業をしていないことを証明できます。

具体的なテープ剥離テストの手順は以下の通りです。

  1. テスト対象位置に塗料を塗布

  2. カッターナイフで切り込みを入れる

  3. 剥離テープを貼り、剥離する

  4. 塗料が剥離していないか確認

以上の手順を踏むことで、外壁塗装が適切に行われているかを客観的に評価することが可能となります。

3.テープ剥離テストとは?

テープ剥離テストとは、外壁塗装の品質を確認するための試験方法の一つです。具体的には、塗装面にテープを貼り、一定の方向と速度で剥がすことで、塗料が適切に塗られているか、また塗膜がしっかりと固着しているかをチェックします。このテストにより、塗装作業が適切に行われているか、また塗膜が強度を持っているかを確認することが可能です。

この試験は、塗装完了後の品質保証や施工不良の早期発見に繋がります。また、工事業者の手抜き工事を防止する役割も果たします。そのため、外壁塗装工事の完了検査時には欠かせない作業といえるでしょう。

(1)テープ剥離テストの概要

テープ剥離テストとは、塗装の密着性を確認するための試験です。具体的な進行手順は、塗装面に特殊なテープを貼り、一定の角度と速度で剥がします。その後、剥がれたテープに塗料がどの程度付着しているかを確認します。

以下に試験の流れを表にまとめました。

【テープ剥離テストの流れ】

  1. 特殊テープの貼付

  2. 一定角度・速度でのテープ剥離

  3. 剥離したテープに付着した塗料の確認

このテストにより、塗装がしっかりと壁に密着しているか、または塗料が適切な厚さで塗られているかなど、塗装の品質を確認することが可能です。

(2)テープ剥離テストが必要な理由

テープ剥離テストは、外壁塗装が適切に行われているかを確認する重要な工程です。その理由は主に以下の二つです。

  1. 塗膜の密着性チェック: 外壁塗装の目的は、建物を風雨から守ること。しかし、塗料が適切に密着していなければ、その防御機能は発揮できません。テープ剥離テストでは、塗膜が外壁にしっかり密着しているかどうかを確認します。

  2. 塗装層の均一性確認: 塗装の均一性が確保されていなければ、見た目の美しさはもちろん、塗膜の寿命も短くなります。テープ剥離テストを実施することで、塗装層が均一に施されているかをチェックします。

以上の理由から、外壁塗装完了後のチェック時にはテープ剥離テストが必要となります。

4.テープ剥離テストの正しい手順

【本文】

テープ剥離テストは、外壁塗装が正しく行われているか評価するための重要な手段です。以下にその正しい手順を示します。

(1) テストの位置決定 まず始めに、テストを行う位置を決定します。一般的には塗装面のあらゆる部分をランダムに選ぶのが一般的です。

(2) 下塗り用塗料の塗布 決定した位置に下塗り用の塗料を塗布します。これは、塗料が適切に密着しているかを検証するためのステップです。

(3) カッターナイフでの切り込み 次に、塗布した範囲にカッターナイフで十字に切り込みを入れます。これは、テープを剥がす際の剥離面を作るための工程です。

(4) 剥離テープの使用と剥離 カッターで切り込みを入れた箇所に、専用の剥離テープを貼り、ゆっくりとテープを剥がします。

(5) 剥離状態の確認と評価 最後に、剥がれたテープの状態を確認し、塗料が適切に密着しているかを評価します。

以上がテープ剥離テストの基本的な手順となります。これにより、外壁塗装が適切に行われているかを客観的に判断することが可能となります。

(1)テストの位置決定

テープ剥離テストの最初のステップは、テストの位置を決定することです。建物全体を対象にすることは難しいため、代表的な場所をいくつか選びます。具体的には、塗装の密着状態が問題になりやすい開口部周辺や接合部、外壁材の継ぎ目等を選択すると良いでしょう。

また、テストは1箇所だけでなく、複数箇所で行いましょう。これにより、塗装作業全体の平均的な品質を見極めることが可能になります。各位置はケレン(下地処理)後の素地に直接塗装した部分であることが望ましいです。

【位置決定のポイント】

  • 塗装が問題になりやすい場所を選択する。

  • テストは複数箇所で実施する。

  • ケレン後の素地に直接塗装した部分であることが望ましい。

(2)下塗り用塗料の塗布

テープ剥離テストを行う際の第二ステップは、下塗り用塗料の塗布です。この手順は非常に重要で、塗装の品質を直接決める要素となります。

下塗り用塗料は、種類に応じて適切な塗布量が決まっています。メーカーの指示に従い、正確な量を適用しなければなりません。塗布後、十分に乾燥させることが重要です。これは、塗料が完全に硬化することで、その後のテープ剥離テストで正確な結果を得ることができるからです。

また、塗布面は均一になるように注意が必要です。不均一な塗布は、テスト結果への影響だけでなく、塗装全体の品質にも影響を及ぼします。

したがって、下塗り用塗料の塗布は、適切な量を正確に、均一に塗布し、十分に乾燥させることが求められます。これらを遵守することで、最終的な外壁塗装の品質を高めることが可能となります。

(3)カッターナイフでの切り込み

テープ剥離テストにおいて、カッターナイフでの切り込みは、テストの正確性を保証するために重要なステップです。まず、適度な深さと長さで塗膜に切り込みを入れることが求められます。具体的には、テストエリアに約1cm四方の正方形を描くように切り込むのが一般的です。この際、塗膜を剥がすために用いるテープに影響を与えないよう、あまり深く切り込まないことが重要となります。

また、このカッターナイフでの切り込みは、慎重に行われるべきです。なぜなら、切り込みが大きすぎると、塗膜が無理に剥がれてしまい、正確なテスト結果が得られなくなるからです。力加減や角度に気をつけながら、適度な深さと長さで切ることが求められます。

以上がテープ剥離テストにおけるカッターナイフでの切り込みについての説明です。次のステップに移る前に、正しく切り込みができているか確認しましょう。

(4)剥離テープの使用と剥離

剥離テープは、塗装が適切に行われているか調べるための専用テープです。テスト用として市販されているものを利用します。

まず、テープの片方の端を塗装面に強く押し付けます。このとき、確実にテープが塗装面と接着するように注意します。次に、もう片方の端を持ち上げ、一定の速度(約1cm/秒)でテープを90度の角度で剥がします。

剥離した後のテープと塗装面を確認します。テープに塗料が大量に付着していたら、塗装の密着が不十分である可能性があります。逆に、テープに塗料がほとんど付着していなければ、塗装は適切に行われていると判断できます。

このテープ剥離テストを行うことで、塗装の品質を確保し、不具合があった場合の早期発見・対応が可能となります。

(5)剥離状態の確認と評価

テープ剥離テストの最終ステップは、剥離状態の確認と評価です。剥離テープを引き抜いた後に、テープ上にどの程度の塗料が残っているかを視覚的に確認します。塗料の剥離状況は、塗装が適切に行われているかの一つの指標となります。

下記の表は、剥離状態とその評価の一例を示しています。

剥離状態

評価

塗料がほとんど残っていない

◎ 塗装は適切

塗料が半分程度残っている

△ 再確認が必要

塗料がほとんど残っている

× 不適切な塗装

この評価は目安であり、具体的な対応は塗装業者と相談することが望ましいです。剥離テストの結果を理解し、適切な評価を行うことで、外壁塗装の品質を確保することが可能となります。

5.外壁塗装の完了検査におけるその他のチェック項目

外壁塗装が完了したら、テープ剥離テストだけでなく以下のチェック項目も重要です。

(1) 外観の確認 外壁塗装後の外観を目視で確認します。塗装面に不均一な部分や剥れ、泡立ちが無いかきちんと確認しましょう。

(2) 塗膜厚の測定 塗膜の厚さを測定することで、塗料が適切な厚さで塗られているかをチェックします。規定の厚さ未満だと塗装の耐久性が低下する可能性があります。

(3) 色の均一性やつやのチェック 塗装色が均一になっているか、また指定したつやが出ているかを確認します。色ムラやつや消しが見られた場合は再塗装が必要となる場合もあります。

これらのチェックを行うことで、きちんと施工されたか確認し、必要な対応をすることが可能となります。

(1)外観の確認

外壁塗装の完了検査には、まず「外観の確認」が必要です。外観の確認とは、塗装が均一に施されているか、色ムラやハゲがないか、目視でチェックする作業です。

具体的な確認項目は以下の表1に示すとおりです。

【表1】外観の確認項目

項目

詳細

均一性

塗装の塗布量が均等か、ムラがないか確認します。

色ムラ

塗装色にムラがないかチェック。特に日陰と日向で色の違いが出やすいです。

ハゲ

塗料が十分に塗布されていない部分がないか見てみます。

キレイさ

塗料が飛び散っていないか、カビや汚れが残っていないか確認します。

これらを全方位から確認します。もし不備があった場合は、塗装業者に改修を依頼しましょう。

(2)塗膜厚の測定

外壁塗装の完了検査には、塗膜厚の測定が欠かせません。これは塗装が適切に施されているかを客観的に判断するための重要な手段です。

具体的な測定方法は、塗膜厚計という専用の機器を使います。測定するためには、塗料が完全に乾燥した状態であることが必要です。乾燥後、塗膜厚計を直接塗装面に押し当て、数値を読み取ります。

測定値は塗装の品質を示す重要な指標となります。一般的に、外壁塗装の適正な塗膜厚は約100〜200μmとされているため、この範囲内であることを確認しましょう。

下記に測定の手順を表に示します。

ステップ

内容

1

塗料の完全乾燥を確認

2

塗膜厚計を塗装面に押し当てる

3

数値を読み取る

4

適正値(100〜200μm)と比較する

以上が、塗膜厚の測定方法とその重要性になります。これにより、塗装の適切性を確認することができます。

(3)色の均一性やつやのチェック

外壁塗装の完了検査においては、色の均一性やつやのチェックも重要なポイントです。

塗装面の色が均一か確認するためには、全体を見渡すだけでなく、細部まで確認することが必要です。例えば、同じカラーが指定されている場合でも、使用した塗料のロット差や塗り方の違いで微妙に色味が異なる可能性があります。このような色のムラは、特に日差しや照明の当たり方で目立つ場合があります。

また、つやについては、同じ艶出し材を使用しても、塗布量や塗り方、乾燥状態により変化します。もしもつやが均一でない場合、仕上がりが粗く見えたり、一部だけ反射光が強く見えるなど、完成度を下げる原因となります。

以上のような観点から、塗装面の色の均一性やつやをチェックしましょう。色やつやの不均一が見つかった場合は、塗装業者に再塗装を依頼することも可能です。

6.テープ剥離テスト結果を基にした対策と対応

テープ剥離テストの結果、塗装面に不備が見つかった場合、すぐに業者に連絡をしましょう。具体的な対処法として、補修や再塗装が必要となる場合があります。これは長期的に外壁の劣化を防ぐために重要なステップです。

ただし、業者と交渉する際は、具体的な不備の内容とそれを証明するためのテープ剥離テストの結果を正確に伝えることが重要です。また、自身の意向だけでなく、業者からの解決策や提案も聞くようにしましょう。

下記に不備の内容と対処法を簡単にまとめた表を準備しました:

不備の内容

対処法

塗膜の剥離

再塗装の依頼

色ムラ

色調整の依頼

塗膜の厚さ不足

追加塗装の依頔

以上がテープ剥離テスト結果を基にした対策と対応となります。しっかりと確認し、長持ちする外壁塗装を手に入れましょう。

(1)不備が見つかった場合の対処法

テープ剥離テストで不備が見つかった場合、まずはその状況を詳細に記録します。写真を撮ることで具体的な証拠を押さえることができます。

次に、塗装を依頼した業者に連絡を取ります。報告内容は明瞭に。テストの結果、何を基に問題があると判断したのか説明しましょう。

また、修正の方法についても具体的に伝えることが重要です。一部再塗装が必要なのか、全体的な塗り直しが求められるのか、それとも補修で対応可能なのかなど、専門家の意見を交えつつ最善の対応を求めます。

以下に一覧表を示します。

対応手順

具体的な方法

記録

状況を写真で撮影

業者との連絡

報告内容を明瞭に伝え、何が問題で何を求めるか説明

修正方法の提案

専門家の意見を交え、最善の対応を求める

(2)業者との交渉方法

テープ剥離テストで不備が見つかった際、適切な対策を講じるためには業者との円滑な交渉が必要です。その際に心がけるべきポイントを以下に示します。

  1. 明確な証拠提示: テープ剥離テストの結果を写真などで記録し、具体的な証拠として提出します。これにより、業者も問題の認識を共有しやすくなります。

  2. 適切な言葉選び: 非難の言葉遣いではなく、具体的な改善要望を丁寧に伝えるようにします。これが良好な関係性を保ちつつ問題解決につながります。

  3. 業者の意見を尊重: 業者もプロなので、自身の意見を尊重しつつ話を進めることが大切です。

以上の3つのポイントを心がけることで、スムーズな業者との交渉が可能となります。

7.まとめ

本記事では、外壁塗装完了時の重要なチェック項目である「テープ剥離テスト」について詳しく解説しました。このテストは塗装の品質を確認するため、また業者の手抜きを防止するために重要です。

具体的な手順は、テスト位置の決定から始め、下塗り用塗料の塗布、切り込みの入れ方、剥離テープの使用方法、そして剥離状態の確認と評価までを説明しました。

完了検査では、テープ剥離テスト以外にも外観確認、塗膜厚の測定、色の均一性やつやのチェックも忘れずに行いましょう。何か不備が見つかった場合は適切な対処法を学び、必要であれば業者と交渉することも重要です。

以上の知識を活用し、高品質な外壁塗装を確実に受け取ることができるようにしましょう。

外壁塗装工事完成後のチェックポイント|扶桑町の外壁リフォーム【ヨコイ塗装】

外壁塗装工事完了後

外壁塗装工事完成後のチェックがイマイチなところがよく見られます。外壁塗装工事が終わった後に、養生ビニールを剥がして、後は細かい修正と掃除の段階に入っていきます。

その段階でしっかりと濡れてないところや細かい修正部分をチェックしていきます。その際によく窓枠が見苦しい時があります。養生ビニールのテプラテープはどうしても浮いてしまうことがあります。ビニールテープが浮いてしまうと、そこに塗装をしているとよく塗料が入り込んでしまいます。その結果、一直線にびしっと塗られているのが普通なのに、塗料が入り込んで、線からはみ出して見苦しい場合があります。せっかくきれいになったのに、そんなもの発見したらがっかりしますよね。工事完成後には、しっかりと窓枠の部分きれいに塗られて見いるかどうか確認していると良いと思います。

参考:塗装工事の養生テープの種類と使い分けに関して

よくある塗り残し場所

窓枠の下など、かがみ込まないと分からいような場所は塗り残しが多いです。しっかりとかがみ込んで、確認してみてくださいね。

屋根上の確認にはこちら