ケレン作業

ケレン作業の重要性とその効果的な進行方法 – ヨコイ塗装のケーススタディ

外壁塗装において、下地処理は塗装の品質を左右するとも言われるほど重要なプロセスです。その下地処理は、高圧洗浄で外壁をきれいに掃除することから始まり、外壁のひび割れやなどの補修、コーキングの打ち替えなど、様々な工程が存在します。それらの下地処理の中には「ケレン」という作業があります。今回は、下地処理の中のケレンについてご紹介したいと思います。

1.ケレンとは

 ケレンは、高圧洗浄で落としきれなかった外壁材の汚れや古い塗膜を削り落とす作業となります。トタンなどの鉄製の外壁材や、鉄部分にはサビが付着することもありますので、これらを除去するのもケレンの目的となります。ケレンをしっかりと行わずに塗装を行ってしまうと、サビや古い塗膜の上に塗料を塗ることになってしまいますので、そのサビや古い塗膜が剥がれてしまうと、新しく塗った塗料も一緒に剥がれ落ちてしまうことになります。そのため、塗装の耐久性が大幅に低下してしまうのです。また、サビは塗料だけで抑え込むことはできませんので、塗装が剥がれなかったとしても、比較的短い期間で塗装の上にサビが浮かび上がってきてしまいます。

ケレンは、下地処理の中でも重要な作業の1つで、この作業の精度で外壁塗装の品質が大きく左右されてしまいます。しかし、塗装し終えた時点では、目に見えて大きく変化が分かる部分ではなく、塗装後、数年経って初めて品質の良し悪しに気付く部分となりますので、品質に無頓着な業者は、ケレン作業に時間をかけずに工期の短縮を図るところもあるようです。

ケレン作業

2.ケレンの目的

 ケレンには、大きく3つの目的があります。

①サビの除去

 鉄製の外壁材や鉄部分のサビを研磨して除去します。鉄部分のサビは、少しでも残してしまうとそこからどんどん浸食してしまいます。浸食したサビは、塗装を行っていたとしても、すぐに塗装の表面に到達してしまうため、塗装から短い期間で外観が大きく損なわれてしまうことになります。また、サビが浸食するということは、鉄製の外壁材や鉄部分の素材が傷むことにつながります。そのため、サビの除去は徹底的に行っておく必要があります。

②汚れの除去

 高圧洗浄でも落としきれないような、外壁材の奥まで浸透してしまった汚れやカビ、しっかり密着した古い塗膜などを削り落とします。これらの汚れが残っていた場合、高圧洗浄でも落ちないくらい密着しているのは現時点だけで、時間がたてば徐々に汚れが剥がれてきますので、その剥がれによって塗装が剥がれ落ちないよう、最初にしっかりと除去しておく必要があります。

 また、高圧洗浄で落としきれない細かい部分の汚れもケレン作業で除去することになります。特に屋根は高圧洗浄で落としきれない細かな部分が多くあります。ここで汚れを見落としたまま塗装プロセスまで進んでしまうと、いったん塗装を中断し、改めて下地処理からやり直す必要がありますので、しっかりと汚れを見つけて、ケレン作業を行う必要があります。

③新しい塗料の密着性を高めるため

 全く摩擦の無いツルツルの外壁材には、塗料がなかなか密着しません。そのため、そのような外壁材に塗装を行ったとしても、すぐに剥がれ落ちることになってしまいます。そこで、ケレン作業で外壁材に細かな傷をつけることで、外壁材に塗料が密着しやすいように研磨します。

 

3.ヨコイ塗装のこだわり

 ヨコイ塗装では、ケレン作業も外壁塗装の品質を左右する非常に重要な作業だと位置づけています。そのため、ケレン作業に使用する道具についても、しっかり厳選を行ったうえで「N-GRIT」というツールを導入しました。N-GRITは、ナイロンと研磨砥粒をブラシのフィラメントにした新しいツールで、これまでの研磨ツールと比較して、幅広い研削力に対応したツールとなっています。そのため、強い研削力が必要な場合や繊細な研削を行わなければならない場合など、外壁材や外壁材の状況によって使い分けることが可能となっています。つまり、これまでの研磨ツールだと、外壁材に対して研削力が強すぎて必要以上に削ってしまう場合や、研削力が弱すぎてケレン作業に時間がかかってしまった場合がありましたが、「N-GRIT」を導入することによって、それらの問題が解消されることになりました。

 また、鉄製の外壁材や鉄部分のケレンだけでなく、木材部分にも使用することができますので、素材によってケレン用のツールを使い分ける必要がなくなり、高い品質を維持したまま、作業時間を短縮することができるようになりました。この「N-GRIT」を使用することで、ヨコイ塗装のケレン作業は、従来よりも高い品質、短い作業時間でケレン作業を実施しています。

参考:塗装工事の養生テープの種類と使い分けに関して

 

外壁塗装の技術、プロとDIYでどこまで差が出るか?

最近は、ホームセンターで外壁塗装を行う工具や塗料がたくさん販売されており、高いお金を払って塗装業者に依頼するよりも、安価に自分で塗装を行うことができると判断される方が増えてきました。確かに、ホームセンターで塗料を購入し、安価な工具を使用することで、塗装そのものは可能となります。

では、その仕上がりはどの程度の差が生じるものなのでしょうか。

今回は、プロの塗装と、DIYの塗装の差についてご紹介したいと思います。(ここで紹介するDIYは、過去に塗装業者での勤務経験等の無い、塗装に関する素人の方を対象としています)

下塗りの塗装

 外壁塗装では、中塗りや上塗りの塗料をしっかりと外壁に密着させるための下塗りが重要となります。下塗りの塗料の選定間違うと、中塗りや上塗りの塗料の密着度が低くなり、塗料が簡単に剥がれ落ちてしまいます。しかし、下塗り用の塗料は、中塗りや上塗りで使用する塗料の色を変化させないために、主に透明の塗料を使用します。ただ、白色や薄い色を塗装する時に、中塗り、上塗りで色が留まらないので、下塗りにも着色をする場合があります。

そのため、経験の浅い方がDIYで塗装した場合には、

「上塗りで色がしっかりと留まらない・・・」

そんな結果が生じることありえます。

また、塗料が全く付着していない部分もあれば、塗料を塗りすぎて下に垂れてくるということも良くあります。また、凹凸のある部分について、凹んだ部分がうまく塗れないというのもDIYでよくある失敗となります。このように、塗装のムラがあると、仕上がりもムラが生じてしまいますので、結果として外壁の仕上がりが見苦しいものになってしまいます。プロの塗装業者では、基本的に塗料の塗りムラがありません。また、手早く、均一に塗装を行っていくため、

塗装にかかる時間や、乾燥時間もDIYに比べると短く済みます。

中塗り・上塗りの塗装

 中塗りからは、色のついた塗料を使用しますので下塗りの塗料よりもどれだけ塗ったかがよくわかります。しかし、だから簡単に塗装ができるかと言われると、そうでもありません。

塗装になれていない方がDIYで塗装を行う場合、足場と高圧洗浄に、まずは壁が出来てしまいます。

例えば、高圧洗浄無い状態で、塗装を行っていきますので、剥がれのや不良自己の原因となってしまいます。さらに案外と予想以上の作業量から、仕事と並行して作業するのが困難な方が多いようです。非日常状態を繰り返すと、身体や精神面への負担が分厚くなってしまいます。しかし、足場屋さんはいつまでも貸してくれることは無いので、まずます納期に焦ることになり、結果として雑な塗装となってしまいます。

また、素人さんが塗装を行う場合、ほとんどの方が天気をそこまで考慮することがないので、天候からのスケジュール調整に苦戦することをありえます。働きながらですと、どうしても時間的に制約があるので、長期の休みを取れるかたに限られてしまうかもしれません・・・

プロの塗装業者では、天気を含めて工程をしっかりと把握していますので、雨天時に出来る作業を後回しにして塗装を行います。ただそういった工程をトータルに考えたスケジュール調整は、経験から調整可能です。

プロがDIYをお勧めしない理由

 このように、塗装になれていない方が塗装を行う場合と、プロの塗装業者が塗装を行う場合とでは、その品質は大きく差が生じることとなります。この比較は、あくまで同じ塗料、同じ道具を使用した場合の比較となりますので、プロが普段使用する塗料や道具を使用すると、その差はさらに大きく開くことになってしまいます。中には、プロと素人の差が、見た目の問題だけなのであれば、安く抑えられる方がいいと考えられる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、プロが行った塗装とDIYの塗装の差は、見た目だけではないのです。

プロが行った塗装は、必要な塗膜が必要なだけ張られているという状況ですので、その塗料が持つ最大限の効果を得ることができます。

例えば、外壁を塗装する大きな目的の1つである防水性能ですが、均一な塗装を行っているからこそ、水分が全く入り込む余地がなく、塗料の持つ防水性能を最大限に発揮することができます。

そして雨漏りの原因になる、建物上の怪しい部分にも対応することが出来ます。ただ、塗るだけで無く、トータルに住まいを見れる事もプロの視線になります。

しかし、DIYで行ったムラのある塗装の場合、凹凸部分に塗り漏れがあるなどで、水分が侵入してしまう余地がありえるだけでなく、すでに雨漏りに侵されている危険な状態を止めることが出来ません。そこから水分が侵入してしまうと、外壁そのものの劣化につながってしまうこととなります。また、塗装を分厚く重ねすぎても、塗膜内に収縮応力が働き、塗装が割れることがあります。つまり、塗装技術は塗装の耐久性にも大きくかかわってくるのです。

参考:プロが教える!塗装工事の正しい工程と大事な目的

DIYでの外壁の洗浄

 外壁塗装を行う上で、最も重要なポイントが外壁の洗浄にあります。外壁の洗浄では、初めに長年の汚れをしっかりと落とし、古い塗膜も除去するところから始めますが、家庭用の洗剤では、外壁についたしつこい汚れを落としきることはできません。そのため、ホームセンター等で売られている外壁用の洗浄剤を使用して、丁寧に汚れや古い塗膜を除去しなければなりません。もし、汚れが残ってしまうと、その汚れの上に塗料を塗ることになってしまいますので、外壁材そのものに塗料が密着しません。

そうなると、汚れが剥がれると同時に塗料もはがれてしまうことになり、塗装の寿命が大きく縮んでしまうことになります。また、家庭用の高圧洗浄機も使用することは可能ですが、外壁の劣化等により外壁材に傷がついていたり、クラック(ひび)が入っていると、そこから外壁材の中に水が浸入してしまうことになります。外壁材の中に侵入した水は、そのまま外壁材の中にとどまり続けて、徐々に内部から腐食させていくことになりますので、外壁の専門家以外の方が高圧洗浄機を使用するのは、建物にとって非常に危険だといわれています。

そのため、ご自身で外壁の洗浄を行う場合は、ブラシを使用してしっかりと磨くのが最も安全で効果が高いのですが、その分、大変な手間がかかってしまいます。

下地処理

 外壁の洗浄が終了したら、次は下地処理を行わなければなりません。下地処理では、外壁や屋根にある傷やクラックを修復しなければなりませんが、それには専用の工具や部材が必要となります。

最近では、これらの工具や部材もホームセンターで購入することができますが、最も注意しなければならない点は、下地処理の段階で修復が漏れてしまうと、次回の外壁塗装まで、その部分は傷やクラックが残った状態になるという点です。傷やクラックがあると、その部分から塗料にひびが入ったり、剥がれ落ちたりする可能性が非常に高く、塗装の寿命が大きく下がるほかに、その部分から水が侵入して建物内部から腐食してしまうことが考えられます。

しかし、素人目ではなかなか判断のつかないような細かな傷やクラックもありますので、ご自身で下地処理を行う際には、慎重に外壁や屋根をチェックする必要があります。そして塗料がしっかりと密着するように、丹念にケレン作業などを行わなければいけません。

使用する塗料

 ご自身で外壁塗装を行う場合に、最も初めに思いつくのが塗料の準備かと思います。この塗料についても、様々な種類が用意されていますが、その種類ごとの特徴をしっかりと認識しておかなければ、想像していたよりも劣化が激しい、思っていたよりもコストがかかるといったトラブルが発生してしまいます。(大手塗料メーカーでも耐用年数が驚くほどがっかりな塗料があります。そしてそれらは塗った後、数年経過後にしか分からない・・・そんな業界です)

また、下塗りで使用するシーラーやフィラーといった塗料と、中塗り・上塗りで使用する塗料、それぞれを用意しておかなければならない点や、塗料を塗るための工具も用意しなければならないという点にも注意しなければなりません。

外壁塗装にかかる日数

 一般的に外壁塗装を業者に依頼する場合は、10日~2週間程度かかるとされています。これは、雨天等も考慮すると多少前後しますが、ほぼ毎日、塗装工事を行った場合の日数となります。

 すでにリタイアされている方でない限り、ご自身で塗装工事を行う場合に、10日~2週間といった長期間、外壁塗装のみを行い続けるのは非常に困難かと思います。そのため、通常は週末の土日だけで外壁塗装を行うことになるかと思いますが、

単純計算で5週間~7週間必要となります。

もちろん、その他のご予定や天候によっては、10週間以上必要と考えられます。10週間ということは、単純計算でも2か月半程度の工期がかかります。その間、養生や足場をどうするか、塗装の順序はどうするか、工事終了まで外壁をどう保護するか(例えばコーキング処理が途中ですと、断面から雨水が入ってしまいます。サイディングの断面は防水未処理です。耐久性は非常に低い状態になってしまいます。)を検討しなければなりません。

他にも、養生の注意点や足場の近隣の方への影響注など、様々な点に注意しなければならないです。ご自身で行う外壁塗装ですが、コストが安いのかというと、実は業者に依頼するのと大きく変わらないというのが結論となります。その理由としては、外壁塗装で使用する部材や工具は非常に種類が多く、塗料も必要な強度を持った塗料を買おうと思った場合には、比較的高い塗料を使用しなければなりません。

そのため、それらをすべて購入していると、結局同じようなコストになることが多くあります。さらに、ご注意いただきたいのが作業中の事故で、プロであっても年間に500名以上の建築業で職人さんが足場からの転落事故が発生しています。そのため、初めて外壁塗装を自分で行うという方には、特に事故には注意してもらう必要があります。

このように、外壁塗装をご自身で行うには、多くのデメリットが存在します。それらのデメリットに対し、費用が安くなるというメリットは実はそれほど大きくありませんので、外壁塗装については、高い品質を約束するプロに依頼するのがおすすめの選択といえます。 それでも安くDIYしたい方向けのサービスも始めました。

https://yokoi-tosou.net/diypro/

塗装工事にケレン作業は本当に必要?

只今、扶桑町で補助金を使った塗装をしています。お客様から疑問が出ましたので、ケレン作業について書いて行きたいと思います。

 

外壁塗装を行う下地処理で、一番初めに行う作業がケレン作業です。塗装業者から見積書を取った時にも「ケレン」という言葉で記載されていることがありますが、一般的には「ケレン」という言葉はあまりなじみがありません。そのため、この「ケレン」という作業がどんな作業なのか、本当に必要なのか判断がつかないかと思います。今回は、この「ケレン作業」というのは、どういう作業を行うのか。外壁塗装を行う上で必要なのかについてご説明いたします。

ケレン作業とは

 ケレン作業は、これから新しい塗料を塗る外壁のサビや古い塗膜を落とす作業のことを言います。例えば、鉄製の部品を使用している外壁材であれば、少なくとも7年~10年程度は風雨にさらされている状態となりますので、少なからずサビが発生してしまいます。このサビがついている状態で塗料を塗ってしまうと、新しく塗った塗料の中で金属の部品はサビたままになっていますので、パッと見ただけではわからないような内部でサビが進行してしまい、気づいたころには鉄製の部品はサビで使い物にならなくなるという最悪な状況に陥ってしまうことがあります。

また、そこまでひどい状況にならなくても、サビが浮いている鉄製の部品に塗装を行っても、それは鉄製の部品そのものに塗料を塗ったのではなく、サビに塗料を塗っただけになりますので、サビがはがれた時には一緒に塗料もはがれてしまうといった状況にもなり得てしまいます。

そのため、鉄製の部品にでたサビについて、しっかりと落とす必要があるのです。では、「我が家は、外壁はすべて木製だからケレン作業は要らないよね」と、言われる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、木製の外壁材を使用している場合は、長年の風雨によって材木が毛羽立っていたり、へこみや傷などで外壁材に様々な汚れがついてしまっています。表面の汚れをしっかりきれいにすることもケレン作業の一つなのです。

また、素材の表面に微細な凹凸を作ることで、外壁材に塗料が密着させることができるため

塗装の耐久性が向上します。さらに、ケレン作業では古い塗膜の除去も行います。これまで長年の間、外壁材を守ってくれた古い塗膜ですが、すでに役割を終えて、十分な機能性を発揮できなくなってしまっています。経費がもったいないからと、この古い塗膜の上から新しい塗料を塗ってしまうと、新しい塗料は外壁材に密着せずに、古い塗膜についてしまいますので、古い塗膜がはげ落ちると同時に、新しい塗料もはがれてしまうという問題があるのです。

そのため、ケレン作業によってしっかりと古い塗膜をはがしておく必要があるのです。(ここが優良業者の見極めどころです)

ケレン作業は必要か?

 すでに、説明しているとおり、ケレン作業をしっかりと行わなければ、外壁材と新しい塗料がしっかりと密着しませんので、塗料の耐久年数が非常に低いものとなってしまうことになります。過去に、ケレン作業の手を抜かれていたことによって、通常7年~10年は持つといわれている外壁への塗装が、わずか1年~3年で剥離の症状が現れ、仕方なく再度外壁塗装を行ったという方もいらっしゃいます。そのため、外壁塗装を行う際、ケレン作業は必ず必要な作業となるのです。

なお、ケレン作業にかかる費用については、現在の外壁の状態によって実施するケレンが異なることから、その外壁を実際に確認してみなければ判断することができません。

参考:外壁塗装工事後の塗膜の剥がれを防ぐために

ヨコイ塗装のケレン作業

 ヨコイ塗装では、外壁塗装の品質はどれだけ丹念に下地処理を行ったかで決まると考えています。そのため、下地処理の1プロセスであるケレン作業についても一切妥協を行うことはございません。

サビを除去すべきところはすべて除去し、毛羽立った木材は、すべて修復し、古い塗膜は徹底的にケレン作業を実施いたします。そのため、他の業者よりもケレン作業に関する費用が高いというケースや、作業日数が多いというケースも出てしまいます。しかし、ここで時間や費用をしっかりとかけてでも、ケレン作業を妥協なく行うことで、高品質な塗装に仕上げるために必要な時間と費用となっています。他の業者よりも少し高く、また工期も伸びてしまいますが、最初のケレン作業をしっかりと行っておくことで、外壁塗装の仕上がりはとてもきれいに仕上がりますし、その耐久年数も長くなりますので、長期的に見た場合、外壁塗装にかかる費用は安くなるとかんがえられます。 

ケレン作業の重要性

 ケレン作業は、外壁塗装工事の品質を決定する非常に重要な作業であると説明しました。なぜ、ケレン作業が重要なのかというと、ケレン作業を行わずに、サビや汚れ、古くなった塗膜の上から塗装を行うと、塗装する面に大きな凹凸があるため塗装にムラが生じてしまい、美しく塗ることができません。

また、そのようにして行われた塗装は、外壁にしっかりと塗料が乗っておらず、サビや汚れの上に塗料が乗っているという状態ですので、外壁からサビや汚れが剥がれ落ちるときに、塗料も剥離してしまいます。また、外壁に塗料が乗っていませんので、サビや汚れと外壁の間に空洞ができてしまいます。その隙間は、塗料による防水性能は期待できませんので、水が入り込んでしまうと、家の内部が腐食してしまうという問題もあります。

つまり、ケレン作業は外壁塗装の美観だけでなく、耐久性にも大きく影響する重要な作業であると言えます。

ケレン作業の内容

 ケレン作業は、鉄の部分のサビをしっかり落とす作業がメインとなります。では、木造部分にはケレン作業を行わなくてもいいのかというと、そうではありません。木造部分では、サビはありませんが、木の毛羽立ちなどによる凹凸を慣らす作業が必要となります。

また、完全にツルツルに磨かれた状態では、逆に塗料が付着しません。そのため、細かな傷をつけて、塗料の乗りをよくするのもケレン作業の目的の一つと言えます。

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ケレンの種類

ケレン作業は、外壁の状態によって、2種ケレンから4種ケレンの中から、適切なケレンを行います。

  • 1種ケレンはサビや腐食が相当ひどい場合に使われることがありますが、一般住宅で行われることは、まずありません。なぜなら、一般住宅の場合において、1種ケレンが必要な場合は、その部分を取り換えてしまうほうが安価であるためです。1種ケレンは、ブラスト工法によりサビや古い塗膜を除去する方法になりますが、ブラスト工法は粉じんや騒音など、環境への配慮が必要とされていますので、非常に高価な作業となってしまいます。
  • 2種ケレンは、重度のサビや腐食がある場合に行われるケレン作業です。2種ケレンでは、電動工具を使用して、徹底的にサビや古い塗膜を除去します。2種ケレンも、非常にコストと手間が発生するため、取り換えの方が安価な場合が多く、一般住宅ではあまり使われることはありません。価格は、1㎡当たり1,400円~2,200円が相場となっています。
  • 3種ケレンは、サビや古い塗膜の劣化がひどくなく、サビていない部分や塗膜が劣化していない部分が残っている状況で使われるケレン作業です。3種ケレンは、主に手作業か電動工具によるブラッシングでサビや古い塗膜と除去します。3種ケレンが、ケレン作業において最も選択されているケレン作業になります。価格は、1㎡当たり500円~1,200円が相場となっています。
  • 4種ケレンは、サビや古い塗膜がほとんどなく、表面を洗浄するレベルできれいにできる状態の場合に選択されるケレン作業です。主に手作業で、紙やすりを使用して行われます。価格は、1㎡当たり200円~400円が相場となっています。

 

まとめ

 ケレン作業はサビや汚れ、腐食の度合いによって、コストが大きく異なります。特に、1種ケレンや2種ケレンを行わなければならないほど、重度なサビや腐食がある場合は、ケレン作業ではなく、取り換え作業になりますので、非常に高価な工事となってしまいます。

 しかし、そこで取り換えを行わずに、塗装でだましだまし使っていたとしても、塗装自体の耐久性も下がるうえに、塗料がしっかりと付着しませんので、家そのものの耐久性も下がってしまう事となります。そのため、1種ケレンや2種ケレンが必要な状態まで進んでしまうと、非常に高いコストを支払わなければならなくなるのです。

しかし、3種ケレンで対応できる状態で外壁塗装工事を定期的に行っておけば、サビや汚れ、腐食も定期的にきれいに取り除かれていますので、比較的安く、塗装もいい状態をキープすることができます。さらに、塗膜が古くなる前に塗り替えますので、防水性能も高く、家へのダメージも少なくて済みます。(ここでの作業の質が、品質につながり、良い職人かどうかの分かれ目になります。)そのため、定期的に外壁塗装工事を行うことで、外壁のメンテナンスを行うことをおすすめいたします。

トタン屋根のメンテナンスと塗装工事

トタン屋根は、定期的にメンテナンスを行わなければ、サビが発生してしまいます。そのサビを放置してしまうと、それが原因で穴が空いてしまい、 トタン屋根修理が必要になってくることもあります。 その際は高額になってしまいますので、なるべくお早めの屋根塗装のメンテをお勧めします。

トタン屋根の塗装における下地処理の重要性

今回は実際に私が現場で作業した実例を基に、塗装工事の基本のお話をしていきたいと思います。実際に施工させてもらったのは、犬山市のお客様のご自宅ガレージのトタン屋根の塗り替え作業です。 トタン屋根に関わらず、やはり屋根部分と言うのは日常的にお客様自身で掃除をするのが難しい箇所ですよね。今回施工させて頂いたお宅のトタン屋根もやはり、

○サビ ○雨風による泥汚れ

が酷くなっていました。トタンの塗り替えの際に最も重要な工程になる、と言っても良い工程が「下地処理」です。業者さんによっては特に掃除もしないで、すぐ塗ってしまうという業者さんもいます。怖いのは外から見るときれいに見えることです。実際何年も経つと、塗膜が簡単に剥がれてくることもあります。

しっかりとした下地処理で屋根塗装工事の仕上がりが変わる

トタンの塗装の際にしっかりとした下地処理を行っていないと、せっかく塗装をしても短期間で「塗装が膨らむ」と言ったトラブルが起こってしまいます。塗装が水ぶくれのように膨らんでしまうこういったトラブルは、下地処理を怠り「汚れ」「油分」「水分」が、付着した状態で塗装をした為に起こってしまうトラブルです。

塗装と女性のスキンケアと言うのは、良く似ているものです。女性のスキンケアの中でも、やはり大切になってくるのは化粧前の洗顔ではないでしょうか。しっかりと洗顔をして、肌の油分や汚れを落としてからではないと、やはり化粧ノリも悪くなってしまうものですよね。塗装においても考え方は同じで地味に思える下地処理をしっかりとしておかないと、塗装の仕上がりや耐久力に関わってきてしまうのです

実際の屋根塗装工事下地処理の方法

それではヨコイ塗装でも行っている、屋根塗装工事実際の下地処理の方法をご紹介していきましょう。今回施工させて頂いた犬山市のお客様のトタン屋根は、表面にサビが浮き、雨による腐食や長年積もった汚れが付着している状態でした。こうしたトタンの下地処理の方法として「ケレン清掃」と言う方法での清掃を行っていきます。

具体的には、ペーパーや電動工具、金たわしを使って、地道にサビや汚れを落としていくもの。金たわしでの清掃と言うと簡単に聞こえてしまいそうですが、表面積の広い屋根全体にたわしをかけていくのは非常に大変な工程です。また、柔らかために細部まで入り込み、汚れを落とせるので、ヨコイ塗装では重宝しています。

しかし、その工程をするとしないとでは、仕上がり・塗装の耐久力ともに大きな違いが出来てしまいます。地道な下地処理が、最終的な塗装の仕上がりに大きく影響してしまうのです。なかには、面倒だからと下地処理を高圧洗浄機でさっと流すだけで済ましてしまう業者もいます。そうではなく、実際の素材の状態に合わせて、その素材・汚れの状態に合わせた下地処理を適切に行うのも、塗装業者の腕の見せ所になるのです。

(トタン屋根塗装をDIYする場合も念入りに下地処理をしないとすぐ塗膜が剥がれてきますので、しっかりとした処理をしてから塗装をしましょう。

トタン屋根の劣化

 トタン屋根は、劣化の状態が軽ければ塗装によるメンテナンスが行えますが、劣化の状況がひどい場合は、重ね葺きや葺き替えを行う必要があります。

劣化状況が軽い状態

一般的に、劣化の状態が軽く、塗装によるメンテナンスが行える状態は、次のとおりです。

  1. トタン屋根が変色している。
  2. 塗装が一部はげている。
  3. カビやコケが発生している。
  4. 一部でサビが発生している。
  5. 釘が浮いている。
  6. 継ぎ目が外れている。

 これらの症状であれば、通常、塗装によるメンテナンスを行うことができます。

劣化状況が重い状態

次の症状については、劣化状況が重く、塗装だけでは十分にメンテナンスを行うことができません。そのため、重ね葺きや葺き替えを行う必要があります。

  •  ①雨漏りする。
  •  ②穴が開いている。

 これらの症状の場合、現在のトタン屋根の上に、更に屋根材をかぶせる「重ね葺き」、劣化した屋根材を撤去し、新しい屋根材を取り付ける「葺き替え」という作業が必要となります。

トタン屋根の塗装

 劣化の症状が軽い場合は、トタン屋根の塗装というメンテナンスを行うことができます。トタン屋根を塗装することにより、防サビ効果や防水効果が期待できます。特に、トタン屋根は安価である分、劣化の早い材質となっていますので、3~5年で塗装を行わなければ、塗膜による効果はなくなってしまいます。トタン屋根を塗装する場合は、「ケレン」「下地処理」「下塗り」「中・上塗り」というプロセスで行います。

トタン屋根のケレン作業

 ケレンのプロセスでは、塗装工事を行う準備として、現在のトタン屋根に発生しているサビや塗膜を取り除きます。しっかりとケレンを行っておかなければ、サビや劣化した塗膜の上から塗料を塗ることになってしまい、屋根材にしっかり塗料を塗ることができなくなってしまいます。そうなると、塗膜の耐久性が大幅に減少しますので、ケレンは非常に重要な作業となっています。

トタン屋根の下地処理、ペーパー掛けをしています。ペーパー掛けにも、そのままペーパーがけをする空ペーパーと、水を使った水ペーパー2種類の作業方法があります。ヨコイ塗装では、基本的にトタンの下地処理の際には、水ペーパーをお勧めしています。理由は、水ペーパーのほうが汚れが落ちやすいのと同時に、軍手にも水が含まれて、若干ですが雑巾がけの意味合いも含まれるからです。空ペーパーよりは、汚れが落ちる可能性が高いからです。

今回も、水ペーパーがけをしました。だいぶ汚れが落ち、綺麗になってきました。あとは、ボルトがしめてある鉄部は、結構錆びているところが多いです。

こういったところはワイヤーブラシで、しっかりと錆落としをしてから塗装をします。塗装で大切なことはしっかりと下地処理をすること。これに尽きると思います。

ケレン作業の他の下地処理

 下地処理では、はじめに高圧洗浄によってホコリやカビ、コケといった汚れを除去します。ケレンで除去したサビや塗膜の「ゴミ」についても、高圧洗浄で洗い流します。高圧洗浄についても、ケレンと同様に、ホコリやカビ、コケといった汚れの上から塗料を塗ることによる塗膜の耐久性低下を防止する重要な作業となっています。

次に、ひび割れの補修や釘の打ち直しを行います。塗料を塗る前に、しっかりメンテナンスできる範囲については、メンテナンスをしておくことで、トタン屋根の耐久性を高めることができます。

トタン屋根塗装時の水洗い洗浄

波トタン屋根の掃除をしています。苔や埃がついていますので、まずはしっかりと汚れを取ることが大切です。波トタンですので、細かい部分にしっかりと掃除できるように、今回はアルミたわしを使っています。左手の方が汚れるを取った掃除済みの方です。かなりきれいに見えると思います。右手側はまだ掃除していません。苔も乗っていて、汚れが激しいですので違いがわかると思います。どういった下準備をしてくれるか、これが良い塗装工事の大切な肝になる部分です。

下塗り

 下塗りは、中塗りや上塗りで使用する塗料とはことなり、錆止め塗料を塗ります。下塗りで使用する塗料には、中塗り・上塗りで塗ることになる塗料をしっかり屋根材に付着させる効果があります。また、トタン屋根の場合には、どうしても材質的にサビが発生しやすいため、屋根材に最も近い下塗りの塗料には、サビ止め入りの塗料を選択し、防サビ効果を高めます。

トタン屋根塗料おすすめ

・ ニッペ ハイポンファインプライマー2

 

 

 

 

 

 

中塗り・上塗り

 下塗りがしっかり乾燥したら、次は中塗り・上塗りの順に塗料を塗っていきます。中塗り・上塗りでは、好きな色の塗料を選択することで、外観を整えるという効果の他に、日光や湿気から屋根を守るために防水効果のある塗料や紫外線対策がなされた塗料を選択することになります。これによって、トタン屋根全体の耐久性を向上させることが可能となります。 塗り方のコツとしましては、屋根用のローラーを使い切ってもらい、しっかりと塗膜を厚くしてもらうが必要です。 また夜子ですので伸び縮みが激しいです。柔軟性のある屋根用の塗料をしっかりと使ってもらいましょう。

トタン屋根塗装の相場

  • 錆止め: ハイポンファインプライマー2 ¥770/㎡
  • 2液弱溶剤フッ素(2回塗り):ワールドフロンルーフ(ヨコイ塗装おすすめ塗料) ¥3300/㎡

トタン屋根 塗料おすすめ

水性塗料が良くなってきたといっても、溶剤系の塗料の方がそもそも耐用年数が高いです。溶剤系の塗料で塗装することをオススメをしております。

トタン屋根の重ね葺き・葺き替え

 現在、トタン屋根を使用している家は年々少なくなっています。トタン屋根は、安価である代わりに非常に耐久性が低く、通常の屋根材であれば10年に1回程度の頻度で行えばいいと言われている塗装工事を、3年~5年という非常に短い期間で行わなければなりません。

 そのため、現在使用しているトタン屋根が劣化した際に、塗装ではなく違う屋根材で重ね葺きや葺き替えを行うケースが増加しています。特に、トタン同様に金属屋根を好まれる方は、ガルバリウム鋼板の屋根を選択される方が多くいらっしゃいます。ガルバリウム鋼板は、最初の費用はトタンよりも高額になりますが、メンテンナンスが必要となる期間が、トタンの2倍~3倍程度長くなりますので、長期的に見た場合はガルバリウム鋼板のほうが安価となります。

トタン屋根塗装工事の下地処理に助かるツール

倉庫の屋根も、熱と経過とともに次第に塗膜が色あせてきます。長年放置しておくと、さびてきてトタンが劣化して雨漏りの原因になります。したがって定期的に乗り換えを行います。屋根の塗装だけでは無いですが、塗装で大切な事の1つとして、汚れをしっかり落とすと言うことがあります。細かいところですと手が入りにくく間、どうしても作業がしにくいところです。業者さんによっては適当に作業しがちな部分でもあります。ヨコイ塗装では、こういった細かい部分をしっかり汚れを落とすために、台所用の研磨布を使用しています。ペーパーでは落としにくい万曲した部分、細かい部分にも比較的手が届きやすく重宝しています。

汚れたまま塗装しますと、トタン本体にしっかりと密着しませんので、場合によってはゴミとともに簡単に剥がれてしまいます。塗装を塗るのは比較的簡単です。

「塗装は下地処理が命!」

これがペンキ屋さんとしての1番大切な部分になってくるかと思います。色の塗装にとりかかるのが早いかどうかで、業者さんの質も判断出来ます。ひどい業者さんだと、下塗りもしないで、いきなり色を塗ってしまいます。塗ったらわからないのが塗装です。

参考:シーラーとは、接着剤に近いです。【そしてものすごく大切な役割があります!】

トタン屋根塗装時の下地処理:小口編

虫歯の上に銀歯は被せないですよね?

小口はトイで隠れて、下から見えない部分です。したがって悪質な業者さんですと、手を抜きやすい部分でもあります。実際塗装の塗替えでお伺いした現場で、結構悪くなっていることが見られる部分です。しっかりとした下地処理をしないで塗装することは、虫歯の上に銀馬をかぶせるようなものです。しっかりとした下地処理をして、動画で見せてもらいましょう。細かい部分なので掃除がしにくいです。でもこういったところを、手を抜かずしっかりと掃除をすることが大切です。そして、職人さんの姿勢が感じ取れる部分でもあります。

トタン屋根塗装時によく使う錆止め塗料(ニッペ ファインプライマー2)

特長(日本ペイントより引用)トタン屋根塗装時にオススメ塗料(コストパフォーマンス◎)

 

スレート屋根(カラーベスト)塗装工事の注意点|扶桑町の外壁リフォーム【ヨコイ塗装】

ご自宅の外壁塗装をリサーチをしている人、

  • 「屋根のフッ素塗装はどんな塗料がオススメ?」
  • 「どこのメーカーが良いの??」

こういった疑問に答えます。

屋根も建物を守る外壁の一部ですが、視線よりもかなり上にあるため、外壁ほど美観については気になさらない方が多いようです。しかし、外壁塗装工事が美観のためだけでなく、外壁の保護をメインとしたメンテナンスであるように、屋根の塗装工事についても、屋根のメンテナンスが主たる目的となります。そのため、なかなか見える機会が無いからと放置するのではなく、きちんと定期的に塗装を行う必要があります。

今回は、屋根に対する塗装工事の必要性と、その効果についてご説明いたします。

カラーベスト屋根に塗装は必要? 地震に強い、軽くて丈夫な屋根として人気を集めているカラーベストの屋根材は、吸水率が非常に低く、物性面の変化も殆ど無いという特徴があります。その為、カラーベストの屋根材にはメンテナンスが要らないという方もいらっしゃいますが、本当でしょうか?

カラーベスト屋根の塗装の必要性

 カラーベスト屋根は、丈夫で吸水率が低いため、メンテナンスの手間が非常に少ないという特徴があります。そのため、全くメンテナンスが要らないかと聞かれれば、メンテナンスは必要という回答になりますが、他の屋根材に比べると、そのスパンはとても長くなります。カラーベスト屋根を取り扱っているメーカーでは、30年間相当の経年試験を行っても、耐久性に問題はないと言われており、少なくとも30年程度はメンテナンスがなくても問題がないことが多いとされています。

 しかし、30年以上経過したカラーベスト屋根については、適切にメンテナンスを行わなければ、その品質を維持することはできません。耐久度が高いため、通常の屋根のように10年前後でのメンテナンスは不要ですが、全くメンテナンスを行わなくても良いというわけではなく、30年程度を周期としてメンテナンスを行う必要があるのです。(建てた年代や材料によって違いはあります。現在でも新築から10年程度しか、表面の塗膜が持たなくて塗り替えられる方もいらっしゃいます。

また、耐久期間の30年間についても、通常の環境下であった場合で、例年よりも強い紫外線を複数年浴び続けた場合や、台風等の影響で物理的に傷がついてしまった場合などはこの限りではありません。その場合は、修理と併せてきっちり塗装を行って置かなければ、最悪のケースでは、傷口から雨水等が侵入し、雨漏りの原因につながってしまいます。(下の防水シートまで劣化していた場合)

そのため、通常であれば30年程度、特殊な環境下であった場合は、目視で傷や痛みを確認し、問題があればその都度メンテナンスを行っていく必要があります。

カラーベスト屋根の塗装方法

カラーベスト屋根を塗装するためには、

①洗浄、②板金処理、③サビ止め塗装、④シーラー塗装、

⑤タスペーサーによる通気性の確保、⑥塗料の中上塗り

という手順になります。

  1. カラーベスト屋根は、汚れをしっかりと落としておかなければ、塗料がすぐに剥がれてしまいます。そのため、外壁等と同様に、高圧洗浄を行い、汚れやカビ・藻をキレイに除去します。高圧洗浄の後は、しっかり乾燥させて水分を残さないように注意します。水分が残ってしまうと、カラーベスト屋根が水分を弾き、上に塗った塗料を押しのける力として働いてしまいます。
  2. ケレン処理では、傷んだカラーベスト屋根を修復する他、塗料の乗りを良くするために、あえて細かい傷を付けるという目的もあります。細かい傷を付けることで、塗料がしっかりと付着し、剥がれにくく鳴るのです。
  3. カラーベスト屋根の金属部分には、しっかりとサビ止め塗料を塗り、サビによる塗料の剥離を防止します。
  4. 中塗り、上塗りの塗料をしっかりと吸着させるための下塗り塗料を塗ります。これにより、下地を強化する効果も見込めます。
  5. タスペーサーを使用してしっかりと縁切りを行います。これによって、屋根材と屋根材の間にしっかりと通水路を確保します。シーラー塗装を行った後、通水路を確保しないまま作業を行ってしまうと、カラーベスト同士が密着してしまい、雨水が流れ落ちる場所がなくなり、雨漏りの原因となりますので、しっかりと通気性を確保する必要があります。
  6. ご指定のカラーで中塗り・上塗りを行います。使用する塗料によって耐久年数や効果に変化がありますので、使用する塗料はしっかりと選択してください。

また、30年という長い耐用年数についても、その期間は問題がない可能性が高いというだけで、30年間放置していても絶対に大丈夫かと言われれば、そうではありません。

台風等の災害や建っている家の環境によって耐用年数は変動してしまいます。長い耐用年数があるからと放置しておくのではなく、定期的に問題がないか確認し、問題があれば早期対応を行うことで、今以上に家を長持ちさせることができます。

さらに、可能であれば、耐用期間内であっても定期的にメンテナンスを行うことで美観を維持するとともに、屋根材にかかる負担を軽減することもできますので、定期的なメンテナンスを行うことをおすすめします。

塗料による効果

 屋根の塗装工事に使用する塗料の種類によって、遮熱や断熱の効果は大きく差があります。また、耐久性も塗料の種類によって、異なっています。

  1.  ウレタン系塗料は価格としては最もお手頃な価格ですが、遮熱効果、断熱効果ともに期待できません。また、耐久性は5年~7年と言われています。
  2.  シリコン系遮熱塗装は、シリコン系塗料に遮熱効果が付いたもので、その分、若干値段が上がっています。しかし、このシリコン系遮熱塗料が最もオーソドックスな価格帯となっています。機能としては、シリコン系塗料に遮熱効果が加わり、耐久性が7年~10年に伸びているという特徴があります。
  3.  フッ素塗料は比較的耐久性の高いフッ素系塗料に遮熱効果を加えたもので、シリコン系遮熱塗料に比べて、値段が高価になっています。その分、耐久性が10年~15年と比較的長くなっています。
  4.  無機塗料はフッ素系塗料よりもさらに耐久性の高い無機系塗料に遮熱効果を付けた塗料で、これまで紹介した塗料の中で最も高価な塗料となっています。その分、耐久性能は非常に高く、15年以上持つといわれています。

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屋根をフッ素で塗装するなら外壁はシリコンにした方が良いです。

なぜなら屋根は紫外線や雨が直接あったりかなり塗膜にとっても劣悪な環境だからです。屋根と外壁を同じ風子で塗装をすると屋根だけ劣化が早く年数を経った時に見たらとても見苦しいような状態になると思います。屋根壁を同じフッ素で塗装するならば、屋根を抜きで塗装をして外壁をシリコンで塗装すると言うようなバランスをとり、価格面でも同じ位のレベルにもっていくことができます。屋根にはとにかく良い材料を使ったほうがいいです。シリコンよりもフッ素、フッ素よりも向き。水性塗料よりも溶剤系の塗料の方をお勧めします。実際に体感としましては、シリコン塗料での塗装は7から8年で色あせが見られているような感じを受けます。 屋根と外壁で塗り替えスパンを備えることが大切です

□よくある質問:遮熱塗料はどれぐらい効果があるのですか?

職人の体感としてお答えします。夏場の炎天下の時に遮熱塗料を施行すると実際に効果はあるように感じます。なぜなら遮熱塗料を塗る前は地下足袋裏に熱が伝わると10秒も同じ場所に立っていられないような感じですがしかし遮熱塗料を塗った後は同じ場所に足を置いていられるような感覚です。ただ実際住んでみての感覚は異なるようです。遮熱塗料を屋根を屋根に塗装するよりも、窓をいろいろな工夫したほうが効果が高いと思います。二重窓にしたり遮熱コートを塗ったり手段はいろいろありますが、米よりはかなり涼しくなります。ヨコイ塗装でも、東京で窓ガラスコーティングを体感したのですがかなり涼しく感じました。

https://www.asucurin.co.jp

屋根のと塗料メーカーとしては昔から水谷ペイントさんが有名です。

メーカーさんにも特徴があり、橋梁の塗料なら大日本塗料さんのように得意な部分があるようです。僕の父親やパートナーの職人さんのような経歴のある方は「やっぱり屋根の塗料と言えば水谷ペイントだよね」と言う話は聞きます。

ただ実際のヨコイ塗装が屋根のメイン塗料に使用しているのは、KFケミカルさんのワールドセラルーフになります。

http://www.k-fine.co.jp/paint/paint04/

理由としましてはやっぱり屋根には、1番耐久性の良いものを使いたいと言うこと。無機塗料の中で1番の実績があると言うことで「ワールドセラルーフ」を採用しています。

結論、屋根の塗装ではとにかく高耐久のものを使ってもらいましょう。そしてもし遮熱板との提案がありましたらそこまでの効果がありませんので、それでしたらトリオのグレードを上げていただいた方がお勧めです。もし夏の暑さ対策などを考えているのでしたらば、まずは窓の二重窓にすることをお勧めします。その他の注意点としまして、屋根のカラーベストを塗装する際の大切なことをにてん紹介します。1つ目は雨漏り防止に関わる「俺切り作業」。2つ目は下法の重ね塗りになります。YouTube動画を参考に下記に貼っておきますのでもしよろしければご覧ください。屋根塗装では俺切り作業はもちろんのこと、下塗りを塗り重ねることもとても大切になってきます。

カラーベストの破損、ひび割れについて

 カラーベストは、軽量かつ強度が高い屋根材として人気がありますが、それでもひび割れが発生してしまうことがあります。カラーベストがひび割れする主な原因は、以下の通りとなります。

屋根塗装 劣化激しい カラーベスト

①経年劣化によるもの

 強度の高いカラーベストであっても、15年~20年と時間が経つにつれ、劣化してひび割れが発生することがあります。経年劣化によるひび割れは完全に防ぐことはできませんが、定期的に屋根の塗装を行うことによって、素材を塗膜で厚くしたり保護膜を作ることで、ひび割れを予防することが可能です。

②物がぶつかった衝撃による破損

台風や強風などによって飛ばされた枝などが当たってしまうことによっても、カラーベストが破損してしまうことがあります。

③釘を打ち込む際の破損

新築時や屋根材の葺き替えの際、カラーベスト屋根を施工する際に、適切な工事を行わなかったことにより破損するケースです。通常、下穴を開けてから釘を打ち込むという工法を行い、カラーベストが破損しないように工事を行うのですが、一部の業者では、この工法を行わずにカラーベストの葺き替え等を実施するため、カラーベストに負荷がかかって破損してしまいます。残念ながら、カラーベストの破損で最も多いのがこのケースとなっています。

④水切りなどの役物周りの破損

 水切りなどの役物付近のカラーベストの上に乗ってしまうことで破損してしまうケースです。これは、水切りなどの役物周りに設置されたカラーベストは、その構成上、若干ういた状態で設置されています。そのため、その上に乗ってしまうと、カラーベストが重さに耐えきれず破損してしまうことになります。アンテナの工事などで不用意に屋根に乗った際に破損するケースが非常に多くなっています。

カラーベストが破損した場合の影響

屋根材には、雨水等が建物の内部に侵入しないよう、防止する役目があります。カラーベストが破損してしまうと、その部分が隙間となり雨水が建物の中に侵入しやすくなってしまいます。そのままカラーベストの破損を放置してしまうと、その部分から雨水が侵入し続け、カラーベスト劣化促進の原因となってしまいます。(カラーベスト下には防水シートがあるので、すぐすぐ大惨事には至らないです)そのため、カラーベストが破損した場合には、なるべく早めの補修が必要となります。しかし、カラーベストの破損は、屋根に登らなければ確認することができません。そのため、定期的に建物のメンテナンスとして外壁塗装を行うことを前提として、外壁塗装を行う際にカラーベストの破損状況を確認し、その補修を行うのがコスト面からも一般的です。

カラーベストの補修

 カラーベストが破損した場合は、その補修を行うか、新しいカラーベストに交換するかのいずれかの方法を取ります。基本的には、破損したカラーベストを使用し続けずに、カラーベストの交換を実施しますが、破損状況によっては補修を行うことで本来の性能に回復させることも可能です。

しかし、カラーベストの補修を行うためには、カラーベストの補修専用の補修材が必要になります。一部の業者では、カラーベストの補修を行う際に、シーリング剤を使用することがありますが、シーリング材はカラーベストの補修を行うために開発されたものではないため、その強度、耐久性に問題があります。そのため、シーリングで補修したカラーベストと、専用の補修材で補修したカラーベストとでは、再度、破損するまでの期間が大きく異なります。

参考:シリコンコーキングの耐熱温度はどれぐらいか?

ヨコイ塗装のカラーベストの補修方法

 ヨコイ塗装では、「タスマジック」を採用しております。

カラーベストの破損状況によって、カラーベストの交換を行うか、補修を行うかを、プロの視点でしっかり確認します。そのうえで、カラーベストの補修を行うと選択した場合は、プロ向けのカラーベスト補修材を使用し、カラーベストの交換を行ったのと同じような効果を持つ補修を実施しています。

 ヨコイ塗装の使用している補修材は、浸透型補修材ですので、カラーベストの表面だけが補修されているように見えるという状態ではなく、しっかりと内部まで補修材が浸透し、しっかりとくっつけることが可能です。また、内部まで浸透することによって、補修跡が殆ど目立ちませんので、カラーベストに求められるデザイン性についても、大きく損なうことはありません。さらに、通常、カラーベストを補修した場合には、補修部分が再度破損する可能性が高いのですが、ヨコイ塗装で使用している補修材は、補修箇所の強度を向上させ、再度の破損を予防することができます。

屋根塗装工事の下地処理

下地処理が大変だった事例:後始末が大変でした・・・(泣)

トタンの釘を打ち直してもらいましょう

洋瓦屋根の塗装工事について

しっかりと高圧洗浄して汚れを落としてから、浸透力の強いシーラーで固めることが大切です。ボソボソのビスケットをイメージしてください。そちらに何か塗ってもすぐ剥がれますよね。まずはビスケットを強固に固めることが大切です。

冬季の屋根塗装によくある塗装事故

外壁塗装には、建物のメンテナンスと、美観を良くするという2つ目的があります。およそ10年に1度の大きな工事ですので、美しい外観にするために艶のある塗料を使用される方も多くいらっしゃいます。

 しかし、艶ありの塗料を使用したにも関わらず、思ったよりも光沢が出ないといった「艶引け」と呼ばれるトラブルが発生することがあります。今回は、そんな「艶引け」と呼ばれるトラブルについて、ご紹介いたします。

艶引けとは

 艶引けとは、艶のある塗料を使用したにも関わらず、短時間のうちに艶が失われる現象のことを言い、塗装が失敗している状態のことを指す言葉です。艶引けは、環境的な要因だけではなく、人為的な要因もありますので、塗装業者の技術不足によって発生する可能性も考えられるトラブルとなります。

艶引けが発生する原因

 艶引けが発生する原因は非常に多岐に渡ります。

第1に外壁材に問題がある場合で、外壁材の劣化により、下塗りしたときに、下塗り用の塗料を吸い込みすぎてしまい、下塗りの塗膜がうまく塗れていない場合や、外壁材の表面がザラザラで荒すぎる場合(研磨不足や研磨が荒すぎる場合)、研ぎムラや研ぎ残しがある場合に艶引けが発生します。これらは、塗装業者が、下地処理や下塗りをしっかりと行うことで防止ができます。

第2に塗料に問題がある場合で、塗料の配合や分散に問題がある場合や、塗料の硬化剤が不足している場合、塗料が古くなっている場合などで、艶引けが発生する可能性があります。こちらは、塗料メーカーの指定する配合や溶剤を使用することで防止することができます。

第3に環境的に問題がある場合で、気温が低すぎる場合(5℃未満の場合)や、湿度が高すぎる場合、塗装した直後(乾燥していない状態)で雨が降ってしまった場合などに艶引けが起こる可能性があります。

第4に塗装方法に問題がある場合で、下塗り塗料や中塗り塗料がしっかり乾燥していない状態で塗装した場合や乾燥時間が長すぎた場合、塗膜が薄すぎる場合、逆に塗膜が厚すぎる場合などの場合に艶引けが発生する可能性が高まります。

艶引けを発生させないための対策

 艶引けを発生させないためにできることは、スキルの高い塗装業者を見つけることと、外壁塗装を行う時期を検討するという2点になります。艶引けが発生する要因の大半は人為的な要因にあります。例えば、外壁材の問題についても、下地処理をきちんとこなし、劣化している外壁材を修復することで、下塗り用の塗料の吸い込みすぎを防止することができますし、外壁材が塗料を吸い込みやすいのであれば、塗料を吸い込みやすい外壁用の下塗り塗料を使用することによっても艶引けを防止することができます。(下塗りを場合によっては3回塗ることもあります。)

また、外壁材の研磨は下地処理の基本となりますので、高い技術を有する塗装業者であれば、この点がおろそかになることはありません。また、塗料に関する問題も、塗料の配合や分散、硬化剤の量などは、メーカーが量を指定しており、その基準値内で使用すれば問題は発生する可能性は非常に低くなります。一般的に悪徳業者といわれる業者は、費用を下げるために塗料を希釈しすぎる場合や質の悪いシンナーを使用する場合があり、その場合に艶引けが発生する可能性が高くなります。

塗装方法に関しても、しっかりとした乾燥時間を確保することは、塗装を行う上で非常に重要なポイントですが、少しでも時間を短縮して費用を下げようとする業者では、乾燥時間を十分に確保せずに中塗りや上塗りを実施してしまいますので、艶引けが発生する可能性が非常に高くなってしまいます。

環境に関しては、自然の問題ですのでスキルの高い業者や品質のいい業者を選んだとしても、急な雨等によって止む無く艶引けが起こってしまう可能性があります。しかし、品質を大切に考える業者であれば、急な雨によって塗装が中断された場合は、その部分を再塗装するなどして、しっかりと品質を高めるのに対し、質の悪い業者は雨の中、塗装を継続したり、中断したとしても再開するのは中断した場所からで、特に再塗装を行わないというところもあります。

また、温湿度に関しても、品質を重視する業者の場合は、塗装を行う問題点を説明することで、時間をズラしたり、日を改めるといった対策を取りますが、質の悪い業者は、温度が低かろうが、湿度が高かろうが、塗装を行ってしまい、艶引けが発生してしまいます。

艶引けは、様々な原因で発生してしまいますが、いずれも塗装業者がしっかりと対策をとることによって防止することができます。しかし、塗装業者が対策をとるために、コストが発生してしまいますので、少しでもコストを下げて外壁塗装を行おうとする業者は、これらの対策にかかるコストをかけないことが多いようです。その結果、艶引けという美観を損なう状況になってしまうのです。

 

外壁塗装工事後の塗膜の剥がれを防ぐために

劣化した塗膜の剥離

 塗膜がチョーキング(粉が手に着く現象)やクラックしている場合には、放置していると塗膜が剥がれてしまうため、事前に手作業ですべて剥がします。塗膜がしっかりしている場合は、そのまま利用します。 塗膜がしっかりしていない場合は、現在の外壁塗装がどこまで生かせるか?外壁塗装をやり直す場合どうしてるのか?などを考えて進める必要があります。

外壁のほかに、雨樋等の付帯部分に関しても塗膜の剥がれが起こる事はあります。雨どいなどは気温差によって部材が伸び縮みします。塗料がその動きに対応しきれない時に剥がれが起きるケースがあります。 したがって付帯部の塗装と言って 甘く見て、外壁と同じような塗料で塗り替えする業者さんはお勧めできません。

 

(防カビ対策も下地処理で大切なことです。)

ケレン作業

 ケレンとは、ヤスリ等で鉄部や木部の汚れ、錆を落とす作業のことを言います。 これを行うことで、汚れを落とすと同時に、塗料の密着性を上げる「目粗し」という工程も同時に行います。

(サンダーによるケレン作業)

クラックの埋め込み

 モルタルの外壁でクラック(ひび割れ)を起こしている部分があると、ここから雨水が侵入し、内部を腐敗させて今いますので、埋め込み作業を行い、雨水が侵入しないようにします。

シーリングの補修

サイディングやALCといった外壁を使っている場合、地に使われているシーリング(ゴムのような弾力性のある素材)にも、ひび割れや剥離といった劣化現象が生じます。そのため、シーリングを打ち増すか、モノによっては打ち直しを行います。

肌合わせ

クラックの埋め込み等で表面がガタガタになってしまうと、そのまま塗装した場合、凹凸の激しい仕上がりとなるため、外壁の凹凸をなくす肌合わせの作業が必要となります。

下塗り

下塗りは、中塗りや上塗りの密着性を上げるため、塗装面を整えるための塗料で最初に塗る工程になります。これを行うことで、中塗りや上塗りの仕上がりが良くなります。

下地処理がなぜ重要なのか

下地処理がどういう工程で行われているのかを見て気付かれた方もいらっしゃると思いますが、下地処理では、塗装する面を事前にキレイにすることを目的としています。例えば、スマートフォンやタブレットに画面保護シールを貼るシーンを想像してみてください。ほこりが大量に付着している状態で、画面保護シールを貼るとどうなるでしょうか。

最近は、多少のほこりなら空気が入らない画面保護シートも売られていますが、それでも、ほとんどの場合は、気泡だらけで汚い仕上がりになってしまうと思います。

そうなると、貼った直後はよくても、数日で気になりだして、結局、貼りかえる羽目になっていまいます。そうならないためにも、画面保護シールを貼る場合は、きちんと画面をきれいにしてから貼りますよね。

 外壁塗装も同じです。下地処理をいい加減にしてしまうと、ほこりまみれの画面に画面保護シールを貼るのと同じように、汚れの上に塗装することになっていまいます。

そうすると、どうなるでしょうか?

壁面が汚れた状態ですので、汚れの上に塗料を塗り、外壁に直接塗りこめない部分が出てきますので、塗料の吸着度にも差が出てきます。そのため、運が悪ければ、1年程度で塗料が剥がれてくるという状況になる可能性が出てきます。

 下地処理をきちんと行っていれば、凹凸なくきれいな仕上がりになりますし、すべての面が直接外壁に塗り込めることになりますので、吸着度にもほとんど差が出ません。そのため、耐用年数が上がるというわけなのです。

屋根塗装に関しても、特に北側面の壁に気を使わなければいけません。南側と比べ紫外線が当たりにくいのでカビが発生しやすく、新しくなった塗料を塗ってカビが塗膜を侵食すると言うことが起こりえますので、しっかりとカビは除去することが大切です。

塗料の乾燥状態について

 塗料は、塗った後に雨が降ったりしなければ、4つの段階を経て完全に乾燥することとなります。

①塗りたて

 塗装を行ってすぐの状態です。全く乾燥していない状態ですので、指で触ると指に塗料が付着してしまう段階です。「ペンキ塗りたて」と同じ状態ですので、塗装個所に何らかのモノが当たらないように注意が必要な状態となっています。

②指触乾燥

 塗料を塗ってしばらく時間が経過すると、指触乾燥という段階に入ります。指触乾燥の段階では、軽く指で触った程度では塗料が指に付着しない程度まで乾燥している状態です。しかし、力強く触ると指に付着する程度にしか乾燥していませんので、次の塗装の段階に移行するにはまだ乾燥が足りないという状態です。

③半硬化乾燥

 指触乾燥の次の乾燥段階は、半硬化乾燥という段階になります。半硬化乾燥の段階では、指でこすった程度では、塗料にこすり跡が残らない程度に表面がしっかり乾燥してきている状態になります。まだ、強く押し込むと凹みが発生する程度に、塗料内部は乾燥していない状態になりますが、表面はある程度、乾燥していますので、次の塗装の段階に移行しても大丈夫と言われる状態になります。

④硬化乾燥

 半硬化乾燥の次は硬化乾燥という段階になります。硬化乾燥の段階では、指で強く押し込んでも凹みが出ない程度に、塗料内部も乾燥している状態になります。硬化乾燥まで進んでいると、見た目や感覚としては、完全に乾燥している状態に見えますが、実際には内部では少し乾燥していない部分が残っているという状態になります。

⑤完全乾燥

 塗料が表面も内部もすべてしっかりと乾燥して硬化している状態のことを完全乾燥と言います。この段階まで進むと、塗料はしっかりと乾ききっていると言えますが、この段階に到達するのは、塗料を塗ってから1~2か月かかると言われています。

 屋根や外壁の塗装を行う上で、重ね塗りを行うための乾燥としてここまで待つのは現実的ではありませんし、長くても硬化乾燥の状態では、雨等による影響はないと言われています。ただし、完全乾燥の段階までは薬品に弱いという特性がありますので、掃除をする際に薬品を使ってしまう事で塗料が劣化してしまう事も考えられます。その点だけには注意が必要です。

一般的な乾燥までの時間

 雨や雪が降ったというような状況でなければ、ほとんどの塗料で重ね塗りを行うまでの時間はおおむね4時間と言われています。例えば、日本ペイント製の水性シリコンエポサーフという下塗材では、温度が23度、湿度が50%のときは4時間と記載されています。しかし、使用する塗料によって適正乾燥時間が異なります。特に、防水性の高い塗料については乾燥しにくいという特徴があります。実際には適正乾燥時間をメーカーが定めてカタログや塗料に記載がされていますので、その時間を守る必要があります。また、温度や湿度によって乾燥にかかる時間が変化します。それらを考慮して、乾燥までの時間を考慮して、重ね塗りの時間を定めなければなりません。

3.乾燥の重要性について

 乾燥していない状態で塗料の重ね塗りを行うと、どのような影響が出るのかについてですが、まず1つ目に、乾ききっていない塗料自体がしわになってしまうという問題があります。このような状態になってしまった場合は、一度剥離してやり直す必要があります。そうしなければ、しわになった部分の縮みによる塗装の割れ等につながってしまいます。

 次に、下に塗った塗料と重ねて塗った塗料の色が混ざってしまい、狙い通りの色を出すことができなくなるという点です。ほとんど乾燥時間を取らなかった場合に起こり得る問題ですので、ほとんどありませんが、梅雨の時期等、乾燥しにくい時期においては発生する可能性があります。

まとめ

 屋根や外壁の塗装は、下塗り・中塗り・上塗りと、3回に分けて重ね塗りを行っています。塗料の乾燥状態については、重ね塗りを行う上で非常に重要なポイントとなります。そのため、少なくとも半硬化乾燥の段階まで塗料が乾燥するまでは、重ね塗りを行うべきではありません。どうしても短い期間で重ね塗りを行いたいという状況であれば、温度が低い、天気が悪いといった条件の場合、乾燥までの時間が長くなりますので、夏季や比較的温度が高い晴れた日に塗装を行う必要があります。日当たりの良い南側から塗装工事をしてもらう等の工夫もできます。そうすることで、少しでも乾燥までの時間を短くすることができます。