工事中留意点ー雨戸・庇・水切り・木部など

新素材CNFシーラーで変わる!木造住宅の外壁塗装とその効果

1. はじめに

「木造住宅の外壁塗装」-その言葉の単純さからは想像できないほど、このテーマには奥深さが存在します。木材はその美しさや自然な雰囲気から多くの住宅で使用されています。しかし、木材を適切に保護しなければ、日々の気候変動、紫外線、風雨などによる劣化は避けられません。

そこで重要となるのが、外壁塗装です。これは住宅の美観を維持するだけでなく、木材が持つ自然な質感を保つための重要なメンテナンスです。今回は特に、新素材『CNFシーラー』という塗料を取り上げます。これが木造住宅の外壁塗装にどのような変化をもたらすのか、その効果について詳しく述べていきます。どんな素晴らしいものでも、適切な使い方をしなければその価値は半減します。この記事を通じて、適切な外壁塗装の知識を身につけていただきたいと思います。

木材を使用した外壁とそのメンテナンスの重要性

木材を使用した外壁は、その美しい質感と自然な風合いから、多くの住宅で愛用されています。一方で、木材は湿度や温度、紫外線などの影響を受けやすく、経年変化も大きいため、定期的なメンテナンスが不可欠です。

特に外壁は、建物を気候の変化や虫害から守る重要な役割を果たし、その状態が住まい全体の耐久性に大きく影響します。そこで重要となるのが、外壁塗装です。

外壁塗装は、木材の劣化を防ぎ、美観を維持するための最も一般的なメンテナンス方法です。これによって、木造住宅の寿命を延ばし、長期的に安心して住むことが可能となります。ただし、塗装は専門的な知識と技術を必要とするため、適切な方法とタイミングで行うことが大切です。

2. 新素材CNFシーラーとは

新素材CNF(Cellulose Nano Fiber)シーラーとは、植物由来のセルロースから作られるナノファイバーを用いた塗料シーラーのことを指します。特に木造住宅の外壁塗装においてその効果を発揮します。

CNFシーラーは、その微細なファイバー構造により塗料と混ぜやすく、均一に塗布することが可能です。

また、塗料の密着性を向上させ、塗膜の強度を高める効果があります。これにより、塗装面の耐久性が向上し、長期間美観を保つことが可能になります。

さらに、CNFシーラーは天然素材であるため、環境にやさしく、人体に対する影響も少ないというメリットもあります。

以下に、CNFシーラーの特性を表にまとめました。

特性

効果

微細なファイバー構造

塗料との混和性が良く、均一な塗布が可能

密着性向上

塗膜の強度を高め、耐久性を向上

環境・人体への負荷が少ない

環境にやさしく、人体に対する影響も少ない

以上が、新素材CNFシーラーの特性とその効果です。木造住宅の外壁塗装において、大きな可能性を秘めています。

CNFシーラーの特性と効果

CNFシーラーは、最新のナノテクノロジーを活かした新素材で、主に木材の保護・強化を目的として開発されました。CNF(Cellulose NanoFiber)とは、植物の細胞壁を構成するセルロースをナノレベルまで細分化したもので、その強度は鉄と同等と言われています。

このCNFシーラーの最大の特性は、「吸水性」を大幅に抑制する効果があることです。木材は時間が経つと水分を吸収し、膨張・収縮を繰り返すことで劣化します。しかし、CNFシーラーを塗布すると、木材の微細な孔を埋めることで吸水性を抑制し、長期的な保護を実現します。

また、CNFシーラーは塗布後も透明なままなので、木材本来の美しさを損なうことなく保護できる点も大きな利点となっています。これらの特性により、CNFシーラーは木造住宅の外壁塗装における新たな選択肢として注目されています。

CNFシーラーがもたらす新たな可能性

CNFシーラーは、セルロースナノファイバー(CNF)という新素材を活用した塗料で、これまでの外壁塗装にはない新たな可能性を秘めています。その最大の特長は、塗料が木材の表面だけでなく内部にまで浸透することです。これにより、塗装後の耐久性が格段に向上し、長期間メンテナンスフリーな外壁を実現します。

また、CNFシーラーは、木材の色味をそのまま活かしながら塗装できるため、木造住宅の自然な美しさを保ちつつ、劣化から守ることが可能です。

具体的な効果としては以下のようなものがあげられます:

効果

詳細

耐久性向上

木材内部まで浸透することで、長期間の保護が可能

美観維持

木材の色味を活かしながら、外壁を保護

メンテナンスフリー

定期的な塗り替えが不要

これらの特性から、CNFシーラーは木造住宅の外壁塗装に革新をもたらす素材といえるでしょう。

3. 木造住宅の外壁塗装の必要性

木造住宅の外壁塗装は、美観維持だけでなく住宅の耐久性を保つためにも必要なメンテナンスです。

まず、外壁塗装が必要な箇所を特定しましょう。主に、日射や雨風によるダメージが顕著な南面と西面、また屋根との接合部などが該当します。次に、塗装のタイミングですが、塗装後から5〜7年経過後や、塗装面にひび割れや剥がれが見られるようになった時が目安となります。

以下に、外壁塗装の必要箇所と塗装の目安タイミングをまとめた表を示します。

必要箇所

塗装の目安

南面と西面

5〜7年経過後

屋根との接合部

ひび割れや剥がれが見られるようになった時

これらを踏まえ、木造住宅の外壁塗装は定期的なメンテナンスが欠かせません。

外壁塗装が必要な箇所の特定

木造住宅の外壁塗装において、特に注意が必要な箇所は以下の3つです。

1.「ひび割れや剥がれ」の見られる箇所 外壁にひび割れや剥がれが見られる場合、それらは雨漏りの原因となります。早期に塗装を行い、劣化の進行を防ぎましょう。

2.「木部の色褪せ」 木材の色褪せは、紫外線によるダメージのサインです。色褪せが見られたら、早めの塗装を推奨します。

3.「カビや藻」の発生箇所 カビや藻は、木材を劣化させる大きな要因となります。発生した場合は、すぐに塗装を行い、迅速に対処しましょう。

以上3箇所は、特に塗装が必要な箇所と言えます。見つけ次第、適切な対策を行うことで長持ちする外壁につながります。

外壁塗装の目安となるタイミング

外壁塗装の目安となるタイミングは、一般的には前回の塗装から10年~15年程度とされています。しかし、木造住宅の場合、気候や環境による影響が大きいため、以下のような状態になったら塗装を検討した方が良いでしょう。

  1. 色褪せが目立つようになった

  2. 塗装面に亀裂や剥がれが見られるようになった

  3. 塗装面が白っぽく粉をふいている(チョーキング現象)

また、次のような状況も外壁塗装の適切なタイミングを示します。

  • 最近の大雨や台風で外壁にダメージが見られるようになった

  • 木部分が腐ってきた、あるいは虫害が見受けられる

これらの状況が見受けられた場合は、専門家に依頼し、適切な時期での外壁塗装を行うことで、住宅を長く美しく保つことが可能です。

4. 木造住宅の外壁塗装で用いられる塗料の種類

木造住宅の外壁塗装には主に、「造膜型塗料」と「浸透型塗料」の2つが用いられます。それぞれの特性と適した使用箇所を理解しておくことで、効果的なメンテナンスが可能となります。

まず、「造膜型塗料」は、名前の通り塗料が固まることで膜を形成します。そのため、塗装面に厚みと強度をもたらし、耐久性や防水性に優れています。しかし、塗装面が硬くなるため、木材の動きには弱いという特性も持っています。

次に、「浸透型塗料」は、木材の内部まで浸透し、保護膜を作らない特性があります。そのため、木材の風合いを活かしつつ、腐食やカビなどから守る効果があります。ただし、耐候性は造膜型に比べると劣るため、定期的な塗り直しが必要です。

以下にそれぞれの特性を表にまとめてみました。

造膜型塗料

浸透型塗料

特性

膜を形成、耐久性・防水性に優れる

木材内部に浸透、木材の風合いを活かす

向き

外壁全体、特に風雨にさらされる部分

木製品の補修や補強、内壁

造膜型塗料の特性とその効果

造膜型塗料は、その名の通り塗装した表面に強固な膜を形成する特性を持っています。この膜は、水分や紫外線から木材を守るとともに、外壁の美観を長期間保つ効果があります。

例えば、アクリル樹脂塗料やウレタン樹脂塗料、シリコン樹脂塗料などが造膜型に属します。これらの塗料は多くの色彩が選べるため、自由なデザインが可能です。

ただし、気温や湿度に影響されやすく、施工条件には注意が必要です。また、塗装後は定期的なメンテナンスが必須となります。

以下に主な造膜型塗料の種類と特性を表にまとめました。

造膜型塗料の種類

特性

アクリル樹脂塗料

柔軟性があり、色褪せにくい

ウレタン樹脂塗料

硬度が高く、耐久性に優れる

シリコン樹脂塗料

撥水性が高く、防汚性に優れる

次節では、浸透型塗料の特性とその効果について解説します。

浸透型塗料の特性とその効果

浸透型塗料は、その名前の通り、木材の表面に塗布すると内部まで浸透し、素材と一体化します。この性質により、表面だけでなく木材の内部から湿度を調整し、カビや腐朽を防ぐ助けとなります。また、木材本来の風合いを損なわず、自然な見た目を保つことができるのも特徴です。

浸透型塗料

特性

効果

木材と一体化

内部保護

カビ・腐朽防止

自然な見た目

木材の風合い保持

外観美化

しかし、紫外線や雨風からの保護力は造膜型塗料に比べて劣るため、定期的な塗り替えが必要です。これはメンテナンスのポイントとして把握しておくべきです。

それぞれの塗料が適している箇所とメンテナンスポイント

造膜型塗料は、木造住宅の外壁全体や一部に適しています。特にキズやヒビが生じやすい箇所での利用が推奨されます。メンテナンスとしては、定期的なチェックと塗り足しを行うことが必要です。

一方、浸透型塗料は、木の質感を活かしたい箇所や、湿気に影響を受けやすい箇所に適しています。木材の内部まで浸透し、湿気から守る効果があります。メンテナンスポイントとしては、塗布面が乾燥しきらないよう注意し、定期的に再塗装を行うことがポイントとなります。

以下の表でそれぞれの特性をまとめています。

塗料の種類

適している箇所

メンテナンスポイント

造膜型

外壁全体やキズ・ヒビが生じやすい箇所

定期的なチェックと塗り足し

浸透型

質感を活かしたい箇所や湿気が影響しやすい箇所

乾燥管理と定期的な再塗装

5. CNFシーラーを用いた外壁塗装の方法

CNFシーラーを用いた塗装は、一般的な外壁塗装と同様、まずは適切な下地処理が必要となります。汚れや古い塗料をしっかりと取り除く「ケレン作業」を行い、塗料がしっかりと定着するようにします。

下地処理後は、CNFシーラーを塗布します。重要なポイントは、一度の塗装ではなく数回に分けて塗装する点です。これにより、CNFシーラーが木材の隅々まで浸透し、高い保護効果を発揮します。

【外壁塗装手順表】

  1. 下地処理(ケレン作業)

  2. CNFシーラー塗布(数回に分けて)

  3. チェックと補修

以上の手順で施工することで、木造住宅特有の風合いを保ちつつ、耐久性と保護力を向上させることができます。

下地処理から塗装までの基本的な流れ

まずは下地処理から始まります。ここで重要なのが「ケレン作業」です。これは、古い塗膜を取り除き、新たな塗料がしっかりと付着するための下地を整える作業です。

次に、新素材CNFシーラーを適用します。CNFシーラーは、その特性上、木材の表面に直接塗布することが可能です。塗布はブラシやローラーを用いて行います。

その後、乾燥させてから塗装を行います。塗装は基本的には2回塗りが一般的です。1回目の塗り(中塗り)で色を出し、2回目の塗り(上塗り)で仕上げの艶を出します。

最後に、しっかりと乾燥させて作業は完了です。乾燥には通常1日以上かかることが多いため、天候にも注意が必要です。

以上が、下地処理から塗装までの基本的な流れです。この流れを踏まえた上で、CNFシーラーを用いた外壁塗装を進めていきましょう。

CNFシーラーを用いた場合のポイント

CNFシーラーを用いた外壁塗装には、いくつかの覚えておきたいポイントがあります。

まず、CNFシーラーの特性を活かすためには、適切な下地処理が重要となります。木造住宅の外壁には、従来の塗料と異なり、CNFシーラーは直接塗布します。そのため、外壁表面の汚れや古い塗膜は丁寧に除去し、適切に調整することが求められます。

次に、CNFシーラーの塗布は通常2回行います。初回塗布後、しっかりと乾燥させることで2回目の塗布がより均一になり、木材の保護効果を最大限に引き出すことができます。

また、CNFシーラーは高い透明性を持つため、木材の美しい質感をそのまま引き立てることが可能です。しかし、その分、外壁の状態がそのまま見えるため、下地処理の精度が仕上がりに直結します。

以上のポイントを押さえて、CNFシーラーを活用した外壁塗装を進めてみましょう。

6. 外壁塗装のメンテナンス方法と注意点

外壁塗装後のメンテナンスは、塗装の長持ちを左右します。まず、塗装後は1年に1度程度、塗膜の剥がれやひび割れ、カビや藻などが発生していないか確認しましょう。軽微な問題は早めに修復することで、大きなトラブルを未然に防げます。

また、定期的なクリーニングも重要です。下記の表にクリーニングの手順を記載します。

ステップ

内容

1

ブラシや水を使って、外壁の大きな汚れを落とす

2

専用のクリーナーを使って、細かな汚れを取り除く

3

水道水でしっかりと洗い流す

ただし、高圧洗浄機の使用は避けましょう。強い水圧で塗膜が剥がれることがあります。メンテナンスはあくまで「ケア」ですから、穏やかな手法を選びましょう。

ケレンなどの下地処理の重要性

外壁塗装を行う際には、下地処理が欠かせません。特にケレンと呼ばれる作業は、既存の塗膜を研磨し、新たな塗料がしっかりと密着するための重要なプロセスです。

【ケレンの手順】

  1. 塗装面の汚れや古い塗料を削り取る

  2. 表面を平滑にするために細かい研磨紙で研磨する

  3. ほこりや削りカスを清掃する

これらの工程を通じて、塗装面は清潔で滑らかになり、新たな塗料が均一に塗布できます。木造住宅の場合、木材の凹凸や節目を補正することもケレン作業で可能です。また、下地処理が不適切な場合、新たな塗料の密着力が低下し、塗装が剥がれやすくなる可能性があります。正しくケレン作業を行うことで、外壁塗装の耐久性が向上し、長期間美観を保つことができます。

塗装後のメンテナンス方法とポイント

外壁塗装後のメンテナンスは、その経過年数や雨風の影響により異なります。まずは、定期的な視察が大切です。特に、木造住宅では、雨漏りやカビ、すすけなどが見受けられた場合は早急な対策が必要です。

下記に塗装後のメンテナンスのポイントを示します。

ポイント

詳細

視察

1年に1回程度の頻度で塗装面を確認します。

清掃

汚れが目立つ場合や塗装面が粗くなっている場合は柔らかいブラシで優しく洗いましょう。

修復

塗装がはがれている、亀裂が入っているなど異常が見られた場合は、専門家に依頼しましょう。

以上のように、塗装後のメンテナンスは定期的な視察と適切な清掃、必要に応じた修復がポイントとなります。木造住宅の外壁は、その美観を保つだけでなく、住宅全体の耐久性を向上させるためにも重要な役割を果たしています。

8. まとめ

本稿では、木造住宅の外壁塗装における新素材「CNFシーラー」の効果とその利便性を詳しく解説しました。CNFシーラーは、木材の持つ自然な風合いを保ちつつ、耐久性を強化する特性を持っています。これにより、外壁の美観を長期間維持することが可能となります。

また、塗装の方法においてもCNFシーラーを用いることで、従来型の塗装よりも効率的な施工が可能です。特に下地処理における労力の軽減は大きなメリットと言えるでしょう。

しかし、どれだけ優れた塗料を使用しても、その効果を最大限に引き出すためには適切なメンテナンスが欠かせません。ケレンや塗装後の定期的なチェックなど、適切なケアを怠らないことが重要です。

以上の点を踏まえ、CNFシーラーを用いた外壁塗装は、その耐久性と美観保持の効果から、木造住宅のメンテナンスにおいて大いに期待できる方法と言えるでしょう。

塗装工事における、雨戸の吹付け|扶桑町の外壁リフォーム【ヨコイ塗装】

外壁塗装を行う際には、外壁だけでなく屋根やサッシ、玄関ドアなど、塗装が劣化している部分に対して、併せて塗装するケースが非常に多くあります。この中で注意していただく必要があるのが「雨戸」です。そもそも、鉄製の雨戸に塗装が必要なのでしょうか。

今回は、そんな雨戸の塗装についてご紹介します。

雨戸

雨戸の役割

 雨戸は、大きく分けると、横にスライドさせて収納するタイプのものと、シャッタータイプのものの2種類があります。いずれの雨戸も、大半はスチール製で外側がアルミ製となっています。雨戸は、頻繁に使用するものではありませんが、強い雨や風から窓を守るために重要な役割をもっています。雨戸が劣化してしまうと、大雨や台風から窓を保護することができなくなり、台風などで窓ガラスが割れてしまうこととなってしまいます。

雨戸には塗装が必要?

雨戸を塗装する目的の1つは、外観をきれいに見せるためです。屋根や外壁をきれいに塗装した場合、汚れている部分、劣化している部分は、いつも以上に目立ってしまいます。もし、雨戸の塗装が裂開している状態で、屋根や外壁だけを塗装した場合、建物全体がアンバランスになってしまい、余計に美観が悪くなってしまいます。

雨戸

 雨戸の塗装費用

 雨戸の塗装は、1枚当たり3,000円~4,000円が相場となっています。一般的な日本の住宅の場合、窓の数が少なくとも5枚程度あり、窓1か所あたり、2枚の雨戸がついていますので、最低でも合計10枚の塗装が必要となり、塗装にかかる費用は30,000~40,000円となります。

外壁塗装と同時期に雨戸の塗装を行うと考えた場合は、およそ上記のような金額になるのですが、雨戸だけを塗装しようとすると、足場を構築しなければならないため、足場の作成代金が追加で発生してしまうことになります。足場を設置する費用は、高い場合、1㎡当たり1,000円程度となりますので建物が100㎡と仮定した場合、100,000円もの料金が追加で発生してしまうことになります。そのため、雨戸を塗装するのであれば、外壁の塗装と同時に行うことが一般的です。

雨戸の塗装タイミング

①コストを安く抑えるなら…

 雨戸を塗装するタイミングは、雨戸の外観が悪くなった時で問題ありません。外壁塗装を行い、屋根や外壁がきれいになった時に、雨戸だけ浮いた状態にならなければ、特に塗装を行う必要はないと言えます。と、いうのも、雨戸は普段戸袋に隠れ、そもそも使用する頻度がそれほど多くはありません。そのため、雨戸の設置方法にもよりますが、実際に雨戸そのものもが、雨や紫外線の影響を受ける頻度は、屋根や外壁ほど多くはないのです。つまり、雨戸の塗装は屋根などの雨が当たる部分と比べ、さほど問題はないのです。

さらに、雨戸は中から取り外すことが出来ます。。そのため、仮に工事の時に塗装しなくても、気になった時に取り外して塗装出来ますので、工事のコストを抑えることが可能です。

②建物の外観を気にするなら…

 多少コストをかけてでも、常に建物の外観をきれいにしておきたいという方は、5年程度の周期で塗装を行うことをお勧めします。雨戸は吹き付けに使用される材料がウレタン系統が主流でした。無機やフッ素などの塗料とは異なり、耐候性が低い特徴があります。ウレタン系塗料の耐久年数は5~7.8年程度になっています。

そのため、防犯のため雨戸をよく閉められる方は吹付け材をアップグレードしてもらうことをお勧めします。

劣化の激しい雨戸は?

 ケレンや塗装を行っただけでは修復できないほど劣化してしまった雨戸は、取り換えを行うことになります。雨戸を取り換えるには、一般的に1枚当たり4万円~、工事費用が6万円程度かかってしまいます。すべての雨戸を取り換えることになると、大きな出費につながることになりますので、こうなる前に塗装を行っておく必要があります。

参考:施工価格について

温風低圧塗装機SG-91

温風低圧塗装機とは?

 温風低圧塗装機とは、スプレー塗装を行うための機材で、低圧でかつ大風量の空気を使用して塗料を噴霧する塗装機のことを言います。スプレー塗装は、プラモデルでも「エアブラシ」などの機材が売られていますが、温風低圧塗装機はエアブラシの外壁塗装用をイメージすると分かりやすいかと思います。

 温風低圧塗装機は、空気の圧力が0.05Mpa以下と非常に小さいため、コンプレッサーを用いずに、ブロアを用いていることが特徴で、その分、軽くて取り扱い安いというメリットがあります。

温風低圧塗装機のメリット

①高い塗着効率

 塗着効率とは、使用する塗料のうち、どの程度、塗装に使用することができたかを示す割合で、例えば10kgの塗料を塗着効率90%の塗装方法で使用した場合、外壁に塗装できた塗料が9kg、残り1kgがローラーやハケに残った分、垂れ落ちた分、温風低圧塗装機に付着した分など、外壁に塗装できなかった分になります。

温風低圧塗装機のメリットの1つに、高い塗着効率にあります。温風低圧塗装機を使用した場合の塗着効率は、およそ70~90%といわれており、これは、ローラーやハケで塗装した場合とほぼ同じ水準となっています。

 なお、他のスプレー塗装の方法として、エアスプレー(空気の圧力0.3~0.5Mpa)を使用した場合、塗着効率は30~50%となっています。つまり、塗料の5割~7割は使用できずに破棄されているため、塗料にかかるコストが非常に大きくなってしまいます。

つまり、温風低圧塗装機を使用することで、スプレー塗装でありながら、ローラーやハケと同じくらい塗料を効率よく使用することができるのです。

②強溶剤系塗料が使用できる

 一般的な外壁塗装で使用されている塗料は、ほとんどが弱溶剤系塗料です。弱溶剤系塗料は、室内等に使用する水性塗料に比べ、高い密着性や耐候性があることから、主に外壁に使用されていますが、その弱溶剤系塗料よりも耐薬品性、耐水性を大幅に高めた塗料が強溶剤系塗料となります。

強溶剤系塗料塗料は、その臭いから最近ではあまり使用されなくなってきていますが、高い耐薬品性や耐水性が求められる建物などには、この強溶剤系塗料が使用されています。この強溶剤系塗料は、ローラーやハケでは平滑な塗装を行うことができません。強溶剤系塗料を使用して、美観よく塗装する場合は、スプレー塗装が必須となります。温風低圧塗装機もスプレー塗装の一種ですので、この強溶剤系塗料をきれいに塗装することが可能です。

温風低圧塗装機のデメリット

①霧化の粒径

 スプレー塗装では、塗料を霧状にして噴霧する塗装方法になります。そのため、吹き出された塗料の1つ1つは非常に小さな粒で吹き出されるのですが、温風低圧塗装機の場合、空気の圧力が高くありませんので、コンプレッサーを使用して空気を圧縮するタイプのスプレー塗装に比べると、1つ1つの塗料の粒径(1粒の塗料のサイズ)が、若干大きくなってしまいます。とはいえ、塗装した際の品質に大きな差が出るほど影響はありません。

②ミストの飛散

 これは、温風低圧塗装機のデメリットというよりはスプレー塗装のデメリットになりますが、霧状に塗料を噴霧する塗装方法であるがゆえに、塗料の粒であるミストが広範囲に飛散してしまうというデメリットがあります。

例えば、ローラーとハケで塗れば、マスキングの必要がない場所であっても、スプレー塗装の場合は広範囲にミストが飛散する関係上、しっかりとマスキングしておく必要があります。特に、風が強い日などは、ミストが風に乗ってしまうこともありますので、実際に塗装するべき部分以外の場所であっても、広範囲にマスキングや養生を行わなければなりません。

養生テープ

ヨコイ塗装の塗装方法

 今回、温風低圧塗装機のであるSG-91を導入しましたが、もちろんすべての外壁塗装や屋根の塗装に対して、温風低圧塗装機だけで塗装を行うということはありません。外壁の品質や形状、補修状況などによって、最適な塗装方法を検討し、最も品質がよくなる塗装方法で塗装を行っていきます。

今回、温風低圧塗装機SG-91を導入したことによって、雨戸の仕上がりが格段に良くなりました。特に、このSG-91はABAC社という改修工事や補修塗装での実績が高いメーカーであり、業界トップクラスの低飛散性能(ミストが飛散しにくい性能)、ウレタン塗料や水性塗料から強溶剤系塗料まで幅広くカバーできていることなど、性能面でも非常に高い機材となっています。

玄関ドアの吹き付け

玄関のドアは、毎日使用するため非常に汚れやすい場所でもあります。そのため、汚れを気にされる方は、頻繁に掃除をする箇所ではないでしょうか。家に来られる方が、最初に目にされるのが玄関ですので、できるだけきれいに保っておきたい場所でもあります。

そんな家の顔ともいえる玄関ドアですが、日々の清掃をしっかり行っていたとしても、どうしても塗装が劣化してしまい、清掃だけではきれいにできない状況が発生してしまいます。そうなると、玄関ドアの塗装が必要となります。

今回は、そんな玄関ドアの吹き付け塗装についてご紹介します。

玄関ドア

1.玄関ドアの塗装方法

 玄関ドアの塗装は、非常に難しいと言われており、外壁と同じ方法では塗装を行うことができません。仮に外壁と同じ方法で塗装してしまうと、1~2年という非常に短い期間で塗装にひびが入ったり、塗装が剥がれてしまうことがあります。

玄関ドアには、木製のものと金属製のものがあり、一部の木製ドアや金属製のドアには吹き付けという方法で塗装を行います。

2.吹き付け塗装とは

 吹き付け塗装は、スプレーガンと呼ばれる専用の工具を使用して、塗料を霧状に吹き付ける塗装方法のことを言います。プラモデルの塗装でも、筆を使った塗装と、スプレー缶を使った塗装がありますが、吹き付け塗装はスプレー缶を使った塗装の方になります。

 吹き付け塗装は、霧状の塗料で塗っていきますので、塗装する対象の凹凸に左右されることなく、均一に仕上げることが可能です。玄関ドアの表面は、様々なデザインが施されている場合が多く、ローラーで塗装するよりも吹き付け塗装を行ったほうが、きれいに仕上げることができます。

参考:塗装工事の養生テープの種類と使い分けに関して

参考:塗装工事におけるローラの使い捨てについて

3.玄関ドアの塗装手順

①下地処理

 玄関ドアを塗装する場合も、最も重要な部分は下地処理となります。下地処理において、古い塗料をしっかり剥離し、錆や傷をしっかり修復しておかなければ、塗装によって見た目だけが良くなっても、内部で錆や傷が広がってしまいます。

また、錆の上から塗料を塗ってしまうと、錆がはがれる際に塗料も一緒にはがれてしまうこととなり、耐久性も大幅に低下してしまいます。そのため、下地処理をしっかりと行わなければなりません。

 また、木製ドアの場合は、古い塗料を剥がしたのちに、しっかりと研磨を行う必要があります。これも、研磨をしないまま塗装を行ってしまうことで、木片の剥がれなどによって塗装が剥がれてしまうことを防止するという目的があります。他にも、研磨することで塗装の完成度(美観)も大きく高くなります。

ケレン作業

②下塗り

 玄関ドアの素材が金属製である場合は、錆止めの入った下塗り材で下塗りを行います。玄関ドアの素材に直接塗装する下塗り材に錆止めを含めることで、しっかりと錆止めの効果を活かすことができます。(材質によってはバインダーと言われる専用接着剤のような物を使います)

木製の玄関ドアの場合は、木部用の下塗り材を使用して下塗りを行います。こうすることで、木材という自然の素材を強化することができます。いずれの素材であっても、品質を重視する業者であれば複数回繰り返して、強度を高めています。(女性のファンデーションに似ている作業です)

③中塗り・上塗り

 仕上げの塗料と同じ色で中塗り・上塗りを行います。玄関ドアの素材によって、使用する塗料は異なりますが、木製ドアであっても金属製ドアであっても中塗りと上塗りと、最低でも2回は塗装を行います。仕上がりの状況によっては、中塗りを複数回、もしくは上塗りを複数回実施することもあります。

4.吹き付け塗装・玄関ドアの塗装の注意点

①養生について

吹き付け塗装は、ローラー塗装と違って霧状の塗料を吹き付けますので、塗装を行わない場所に施す養生が非常に重要となります。プラモデルでスプレー缶を使った塗装をした経験のある方ならわかると思いますが、塗装したくない部分をマスキングテープで養生したつもりでも、その貼り付けが甘かった場合などは、マスキングテープの下に塗料が入り込んでしまい、養生していたにも関わらず、塗料がはみ出してしまうといった場合があります。

玄関ドアの吹き付け塗装も同様で、しっかり養生しておかなければ、塗装すべきではない玄関ドア以外の場所にまで塗料がにじみ出てしまうことがあります。

②塗装技術について

 吹き付け塗装は、外壁でも使用することがありますが、ローラーと比べると塗装する頻度が高くはありません。そのため、ローラーを使用した外壁塗装の技術が高くても、吹き付け塗装の技術が同じように高いとは言えません。玄関ドアは家具のリフォームと同様と言われているほど、塗装には高い専門知識と技術が必要な塗装と言われています。そのため、金属製、木製問わず、玄関ドアの塗装を依頼する場合は、業者選びを慎重に行う必要があります。

③料金について

 玄関ドアの塗装の相場は1枚当たり5万円~20万円と、塗装面積に比べると、やや高価になっています。その理由は、先ほど挙げた求められる塗装技術の高さや、養生にかかる手間の多さからきています。

玄関ドアは、家の顔といえる部分ですが、塗装を行う場合は、業者選びや金銭面など、いろいろ考える必要があります。

台所の換気扇の油汚れが外壁塗装に与える影響と対策

【はじめに】
外壁塗装を予定している方にとって、換気扇周りの油汚れは気になるポイントです。この記事では、台所の換気扇の油汚れが外壁に与える影響と、外壁塗装を行う際の対策についてご紹介します。外壁塗装を長持ちさせるために、換気扇周りの清掃や対策を行うことが重要であることを、分かりやすく解説します。

【外壁汚れの原因】
外壁はさまざまな原因で汚れが発生します。車の排気ガスやカビ、ほこりなどが主な要因ですが、台所の換気扇から垂れる油汚れも外壁を汚す原因とされています。台所の換気扇は料理で使用する油が付着しやすく、この油が古くなると外壁に垂れて黒い汚れになってしまいます。

【外壁塗装と油汚れ】
外壁塗装を行う際には、外壁の汚れはすべて落としておく必要があります。特に台所の換気扇から垂れる油汚れは、塗料の密着を阻害する可能性があるため注意が必要です。油汚れは通常の掃除だけでは落としにくいため、外壁塗装前には専用のクリーナーや高圧洗浄を利用して油分を分解してから塗装を行う必要があります。

【換気扇周りの掃除と外壁塗装】
外壁塗装をする際には、換気扇周りの油汚れをしっかりと取り除くことが重要です。外壁をきれいに塗装しても、油汚れが再度垂れると汚れた外壁になってしまいます。換気扇そのものの掃除だけでなく、換気扇ダクトも目詰まりを防ぐために業者に依頼して掃除することが効果的です。

【換気扇から油汚れを防ぐ対策】
外壁の汚れを防ぐために、換気扇から油汚れが垂れないように対策を行いましょう。

①フィルターの使用
換気扇にフィルターを取り付けることで、油を吸収しダクトへの流入を防ぎます。換気扇の大きさに合ったフィルターを選び、定期的な清掃を行うことで効果的に油汚れを防げます。

②定期的な清掃
換気扇周りは月に1回程度、定期的に清掃することをおすすめします。油汚れは時間が経つと黒く酸化しやすくなるため、早めの対処が重要です。

【まとめ】
台所の換気扇の油汚れが外壁に与える影響や外壁塗装に対する対策を紹介しました。外壁塗装を長持ちさせるためには、換気扇周りの油汚れをしっかり取り除くことが必要です。フィルターの使用や定期的な清掃を行うことで、外壁の汚れを防ぎ、美しい外観を保つことができます。外壁塗装を予定している方は、換気扇周りのケアをお忘れなく!

油汚れ

 

シャッターの塗装、必要なの?業者による意見の違いと最適な選択方法

## シャッター塗装のガイド:「塗るか?塗らないか?」その真実と解決策

### 1.シャッター塗装、業者の意見は分かれる!その理由は?

シャッターの塗装を依頼するとき、業者によって「塗装すべき」という意見と「塗装しなくてもいい」という意見があります。その理由は何でしょうか?

1. **塗装しない業者の理由:** その主な理由は、「塗装を行ったとしても、すぐに剥がれてしまう」からです。シャッターは外壁と違い、開閉という動作があるため、塗料がはがれやすいと考えられています。

2. **塗装する業者の理由:** 「シャッターだけ塗装しないと、外観が損なわれる」という観点と、「シャッターに適切なさび止めを行わないと、耐久性が損なわれる」という観点からです。

### 2.シャッター塗装の問題点とその解決策

シャッターの塗装にはいくつかの問題点があります。

1. **問題点その1:塗装の厚み:** 塗装により、シャッターに厚みが生じ、開閉の際に問題が生じる可能性があります。この解決策として、スプレーによる塗装が有効です。塗料の厚みを極力薄く仕上げ、問題を回避することができます。

2. **問題点その2:材質と塗料の密着性:** シャッターの材質により、塗料の密着性が異なることがあります。例えば、アルミやステンレスは塗料の密着性が低く、塗装が剥がれやすいです。そのため、「パーフェクトシーラー」のような密着力の高い塗料を使用することをお勧めします。

### 3.シャッターを塗装する際の注意点

シャッターを塗装する際には、以下の点に注意しましょう。

1. **注意点その1:塗装後のシャッターの動き:** 塗装したシャッターが動かなくなるという事例があります。塗装後は、シャッターの間に塗料が残らないように気をつける必要があります。

2. **注意点その2:シャッターとシャッターボックス間の問題:** 塗料がシャッターとシャッターボックスの間にある家に付着してしまうと、シャッターの動きが悪くなる可能性があります。塗装後は、これらの部分を剥がして稼働するように調整します。

3. **注意点その3:塗装の乾燥:** 塗料が乾燥していない状態でシャッターを動かすと、塗料が他の部分に付着する可能性があります。したがって、塗装後はしっかりと乾燥するまでシャッターを動かさないようにしましょう。

### 4.結論:シャッターとシャッターボックスの塗装はすべきか?

シャッターを塗装すべきかどうかは、その状況によります。シャッターの材質がサビやすいトタンの場合、定期的な塗装が効果的です。しかし、サビにくいアルミやステンレスを使用している場合は、塗装しない選択肢もあります。さらに、シャッターは新しいものに交換することも可能です。

シャッターボックスについては、適切な下地処理と下塗りを実施することで塗装が可能です。その費用はシャッター部分を交換するよりも低くなりますので、シャッターボックスについては塗装を推奨します。

以上のことから、シャッターの塗装については、現状を確認し、最適な方法を選択することが重要です。「塗るか、塗らないか」その決定は業者の意見だけでなく、あなた自身の状況も大切に考えて選択しましょう。

外壁塗装工事におけるウッドデッキなどの木部の塗装について

日本の住宅で最も多い「木造住宅」と言われる家においては、昔は木を中心として作られていましたが、最近の住宅においては、外壁にはセメントを主成分としたモルタルを使用したり、サイディングボードを使用したりと様々な材料を使用して断熱性や防水性を高める工夫がされています。

しかし、外壁や屋根の一部分に木が使われている場合や、木を中心に作られている家もまだまだ存在しています。今回は、そんな木部の塗装についてご説明いたします。

木部の注意点

木という自然の材質を使用することで、温かみのある住宅にすることができるということから、今でも木を住宅の要にすることは多々あります。

しかし、木材を使用することはメリットだけではなくデメリットも存在します。

  • まず、木は膨張や収縮を行う素材であるという点です。雨や湿気等が増えると木が水分を含んで膨張し、逆に乾燥すると水分を吐き出して収縮するという特徴があります。これにより、予期せぬゆがみや隙間が生じてしまう事もあります。
  • 次に、太陽の当たり方によって劣化に大きな差が生じるという点です。太陽光に含まれる紫外線によって、木の中の物質が変化してしまう事により、変色などが生じてしまいます。
  • さらに、多くの水分を含んだままにしておくと腐敗してしまう事もデメリットとして認識しておく必要があります。木部に塗装を行う場合には、これらのデメリットをしっかりと認識しておかなければなりません。

木部への塗装

 木部へ塗装を行う際には、木目を活かすのか、もしくは木目を消してしまうのかを選択する必要があります。木を材質に選ばれている方は、木目が温かみを演出することも期待して、木目を残すことを選択される方が多くいらっしゃいます。

木目を残す塗装は、浸透タイプ、含浸タイプ、着色仕上げ、ステイン、木材保護着色塗料、木材保護塗料、浸透型塗料などと呼ばれ、木の内側を保護できるという点、剥がれや膨らみがなくなるという点がメリットとして考えられます。

しかし、デメリットとして、木目を残すために多くの塗料を使えませんので艶が出にくいことや、耐久性が低いといったことが考えられます。この塗装工事の場合は、3年を目途に塗装を行わなければなりません。

次に木目を消す塗装工事は、造膜タイプ、皮膜タイプ、ペンキ塗装などと呼ばれ、耐久性が高いことが特徴となっています。木目を消す塗装は、目につかない木部(軒天や軒下、鼻隠し等)でよく使われています。

木部塗装工事の作業内容

 木部塗装の作業内容は、他の塗装と同じく下地処理、下塗り、中塗り、上塗りの順で行われます。この中で最も重要なのは、下地処理となります。木部塗装の下地処理は、他の塗装と同じく、高圧洗浄で汚れを落として古い塗膜を取り除きます。次に、ケレンと言われる処理を行います。木は塗料が乗りにくい素材となっていますので、塗料がしっかりと乗るようにきれいにした木部にサンドペーパー等であえて細かな傷をつける作業がケレン作業です。細かな傷がつくことで、塗料が傷の中に入り込んで、しっかりと密着させることができるのです。

 次に下塗りですが、木部には木部専用の塗料で下塗りを行います。これも、木が他の材質と比べて塗料が剥がれやすいというデメリットに対して、それを補強することを目的としています。そのため、錆止めが入った鉄部の塗料などを使用していないことを確認するようにしてください。

最後に中塗り、上塗りです。木部は他の材質よりも劣化が早い素材となっていますので、他の材質よりも耐久性の高い塗料を使用することが求められています。特に、日当たりのよい部分を塗装する場合、他の場所に比べて、太陽光に含まれる紫外線で材料である木材が劣化している可能性があります。そのような場合は、状況に応じて3度塗り以上の塗り重ねが必要となることもあります。

まとめ

 木は家を建てるにあたってなくてはならない素材の一つです。そのため、木部の塗装というのは避けては通れないメンテナンスとなっています。そんな木部の塗装ですが、場所によって耐久性を下げてでも見た目を重視して木目を残すのか、もしくは木の温かみは消えてしまうが耐久性を重視して木目を消すのかという選択が必要となります。

基本的には、人目に付きやすい部分は木目を残し、人目に付きにくい部分は木目を消すという選択でも問題はありませんが、木材は太陽光に含まれる紫外線で劣化が早まりますので、日差しが当たる場所では、あえて木目を消してでも耐久性を高めたほうがいい場所(例えばウッドデッキ等)があります。それらのメリット、デメリットをしっかりと考えたうえで、塗装方法を選択しなければなりません。

 最後に塗装の方法ですが、注意点は他の材質を大きく変わりはありません。下地処理が最も重要であるという点も他の材質と同様です。しかし、下地処理は、他の材質よりもしっかりと行わなければ、塗料の乗りが悪くなってしまい、最悪のケースですと数週間で塗料が剥がれるということもありますので、その点だけは注意が必要です。

ウッドデッキやウッドテラス、ガーデンテーブルなどの塗装

1.ウッドデッキなどを塗装する目的

 初めに、ウッドデッキやウッドテラスといった木部を塗装する目的を再確認しておきます。ウッドデッキやウッドテラスは、その名の通り、木材が使用されていますので、そのまま放置しておくと、木材が雨などの水分を吸収してしまい、腐敗が始まってしまいます。

木材が腐敗してしまうと、見た目も悪くなりますが、なにより壊れやすくなってしまいますので、安全性が大きく損なわれることになります。特に、2階以上に設置しているウッドテラス等で腐敗が発生してしまうと、洗濯物を干す際に穴が開いて転落といった事故につながる恐れがあります。そこで、定期的に木部を塗装することによって、防腐性能を高め、さらに木部に新鮮な色合いを出し、クリアー仕上げをすることで、塗膜を作り上げ表面を丈夫にし、雨などの水分が木材の内部に吸収されないようにします。さらに、塗膜によって木材につきやすいコケやカビの発生も抑えることができますので、見た目もよくすることができます。

 こういった目的のために、ウッドデッキやウッドテラスにも塗装が必要なのです。

2.木材を保護する塗料

 こういった木部を保護するための塗料としては、木材保護塗料という塗料が使用されます。木部は、他の素材よりも様々な要因で劣化してしまいますので、こういった専用の塗料を使用することで、木部をしっかり保護することができるのです。

木材保護塗料にも、浸透タイプと造膜タイプという2種類が用意されています。この2種類の違いは、名前の示す通り、浸透タイプが木材の内部まで浸透する塗料で、造膜タイプが木材の外側に膜を貼るタイプの塗料となっています。また、特に安全性に考慮した水性タイプも存在しています。

①浸透タイプ

 木材の内部に塗料が浸透することで、表面を保護するという考え方の塗料です。例えるなら、ハンドクリームに近いかもしれません。塗料が中に浸透することで、見た目はこれまでの木目をしっかりと残すことができます。浸透タイプは、特に防腐の効果につながりますので、劣化が気になるところには、早めに対処しておいたほうが良いです。

②造膜タイプ

 造膜タイプは、木材の外側に密着して膜を貼る塗料となっていますので、見た目はその塗料の色となってしまいます。こちらは例えるなら、日焼け止めクリームに近いかもしれません。しかし、木材の外側から膜を張り材質そのものを保護しますので、その保護能力は高く、木材そのものにダメージを受けることが少なくなります。したがって破風や鼻隠しなどの雨や風が当たりやすい、外部環境の厳しい所に使うことが多いです。

3.塗料の使い分けは必要か?

 このように、木材保護塗料といっても大きく分けて2種類の塗料があります。もちろん、用途に応じて、これらの塗料の使い分けは必要となってきます。

例えば、海沿いや雨が多い場所など、木材にダメージを受ける要素が強い場合は、造膜タイプを使用して、外側からしっかりと保護する必要があります。こういった場所で浸透タイプを選択してしまうと、せっかくメンテナンスしているにも関わらず、想像以上に木材がダメージを受けてしまうこととなります。

浸透タイプの代表キシラデコール

キシラデコールの塗装単価は、1式計上が多いです。

キシラデコール

木部にキシラデコールを塗ることがあると思います。現場からの経験から言うと木部の塗装単価を出すのは非常に出しにくいです。理由としましては、木部は吸い込みが激しく、また既存の塗膜の状態によって実際に塗装してみないと作業時間がわからないと言うところが大きいからです。したがって経験から、「これぐらい感じだったらこれぐらいの作業時間で、これぐらいの金額をもらわんと合わない…」そんな感覚で見積もりを出している職人さんは多いのではないでしょうか(もちろん下請けの職人さんが来れば、その分元請けさんに上乗せ金額が出ている事は間違いありません。)

ちなみに現在キシラでk−るの一斗缶あたりの単価は36,000円位です。

□よくある質問:コンゾランと言う似たような塗料が出たと聞いたのですがどうでしょうか?

https://www.xyladecor.jp/products/xyladecor_consolan.html

実際上記塗料は、キシラデコールに近いと言うより、ペンキに近いと言う感じです。キシラデコールですと表面の木目が出てくるのですが、コンゾランですと塗りつぶしに近い感覚を覚えます。したがってきれいな木目を生かすのが目的でしたらお勧めはできません。

■キシラデコールの塗装単価はどれぐらいの耐用年を言うの?

そもそも木部の塗料には商品としてあまり良いものがありません。木が収縮するため、ヒビが入ったらそこから水が入り、簡単に塗膜がピリピリとはがれるといった現象が起こってしまいます。クレームが起こりやすい箇所なのでメーカー自体が敬遠していると言うこともあるかもしれません。

またキシラデコール自体は、シンナーが約70%の割合を占めております。したがってシンナーが揮発した後は、塗膜としてはかなり薄いものになります。紫外線に当たると弱く塗装をしてから2 3年程度しか持たないのが現状です。

■キシラデコールの上にクリアを塗って耐久性をあげましょう。

キシラデコールが紫外線に弱い事は上記で説明しました。そんなキシラデコールの耐久性を上げる方法があります。それが木部用のウレタンクリアを塗装することです。ヨコイ塗装で使用しているニッペさんの「木部用ウレタンクリア」はポリウレタン系なので比較的耐久性も高いです。

実際は紫外線の良く当たる破風などに塗っても10年以上持つこともよくあります。キシラデコールの単価に加え、コストはかかってきますが、もし外壁にフッ素など高耐久の塗料を塗った場合、劣化速度を揃えるためには、非常に良い方法だと思います。

■木部塗装の見積もり時にはどんな質問?

  • 「キシラデコールだけの仕上がりになりますか?」
  • 「キシラデコールの上にはクリアーは塗ってもらえますか?」

バルコニー(ベランダ)の塗装工事について|扶桑町の外壁リフォーム【ヨコイ塗装】

1.ベランダとは

 「ベランダ」という言葉を聞いて、どういうものか全く想像できないという方はいらっしゃらないと思います。ご存知の通り、ベランダとは、建物からせり出した、人の歩ける場所のことを言います。さらに、ベランダの定義としては、屋根がついているというものがあります。つまり、建物からせり出した、人の歩ける場所はあるが、屋根が付いていないという場合は、「ベランダ」とは言いません。

では、そのような場所を何というかというと、「バルコニー」と言います。「ベランダ」と「バルコニー」の違いは、屋根の有無ということになります。と、言い方に差はあるものの、ベランダもバルコニーも屋外にせり出した部分であることには変わりありません。そのため、屋根や外壁と同様に、劣化するということを覚えておかなくてはなりません。

2.ベランダの劣化

ベランダは、バルコニーと違って屋根がついているといっても、屋外にせり出した場所であることに変わりはありません。屋根によって多少は保護されているところは良いのですが、一般的に屋根が無い分、雨や風などご直に当たりやすく、外壁以上に劣化に気を付けなければなりません。ベランダの劣化を放置しておくと、建物内部の腐食や雨漏りの原因となってしまいます。そのため、ベランダの劣化の種類をきちんと知り、早期発見を行うことが重要です。

①ひび割れ

 ベランダのひび割れには、ベランダの外壁部分のひび割れと、床部分のひび割れの2種類があります。ベランダの外壁は、家の外壁同様に塗装が施されていますので、この塗膜がひび割れを起こしているということになります。しかし、床については、大半が塗装ではありません。この場合、床の防水層がひび割れしている状態となります。

②剥がれ、膨らみ

 ベランダの剥がれや膨らみについても、外壁部分に発生しているか、床部分に発生しているかで状況は異なります。外壁部分の剥がれや膨らみについては、大半はひび割れを放置していた結果で、ひび割れから水分が侵入したことにより、塗膜の内側で水蒸気が発生し、それが原因で塗膜が膨らんでしまい、それが悪化することで剥がれにつながったという状況です。

また、塗装を行う際に下地処理をきちんとおこなっていなかったことが原因となるケースもあります。床に膨らみや剥がれがある場合は、注意が必要です。同じくひび割れを放置した結果、膨らみや剥がれにつながるのですが、ベランダの床には防水層がありますが、それが剥がれている状況ですので、雨などによる水の侵入を全く防ぐことができないという状況になっています。この状況の場合は、すぐに対処しなければ、家の内部から腐敗することにつながりますので、早急に業者に連絡して対処しなければなりません。

③ベランダの雨漏り・染み

 構造的にベランダの床面を下から見れる構造に限りますが、床面に雨漏りの跡や雨染みがある場合、ベランダの床に水が侵入している状況であるため、早急に業者に連絡して対処する必要があります。このケースも放置しておくと家の内部に水が侵入することで腐敗してしまう事につながります。

④ベランダの排水不良

 ベランダの排水不良には、2つの原因が考えられます。

1つは排水管がゴミ等で詰まってしまったことにより、せき止められてしまっている状態です。この場合は、配水管のゴミを掃除するだけで解決できます。

もう1つがベランダの勾配がなくなってしまっている状態です。本来、配水管に向かって水が流れるように、ベランダには勾配が付けられていますが、それが何らかの原因でなくなってしまった場合、水が配水管にむかって流れず、水たまりとなってしまいます。

床や外壁にヒビや剥がれがなければ、早急に対処しなければならないということはありませんが、床や外壁が劣化した場合、水たまりからベランダ内部に浸水することになりますので、早めに対処したほうがいいトラブルとなっています。

3.ベランダのメンテナンス

 ベランダの外壁は、家の外壁と同様に定期的な塗装工事を行うことで、塗膜を貼りなおし、水の侵入を抑えることができます。ベランダの床面は、塗装工事ではなく、防水工事を行うことでメンテナンスを行います。具体的には、「ウレタン塗膜防水工法」「FRP防水工法」といわれる方法で行います。ウレタン塗膜防水工法は、比較的簡単な防水工事で、液体状の材料を使用して行います。そのため、どのような形状であっても継ぎ目がない防水膜が貼れるという特徴があります。FRP防水工法は、防水用ポリエステル樹脂と防水用ガラスマットで防水層を作る工法となります。そのため、ウレタン塗膜防水工法よりも高度が堅いのが特徴です。

下塗りについて

ベランダは特に劣化が激しいです。下地の状態に合わせて柔軟に対応してもらうと良いです。今回はボンタイルの痛みが激しく、シーラー(接着剤)の吸い込みが激しかったので、何度も塗り重ねておきました。

ベランダ手すりのケレン作業

ケレン作業が塗料の密着性が高まります。

4.まとめ

 ベランダも建物の一部である以上、きっちりとしたメンテナンスを行わなければ、そこから建物の内部腐敗につながる要因となり得る劣化が生じます。まずは、定期的な塗装工事や防水工事を行い、ベランダの劣化を防止しましょう。また、定期的にベランダが劣化していないことを確認してください。