知らないと数年後に後悔する。外壁コーキング工事「4つの衝撃的な事実」
1. はじめに:見えない部分にこそ、家の寿命を左右する罠がある
外壁塗装やリフォームを検討するとき、「ちゃんと仕事をしてくれるだろうか」という不安は誰にでもあるものです。特に、工事が終われば見えなくなってしまう部分の作業は、その不安に確かな根拠を与えます。本当に丁寧な仕事がされているのか、素人目には判断がつきません。
実は、その「見えない部分」の代表格が、外壁の継ぎ目を埋める「コーキング(シーリング)」の打ち替え工事です。一見、古いものを取り除いて新しいものを詰めるだけの単純な作業に見えますが、ここを適切に行うかどうかが、家の防水性能と寿命を大きく左右します。そして、この工程こそ、悪質な業者がコストと時間を削減するために手を抜きがちな「手抜き工事」の温床となっているのです。
この記事では、悪質な手抜き工事からあなたの資産を守るために不可欠な、コーキング撤去に関する『4つの事実』を徹底解説します。
2. 事実1:新しいコーキングが「古いコーキングを道連れに」剥がれ落ちる
最も衝撃的な事実の一つが、新旧一体での剥離です。古いコーキングをきちんと除去せずに新しいコーキングを充填すると、数年後に新しいコーキングが「古いコーキングを道連れにして」ごっそり剥がれ落ちてしまうのです。これは単なる接着不良ではありません。劣化した古いコーキングが脆弱な土台となり、その上に乗った新しいコーキングごと剥がれてしまう現象です。
この状態では、当然ながら防水機能は完全に失われ、雨水が壁の内部に侵入する原因となります。専門家の間では、これは常識中の常識です。
古いコーキングは必ず撤去しないと新旧ごと剥がれる
3. 事実2:見えない場所で起きる「化学反応」で、新品が台無しになる
もう一つの見過ごせない危険が、目に見えない化学的な硬化不良です。古いコーキング材が完全に除去されていない状態で、種類の異なる新しいコーキング材を充填すると、両者の成分が化学反応を起こし、新しいコーキングが適切に固まらない現象を引き起こすことがあります。
例えば、古いポリウレタン系のコーキングの上に新しいシリコーン系のコーキングを施工した場合などがこれにあたります。硬化不良を起こしたコーキングは、いつまでもベタベタしたままで、シーリング材本来のムーブメント追従性や防水性能といった、果たすべき重要な役割を全く果たせなくなります。これは、真のプロフェッショナルだけが配慮する「隠れた危険」なのです。
4. 事実3:コーキング撤去の丁寧さは、職人の「誠実さ」を測るリトマス試験紙である
コーキングの撤去作業は、外壁工事における「下地処理」という工程の一部です。そして、この下地処理は、新しいコーキングや塗料で覆われてしまうため、最終的には完全に見えなくなります。だからこそ、コスト削減や工期短縮を狙う業者にとって、最も手を抜きやすい格好のターゲットとなるのです。
状態によっては、古いコーキングを完全に除去するだけで2〜3日かかることもあり、相応の人件費がかかります。この手間を惜しむかどうかが、その職人や業者の仕事に対する誠実さを測るリトマス試験紙です。
見えないところこそ手抜きが起こりがちなので、コーキング撤去を含む下地処理の段階で、工程ごとに写真を撮ってもらうよう事前に依頼することは、手抜きの強力な抑止力になります。
だからこそ、この工程への向き合い方こそが、優良な業者を見抜くための最も確実な指標となるのです。そして、それを見抜くための鍵は、あなたの手元にあります。
5. 事実4:最強の防御策は、あなたの「スマホのカメラ」にある
では、どうすればこの見えない部分の手抜き工事を防げるのでしょうか。答えは非常にシンプルで、あなたが持っている「スマホのカメラ」を活用してもらうことです。つまり、業者に「工程写真」の提出を依頼することが、最も効果的な抑止力となります。
手抜き工事の被害に遭わないために、発注者として以下の3つのアクションを必ず実行しましょう。
- 見積もり時に質問する: 古いコーキングを「単に上から重ねるのではなく、カッターなどでしっかりと削ぎ落としてから新しく充填するか」を具体的に確認しましょう。
- 作業写真/動画を依頼する: 「見えなくなる下地処理の段階で、古いコーキングを撤去した後の状態の写真を撮って報告してください」と契約前に明確に依頼しましょう。優良業者であれば快く応じてくれます。
- 不自然な短期工程に注意する: 劣化が激しい場合、コーキングの撤去だけで数日かかることもあります。提示された工期があまりにも短い場合は、何らかの工程が省略されている可能性を疑い、作業内容を確認することが重要です。
6. まとめ:あなたの家を守るのは、見栄えの良さではなく、誠実な下地処理
外壁リフォームの成功は、最終的な塗装の美しさだけで決まるものではありません。むしろ、その下に隠された、どれだけ丁寧で誠実な下地処理が行われたかによって、建物の長期的な耐久性と防水性が決まります。
コーキングの完全な撤去は、その最も重要な核となる作業です。今回ご紹介した4つの事実を知ることで、あなたは業者選びの基準を持ち、悪質な手抜き工事から自身の大切な資産を守る力を得たはずです。
次にリフォームを考えるとき、あなたは「見えない部分」の何を業者に尋ねますか?
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