高圧洗浄は、塗装工事において外壁についた汚れや古い塗膜を洗い落とす非常に重要なプロセスとなっています。高圧洗浄を行わなかった場合、汚れや古い塗膜の上から塗装を行うこととなってしまいますので、その汚れや古い塗膜が剥がれるのと同時に、新しく塗装した塗膜も剥がれ落ちてしまいますので塗装の耐久性が著しく低下してしまいます。

高圧洗浄を行う目的

 外壁塗装を車でイメージすると分かりやすいかもしれません。コーティングを施した車は、水でさっと洗い流すときれいになりますが、コーティングを張り替える場合は、古いコーティングを取り除いた後に、新しいコーティングを行わなければなりません。

外壁も同様で、塗装したてのきれいな外壁であれば、水で洗い流すことで汚れを落とすことはできますが、外壁塗装を行う際には、古い塗装をきれいに落としてから、新しい塗料の塗っていく必要があるのです。

その理由は、外壁塗装を行う際には、外壁に下塗り・中塗り・上塗りという順で外壁に塗料を塗っていきますが、その外壁にはもともと塗られていた古い塗料の膜(塗膜)が残っています。古い塗膜はチョーキングといって、粉状(古い塗料を手で触った時に、手が白くなる状態)になって剥がれていきますが、一気にすべて剥がれるわけではありません。

実際にチョーキングしている外壁と触るとよくわかりますが、どれだけ触っても、次から次へと白い粉が手や服についてしまいます。この上から塗料を塗ると、外壁に塗料を塗っているというよりは、劣化した粉状の古い塗料に、新しい塗料を塗っている状態になり、すぐに剥がれ落ちてしまいます。そのため、まずはしっかりと古い塗料を洗い落とす必要があるのです。

 また、外壁は外気にさらされていますので、どうしても汚れやコケ・カビが付着しています。これらも、塗装を行う際にはきれいに洗い流しておかなければ、古い塗料と同様に、新しい塗料がすぐに剥がれ落ちる原因となってしまいます。

これらをキッチリと洗い落とすために、高圧洗浄は必ず実施しなければならない工程になるのです。

「チョーキング現象」。

ウィキペディアより

チョーキング(Chalking)とは日本語では白亜化(はくあか)とも言い、主に塗装表面が暴露状態の際に紫外線・熱・水分・風等により塗装面の表層樹脂が劣化し、塗料の色成分の顔料チョーク(白墨)のような粉状になって顕われる現象や状態をいう。

原因[編集]

大きくは次に記す原因でチョーキングが起きる。チョーキングが生じた以降も手入れを怠ると塗装の機能を失ない、保護していた材料が露出して酸化が始まる。

  • 長期間の暴露により、太陽光の紫外線で表層樹脂が分解する。

  • 塗料中に分散された顔料、特に二酸化チタニウム等の表面で起こる光触媒反応でラジカルを発生し、塗膜中の樹脂が加水分解されて起こる場合がある。

  • 塗装前に塗料が十分に撹拌されず原材料の分離や沈殿により生じる。

  • 立地条件や使用条件に応じた耐候性のある塗料を用いていない。

高圧洗浄機を持っていると、自分で行える?

 某テレビショッピングで購入された方を含め、高圧洗浄機をお持ちの方は徐々に増えてきているように感じます。では、高圧洗浄機をお持ちのお客様は、ご自身の高圧洗浄機を使用して、高圧洗浄にかかる費用を削減することはできるのでしょうか。

 私ども塗装業者の視点から言えば、それは「微妙・・・」という答えになります。その理由は、市販の高圧洗浄機を使用した場合、外壁をきれいにするための水圧が不足しているため、しっかりと汚れを落としきることができないためです。

 一般家庭で購入できる市販の高圧洗浄機は、8MPa(メガパスカル)~12MPaという水圧ですが、外壁塗装で使用する高圧洗浄機は、14.7MPa以上必要とされています。14.7MPa以上の高圧洗浄機をお持ちの方であれば、その水圧は外壁塗装で使用されるものと同等となりますが、それらの高圧洗浄機は主に業務用で1台60万円前後しますので、なかなかご家庭でお持ちの方はいらっしゃらないのではないでしょうか。

 また、水圧が満たしていたとしても、その水圧を外壁に当てても大丈夫なのか、という問題があります。外壁の傷みが激しい部分に、同じ水圧で水を当ててしまうと、損傷している部分から中に浸水してしまうことがあります。そのため、外壁の状態をしっかりと確認したうえで、最適な水圧で高圧洗浄を行う必要があり、ご自身で行うと外壁の劣化を速めてしまうことにつながる可能性が生じてしまいます。

そのため、高圧洗浄は専門の業者に依頼することをお勧めしています。

高圧洗浄にかかる費用

 高圧洗浄の費用は、1㎡あたり100円~300円が相場となっています。そのため、外壁や屋根の広さによって値段は上下しますが、100㎡であれば、10,000円~30,000円が相場となりますので、それより明らかに高い金額を要求してくる業者があるとすれば、悪徳業者である可能性があります。

また、逆にこれよりも低い料金(例えば、高圧洗浄は無料で実施など)という業者も、高圧洗浄を丁寧に行わない可能性がありますので、注意が必要です。

高圧洗浄にかかる時間

 高圧洗浄は、水で汚れを洗い流すというイメージよりも、水圧で汚れを剥がすというイメージのほうが近いかと思います。そのため、表面を水でざっと洗い流しても、古い塗料を落とすことはできません。古い塗料を落とすには、高圧の水でしっかりと削り落とす必要があります。そのためには、一般的な大きさの家の場合、4時間~8時間かけて作業を行う必要があります。

これを1時間や2時間といった短時間で終わらせてしまう業者の場合、古い塗料や汚れがしっかりと落としきれていない可能性が高いでしょう。また、高圧洗浄を行った翌日は、しっかりと外壁を乾燥させなければなりません。つまり、高圧洗浄は2日がかりの作業となります。1日で高圧洗浄を行って、さらに塗装も行うという業者があれば、その業者の品質は非常に低い可能性が高いでしょう。

高圧洗浄のポイントと実施タイミング

高圧洗浄は、高圧の水の力で外壁を洗浄しますので、洗浄できるだけの圧力を作り出す必要があります。

塗装工事の高圧洗浄の圧力は、家庭用の高圧洗浄機よりも高い圧力を作り出す必要があります。一般的な塗装工事で使用される圧力は120Mpa程度といわれており、様々な耐久テスト等は、この120Mpaを基準に実施されています。

外壁の高圧洗浄で最も注意しなければならない点は、水の飛散です。もちろん、高圧洗浄によって、外壁の汚れをしっかり落とす、古い塗膜を削り落とすといったことも重要なのですが、高圧洗浄を行っている最中に最も注意しなければならない点は、この飛散という問題になります。高圧洗浄では、屋根や外壁の汚れを高圧の水でこそぎ落とすことを目的としていますので、飛散する水は、その汚れを含んだ水となります。その水が自宅や隣家に飛散しないように細心の注意を払う必要があります。

 腕のいい職人さんが高圧洗浄を行うと、水が飛散する方向をある程度コントロールすることができますので、他の部分に及ぼす影響は少ないのですが、新人さんや不慣れな職人さんが高圧洗浄を行うと、いろいろな方向に水が飛散してしまい、ご近所トラブルのもとになることもありますので、事前にご近所の方々にご説明しておくべきかもしれません。(なるべくなら、飛散の少ない雨天時にするのが、洗濯物や布団も周囲に少ないので良いです)

高圧洗浄後の確認ポイント

高圧洗浄は、外壁を高圧の水を使用して洗浄していきます。そのため、水が撥ねて洗浄していない部分も濡れてしまいますので、1回の高圧洗浄だけでは実際にすべての部分の洗浄が完了しているかどうか、確認するのは難しくなっています。高圧洗浄を行った後は、一度乾燥させて洗い残しがないかしっかり確認する必要があります。

 特に、外壁がチョーキングしている場合などは、高圧洗浄を行っている間、白く濁った水が流れ続けます。ある程度、濁りが無くなったからと、そこで洗浄を終了してしまった場合、乾燥させたときに洗浄できている部分とできていない部分で非常に大きな差が生じていることがあります。そのため、手間はかかりますが、高圧洗浄を行った後、いったん乾燥させてもう一度、洗い残しがないかどうかチェックする必要があります。必要時には、水拭きする必要もあります。

高圧洗浄を実施するタイミング

 高圧洗浄は、塗装工事の下地処理の一部として考えることができます。そのため、金属部分や木部のケレン、シーリングのメンテナンス、その他の外壁のメンテナンスと同じタイミングということになりますが、実際には数ある下地処理の中で、どのタイミングで実施するべきなのでしょうか。これには様々な見解が、職人さんの中であります。

 目立った見解としては、シーリングのメンテナンス後になります。高圧洗浄で使用する水は、圧力によって非常に強く外壁に当たることになります。シーリングが劣化している状態で高圧洗浄の水を受けると、シーリングがその力に耐えきれず、劣化している部分から外壁内部に水を侵入させてしまうことになります。そうなると、水がサイデイングの断面から侵入してしまいます。

その結果、コーキングのシーラーを塗るのにも、断面を乾かすのにかなりの時間を要してしまいます。結果コーキングしっかりと付着しない不良事故につながる場合もあります。そうならないためにも、しっかりとシーリングをメンテナンスした後に、高圧洗浄を行う場合もあります。

ヨコイ塗装では、お住いの状況に合わせて、高圧洗浄のタイミングを見計らっています。特にケレン作業後にやると、ケレンで出た汚れを高圧洗浄でついでに洗い流せるので、ケレン後に高圧洗浄を普段行っています。

 高圧洗浄は、手を抜こうと思うと、簡単に手を抜ける工程になります。この部分の手を抜くだけで数日間の工程を削減することができますので、品質より価格を重視している塗装業者の方や、悪徳業者においては、高圧洗浄を省略したり、簡略化したりしてコスト削減を図っているようです。(足場がしっかりとしていないと出来ない作業なので、まずはしっかりとどんな足場を組むだけでも、良い業者選びにつながると思います。)

しかし、高圧洗浄は、塗装工事の仕上がりだけでなく、塗装工事そのものの耐久性にも関わってくる大変重要な工程となっています。コスト削減という目的だけで簡略化や短縮すべき工程ではありません。もし、高圧洗浄を蔑ろにしている業者に依頼してしまった場合は、早めに業者を変更すべきかもしれません。

高圧洗浄と言うのは水圧を利用して外壁に付着している汚れ、藻などを綺麗に洗い流すことです。北側の湿気が多い外壁などの場合、緑色の藻が外壁にこびりついてしまい、ブラシなどを使って掃除をしても落とせないと言うケースも多く在りますが、水圧を使う事で外壁は新築時とまではいかないまでも、かなり綺麗なものになり、塗膜を塗り重ねても剥がれない状態を作り上げることが出来るようになります。

写真や動画の形にして残しておくことが品質につながる

そもそも高圧洗浄は、旧塗膜をしっかりと洗い流す目的があります。屋根や外壁についている泥や砂、鳥のフンなどの汚れ、コケや剥がれかけている以前の塗料などを塗装前にきれいに洗い流します。また、塗装面をきれいに洗い流すことによって、素材の痛み具合や、補修が必要な箇所の有無などが確認出来るのです。

でも実際は、一度屋根塗装や外壁塗装を塗ったあとになると、高圧洗浄がきちんとおこなわれているかどうかは、一般的に判断するのは難しいところでしょう。特に屋根になると、下からでしか見ることが出来なく、距離も遠く、下から覗く角度からになるとどうしても見づらいものになってしまいます。したがって写真や映像等で、工程ごとに作業を確認しておくことは、良い工事品質にもつながります。

高圧洗浄後の乾燥時間は大切

高圧洗浄をいかに丁寧におこなっている業者かどうかによって、塗膜の持ちや仕上がりの美しさが変わってくるのだといえるのです。屋根塗装の腕前もさることながら、そういった細部に渡る心意気が、良い塗装工事につながります。なお、屋根や外壁などをきれいに洗い終わった後、しっかりと時間を掛けて乾かす業者であることも、実はよい塗装業者の重要な要件です。よく乾かさずに塗装を施してしまうと、塗膜と住宅素材の間に入ってしまった水分の逃げ場がなくなって、結果として塗膜の剥がれにつながるからです。(特に気温の低い冬季には気をつけてくださいね)

外壁塗装時の高圧洗浄の重要性

高圧洗浄作業時における注意

適切な圧力で外壁を傷めない程度、汚れがしっかりと落ちる圧力で・・・いわゆるケース・バイ・ケースで柔軟に対応することが求められます。強すぎず・・・高圧洗浄機は、普通の方がホームセンターなどで購入するものより、はるかに圧力が出る業務用のプロが使う機械です。したがってかなりの水圧が出ます。建物本体を傷ませない圧力が必要になってきます。(塗装工事で使用されている高圧洗浄機は最大圧力が、コイン洗車機の1.5倍前後のものが一般的です。)至近距離から過度の圧力での洗浄は躯体痛めてしまうことがあります。弱すぎず・・・また弱すぎると充分に汚れが落ちていなく、せっかく塗った塗料の剥がれにつながります。表面をなるべくキレイにしてから塗ることは塗装の基本です。特にカラーベスト屋根ですと、苔やカビがしっかりとこべりついている場合があります。そのためには、しっかりとノズルを近距離にもっていって、汚れを落として行く必要があります。

ヨコイ塗装では、フルテックさんの高圧洗浄機を使用しています。

高圧洗浄機

(高圧洗浄機もちゃんとしたものを持っているか確認してみてくださいね)

※高圧洗浄では、やはり汚れが結構飛び散ります。

したがって汚れが飛ばないように配慮してもらうよう必要があります。ネットでも充分な時がありますがネットを超えて汚れが飛んでいく時もあります。水に塗らえたらまずいものは慈善に濡れない場所にどけてもらいましょう。また、車や花壇、洗濯物そういったものに、特に注意を向けると良いかもしれません。

※高圧洗浄をするときに良いタイミングがあります。それは雨降り時に高圧洗浄するということです。雨天時ですと近所でも洗濯物を干している方も少なく、また雨が降るっているために汚れが遠くまで飛ぶことが少ないです。

※最低でも丸1日は間をあけてもらいましょう。濡れたままの状態に塗装をしますと、剥がれの原因になってしまいます。 したがって、下地の状況や季節によっては,丸2日以上の乾燥時間をとってもらいましょう。

※高圧洗浄のときは、ついでに外構も洗浄してもらうと良いです。

 

高圧洗浄なんですが、普段やらない外構の壁も高圧洗浄してもらうと良いです。ついでの作業になるんですが、そこまでの面積の負担がなければ、職人さんも快く引き受けてくれると思います。せっかくお住まい自体もきれいになったのに、外構の壁が少し汚れていると気になってしまうと思います。せっかくなのでお住まい全体をきれいにさせて、すっきりさせると良いと思います。塗装のついでに、いらないものなども捨てて、断捨離なども行うと良いかもしれませんね。