塗膜剥離は、塗装工事の品質を大きく左右する重要な課題です。
特に、下地の水分管理が適切でない場合、塗料の密着性が低下し、剥離のリスクが高まります。
本記事では、塗膜剥離の主な原因と予防策、含水計を活用した適切な水分管理方法について詳しく解説します。
目次
5. まとめ
1. 塗膜剥離とは? その原因と影響
塗膜剥離とは、塗装面から塗膜が浮いたり剥がれたりする現象を指します。
剥離が発生すると、防水性や耐久性が低下し、建物の劣化を加速させる可能性があります。
主な塗膜剥離の原因
原因 |
詳細 |
---|---|
水分含有量が高い |
下地が十分に乾燥していないと、塗膜が浮きやすくなる |
適切な下地処理不足 |
汚れ・サビの除去が不十分だと塗料が密着しない |
気温・湿度の影響 |
高湿度や温度変化が激しいと、塗膜の密着力が低下 |
塗料の選定ミス |
下地との相性が悪い塗料を使用すると剥離しやすい |
✅ 水分管理を適切に行うことで、剥離リスクを大幅に低減できます!
では、塗装前の水分状態をどのように管理すればよいのでしょうか?
そこで活躍するのが、「含水計(湿度計)」です。
2. 含水計とは? その役割と種類
含水計の基本的な役割
含水計とは、建築材料(コンクリート・木材・石膏ボードなど)の水分量を測定する装置です。
塗装前に下地の乾燥状態を数値化して確認することで、適切な施工タイミングを判断できます。
含水計の種類と特徴
含水計には、大きく**「電磁誘導式」と「抵抗式」**の2種類があります。
種類 |
特徴 |
適用例 |
---|---|---|
電磁誘導式(非破壊型) |
物体に触れるだけで水分量を測定できる |
コンクリート・大型構造物の広範囲測定 |
抵抗式(ピンタイプ) |
電極を差し込んで水分量を測定する |
木材・石膏ボード・仕上げ材の細かい測定 |
✅ コンクリートやALCのような下地には電磁誘導式が最適!
✅ 木材やボード系の素材には、より精密な測定ができる抵抗式がおすすめ!
3. 含水計を活用した塗膜剥離の予防策
含水計を用いた施工前チェックの手順
1. スキャンモードで全体の水分分布を把握
• 施工箇所全体をスキャンし、水分含有率の高い箇所を特定
2. ピンモードで詳細な含水率を測定
• 確認が必要な箇所に含水計を設置し、正確な数値を取得
3. 適正な含水率か評価し、必要ならば乾燥作業を実施
• 水分量の目安
• コンクリート:12%以下
• 木材:8~12%
• 石膏ボード:1%以下
4. 施工適正値に達していることを確認し、塗装作業を開始
✅ このプロセスを徹底することで、塗膜剥離のリスクを大幅に軽減!
4. 実際の事例:含水計を使った施工管理
事例①:ウレタン塗膜防水施工時の水分管理
問題点:
ウレタン塗膜防水施工の際、コンクリートの水分が多いと塗膜が浮きやすくなる。
対策:
1. 含水計を使用して、施工前にコンクリートの水分量を測定
2. 水分量が20%以上なら、強制乾燥を実施し、適正値(12%以下)まで下げる
3. 適正値に達した後、ウレタン防水材を塗布
✅ 結果:施工後の塗膜剥離ゼロ、耐久性の高い防水施工を実現!
事例②:建築物の外壁塗装時の水分管理
問題点:
塗装作業前に下地の水分が適正範囲内か確認せず施工した結果、数年後に塗膜が剥がれた。
対策:
1. 含水計で外壁の水分含有率をチェック(基準値10%以下)
2. 高湿度の箇所は乾燥処理を実施し、基準値をクリア後に塗装を実施
✅ 結果:塗膜の耐久性が向上し、長期的な剥離トラブルを防止!
5. まとめ
塗膜剥離は、施工前の適切な水分管理によって大幅に予防可能です。
そのため、含水計を活用したチェックは必須となります。
✅ 塗膜剥離を防ぐポイント
1. 施工前に含水計で下地の水分含有率をチェック
2. 基準値(コンクリート12%以下、木材8~12%)をクリアするまで乾燥処理
3. 適切な環境(温度・湿度)で施工し、塗料の密着力を最大化
含水計を使用することで、科学的なデータに基づいた施工が可能になり、
塗装の品質向上と長寿命化を実現できます。
✅ ヨコイ塗装では、含水計を活用し、高品質な施工を徹底しています!
塗装トラブルを防ぎたい方は、お気軽にご相談ください!
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