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瓦の形状と雨漏りについて

瓦というと、昔ながらの和型瓦を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。そもそも瓦は、仏教建築とともに、6世紀末頃に日本に伝えられた技術で、非常に歴史の深い屋根材となっています。その長い歴史の中で、様々な改良が加えられた瓦は、現在でも他の屋根材とともに、選択肢の1つとなっています。この陶器の瓦は耐用年数が50~60年と非常に長く、それだけ目に付きやすいとも言えますが、実は瓦の種類はそれだけではありません。また、瓦の形状も、よく目にする和瓦の他にもあります。そこで今回は、瓦の種類や形状と雨漏りの関係についてご紹介します。

瓦の種類

  1. 釉薬瓦は、最もよく見かける粘土で作った瓦に釉薬を塗った瓦で、陶器瓦とも言われています。釉薬瓦は、釉薬によって水を通さなくなるため、耐水性に優れた瓦で、瓦の下に敷くルーフィングが傷みにくいというメリットがあります。しかし、比較的重量があるため、地震対策には不向きな瓦とも言えます。
  2. いぶし瓦も粘土で作った瓦ですが、こちらは釉薬を塗らず、窯の中でいぶすことで作られ、主に神社仏閣に使用されています。いぶし瓦は、窯の中でいぶすことによって、炭素の膜が形成され、この膜によって水を防ぐ効果を得ています。そのため、時間の経過によって炭素膜が剥がれてくると、葺き替えしなければならないというデメリットがあります。
  3. 素焼き瓦は、粘土で作った瓦をそのまま焼いたもので、ドラマで見かける沖縄の住宅(オレンジ色の瓦の住宅)に使われています。釉薬やいぶしといった工程がないため、釉薬瓦やいぶし瓦よりも安価で且つ軽量というメリットはあるものの、その分防水性はやや低くなっています。
  4. セメント瓦はその名の通り、セメント(砂と水)を使用した瓦で、塗料を塗ることで防水性を高めることができる瓦です。瓦自体は安価ですが、塗装というメンテンナンスをしなければならないことや粘土を使用した瓦よりも重量が重く、耐久性が低いことから、最近ではほとんど使用されていません。

瓦の特徴

 瓦は、他の屋根材に比べて、非常に耐久性や断熱性が高いというメリットがあります。まず、耐久性についてですが、例えば、スレート屋根などの屋根材の寿命は10年~20年であるのに対し、瓦は40年~50年程度の寿命を持つと言われており、長期的に見るとコストパフォーマンスに優れています。瓦の耐久性の高さは、日本の様々なところで現存している古いお寺などを見ても分かるかと思います。古いお寺の瓦の中には、1,000年前から使われている瓦を、現在も使用しているというものもありますので、その耐久性の高さは、目を見張るものがあります。

次に断熱性についてですが、陶器でできた瓦そのものに断熱性があるのに加え、瓦の構造上、屋根と瓦の間に隙間ができるようになっており、その隙間の空気が断熱層となって熱を遮断する効果があります。

 しかし、デメリットとして、他の屋根材に比べて重量があるという点が挙げられます。屋根材の重量は、柱などによって支えられているため、重ければ重いほど、建物に負担をかけることになります。また、重さによって重心が上に上がってしまうことで、地震の際に揺れやすくなってしまいます。また、はじめから瓦屋根にすると決めている場合、建物そのものに瓦の重量に耐えられるだけを強度をもたせることができますが、最初はスレート屋根などの軽い屋根材を使用していた場合、リフォーム等で瓦屋根にしようとしても、建物の強度を増すのは困難ですので、後から瓦屋根に変えるというのは、難易度が高くなってしまいます。

他にも、デメリットとして考えられるのは、施工に専門的な技術が必要なため、どうしても施工できる業者が限られていること、施工するための料金が高くなってしまいます。耐久性の高さから、施行回数は他の屋根材よりも少なく、長期的に見ると料金的には優れているとはいえ、1回で支出する金額が大きくなるという点はデメリットとして考える方も少なくはないでしょう。

瓦の形状

  1. 和瓦は、瓦屋根で最も使用されている形状で、瓦が波打った形状になっているのが特徴です。この波打った形状によって湿度は適度に逃げつつも、温度はしっかりキープできるため、保温性と漢気に優れた形状といえます。また、この形状によって雨や雪を留めずに流す効果も期待できますので、耐水性にも優れた形状となっています。
  2. 真っ直ぐな瓦を平板瓦といいます。この瓦は、日本家屋以外にも合わせることが出来るため、最近の洋風な建築物であっても屋根材として使用できる他、太陽光発電システムを乗せやすい瓦でもあります。
  3. スパニッシュ瓦(S型)

    スパニッシュ瓦は、和瓦よりも波打ちを大きくした瓦で、洋風の建築物に合わせやすいという特徴があります。和瓦同様に、波打ちによる保温と漢気の効果を期待できるため、和風の建築物であれば和瓦、洋風の建築物であればスパニッシュ瓦と使い分けることができます。

瓦屋根のガイドライン工法

瓦屋根のガイドライン工法とは

 瓦屋根のガイドライン工法は、平成13年以降に主流となった瓦屋根の施工方法で、それまでの工法に比べて瓦が落ちにくいというメリットがあります。

ガイドライン工法以前の工法は、葺き土で瓦を積み上げることによって固定する工法が主に使われています。これは、建物と瓦を土でつなぎとめているだけの状態になっており、例えるなら、本棚の天板や横板が接着剤で固定されているだけの状態と同様です。本棚の天板や横板が接着剤でのみ固定されていた場合、軽い衝撃には耐えられるかもしれませんが、強い衝撃を受けると、接着剤だけで固定することができず、本棚は簡単に崩れてしまいます。これと同様に、ガイドライン工法以前の工法では、接着剤の代わりとも言える土が崩れるような衝撃を受けると、瓦が簡単に外れてしまうことになります。実際に、ガイドライン工法以前の工法で施工された瓦屋根は、大震災の際に多くが脱落しています。

一方、ガイドライン工法は、建物そのものと瓦を銅線等で連結します。先程のように本棚で例えるなら、接着剤だけではなく、板と板をつなぎとめるためのビスを打つようなイメージです。こうすることで、瓦と建物が一体化されることになりますので、衝撃に強くなります。実際にガイドライン工法で施工された建物は、大震災の際にも被害は少なかったという結果が出ています。

ガイドライン工法の施工方法

 ここでは、ガイドライン工法以前の工法から、ガイドライン工法に葺き直す方法の概要をご紹介します。

  1. 下地処理。まずは、古い瓦を1枚ずつ剥がし、清掃します。ガイドライン工法は、30年ほど前の瓦であっても施工できるという互換性の高さもメリットの1つです。瓦の耐用年数は、他の屋根材よりも長いため、古い瓦であっても、続けて使用できる可能性があります。そのため、瓦の清掃を行いながら、問題なく使えるかチェックすることも行います。瓦をすべて剥がした後は、下地の清掃を行い、屋根用の防水シートを貼り直します。防水シートの耐用年数は瓦よりも短いため、劣化の状況によっては、この機会に貼り直しておくことをお勧めしています。
  2. 瓦の施工。はじめに、浅瓦を取り付けます。浅瓦は、全て建物と連結させます。そのため、浅瓦1枚1枚にドリルで釘穴を開けていき、その穴に、錆びにくいステンレス製の釘を刺します。こうして、浅瓦を屋根に固定していきます。次に瓦を葺いていきます。ここでも、清掃時に行ったように瓦1枚1枚、そのまま使用しても問題がないかどうかを入念に確認しながら、葺いていきます。すべての瓦を葺き終えたら、次に瓦を固定します。しかし、浅瓦のように全ての瓦を固定するわけではありません。固定するのは、軒先瓦とケラバ袖瓦の2種類になります。この瓦は、ステンレス製のビスで固定します。
  3. 棟部の施工。最後に、屋根用の南蛮漆喰を使用して、棟瓦、のし瓦を積み上げます。その後、棟用の強化金具を野地垂木にめがけて設置し、鉄筋を固定します。さらに、固定した鉄筋にステンレス製の線を巻き、積み上げた棟瓦1枚1枚を、屋根の内部で連結します。こうすることで、棟全体と建物が連結されることになります。これで、瓦と建物が全て連結されることとなり、震災において瓦が脱落するというような事故の発生頻度は、大きく低下することになります。

瓦そのものは、非常に長い耐用年数がありますので、一見すると問題ないように見えるかもしれません。しかし、平成13年以前に施工された瓦屋根の場合、その施工方法はガイドライン工法以前の旧式の施工方法となっており、震災等への耐久性はあまり高くありません。屋根そのものの耐久性という面では問題ないかもしれませんが、地震大国と言われている日本において、いつ、お住まいの地域に地震が発生するかわかりません。特に瓦屋根は、瓦の脱落による2次被害(落下した瓦が、ご自身や他の方にあたってしまう人身事故や、車などにあたってしまう物損事故など)が、他の屋根材よりも大きくなってしまいますので、ガイドライン工法以前の工法で施工されている場合は、ガイドライン工法に補修されることをお勧めしています。

平板瓦

平瓦の特徴

 平瓦は、多くの瓦の特徴である曲線的なものではなく、平な長方形の瓦で、洋風の住宅に合わせやすい瓦となっています。別名「F型」と言われますが、このFはFlat(平らな)という英単語から来ています(平瓦のもととなったのがフランス瓦のため、フランスのFという説もあります)。

 平瓦は、その平らな特徴から、仕上がりはスレート屋根に近い仕上がりとなります。しかし、瓦の厚さがありますので、スレート屋根のように平らな仕上がりではなく、多少の凹凸がある見た目となります。また、屋根そのものに厚みがありますので、その点から見分けることも可能です。

 平瓦の中にも種類があります。Uタイプという平瓦では、瓦の両端に出っ張りがあり、断面を見るとアルファベットのUに見える形をしており、敷き詰めることで樋のように水の通り道を作ることができます。屋根や建物にとって、水は天敵ですので、Uタイプのように水の通り道を作り、水はけを良くすることは建物の耐久性を高める有効な手段となります。

 次に、ほとんど出っ張りのないFタイプと平瓦もあります。敷き詰めた後は、出っ張りのなさからスッキリとした見た目になり、美観はいいのですが、通気性が低いため、結露が生じやすいというデメリットがあります。

 瓦の中にも、洋風の建物にあう平瓦のようなものも存在しますが、瓦は他の屋根材とは異なるメリット・デメリットが存在しますので、屋根材の葺き替えの際やリフォームによって、瓦に変えるという選択を行うのは難しいと言えます。そのため、建物を建てるときから、瓦屋根と他の屋根材とのメリット・デメリットを比較し、瓦屋根を選択する必要があります。とはいえ、もともとが他の屋根材を使用していたからといって、全ての建物が瓦屋根に買えることができないかというと、決してそうではありません。瓦屋根のデメリットである重量に耐えきれるだけの強い建物の構造であれば、リフォーム等で瓦屋根に葺き替えることも可能です。しかし、そのためには専門知識を有する業者が、その強度を確認する必要がありますので、しっかりと信頼の置ける業者に、確認しながら、最適な屋根材を選択するようにしてください。

瓦屋根の雨漏り

 瓦屋根は、その耐久性の高さがメリットの一つですが、それでも放置していると雨漏りにつながることがあります。その原因は、以下のことケースが多いようです。

  1. 強風などの飛来物が瓦に接触したなどで、瓦そのものが破損してしまった場合、その破損部分から雨水が侵入し、雨漏りにつながることがあります。この場合、早めに新しい瓦に葺き替える必要があります。
  2. こちらも強風や台風が原因となりますが、瓦がずれてしまうことによって、瓦と瓦の間に隙間ができてしまうことで、その隙間から水が入り込み、雨漏りにつながってしまうケースが考えられます。この場合、早めに発見して瓦を戻せば、雨漏りを防止出来る可能性が高くなります。
  3. 瓦屋根は、どうしても空気層ができてしまいますが、そこにうまく入り込んだ鳥やコウモリが巣を作ることによって、下地の防水シートを急速に劣化させるケースがあります。通常、軒先やケラバ部にシーラーなどで隙間を埋める対策を施しますが、それらの劣化に気づかなかった場合、そこから侵入して巣を作られてしまい、防水シートが劣化することによって瓦で受けきれなかった水が建物内部に侵入して雨漏りにつながってしまいます。そのため、軒先やケラバ部の隙間を埋める対策が、劣化していないことを確認することも重要です。

漆喰のメンテナンス

漆喰は、外壁を和風にしたい、清潔感のある外壁にしたいという方に好まれる外壁材となっています。漆喰は、日本においても昔から使用されている外壁材で、有名なところとしては、姫路城の真っ白な外壁も漆喰によるものとなっています(姫路城の真っ白な外壁は、白漆喰総塗籠造と呼ばれています)。2015年にグランドオープンした姫路城の白さには、誰もが驚いたことと思います。それまでの姫路城は、屋根が黒く、他の城と同じような色合いでした。しかし、本来の姫路城は、今の白さであったと言われており、それまでの姫路城の黒さは、白漆喰に発生したカビが原因で黒く見えていたのです。

つまり、漆喰にした場合は、しっかりとメンテナンスを行わなければ、以前の姫路城のようにカビが発生する等といった症状が出てしまうのです。

漆喰のメリット・デメリット

 漆喰は、しっかりメンテナンスすれば、耐久年数が100年以上と言われています。その要因として、二酸化炭素や化学物質を吸着させることで、漆喰自体が固くなるためで、外壁材として非常に優れた素材となっています。また、漆喰は、耐火性能、防カビ効果にも優れているというメリットがあります。

漆喰についた汚れは容易に落とすことができるという点もメリットの1つです。漆喰についた軽い汚れは、消しゴムや水洗いで容易に落とすことができます。これで落ちない汚れやカビは、塩素系漂白剤を水で薄めて、布につけて拭き取ることで落とすことができます。注意点としては、漆喰がアルカリ性(主成分が水酸化カルシウム)ですので、酸性の洗剤は使用できないという点です。この点にさえ注意すれば、漆喰の汚れは容易に落とすことが可能です。

 一方、防水性能が低く、傷がつきやすいというデメリットもあります。また、漆喰は乾燥に非常に時間を要しますので、塗装工事の工期が長くなりがちです。そのため、通常の塗装工事よりも施工費用が高額になっていまします。さらに、漆喰を施工できる左官屋が減少しているという点も見逃すことができないデメリットとなっています。

漆喰の施工について

 漆喰壁は、基本的にはモルタルの上に漆喰を塗るという工程で施工します。そのため、初めにモルタルを下塗りし、その上に薄めたモルタル接着増強剤を塗ります。その上から、中塗り漆喰、上塗り漆喰という順で漆喰を塗るという工程になります。この漆喰の施工については、他の外壁の施工よりも高額で、相場としては1㎡あたり7,500円~となっています。

漆喰のメンテナンスについて

 漆喰壁は、耐久性に優れていますが、決してメンテナンスフリーではありません。漆喰壁をしっかり持たせるのであれば、10年に1回程度の頻度で、塗装を行わなければなりません。漆喰を塗装する際に注意しなければならないのが、他の外壁のように、普通の塗料が使用できないという点です。漆喰壁に普通の塗料を塗ってしまうと、1年~2年で剥がれてしまうことになります。そのため、漆喰壁に対応した塗料を選択する必要があります。

 メンテナンスを行う際、漆喰壁にクラックが入っていた場合は、その深さによってクラックへの処置が異なります。クラックがモルタル部分にまで入ってしまっている場合、漆喰をすべて剥がして、下地を作り直した上で、漆喰の施工をやり直しますので、非常に高額な費用が発生します。定期的にメンテナンスを行っている場合は、そこまで大きなクラックは発生しにくいかと思います。クラックが漆喰の表面部分にのみはいっている状況であれば、その部分のみを補修することも可能です。そのため、定期的なメンテナンスを行い、クラックは事前に補修してしまうことが重要です。

扶桑町の現場事例

実際に、大屋根に登ってみますと漆喰がボロボロでした。

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漆喰は、水酸化カルシウム・炭酸カルシウムを主成分としており、もとは「石灰」と表記されていたものであり、漆喰の字は当て字が定着したものである。風雨に弱い土壁そのままに比べて防水性を与えることが出来るほか、不燃素材であるため外部保護材料として、古くから城郭や寺社、商家、民家土蔵など、木や土で造られた内外壁の上塗り材としても用いられてきた建築素材である。面土や鬼首などの瓦止めの機能のほか、壁に使用される場合には、通常で3 – 5ミリ程度、モルタルなどへの施工の場合は10数ミリ程度の厚さが要求されている。塗料やモルタルなどに比べ乾燥時の収縮は少ないものの、柱などとの取り合い部に隙間が生じやすいため、施工の際には留意が必要である。近年では化学物質過敏症の原因の主たるものとされる、ホルムアルデヒドの吸着分解の機能があるものとして注目を浴びている。

wikiペディアより

漆喰はお客様の中でもあまり意識していない人が多いですが、外壁塗装工事のついでの作業として、見積時に確認しておいたほうが良いものです。主な機能としましては防水性が挙げられます。屋根は紫外線や雨が直に当たります。したがってお住まいの中でも1番守るべき大切な部分です。その大切な一部分である漆喰もやはり、かなり大切なものになってきます。お住いも人間と同様に段々と痛みが出てくるものであります。放置しておくと痛みが早く悪くなり致命傷になります。建物も同様に、躯体本体が腐ったりしてきて痛みが出てきますと、かなりのコストがかかる工事をしなければなりません。普段あまり意識しない部分ですが、塗装工事の際は、屋根の部分は特に早めに対応しておくことが大切です。

漆喰風の外壁に憧れる方には

 漆喰のメリットは魅力的ですが、そこまで費用をかけることができない。しかし、見た目は漆喰のような外壁にしたいという方には、漆喰風に仕上がる塗料を使用することをおすすめします。あくまで、見た目が漆喰風に仕上がるだけですので、漆喰そのものの高耐久性等のメリットはありません。しかし、リーズナブルな価格で、漆喰のような外観を得ることができますので、漆喰のメリットよりも外観だけに憧れている方は、ご検討されてはいかがでしょうか。

漆喰壁は、左官屋の減少や施工費用、メンテナンス費用の高さから徐々に選ばれることが減ってきている素材ですが、その性能は現代においても十分にひけをとらない素材となっています。また、汚れが非常に落としやすいというメリットもあります。しかし、漆喰も、通常の外壁にようにしっかりとメンテナンスを行わなければ、その性能を100%活かすことができません。しっかりとメンテナンスを行えば、100年以上は持つと言われるほど、非常に高い耐久性能をもった素材ですので、その性能を活かしきるためにも、漆喰を選択した場合は、定期的なメンテナンスをしっかりと行うようにしてください。

 このように、瓦屋根については、他の屋根材とは違った雨漏りの原因が多々あります。これらの雨漏りの原因に加え、瓦の種類や形状も多いことから、瓦屋根の雨漏りについては、しっかりと知識・経験のある職人が対策を施さなければなりません、

モニュエル瓦の塗装とメンテナンス: 注意点と手順

 モニュエル瓦(乾式コンクリート瓦)は、1980年頃から1990年頃に広く使われていた屋根材ですが、現在は生産されておらず、新築で用いられることはありません。モニュエル瓦が生産されなくなった原因は、その重さにあります。モニュエル瓦の重量は、金属屋根と比較して約6倍も重く、耐震性が低いため、徐々に使用されるケースが少なくなり、生産中止に至っています。そのため、破損した場合に替えが効かないという問題点があり、塗装によるメンテナンスしかできないのが現状です。

 そこで今回は、モニュエル瓦を使用している方のメンテンナンスとして重要な塗装の注意点についてご紹介します。

下地処理

 モニュエル瓦の特徴として、他の屋根材よりもチョーキングしたときの粉が多く、水を吸収しやすいという問題点があります。そのため、早めに発見しなければ、モニュエル瓦の劣化が早まることになります。

 モニュエル瓦の塗装を行う前には、このチョーキングした古い塗装を取り除かなければなりません。この作業は、高圧洗浄で行いますが、他の屋根材よりも粉が多く、そのまま高圧洗浄を行った場合、チョーキングした粉が飛散するため、必ず周囲をビニール等で取り囲み、チョーキングした粉が飛散しないように注意しなければなりません。

 モニュエル瓦の場合、チョーキングの粉が非常に多いため、この高圧洗浄を丁寧に行わなければ、後の塗装をどれだけ丁寧に実施したとしても、塗装の品質は低くなってしまいます。チョーキングの粉を落としきらずに塗装を行うと、モニュエル瓦そのものに塗料が付着せず、チョーキングの粉に塗料が付着するため、すぐに塗料が剥がれ落ちることとなり、耐久性が損なわれてしまいます。そのため、高圧洗浄を丁寧に実施し、チョーキングの粉をしっかりと落とすというのが、モニュエル瓦を塗装する上での注意事項の1つ目となります。

スラリー層の凝固

 モニュエル瓦の特徴として、モニュエル瓦の表面にスリラー層という塗膜があります。塗装のチョーキングが発生した場合は、このスリラー層もチョーキングを起こすため、他の屋根材よりもチョーキングの粉が多く発生してしまいます。

 下地処理でチョーキングの粉を取り除く際にどれだけ丁寧に高圧洗浄を行ったとしても、古いスリラー層がすべて取り除かれるわけではありません。できるだけスリラー層も高圧洗浄で取り除くのが理想ではありますが、どうしても残る部分が存在します。しかし、この状態で塗装を行っても、先述したとおり、チョーキングの粉に塗装が付着するため、すぐに塗料が剥がれます。そこで、スラリー層を凝固させるための専用の塗料を使用して、チョーキングしたスリラー層を固めます。この下塗りは、最低でも2回は実施しなければ、スリラー層をしっかりと固めることができません。

 通常の下塗り塗料を使用した場合、チョーキングしたスラリー層を凝固させることができませんので、必ずスラリー層を凝固させる専用の塗料を用いるという点が、モニュエル瓦を塗装する上での注意事項の2点目となります。

参考:シーラーとは、接着剤に近いです。【そしてものすごく大切な役割があります!】

上塗り

 モニュエル瓦の上塗りについても、スラリー層にしっかりと密着することができるよう、シーラーを入れずに、直接モニュエル瓦に塗装する方法を取る必要があります。この上塗りについても、1回だけでは耐久性が乏しくなるため、必ず2回以上塗装を行わなければなりません。可能であれば、高耐久塗料を使用するほうが、耐久性が向上するため、無機塗料などの塗料を使用することをおすすめします。

 さらに耐久性を向上させる方法として、上塗りが終わったあとで、クリアのコーティング剤を使ってさらに塗装を行うという方法もあります。いずれにしても、塗膜の層をしっかりと作ることが重要となります。

モニュエル瓦の葺き替え

 モニュエル瓦は、すでに生産が終了しており、新しいモニュエル瓦を入手するのが非常に困難になっています。そのため、現在使用しているモニュエル瓦をいかに長く使用するかが重要となります。

 完全に割れてしまっているモニュエル瓦を修理することは難しいですが、コンクリート部分が見えているようなモニュエル瓦は、雑に扱うと塗装中に割れてしまうことがあります。そのため、それらの瓦は注意して取り扱わなければなりません。

 どうしても継続して使用できない場合は、問屋に問い合わせ、在庫があれば葺き変えることもできますが、在庫がなくあたらしいモニュエル瓦を確保できない場合は、別の屋根材に葺き替えることも検討しなければなりません。

 モニュエル瓦は他の屋根材と違い、注意すべき点が多々あります。これらの注意点をしっかりと理解した上で塗装を行わなければ、高い品質の塗装を行うことはできません。ヨコイ塗装では、モニュエル瓦の塗装について、専門の知識を有した職人が、品質を重視して塗装工事を実施します。モニュエル瓦の塗装でお悩みの方は、是非、ヨコイ塗装にご相談ください。

屋根修理におすすめ!スカイメタルルーフ

 スカイメタルルーフという耐久性に優れ、それでいて経済的にも優しいという理想的な屋根材が、最近注目を浴びています。一部の商品説明では、30年間メンテナンスフリーとも言われており、期待が高まる屋根材ですが、本当のところは、そこまで優れた屋根材なのでしょうか?

 そこで、今回はスカイメタルルーフの特徴と、その評判についてご紹介したいと思います。

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工事の見極めはこちら!

1.スカイメタルルーフの特徴

 まず、スカイメタルルーフの特徴を、屋根材に求められる「耐久性」「重量」「快適性」の3つの視点でご紹介します。

①耐久性

 スカイメタルルーフは、ジンカリウム鋼板というサビに強い鋼板を基盤として、その上に天然素材であるストーンチップの層をつくった屋根材で、非常に耐久性が高いという特徴があります。

 まず、基盤として使用しているジンカリウム鋼板ですが、この鋼板はガルバリウム鋼いたと同じ鋼板の皮膜を持ち、従来の亜鉛メッキ層の3倍の耐久性を有しています。また、切断面を再度メッキ加工したことによって、自己防蝕性能が向上した鋼板となっています。

 基材鋼板、ジンカリウムメッキ層の上には、プライマー層、ベースコート層、ストーンチップ層、トップコートと、複数の層に分かれて構成されており、この点からも強度の高さを作り出しています。

屋根は素材が痛みやすいから、極力良いものを!!

②重量

スカイメタルルーフは強度が高いだけでなく、軽量であるという点もメリットとなります。重量は、従来のスレート屋根と比較すると、およそ1/3程度、瓦屋根と比較すると1/9程度まで軽くなっています。屋根の重量は、建物の柱や外壁といった建物の上部を支える部材への負担に直結します。軽ければ軽いほど、柱や外壁の負担が軽くなり、それらの耐久性が向上しますので、結果として家全体の耐久性が向上することになります。また、屋根の重量は、自身が発生した場合にも大きく影響します。屋根材が重い場合、家の重心が高くなることで、地震などによって揺れやすくなり、倒壊の危険性が増すことになりますが、逆に屋根が軽ければ軽いほど、建物の重心は低くなり、地震などによって揺れにくくなります。そのため、建物全体の耐久性や耐震性を考えると、屋根材は軽ければ軽いほど良いということになります。スカイメタルルーフは、この重量について、非常に優れた屋根材であると言えます。

③快適性

 通常、屋根材に鋼板を使用していた場合、太陽からの熱をそのまま吸収してしまうため、遮熱性が低いと言われています。しかし、スカイメタルルーフの表面はストーンチップが層になっているため、太陽からの熱はストーンチップの層で弾かれることとなり、建物内部まで伝わりにくくなっています。その効果は瓦屋根と同等と言われており、鋼板を素材とした他の屋根材よりも快適さに期待できます。

 また、雨音に関しても、通常の鋼板を素材とした屋根材であれば、パタパタと特徴的な雨音が響いてしまいますが、スカイメタルルーフの場合は、ストーンチップが雨音を抑える役目を担っており、強い雨でも他の鋼板屋根よりも雨音が気になりにくいという特徴もあります。

2.スカイメタルルーフのメンテナンス

「スカイメタルルーフは、20年間~30年間、メンテナンスフリーのため、経済的に優れています。」という宣伝文句を見かけますが、それは本当でしょうか。

スカイメタルルーフは、ジンカリウム鋼板の層の上に、ストーンチップの層を作っています。このストーンチップのそうに使用している釉薬によって、強度の高いコーティング層がうまれており、この層が屋根の美しさや耐水性を担っており、簡単には劣化しないためメンテナンスは必要ないというのがその理由となっています。

スカイメタルルーフの施工

つまり、この釉薬でできたコーティング層が劣化した場合、もしくは破損した場合には、メンテナンスを行わなければならないということになります。あくまで、ここでいうメンテナンスフリーというのは、環境による劣化や、台風などによる破損がなかった場合に、塗装工事などのメンテナンスが必要ないというだけで、定期的に劣化や破損がないか点検をしなければならないのは、他の屋根材と同様になります。

スカイメタルルーフは、非常にメリットの高い屋根材となっています。また、そのデザイン性も、ストーンチップの層によって、様々なデザインが販売されており、今後の展開が期待されている屋根材となっています。

とはいえ、全くデメリットが無いわけではありません。スカイメタルルーフには、現在のところ、断熱材入りの商品が発売されていませんので、断熱材入りのガルバリウム鋼板製の屋根材に比べると、断熱性に欠けていたり、部材が比較的高額であるといったデメリットが存在します。

これらのメリットとデメリットをきちんと理解することで、屋根材の選択肢を増やすことが可能となります。ヨコイ塗装では、お客様としっかり話し合いながら、最適な屋根材のご提案を行っております。扶桑町周辺で屋根のメンテナンスをお考えの方は、ヨコイ塗装までご相談ください。

参考:とたん屋根のメンテナンスと塗装工事

スカイメタルルーフを施工できる、新聞取材歴のある腕利き瓦職人ご紹介します。

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防水工事について

雨漏れを人間に例えるならば

外壁塗装でついでによく頼まれる仕事に、雨漏りがあります。普段起きたら困り、自分自身で直せない1番嫌なことでは無いでしょうか?しかしながらけっこうほったらかしで、塗装のついでに直される方も多いです。でもこれははっきりと強くおすすめしたのは、雨漏りは、発生したらすぐに対応されることをお勧めします。

雨漏りは、人間で言う皮膚のあかぎれや霜焼けのみたいなものです。人間でも傷口から水が入ると痛いのと同様に、水が入り込むと建物をかなり痛めてしまいます。場合によっては、木材が腐って躯体に悪影響を及ぼしかねません。

今回お客様から、少し雨が漏ると言うことでこちらの屋根にあがっています。今回の現場はシート防水が施工されているのですが、天板の部分に、少し違和感があったのでお話をします。屋根部分と立ち上がり部分にはシート防水、そして外壁のボンタイルの上部にはステンレスの板が貼ってあります。しかしながら天板部分の両者の境目が少し隙間があります。天板部分につなぎ目があり、さらにそこに雨水が入り込む隙間があります。そこから雨水が侵入して雨漏りの原因になってしまいます。こちらの方はなるべく費用がかけられないので、なるべく早く天気の良い日にシリコンで埋めて対応していきたいと思います。横井塗装でも雨漏りについて依頼されることがあります。せっかくのお住まいですので、雨漏りもある程度の知識のある職人さんを選んだ方が良いと思います。

防水は、経験と知識を備えた職人さんに

塗装をするにあたって職人さんに持っておいてもらいたい知識としまして防水に関する知識があります。そして現場に立った経験の数から正しい判断がから判断できるものもあります。いくらハウスメーカーさんといえども施行する人が新人さんだったり中途採用の社員であると、正しい判断が出来かねません。その時のタイミングでしっかりと施工をするのがとても大切です。たびたび足場を作って屋根に上がる機会はそう滅多にございません。まずはしっかりとした経験と知識を備えた職人さんに施工しまうのが安心かと思います。

建物にとって、水分は天敵といえる存在で、建物内部に水分の侵入を許してしまうと、建物内部の木造部分の腐食や鉄製部品のサビなど、様々な症状を誘発することにつながり、建物の寿命を短くしてしまうことにつながります。

 そこで、建物内部に水分が侵入しないよう、外壁塗装やコーキングなどの施工を行うわけですが、今回は、その防水という点について、もう少し詳しくご紹介したいと思います。

1.防水方法の種類

 建物を水分から保護する防水工事には、大きく分けて2種類あります。

①メンブレン防水

 水分を侵入させない膜を貼ることによる防水工事です。防水シートを貼って防水する方法や外壁に塗装を行うことによって水分が侵入できない塗膜を形成して防水する方法、それらを複合して防水する方法などがメンブレン防水に当たります。

 1)防水シートの特徴

  屋根や外壁の表面や内部に防水シートを貼ることによる防水が最も多い使用方法となるかと思います。シートそのものは職人の力量などに左右されず、常に均一な品質となっていますので、安定した防水性能を得ることができますが、一方で、サイズに制限があるため、シート同士のつなぎ目など、防水性が低い部分ができてしまいます。

 2)塗装の特徴

  屋根や外壁の表面に塗装を施すことによって防水性の高い塗膜を形成する方法で、外壁の全面を塗装するため、防水シートのような継ぎ目が生じることがなく、全体的に防水性をもたせることができます。しかし、職人の腕によって塗膜の厚さが均一にならないことがある点や、施工ミスによる耐久性の大幅な低下が生じる可能性がある点など、工事を行う職人の技量や、業者の采配によって品質が大きく異なる防水方法となります。

防水塗料:ビッグサンコート

 3)複合した防水工事の特徴

  防水シートと塗装を複合して防水性を高める工事方法で、防水シートと塗装による防水のそれぞれの短所を補い合う工事方法となります。しかし、それらの短所となる部分が完全になくなるわけではありませんので、防水シートの短所、塗装の短所、それぞれを有しているとも言えます。

②シーリング防水

サイディングボードの目地やサッシと外壁の隙間などを塞ぐことによって水分の侵入を防止する防水工事のことを指します。この工事は、建物の隙間にコーキング剤を充填することで、水分が侵入できないゴムのようなコーキングを形成し、その隙間から水分が侵入するのを防止する方法で、目地の他に、外壁のクラックの補修などにも使用されます。

2.アスファルト系防水層の作り方

 アスファルト系防水層とは、道路工事等にも使用されるアスファルトの材料を使用した防水層の形成方法で、メンブレン防水のうち、複合した防水工事に該当します。防水シートや塗装に比べ、取扱が難しいアスファルト系防水層の形成方法をご紹介します。

①熱工法

 塗膜となるアスファルトを溶かし、防水シートとなるアスファルトルーフィングを貼り付ける工法のことを言います。アスファルトは、硬化が早く、アスファルトルーフィングを貼り付けた直後から硬化していくため、短時間で防水層を形成することができます。

 しかし、溶かしたアスファルトから異臭が発生するため、近所の方のご理解がなければ、使用するのは難しい工法となります。

②トーチ工法

 アスファルトルーフィングを熱する事によって溶かし、その溶けた部分を使用してアスファルトルーフィングを張り合わせる工法のことを言います。アスファルトルーフィングを炙るだけなので、非常に簡単な工事になりますが、一方で、アスファルトルーフィングの溶かし方が足りずに、張り合わせが甘いケースや、溶かし過ぎで想定どおりの防水性能を保つことができないケースといった不具合も生じることがあります。

③常温工法

 アスファルトルーフィングに熱を加えずに、ローラーで圧着させる工法のことを言います。また、液状のゴムアスファルトで接着させる方法も、こちらに分類されます。

 熱を加えないため、安全に作業を行えることができる一方で、圧着することができる改良アスファルトルーフィングの粘着性が高く、空気を巻き込みやすい(完全に密着できないことがある)ことや、冬場の低気温時にしっかり密着しないことがあるといった品質面でのデメリットも存在します。

今回は、防水工事の紹介、特にアスファルト系防水層についてご紹介しました。防水シートを使用する方法、塗装を使用する方法、そして、今回詳しく説明したアスファルト系防水層を使用する方法と、3つの防水工事がありますが、どれを選択するかは、その建物の環境や、現状に大きく左右されます。どれだけコストを投下して防水工事を行ったとしても、その防水工事が適していなければ、すぐに建物内部に水分の侵入を許してしまうことになります。そのため、防水工事を行う場合は、専門家である業者に確認してもらうことをお勧めします。

ベランダのひび割れは早めに対応しましょう

ベランダは構造上、雨や風が直撃します。したがって、雨水がもろに染み込んでしまいます。その結果、建物本体が傷んできてしまい、雨漏れの原因になりやすいです。なるべく早めの対応をオススメいたします。

防水時の高圧洗浄

防水工事もまずは、しっかりと汚れを落とします。

塗膜防水

ヨコイ塗装では、熟練の職人が、建物の環境や、現在の状態から、最適な防水工事の方法をご提案させていただきます。扶桑町周辺で防水工事をお考えのかたは、ヨコイ塗装までご相談ください。

シーリング材の種類と使用用途2

 サイディングボードやALCを外壁材とした際に、ボードとボードをつなぎ合わせて、そのつなぎ目(目地)から水が侵入するのを防止する役割を持つシーリングですが、シーリングには、様々な種類があり、使用用途に応じて使い分ける必要があります。今回は、シーリングの種類と使用用途についてご紹介します。

 シーリング材は、大きく分類した場合、1成分形のシーリングと2成分形のシーリングに分けることができます。1成分形のシーリングは、空気中の湿気や酸素などに反応して、シーリング材の表面から硬化するもので、2成分形はシーリング材の主成分に硬化剤を混ぜ合わせることによって硬化する(混合反応硬化形)という違いがあります。2成分形の場合は、主剤と硬化剤を混ぜ合わせる必要があることから、その配合や攪拌によって硬化にムラが生じたり、硬化不足などが発生する可能性があることから、1成分形の方が使い勝手がいいといえますが、配合や攪拌がきちんと行われた2成分形のシーリングであれば、1成分形のシーリングよりも耐久性が高いと言われています。

よく似た性質のコーキングとシリコンの違いについてはこちら

 湿気硬化形のシーリングは、空気中の水分に反応して硬化するタイプのシーリング材です。湿気硬化形シール材の種類の種類が 下記のようなものがあります。

 (1)シリコーン系(2)変性シリコーン系(3)ポリサルファイド系 (4)ポリウレタン系

 

 

 

 

jis a 5758 より引用

酸素硬化形のシーリングは、空気中の酸素に反応して硬化するタイプのシーリング材です。酸素硬化形のシーリングは、現在は変性ポリサルファイド系のシーリングのみとなっています。

 乾燥硬化形のシーリングは、シーリング内部の水分(溶液)が蒸発することによって、シーリング内部が乾燥することで硬化するタイプのシーリング材です。乾燥硬化形のシーリングは、エマルジョンタイプのアクリル系シーリングと、溶剤タイプのブチルゴム系シーリングが存在します。

 エマルジョンタイプのアクリル系シーリングは、硬化後は不溶となりますが、溶剤タイプのブチルゴム系シーリングは、硬化後であっても溶剤には溶解するという違いがあります。

 非硬化形に分類される油性コーキング材は、空気中の酸素と反応してコーキング材の表面に被膜を形成しますが、その内部は硬化しないというシーリング材になります。非硬化形のシーリングは、プライマーを使用しなくても様々なものに粘着するという特徴があります。

2成分形変成シリコーンは、主剤と硬化剤が反応して硬化する「混合反応硬化」のシーリングのみとなっています。混合反応硬化型のシーリングは、主剤によって以下の種類があります。

シリコーン系シーリングは、ホームセンターでも安価で入手することができるため、コストパフォーマンスに優れたシーリング材です。しかし、充填したシーリングからシリコンオイルが出続けてしまうため、その上に塗装ができないという特徴があります。そのため、外壁部分に使用することはほとんどありません。誤って外壁に使用した場合、すべて除去する必要がありますので、余計な手間とコストがかかってしまうため、ご自身でシーリングを充填する場合には注意が必要です。

参考:シリコンコーキングの耐熱温度はどれぐらいでしょうか?

ポリイソプチレン系シーリングは、シリコーン系シーリングに代わる次世代のシーリング材として期待されているシーリング材です。シリコーン系シーリングで問題となるのは、出続けるシリコンオイルです。シリコンオイルが空気中の埃などを吸着すると、その周りが黒く汚れてしまい、美観を損なうことになってしまいますが、ポリイソプチレン系シーリングでは、シリコンオイルが出ませんので美観を損なうことがありません。そのうえで、シリコーン系シーリングと同等の耐久性を有するシーリング材であると言われています。

変性シリコーン系シーリングは、シリコーン系シーリングと違い、充填後に多少のべた付きはあるもののシリコンオイルが出続けるということはありません。そのため、シーリングの上から塗装を行うことができます。しかし、耐候性はシリコーン系シーリングより少し劣りますので、シリコーン系シーリングが使用できる部位には、シリコーン系シーリングを使用したほうが耐久性は高くなります。

ポリサルファイド系シーリングは、表面にゴミなどが付着しにくく、耐久性が高いシーリング材です。しかし、ポリサルファイド系シーリングの上から塗装を行った場合は、塗料の変色や軟化が生じるため、汚染防止処理を行わなければなりません。また、柔軟性はあまり高くありませんので、大きく動くものに対しては使用することができません。そのため、使用用途は、サッシ周りやカーテンウォール、石目地などになります。

アクリル系シーリングは、1液型シーリングの「乾燥硬化形」に分類されるシーリング材で、シーリングの中の溶剤が蒸発することで硬化します。そのため、湿った場所であっても使用することができます。しかし、耐久性が低く、使用する機会はそれほど多くありません。アクリル系シーリングの使用用途は、モルタル外壁のクラック補修やタイルの目地、ALCの目地などに使用できますが、ほかに適したシーリングがある場合は、そちらを使用するほうが耐久性は高くなります。

 ポリウレタン系シーリングは、ゴムの弾力性を有しており、追従性が高いため、クラックの補修や目地の補修に使用されることが多いシーリング材です。耐久性も高いのですが、紫外線には弱いため、充填したままにしておくと、劣化が早まってしまいます。また、アルコールによって硬化不良を起こすため、アルコールを使用したものと同時に使用することはできません。

参考:ウレタン塗装について

圧倒的耐久性を誇るオートンイクシード

 窯業系サイディングボードには、1成分形の変性シリコーン系シーリングか、1成分形のポリウレタン系シーリングがよく使用されています。最近では、2成分形の変性シリコーンシーリングも比較的よく使用されています。(少し前まではウレタンシール材がメインになっていました。)

 ALC板には、変性シリコーン系シーリング、アクリルウレタン系シーリングを使用します。表面を塗装で仕上げる場合には、ポリウレタン系シーリング(ノンブリードタイプ)を使用します。

ALCはプライマーをたっぷり塗らないと吸い込んでしまいます。
  • 塗装アルミニウムパネルには、2成分形のシリコーン形シーリングかポリイソプチレン系シーリング、変性シリコーン形シーリング、または1成分形のシリコーン形シーリングを使用します。
  • 塗装鋼板・ほうろう鋼板パネルには、ポリイソプチレン系シーリングか変性シリコーン形シーリング、2成分形のポリサルファイド形シーリングを使用します。
  • 押し出し成型セメント板には、変性シリコーン形シーリングか2成分形のポリサルファイド系シーリングを使用します。
  • ガラス・マリオン方式のカーテンウォールには、1成分形のシリコーン系シーリングか、2成分形のポリイソプチレン系シーリングを使用します。
  • 方立・無目ジョイントは、1成分形のシーリングだと追随性が劣るため、2成分形を使用します。
  • 金属パネル方式のカーテンウォールには、シリコーン系シーリングを使用します。また、汚染防止の観点から、2成分形のポリイソプチレン系シーリングも使用することがあります。
  • PCaパネル方式のカーテンウォールには、シリコーン形シーリングを使用します。

2成分型シーリング剤

シーリングの種類

 シーリングには、大きく分けて1成分型と2成分型という分類の方法があります。その中に、それぞれ材質によって、「アクリル系」「ウレタン系」「ポリウレタン系」「シリコン系」「変性シリコン系」「油性コーキング系」「ポリサルファイド系」といった様々な種類があります。

  • 1成分型とは、シーリングの成分だけで自然と硬化するタイプのことを指し、
  • 2成分型とは、シーリングの成分だけでは硬化せずに、硬化剤などを混ぜることによって硬化させるタイプのシーリングを指します。

1成分型と2成分型の違い

 1成分型のシーリングは、シーリングのみを使用すればいいため、手軽にシーリングを扱うことができるという特徴があります。そのため、1成分型は、主にご自身でシーリングのメンテナンスを行う一般の方向けの商品としてホームセンター等で取り扱われていることが多い商品となります。1成分型のほとんどの商品は、空気中の水分と化学反応を起こして硬化するため、天候による影響を非常に受けやすい商品であるとも言えます。そのため、晴れた日に行う場合と、湿度の高い日に行う場合とでは、硬化するまでの時間に大きな差が生じ、結果として、仕上がりにムラができる結果となります。

また、1成分型シーリングは、乾燥時にシーリングが痩せるという特徴も有しています。そのため、2成分型シーリングと同量を充填した場合は、乾燥後は1成分型シーリングのほうが分量が少なくなっているといえるのです。

コーキング材

 一方、2成分型のシーリングは、シーリングと硬化剤の混合作業が必要となります。混合作業には、専用の攪拌機を使用するため、一般の方が使用するにはハードルの高い商品となりますが、硬化する条件が空気中の水分ではなく硬化剤となっていますので、安定して硬化させることができるシーリングとなっています。そのため、2成分型のシーリングは、主に業者が使用するシーリングとして商品化されています。

2成分型シーリングの施工方法

 2成分型シーリングの施工は、基本的には1成分型のシーリングの施工方法と大きく変わりません。初めに、シーリングを充填する部分の清掃をしっかり行い、古いシーリングをすべて取り除きます(打ち替えの場合)。掃除の終わった充填部分に対して、バックアップ材を装填します。バックアップ材が装填できない場合は、目地の底にボンドブレーカーを貼付します。その後、シーリングがしっかり密着するよう、プライマーをムラが無いように塗り、乾燥するまで待ちます。

 その間に、シーリングと硬化剤の混合作業を行うことになります。シーリングに硬化剤を混ぜることで徐々に硬化が始まってしまうため、実際に使用する直前にシーリングと硬化剤の混合作業を行うことになります。しっかりと混合作業を行った後、プライマーが乾いていたら、シーリングの充填を実施します。こうすることで、シーリングがしっかりと外壁材に密着し、耐久性の高いシーリングのメンテナンスを行うことができます。

1成分型シーリングを使用する外壁材に注意

 1成分型シーリングを使用するすべての外壁に使えるというわけではありません。サイディングでは、1成分では非常に高くなっています。しかしRC構造では2成分型の方が良い場合があります。2成分型シーリングを扱うためには、専用の攪拌機を使用して混合作業が必要になったり、細かい作業で必要となる特殊な「ガン機」を用意しなければなりません。

これらの初期投資には、数十万円という金額が必要になるほか、これらを取り扱うことができる職人さんの存在が必要不可欠となります。

カルマぜ

 一方、1成分型シーリングであれば、ホームセンターなどで150円程度出せば、専用の「ガン機」を購入することができますし、混合作業が必要ありませんので専用の攪拌機も必要ありません。さらに、誰でも簡単に使用できますので、熟練の腕を持つ職人さんも必要ありませんので、低コストで工事を行うことができるのです。しかし、前述した通り、1成分型シーリングを使用した場合は、天候によって品質が大きく左右されるほか、タイミングによって大きくムラが生じることになります。色んな条件を考慮して、コーキングを使い分けることが大切です。

シーリング材専用容器回転式撹拌機「カルマゼ」は、その名前の通り、2成分型のシーリングをかき混ぜるための機材です。

シーリングの種類の違いについて

 今回導入した、シーリング材専用容器回転式撹拌機「カルマゼ」も、この2成分型のシーリングの撹拌に使用する専用の機材の1つですね。また、拡販用の機材の他に、撹拌後のシーリングを吸い込み、打ち込みを行うための「ガン機」と呼ばれる機材も必要になります。このような専用の機材を購入しなければなりませんので、2成分型のシーリングを使用するには、1成分型のシーリングを使用するよりも初期投資がかかります。

しかし、初期投資を行ってしまえば、シーリングの量当たりの単価は2成分型のシーリングのほうが安く抑えることができます(価格差はおよそ1/2程度)。また、2成分型のシーリングのほうが痩せにくいという特徴がありますので、品質を高めるには2成分型のシーリングのほうが優れています。

一般的な塗装業者のシーリング

 実は、多くの塗装業者は1成分型のシーリングを使用しています。2成分型のシーリングを使用しない理由としては、撹拌という作業が追加されますので、その作業を行いたくないという業者が多いという点と、撹拌の失敗により、品質が大きく低下するリスクがあるという点、そもそも初期コストをかけたくないという3つの理由が考えられます。2成分型のシーリングは、撹拌が不足していると、シーリング材がうまく硬化しません。そのため、せっかくシーリングを打ち直したにも関わらず、すべて取り除いて、新しいシーリングを打ち直さなければならないというリスクが生じます。

 一方、1成分型のシーリングであれば、多少単価は高くても、撹拌不足によって硬化しないというリスクはありませんので、安全に使用することができます。そのため、2成分型のシーリングを取り扱わない塗装業者が増えてきています。

しかし、先述した通り1成分型のシーリングは、コストが高いわりに痩せやすいというデメリットが存在します。そもそもシーリングは、外壁材同士をつなぎ合わせるために使用するもので、その間から水分が入ってしまうと外壁材そのものの劣化が早くなってしまいます。痩せやすいということは、それだけヒビが入りやすく、外壁材の中に水分が入る可能性を高めることにつながります。つまり、品質面ではあまりよろしくありません。

通常の2成分型シーリングの撹拌機は、

容器を固定して、容器の中に撹拌するためのプロペラ等を入れて撹拌するのに対し、「カルマゼ」は、容器そのものを回転させることで撹拌を行います。たまに街で見かけるコンクリートのミキサー車のイメージですね。容器を回転させて撹拌しますので、撹拌の効率が良く、撹拌不足によって硬化しづらいというデメリットを未然に防止することができます

シーリング 撹拌中

 また、タイマー予約の機能もついていますので、シーリングを打ち直す直前に撹拌を仕上げるように予約することもできます。2成分型シーリングは撹拌後から徐々に硬化が始まっていきますので、作業直前に撹拌が終了するのが望ましいのですが、これまでは撹拌時間を考えながら他の作業をスケジューリングする必要がありました。しかし、予約機能によって、他の作業に集中しながらも、シーリングを使用する直前に撹拌が終了しているという作業効率もアップする画期的な機材を導入しました。


 



コーキングの歴史:外壁材としての普及と進化

 現在、外壁材と言えばサイディングと言われるほど、サイディングボードが普及しています。このサイディングボードを選択した場合、切り離せないのが「コーキング」です。コーキングを行えなければ、サイディングボードが外壁材として使われることはなかったといっても過言ではありません。しかし、このコーキングも、実はそれほど長い歴史を持つものではありません。そこで、今回はコーキングの歴史についてご説明します。

1.コーキング材の歴史

①コーキング材の輸入開始時期

 日本に初めてコーキング材が輸入されたのは、今からおよそ70年前、1951年にさかのぼります。1951年に初めて油性コーキング材の輸入が開始され、その3年後の1954年に東横会館(現在の東急東横店)、神奈川県立図書館の音楽堂に、輸入された油性コーキング材が使用されています。この時点では、日本でのコーキングの製造は行われておらず、コーキング材は、すべて輸入品を使用していました。

②日本でのコーキング材の製造開始

 日本で初めてコーキング材が生産されたのは、1955年に入ってからになります。この年に、昭和化工の「エバーシール」、日本添加剤工業の「フアインコーク」が生産開始されます。その2年後、1957年には南極昭和基地に、さらにその翌年、1958年には東京タワーの展望台の屋根に、昭和化工のエバーシールが使用されています。

 しかし、この当時のコーキング材は、耐久性がそこまで高くはありませんでしたので、南極昭和基地に使用されたコーキング材は、ブリザードで頻繁に削られ、毎年のようにシリコン等での補修が必要となっていました。

 また、この時期(1958年)にポリサルファイルド系のコーキング材の輸入が開始されています。

③1成分型シリコンコーキングの登場

 1961年に入って、日本でもポリサルファイルド系のコーキング材、住友3Mのウエザーバンが販売され、日本板硝子大阪本社ビルのガラスカーテンウォールに使用されました。また、1964年には、ホテルニューオータニの富士山ドームに、1968年には、三井霞が関ビルのサッシにもポリサルファイド系のコーキング材が使用されています。

 さらに、1964年に入ると、1成分型のシリコンコーキングが登場します。これは、三井霞が関ビルのガラス周りに使用されています。

④コーキングの台頭

 1972年に入ると、コーキングが使用される頻度が増加し、日本建築学会JASS8防水工事に「シーリング工事」が制定された他、日本シーリング材工業会で「シーリング管理士」制度が開始されます。

 また、1977年には、建築省建築工事標準仕様書の雑工事の欄に、コーキングに関する記載が盛り込まれ、1978年には、日本建築学会から「鉄筋コンクリート造のひび割れ対策(設計・施工)指針にコーキングに関する記載が盛り込まれることになりました。このようにして、日本国内においてコーキングの取り扱いについての記載事項が増加していくことになります。

⑤変性シリコンの登場

撹拌機を持っている業者は少ないです

 現在、最もシェアの多い変性シリコン系コーキング材は、1978年に開始されています。この変性シリコン系コーキングは、1980年に富国生命本社ビルや第一勧銀本社ビルに使用され、その高い性能を世に知らしめることになりました。

 しかし、変性シリコン系コーキングは、登場時から常にシェアが高かったわけではありません。最初は、ポリウレタン系コーキングやシリコン系コーキングの方が、高いシェアを有していました。

 現在、主に使用されている変性シリコン系コーキングだけでなく、ポリウレタン系コーキングやアクリル系コーキングについても、1980年までに生産が開始されています。ウレタン系コーキングのみが、少し遅れて1985年頃の登場となっています

⑥シェアの変化

 コーキング材そのものの製造量は、1985年~1995年という10年間に大きく増加しています。1985年の製造量はおよそ3万キロリットルでしたが、1995年には、その3倍となるおよそ9万キロリットルが製造されています。

 また、コーキング材の社シェアもその10年で大きく変化しており、1985年に最も使用されていたポリウレタン系コーキングは、1987年頃から伸び悩んでいます。シェア第2位だったシリコン系コーキングは、1992年ごろに一時期、シェア1位になりますが、すぐに変性シリコン系コーキングに抜かれ、再び第2に転落しています。

 現在までシェア1位を誇っている変性シリコン系コーキングは、1985年当時のシェアは、ポリウレタン系、シリコン系はもとより、アクリル系、ポリサルファイド系よりも低い第5位でした。しかし、1995年頃にシェア1位になってからは、常に1位を保持し続けています。

 今回は、コーキングの歴史についてご紹介しましたが、例えば変性シリコン系コーキングをとっても、生産が開始された1978年当時の品質と、現在の品質とを比べると、別物と言えるくらい品質は向上しています。また、その商品の種類も非常に増加しており、その商品ごとにそれぞれ特性が異なりますので、どのコーキングを使用するかによって、その工事の品質が大きく異なるようになってきました。

10年の耐久性があるオート科学 サイデイングシーラント

 ヨコイ塗装では、最も適したコーキング材を使用してコーキングのメンテナンスを実施しています。扶桑町周辺でコーキングのメンテナンスをお考えのかたは、ヨコイ塗装にご相談ください。

高品質なコーキングの打ち直し

コーキングのメンテナンス方法

 コーキングのメンテナンス方法には打ち増し打ち替えという2種類の方法があります。

コーキングの打ち増しは、古いコーキングを取り除くことなく、痩せて目減りしたコーキングを追加で補填するメンテナンス方法となります。打ち増しの場合、古いコーキング材が残っていますので、新しいコーキング材をあまり多く使用することがなく、コストを安く抑えることができます。しかし、表面上は新しいコーキングになっていますが、内部は古いコーキングになっていますので、その部分はもちろん古いコーキングのままです。そのため、内部で劣化していたり、目地との密着が低い可能性があります。

一報、コーキングの打ち替えは、古いコーキング材を一旦すべて除去した上で、新しいコーキング材を補填します。古いコーキング材を残さない分、打ち増しに比べると新しいコーキング材を使用する量が増えるため、コストは増加してしまいますが、全て新しいコーキング材を使用していますので、高い耐久性能を有し、また目地との密着性も高くなっています。

コーキングの打ち替えに適した天気

 コーキングの打ち替えを行う際には、天気にも注意を払わなければなりません。コーキングを打ち替える場合、古いコーキングを全て除去しますので、その間は外壁と外壁の隙間に水の侵入を防止するものが無くなります。そのため、コーキングの打ち替えを行う際に、雨が降っていた場合、外壁や建物の内部に水が浸入しやすくなってしまいますので、あまり好ましい天気ではありません。

 また、雨は降っていなくても、湿気の高い日も同様に避けた方が無難です。湿気が高い日にコーキングを除去してしまうと、その高い湿度を有した空気が外壁や建物内部に親友することになります。その後、中の温度差などで結露を起こした場合などは、雨が降っていなかったとしても、外壁や建物内部に水分が侵入したのと同じように建物の腐食につながる湿気を取り込んでしまうこととなります。

 雨の日にコーキングの打ち替えを行うことは、建物内部に水が浸入する以外にも弊害があります。雨の日は、外壁そのものが濡れてしまいますので、目地にコーキングそのものが密着しなくなります。コーキングは、高い防水性能を有していますので、水をはじく特徴があります。そのため、外壁そのものが濡れている場合、コーキングをくっつけようとしても水をはじいてしまい、うまく密着させることができません。そもそも目地断面が水を吸い込みやすく、雨水を吸収することで、コーキング専用のプライマーも塗ることが出来ません・・・

 また、コーキングは、充填してすぐに密着するわけではなく、充填後、乾燥させなければなりません。雨の日や湿気の高い日にコーキングの打ち替えを行うと、乾燥までに長い時間がかかってしまいますそのため、コーキングの打ち替えを行うのに適した天気は、湿度の低い晴れた日となります。

コーキングの打ち替え後に雨が降った場合

 晴れた日にコーキングの打ち替え作業を行った後に、夕立等で急な雨が降ってしまう場合もありますが、コーキングの打ち替え作業が終わり、コーキングが乾燥する前に雨が降った場合はどうなるのでしょうか。

 基本的にコーキングは防水性能の有していますので、コーキングの打ち替え作業が終わった後に雨が降っても、コーキングをへこませるくらいの強い雨など、見かけたことはありません。もちろん、雨が降らないに越したことはありませんが、雨が降ったからと言って、コーキングの打ち替えをやり直さなければならないという心配はありません。

 ただし、水性のアクリルコーキングを使用する場合は注意しなければなりません。このコーキングは水性ですので、完全に硬化する前に雨に当たってしまうと、コーキングが溶けて流れてしまいます。そのため、水性のコーキングを使用する場合は、完全に硬化する前に雨が降ってしまうと、コーキングをやり直さなければなりません。(現在はコーキングにも沢山の種類が出ました。水性にそこまでこだわることもなく適材適所なものをご使用くださいね)塗装工事と同様に、コーキングの打ち替え工事についても、天気は非常に重要なものとなります。

実際のコーキング打ち替え動画

コーキングの打ち替えに関して

窯業系サイディング目地へのコーキング種類について

コーキング材にはいろいろな種類があって、使う場所や用途に応じて使い分けをしますので、まずは埋める場所の材質にあったコーキング材選びから始めます。

※よく似た性質のコーキングとシリコンの違いについてはこちら

参考:シーリング材の種類と使用用途2

  • アクリルシーリング・・・ALC
  • ポリウレタンシーリング・・・サッシ周り
  • 変性シリコン・・・サインでディング、タイル目地等
  • シリコンシーリング・・・ガラス留め
1成分系 塗装あり
  • 変成シリコーン系
  • ポリウレタン系
塗装なし
  • 変成シリコーン系
  • ポリウレタン系
2成分系 塗装あり
  • 変成シリコーン系
  • アクリルウレタン系
  • ポリウレタン系
塗装なし
  • 変成シリコーン系

  サイディングへのコーキング材にも、上記のようにいろいろな種類のものがあります。(シリコンは塗料をはじていしまいますので、決して使わないでくださいね!)

サイディングの継ぎ目,ALCの継ぎ目など,動くことが予想されます。そこで、「低モジュラス(反発力の低い)」のコーキング材を使用するのが普通です。 シーリング材に表示されている、NB(ノンブリード)とはどういう意味か?

ブリードとは、可塑剤などの配合成分が表面ににじみ出ることをいいます。ブリード物は、上に塗装した場合に、塗膜を溶かしたり、シワを発生させたり、べたつきで汚れを生じさせます。
ノンブリード(NB)はブリード物を析出させないタイプで、塗装を前提にした施工に適しています。
 

モジュラスとは?

シーリング剤には、高モジュラスや低モジュラスなどいろいろあります。
では、このモジュラス、どっちのモジュラスを選択したらいいのでしょうか?

モジュラスとは反発力のことです。低モジュラスはチューインガム・高モジュラスはグミと思えばいいです。
外壁のように動きのあるところは、グミのような固いものだと、すぐに切れてしまう恐れがありますよね。
従って、外壁の目地など動きがあるところは、低モジュラスの伸びるタイプを使用する必要があります。

トマト工業株式会社より

参考:シリコンコーキングの耐熱温度はどれぐらいでしょうか?

コーキングの適切な処理について】

既存コーキングの撤去

まずはカッターで、サイディングとコーキングのつなぎ目にカッターで切れ目を入れます。そしてコーキングをペンチなどで引っ張り出して取っていきます。2面接着になっている適切処理がしてあるサイディングですと、カッターでそぎ落としとをしてすんなりと取れます。

コツとしましてはしっかりとそぎ落としていくことが大切です。古いコーキングが残っていますと、そちらがまた剥がれの原因になってきます。したがってしっかりとそぎ落としていくことが職人の腕の見せどころになってきます。この部分をしっかりやってるくれるかどうか、これで業者の資質が判断できると思います。コーキングを撤去したあとはしっかりと作業を確認して、おろそかでしたら今後の作業態度にもつながりますので、厳しく指摘してあげてくださいね。

3面接着がみられた時は(大手ハウスメーカーさんでも・・・)

通常コーキングは両サイドの2面接着です。3面接着をしてはいけません。理由としましては、コーキングを取った後に出てくる目地底、(動画のシルバーの金属部分)こちらにコーキングを接着させてしまうと、コーキングの伸縮が背後の密着部分で邪魔されることにより、結果としてコーキングの表面にヒビ割れが起こってくることになります。その結果表面には見苦しいひび割れにつながってしまい、またコーキングの早期の断裂につながってしまいます。そういったひび割れが起こらないように、目地底にボンドブレイカーやバックアップ材を入れて、コーキングを2面接着にするのが基本です。

たまにこういった知識を知らないで3面接着がしてあるお住まいも、実際に現場ででくわすこともよくあります。こんな不備の現場でも、しっかりとコーキングを剥がして、

コーキング取り

再度ボンドブレーカーをきちんと測ってからコーキングを打ち直していかないといけません。(左のものが「コーキング取り」 これを持っているかどうかでも良い業者かどうかわかりますよ!)

現場でも、ハウスメーカーさんが間違っていて、手間が余計にかかったことがかなりあります。良い品質に繋がるのは、実際に作業する人を見極めることが大切です。見積もり時にはしっかりと確認してみてくださいね。

【サイディング目地が浅い時のコーキング(コーキングは厚みが大切です)】

コーキングは厚みが大切です。コーキングの厚みがないとどうしてもひび割れが起こりやすくなります。しかしながら実際の現場ではサインリング目地の厚みが充分になく建築されたお住まいもあります。

ヨコイ塗装では、そういった現場の場合、先端が丸いヘラを使うのではなくフラットなヘラを使っています。そうすることで目地にコーキングを押し込むことがないように、可能な限りコーキングの厚みが取れるようにしております。丸いヘラを使うとどうしても先端で申し込んだ分コーキングの厚みが減ってしまいます。その結果どうしてもコーキングのひび割れが出てきます。そうならないためにも、ヘラにもこだわり、なるべく先端が平たいヘラを使って、極力厚みをつけるようにしています。

【コーキングのひび割れを目立たなくする方法】

コーキングは通常塗膜に塗膜がかぶさって隠れてしまいます。

しかしながらコーキングと塗膜の柔らかさの違いから、数年後どうしてもヒビが入ってくることがあります。「ひび割れが目立ってみぐるしいなぁー・・・」そう思われる方もいらっしゃると思います。

外壁塗装工事時には、そんなコーキングのひび割れを目立たなくする方が方があります。

それがコーキング剤を外壁の色と同じ同じ色にするという方法です。なるべく数年後にひび割れが起こっても目立たないような配慮がしてあります。塗装の見積もり時には、どんなコーキングのプライマーが使用するのか、どんなコーキング剤を使っているか、またどんな色のコーキング剤を使ってもらえるか?そんなことまでこだわって質問すると良いと思います。

【コーキング打ち替えに使う道具】

ヨコイ塗装ではサインディング目地のコーキングのお使いに使う道具もこだわっています。まずはカッターです。カッターも左利き用と右利き用のカッターを使い分けて、断面に着いた古いコーキングをしっかりそぎ落とせるようにしております。次にトイの裏側のコーキングを取る専用カッターです。こちらを使うことで通常のカッターでは入り切らない狭い箇所のコーキングも、しっかりと取ることが出来ます。またサイディング目地にプライマーをやるときの専用の刷毛になります。こちらを使うことでしっかりたっぷりとプライマー(接着剤)をサイディング断面に塗ることが出来ます。

【業者が嫌がるトイ裏のコーキング】

今日は、業者さんがとっても嫌がる作業のひとつである、トイ裏のサイディング目地についてお話をしたいと思います。トイのサインリングの目地が、塗装屋さん泣かせのコーキングの交換が一番難しく、

手間がかかるところです。理由としましては、トイと外壁の間が狭く、カッターが、なかなか入らないたからです。この理由から、コーキングを取る作業自体がかなり難しいです。いろいろなカッターを買って工夫をしているのですが、1回作業にかなり時間がかかります業者さんによっては、雨樋を切ってずらすことによって、

サイディングの目地をコーキング打ち替え作業をしています。ヨコイ塗装もトイ金具を外し、トイをずらしたりして、極力コーキングの作業しやすいように打ち替えをしています。

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通常のカッターでは入りづらいコーナー部のシーリング撤去や

シートはがしに大活躍。独特の角度刃で、奥までシッカリ掻き出せます。
逆向き刃タイプも登場でさらに使い易くなりました!

●コーナーのシール撤去にも大活躍
●はがし残しの掻き出しや窓枠、サッシなどの入隅にも最適
●落下防止の安全コードもしっかり通せる、6φ穴付!

大塚刷毛より引用

打ち替え作業には、かなり時間がかかっています。業者さんによっては、雨樋を切ってずらすことによって、目地のコーキングを打ち替えしています。ヨコイ塗装もトイ金具をずらすことで極力コーキング打ち替えをしています。

こういったところは素人さんでは分かりにくく、塗装をしたら目立たないところです。塗装の品質は、細部までどこまでこだわりを持ってやってくれるかによってかなり変わってきます。外壁塗装工事み見積もり時には、ただ単に価格で比べるのではなく、どういった作業をしてもらえるかどうかネット等でいろいろ学習をして、たくさん質問をして良い職人さんに出会えるかどうかが肝です。

良い職人さんに出会うための質問 

品質の良いコーキングと品質の悪いコーキング

 品質の良いコーキングと品質の悪いコーキングの違いは、その耐久性にあります。通常、コーキングは環境にもよりますが、7年から10年の耐久性を有しています。しかし、品質の悪いコーキングですと、わずか1年で使い物にならなくなるケースもあります。

 コーキングが経年劣化すると、コーキングそのものが痩せてしまい、コーキングのヒビや剥がれにつながるのですが、腕の悪い、もしくは知識のない職人が工事を行うと、コーキングが痩せてもいないのに剥がれてしまったり、コーキングにひびが入ったりしてしまいます。そうなると、せっかくコーキングのメンテナンスを行ったのに、またすぐにメンテナンスを行わなければならず、無駄な出費となってしまいます。そうならないためにも、質の良い業者、職人に依頼する必要があります。

ボンドブレーカー
コーキング打ち直し工事

なぜコーキングの品質が変わるのか

 では、次にコーキングの品質が変わってしまう原因についてご説明します。

外壁材とコーキングの種類が合っていない

 コーキングのメンテナンスを行う業者にとっては当たり前の知識ですが、外壁材によって使用に適したコーキングは異なります。特に品質にこだわる業者は、外壁材だけでなく、その外壁の環境によっても使用するコーキングを変更し、最適なコーキングを選択します。しかし、品質にこだわらない業者は、コーキングも1種類ですべての部分をメンテナンスしようとしますので、外壁材や環境とコーキングがマッチしていないケースもあります。そうすると、コーキングがしっかりと外壁に密着せずに、1年程度でコーキングが剥がれてしまう原因となります。

品質の悪いコーキング材を使用する

 コーキング材そのものの品質も、コーキングの打ち直しの品質に大きく影響します。例えば、1成分型と2成分型のコーキング材がありますが、高い品質でコーキングの打ち直しを行うのであれば、2成分型のコーキング材を使用したほうが、良い品質で工事できるケースが多々あります。コスト的に考えると1成分型のコーキング材は2成分型のコーキングよりも高いのですが、攪拌する必要がないため、使い勝手が良く、工事を行うやすいという特徴があります。そのため、2成分型になれていない職人は、1成分型のコーキングを使用したほうが良い品質で工事を行うことができます。しかし、腕のいい職人が2成分型のコーキングを使用した場合、最適な攪拌や環境に合わせた配分を行うことで、1成分型のコーキングを使用するより、細かく調整することで最適なコーキングを行うことが可能となります。

高耐久コーキング材 オートンイクシード

打ち直し技術の問題

 なかなか見積もり等では判断することができませんが、職人の腕そのものによってコーキングの品質が大きく異なります。例えば、コーキングを打ち替え(古いコーキングを除去し、新しいコーキングを注入する工事)を行う際に、古いコーキングをしっかりと除去しなければ、古いコーキングの上に新しいコーキングが密着することとなり、古いコーキングが劣化し、剥離する際に新しいコーキングも一緒に剥がれてしまうことになります。しかし、職人によっては、古いコーキングの除去を適当にやってしまう方もいらっしゃいます。中には、打ち替えを行わなければならない状況であるにも関わらず、状況判断ミスで打ち増し(古いコーキングを除去せずに、新しいコーキングを上から注入する工事)を選択してしまうことで、耐久性の低い工事を行ってしまうこともあります。

コーキング 3面接着 低品質
現場で見られた不良施工

徹底したコーキングの削ぎ落としには人工が必要!

 

 コーキングを打ち替えする場合、古いコーキングを除去する必要があります。この古いコーキングの除去について、注意しなければならないのが、小さなかけらも残さずに、徹底してそぎ落とさなければならないという点です。

 コーキングは、もともとサイディングボードなどをつなぎ合わせ、かつ、その目地から水分が中に侵入しないようにしっかりと密着するように充てんします。そのため、劣化したコーキングであっても、外壁材にしっかりと貼りついています。しっかり密着したコーキングですが、徹底してそぎ落とさなければ、コーキングのメンテナンスとしては、品質が大きく低下してしまいます。

ALC外壁のコーキング削ぎ落とし

コーキングのそぎ落とし方

 劣化したコーキングを除去するためには、初めにコーキングが密着している外壁とコーキングの間にカッターで切れ目を入れ、ペンチなどで古いコーキングを引っ張ってはがします。これで大部分のコーキングをはがすことはできますが、サイディングボードには一緒に剥がれなかったコーキングが残っています。そのため、カッターやスクレーパーなどを使用して、残ったコーキングをしっかりと削り落とします。この際、サイディングボードに傷を付けないように注意しなければなりませんし、コーキングを残さないように注意しなければなりません。

 最後に、目地に残ったごみや削りカスなどをすべて掃除してコーキングのそぎ落としは終了となります。

 また、カッターを使用して古いコーキングを除去するほかに、スピンカッターと呼ばれる工具を使用してコーキングを除去する方法もあります。スピンカッターを使用する場合であっても、大きなコーキングを除去したのちに、残ったコーキングをカッターやスクレーパーで除去する必要があります。

古いコーキングが残ってしまったら

 古いコーキングが残ったまま、新しいコーキングを充てんしてしまった場合、本来、外壁材に密着しなければならないコーキングが古いコーキングに密着することになります。古いコーキングは、現時点では外壁材に密着していますが、すでに劣化がはじまっていますので、近いうちに外壁材からはがれてしまうことになりますが、新しいコーキングは古いコーキングに密着していますので、せっかく充てんした新しいコーキングも一緒に剥がれてしまうことになります。そうすると、その部分だけコーキングに隙間ができることになり、そこから外壁材の内部に水が侵入し、建物にダメージを与えることになってしまいます。また、古いコーキングが大量に残っている場合、コーキングが完全に剥離してしまうこともあり得ます。そうなると、すぐにでもコーキングの補修が必要となり、建物に大きな影響を及ぼすことになってしまいます。

 

コーキングカッター

DIYでコーキングのメンテナンスは可能か

 コーキング材はホームセンターでも入手することができますので、業者に依頼するよりもDIYでコーキングのメンテナンスを行おうという方もいらっしゃいますが、結論からいいますと、あまりお勧めはしません。

 DIYでコーキングの打ち替えを行う場合、コーキングのそぎ落とし漏れや、そぎ落としの際にサイディングボードに傷を付けてしまうなど、コーキングのメンテナンスを高い品質で行うことができない可能性が高くなります。特に、業者が使用する専用の工具をお持ちでない方が、普通のカッターや紙やすりなどを代用してメンテナンスを行った場合には、その品質はやはりあまりよくはなく、すぐにメンテナンスが必要となってしまいます。

 また、そのほかにも、使用するコーキング材を誤ってしまうことで、十分に外壁材とコーキングが密着せずにはがれてしまうケースや、慣れない作業で外観が悪くなってしまうケースなどが考えられます。さらに、建物の構造によっては高所での作業も必要になりますが、足場を組まずに作業を行うことによって転落などの事故につながるケースもありえます。そのため、コーキングのメンテナンスについては、専門の業者に依頼することをお勧めします。

最近見かけたごまかし事例

先日は不思議な見積もりの電話を受けました。電話で話していてもよくわからない内容で・・・ただ、しっかりと話してくると徐々にわかってきました。

「今工事を施工中で業者の品質が疑わしいから見てくれないか?」

と言うことでした。具体的にはコーキングをしっかりと削ぎ落として打ち直しをしてないので、将来雨水が入ってこないかと心配されていました。実際、そのお住まいはALC外壁のお住まいですので、サイディングと違って二重構造になっていませんので隙間からの雨水はかなりサイディングの劣化につががります。したがって心配もあるかと思いすぐに現場に行って施工中のコーキングの工事内容をみました。

初めての他社さんの施工を拝見

他社さんの施工現場に立ち会うのは初めてなので少しドキドキしながら、また何か学べる事は無いかと思って拝見させていただきました。会社は地元でNO1という広告をよく見かける〇〇美装さんと言う会社でした。ネットにも広告シートが貼ってありデカデカと宣伝してありました。

見た目はきれいでした。

ただ実際のコーキングの施工内容としましては、表面はとてもきれいに仕上がっていました。そして実際に、お客さんからお話を聞きますと、3人で1日でコーキング打ち直し作業が終わったとのことです。ヨコイ塗装ではそんなに早く作業が終わるはずもなく、どこか仕事が荒い部分があるのではないかと疑問に感じました。

その時お客様がコーキングメーカーさんと部分的にはがした部分を見せてくれました。するとコーキングをしっかりと削ぎ落とすことなく簡単に打ち直し作業として終わっておりました。何がまずいかといいますとしっかりと削ぎ落としていませんと、サイディングの断面とのコーキングの密着の良さが、結局は古いコーキング次第によって簡単に剥がれてしまう事故につながることです。通常ですとコーキングを打ち直する時は、しっかりと古いコーキングを削ぎ落として、さらに専用のプライマーを塗ってから新しいコーキングを打つ変えていきます。しっかりとしたそぎ落としがなければ、もちろん古いコーキングが残ったままです。したがって高いお金を出しても本質的な解決にはなっておりません。

コーキングで1番大切な事はしっかりと削ぎ落としてもらうことです。このことはコーキングだけでなく、塗装の下地処理も同様です。どんな下地処理をしてもらえるかどうか、見積もりずにしっかりと確認しましょう。

 最近、よく使用されているサイディングボードや、ALCの外壁などを塗装する際には、合わせてコーキングのメンテナンスも実施します。また、コーキングの状態が悪い場合は、コーキングのメンテナンスだけを行うこともあるのですが、このコーキングのメンテナンスがいい加減であった場合、その部分から雨漏りしてしまうこともあります。

コーキングの劣化を発見したら

 コーキングの劣化は、ひび割れや痩せといったように、コーキングに隙間が生じることですぐに発見することができます。そのため、コーキングの劣化を見つけた際に、「すぐにこの隙間を埋めなければならない」と考え、ホームセンターでコーキングを購入してご自身でメンテナンスを行う方がいらっしゃいます。

 コーキングの劣化を早期に発見し、すぐに対応しようとする姿勢は素晴らしいのですが、ホームセンターで購入したコーキングを、隙間を埋めるためにそのまま使用するのには問題があります。

 コーキングのメンテナンスには、打ち増し、打ち替えという2つの方法があり、劣化状況や外壁の素材によって、推奨されるメンテナンス方法が異なります。誤った方法でコーキングのメンテナンスを行ったとしても、応急処置にはなっても、正しい品質でコーキングがメンテナンスされていませんので、すぐに劣化が再発し、余計にコストがかかってしまうことになってしまいます。

 そのため、コーキングの劣化を発見した場合は、外壁の専門業者に連絡し、状況を確認してもらうことをお勧めします。専門家に外壁材と劣化状況の確認を行ってもらうことで、最適なメンテナンス方法を決定することができます。

そもそもシーリング工事を行う目的

 シーリングはサイディングボード同士や外壁材とサッシなどをつなぎ合わせることを目的としています。

つまり、サイディングボード同士、またはサイディングボードとサッシ等の間には隙間があり、そこから建物を構成する木材の天敵である水分が侵入することを防止するという目的もあるのです。そのため、シーリングを適切に行わなければ、この隙間から水分が建物内に侵入してしまい、建物の耐久性が大きく低下してしまうことになってしまいます。そのため、シーリング工事は、その品質が非常に重要となりますので、DIYよりもプロに依頼することをお勧めします。

コーキング材

シーリング工事を行う前に確認しておくべきこと

①シーリング工事を行う部位の確認

 シーリング工事は、どのような部分にでも実施できるというわけではありません。シーリングで高い品質を出すためには、目地幅が10mm程度で木地の深さが5mm以上なければなりません。なお、1時間準耐火構造とする場合には、木地幅は10mm以下でなければなりません。これよりも木地幅が広い場合や木地の深さが浅い場合には、シーリング材が持つ密着性能を十分に発揮することができません。

②シーリング材の品質の確認

 シーリング材やプライマーは、工事する部分の素材によって、使用する種類を変更する必要があります。そのため、使おうと考えている素材に適したシーリング材やプライマーを選択していることが前提となります。そのうえで、そのシーリング材やプライマーが使用期限を超過していないこと、信頼できるメーカー製のものであることを確認する必要があります。シーリング材やプライマーは、使用するための有効期限が定められており、それを超過したものは、著しく品質が低下します。特に、一度開封したプライマーは、有効期限内であっても時間の経過とともに変質していきますので、使い残したプライマーを再利用することはできません。

コーキング シーラー P-50

 また、シーリング材やプライマーの品質は、その商品によっても大きく異なります。あまりに安いシーリング材やプライマーは、もともとも品質が悪いものもありますので、信頼できるメーカー製であることを確認する必要があります。

シーリング工事を行う際に注意すべきこと

①温度と湿度

 シーリング材は、気温や湿度に注意して施工する必要があります。特に、雨が降っている場合や湿度が高い場合などはシーリング材が固まる前に建物内部に水分が入り込んでしまう可能性やシーリングそのものが変質してしまう可能性もあることから注意が必要です。また、気温が高すぎる場合や低すぎる場合も、シーリングが硬化しないなどの影響が生じますので、シーリングの工事を行う場合は、外気温が5度~50度の範囲を超える場合には、工事を中止することも検討する必要があります。

②施工する部位の清掃

 シーリングは、サイディングボード同士やサイディングボードとサッシ等をつなぎ合わせるため、それぞれの素材に密着させる形で使用します。そのため、使用する素材部分にゴミや油分、コケ、カビ等が付着している場合には、素材そのものに密着させることができず、その表面のごみや油分にシーリングが密着してしまうことになります。そうなると、ごみと素材の間に隙間が生じた場合などに、そこから水分が建物内に侵入することとなり、シーリングの目的を達することができません。そのため、あらかじめ素材に付着しているごみや油分といったものを、きれいに清掃しておく必要があります。

③2面接着の実施

 シーリング材を充てんする場合には、「2面密着」という方法を行います。2面密着とは、断面を見たときに2面が密着している状態のことを言います。シーリング材の断面は四角形になりますので、四角形の横の2面がサイディングボードに密着しているとイメージするとわかりやすいでしょう。この状態で、サイディングボードを左右に揺らすと、シーリングも一緒に左右に動くことになります。しかし、3面密着といって、四角形の3面を密着させるとどうなるでしょうか。左右の側面に密着しているサイディングボードを動かしても、もう1面がくっついていますので、シーリングは動くことができません。無理にサイディングボードを動かすと、シーリングが剥がれてしまうことになるでしょう。そのため、3面密着にしてしまうと、シーリングの耐久性が大きく低下してしまうことになるのです。シーリング材はホームセンターでも入手できるため、非常に簡単な作業と思われがちですが、注意しなければならないことが非常に多く、その品質によって、建物そのものの耐久性も大きく変わってしまうことになる重要な工事となります。

打ち替えの場合のコツ

 コーキングのメンテナンスのうち、打ち増しというのは、古いコーキングをそのまま残した状態で、痩せた分だけ新しいコーキングを補充する方法になります。一方、打ち替えは、古いコーキングをすべて撤去したうえで、新しいコーキングの充填する方法になります。

 外壁材がサイディングボードで、コーキングが劣化している場合、将来のことを見据えて、打ち替えによるメンテナンスを行うことが大半ですが、これには非常に重要なコツが存在します。それは、古いコーキングの除去になります。

 打ち替えを行う場合、古いコーキングをすべて除去し、新しいコーキングを充てんするのですが、この「古いコーキングを除去」するというのは、言葉では簡単でも、実際に行うとなると非常に難しい作業になります。コーキングを指で触るとわかる通り、ゴムのようなものが外壁にぴったりと密着していますので、これを残さず除去するというのは、非常に大変です。例えば悪いですが、道路に貼りついたガムをきれいに取り除くのと、同じような作業となります。しかし、ここで手を抜いて、古いコーキングの一部を残したまま新しいコーキングを充てんすると、品質は大きく低下します。古いコーキングが取り除かれずに残っているという状況は、外壁に古いコーキングが付いている状態で、その上から新しいコーキングを充てんすることになりますので、新しいコーキングは、外壁に密着せずに古いコーキングに密着することになります。つまり、この古いコーキングが将来的に劣化し、外壁からはがれてしまった時には、新しいコーキングも同時に剥がれ落ちてしまうことになるのです。

 一方、古いコーキングをしっかり除去してから新しいコーキングを充てんすると、新しいコーキングは、外壁にしっかりと密着し、そのコーキングが劣化するまで、外壁からはがれることはありません。つまり、正しい品質でコーキングをメンテナンスしようとした場合、手間がかかったとしても古いコーキングはしっかりと取り除く必要があるのです。

 

コーキングカッター

 しかし、DIYでコーキングをメンテナンスする場合、ご自身で古いコーキングをすべて除去するのは非常に困難です。やり方を間違えると、外壁に傷を付けてしまう恐れがありますので、専門の工具を有する業者に依頼することを強くお勧めします。

 昨今のホームセンターでは、外壁のメンテナンスを行うためのコーキング等の品ぞろえが非常に多く、一見、だれでも簡単にメンテナンスを行うことができると錯覚してしまいます。しかし、コーキング1つとっても、そのやり方を誤ってしまうと、外壁そのものを傷つけることにつながってしまい、結果としてご自宅の耐久性が低下してしまうこともあり得ます。そのため、コーキングのメンテナンスについては、専門的な知識と技術を有する業者に依頼したほうがいいでしょう。

 業者の問題

 ここが一番、注意しなければならない点です。いくら腕の良い職人がいたとしても、業者の方針として質より利益が重要という方針の業者の場合、質の高い工事を期待することはできません。そういった業者の場合は、特にコーキング材をケチって質の悪いコーキング材を使用し、少しでも利益を上げようとしています。また、工事時間も短くするために、しっかりと下地処理を行わないまま工事を行わせたりと、高品質から最も遠い工事を行いますので、そういった業者に依頼しないよう、注意しなければなりません。コーキングのメンテナンスを依頼する場合は、信頼のおける業者を探す必要があります。

外壁塗装の見積もり時は、「コーキングの撤去に何人工かけてもらえますか?」と聞きましょう。

コーキングの打ち替え作業では、コーキングを撤去する下地処理が1番大切です。なぜなら、古いコーキングとともに新しいコーキングがサイディング断面から剥離している現場を見かけるからです。

コーキング打ち替えの3つのポイント

ポイントは3つあります。

  • 1.下地処理を徹底的にやり、極力古いコーキングを撤去することです。コーキングの削ぎ落としが不十分ですと、せっかく新しくコーキングを打ち替えたとしても、そんな時間も経たないうちにサイディングとj古いコーキングが剥離する可能性があります。
  • 2.専用のプライマーで塗り残しがないように、しっかりと塗ることです。コーキング自体にはあまり密着力はありません・・・それを補うのが専用のプライマー(専用接着剤)のプライマーになります。(それぞれのコーキングに専用のプライマーがメーカー各社から出ています。)しかしながら、塗り残しがあるとその箇所だけ密着力が低くコーキングとサイディングが剥離してしまいます。※雨天時に作業をして、サイディング面が水分を吸い込んでいる場合も同様です。
  • 3.なるべく肉厚をつけてコーキングを打つこと。コーキングは薄いと簡単に破れてしまいます。したがってなるべく肉厚に打つ必要があります。

その中でも徹底的なコーキングの削除が1番大切です。実際のコーキングの撤去には、手間と時間がかかります。

外壁材にサイディングボードを使用している場合、塗装工事でシーリングのメンテンナンスを同時に行うケースがほとんどかと思います。このシーリングのメンテナンスですが、それほど劣化しておらず、元のシーリングがほとんど使用できるのであれば打ち増しを、劣化が進んでおり、元のシーリングを使用できない場合は打ち替えを行うことになります。

では、その打ち増しや打ち替えを行うタイミングはいつが適しているのでしょうか。今回は、シーリングのメンテンナンスを行うタイミングと、塗装方法についてご紹介します。

シーリングをメンテナンスするタイミング

この塗装前にメンテナンスを行うことを「先打ち」、塗装後にメンテナンスを行うこと「後打ち」といいます。

先打ちのメリットとデメリット

 先打ちは、塗装前にシーリングのメンテナンスを行う方法です。打ち増し、打ち替えともに使用することができる方法で、下地処理の段階でシーリングのメンテナンスを実施してしまいますので、メンテナンスが行われたシーリングの上から塗装を行うことができます。塗装を行うことで、塗膜が張られることとなり、紫外線からシーリングを保護する効果を得ることができるため、シーリングの耐久性を向上させることができます。

デメリットとしては、シーリングと外壁は素材が異なるため、全くおなじ塗料を使用すると、シーリングに塗った塗料がひび割れを起こす可能性が高いという点です。このデメリットについては、外壁と同じような色のコーキングで施工することで、仮にひび割れが起きても目立たなくすることができます。 

後打ちのメリットとデメリット

 後打ちは、塗装が完了してからシーリングのメンテナンスを行う方法ですので、打ち替えでしか実施することができません。後打ちの場合、シーリングの上から塗装を行いませんので、塗装のひび割れが発生することがなく、見苦しくなる心配がありません。しかし、塗膜がないために、シーリングそのものが紫外線の影響を直接受けることとなりますので、先打ちと比べるとシーリングそのものの劣化が早くなってしまいます。ただ、現在では30年の耐久性をもつコーキングもありますので、それらを使うことで解決することは出来ます。(ヨコイ塗装も使用するオート科学のオートンイクシード30年程度の耐久性があります。)

おすすめはどっちの工法?

先打ちと後打ちのメリットとデメリットをご紹介しましたが、塗装業者から見たおすすめは、先打ちとなります。先打ちのデメリットである塗装のひび割れは、しっかりとした技術と知識があれば防止することができますが、後打ちのデメリットである紫外線の影響については塗装業者がどれだけ努力したとしても克服することができません。そのため、実質的にはデメリットを無くすことができる先打ちがおすすめとなります。業者が後打ちを提案した場合は、コーキングの耐久性もしっかりと聞いておくことです。

そもそもシーリングの目的は、温度差によるサイディングボードの動きを吸収することにありますが、そのサイディングボードを埋めたことで、隙間から水分が中に侵入することを、防止するという目的も持っています。後打ちでシーリングの劣化が早まってしまうということは、劣化した部分から外壁の中に水分が侵入してしまう可能性が高くなるということで、それを防止するためには、シーリングの再メンテナンスが必要となります。

 しかし、後打ちを行うことが、絶対にダメというわけではありません。日陰に面して紫外線の影響を受けにくい部分や、

先打ちではしっかりとサイディングボードを密着させることができない部分などについては、後打ちを選択することも間違いではありません。外壁やシーリングの状態、環境をしっかりと見極めたうえで、先打ちで実施すべきか、後打ちで実施すべきかを検討していく必要があります。

サッシ周りのコーキングの特徴

 コーキングは、建材と建材をつなぎ合わせるために使用しますので、外壁材とサッシをつなぎ合わせるためにも、もちろん使用されています。また、外壁材であるサイディングボード動詞をつなぎ合わせるコーキングと異なり、サッシはすぐに室内につながっていますので、この部分のコーキングが劣化すると、室内への水漏れや雨漏りに直結する大切な部分となります。

実際に、サッシ周りで水漏れや雨漏りが発生している場合、ほとんどがサッシの問題ではなく、サッシ周りのコーキングが原因となっています。そのため、サッシ周りのコーキングは、その劣化状況を定期的に観測する必要があります。

しかし、サッシ周りのコーキングは、やや見づらいコーキングの打ち方になっていることが多く、サイディングボードのコーキングのように、簡単にチェックすることができません。そのため、サッシ周りのコーキングについては、特に注意して観測する必要があります。

サッシ周りに使用するコーキング

 これまでは、コーキングも以前と比べ断然性能が上がりました。ヨコイ塗装オススメの使用コーキング

オート科学 オートンイクシード

サッシ周りのコーキングが劣化した場合

 では、どちらの方法がサッシ周りのコーキングを補修する場合にお勧めかというと、サッシ周りに関して言えば、打ち増しをお勧めする業者が多くなっています。打ち増しの場合は古いコーキングが残り続け、その部分が次に劣化してきてしまいますので、耐久性能に問題が残ります。サッシ周りのコーキングについては、窓の周りに防水テープが貼ってあり、打ち替えのためにコーキングを除去する際に、この防水テープを傷つけてしまう可能性があるため、打ち増しがお勧めということになっています。

ただし、コーキングは、水や紫外線によって劣化していきますので、水や紫外線を良く受ける部分については、打ち替えのほうがお勧めの場合もありますので、すべて打ち増しがお勧めというわけではありません。

この点については、専門の業者がしっかりと現場を見て判断することとなります。このように、サッシ周りのコーキングは、外壁のコーキングとは少し異なる取り扱いとなります。

コーキングとシリコンの違いについて

 外壁材がサイディングボードやALCの場合、ボード同士をつなぎ合わせるのにコーキング剤は欠かせません。コーキングは、ゴムのような素材でボード同士をつなぎ合わせると共に、高い伸縮性で外壁材が動いたとしても柔軟に衝撃を吸収することで隙間を作らず、建物の内部に水が侵入することも防止しています。

 コーキングと同じような性質をもったものとして、シリコンがあります。実際、シリコン製のコーキングも存在していますが、外壁をつなぎ合わせるのにシリコンを使用することはほとんどありません。

 今回は、よく似た性質のコーキングとシリコンの違いについてご説明します。

https://yokoi-tosou.net/estimate/question/kikubekisitumon/

シリコンの特徴

 「シリコン」という言葉は、塗料やコーキング以外の様々なところで聞く言葉ですが、実際にどんなものかと聞かれても、なかなか答えることができないものの1つではないでしょうか。シリコンは、シャンプーなどに配合して髪に艶を出すなどの目的で使用されており、最近はノンシリコンの方が髪にいい、などの広告から名前だけはご存知の方も多いのではないかと思います。

 シリコンは、ケイ素を主原料とした人工化合物のこと(正確には、シリコンは元素記号Siと表示する金属ケイ素、シリコーンがケイ素を主原料とした人工化合物)を指します。先述したシャンプーに配合されているのは、オイル状のシリコンですが、コーキングで使用するのはゴム状のシリコンです。

 シリコンは耐水性能、耐熱性能が高い素材で、弾力性もありますので、内装のコーキングなどに使用されています。シリコンコーキングは、ホームセンターなどで安価で購入できるため、DIYなどで使用できる手軽さがあり、キッチン周りのコーキングには最適な素材となっています。

 しかし、シリコンは、その高い防水性能で塗料までも弾いてしまうため、塗装が前提となる外壁で使用することができません。誤って外壁のコーキングに

シリコーン系コーキングを使用してしまった場合、その部分だけ塗料がのらず、塗膜の剥がれにつながってしまうことになります。

(ちなみに外壁塗装におけるシリコンとフッ素の違いは主に対応年数になります。シリコンが7年から12、フッ素が8年から13年程度になります。)

 シリコンシーラントは、非常にコストパフォーマンスに優れており、ホームセンターなどでも容易に購入することができます。シリコン系コーキングのメリットは、コストが低いわりに耐久性・防水性に優れており、プライマーが無くても施工ができるといった手軽さもあります。また、乾燥が早く、取り扱いやすいため、DIYで使用される方も多いコーキング材となります。

しかし、シリコンシーラントは、シリコンオイルが出続けてしまうため、周囲が汚れてしまう他、そのシリコンオイルの影響により、シリコンの上から塗装を行うことができません。このような特徴があるため、シリコンシーラントは外壁よりも浴槽周りやキッチンの周囲など、主に屋内の水回りで使用されることの多いコーキング材となっています。

参考:シリコンコーキングの耐熱温度はどれぐらいでしょうか?

シリコン系コーキング材の用途

 シリコン系コーキングは、主に屋内で使用されていると説明しましたが、外壁等で全く使用されていないかと言われると、そうではありません。シリコン系コーキングは、他のコーキング材よりも高い防水性や耐候性がありますので、デメリットよりもメリットが上回った場合、屋外でも使用することがあります。

 主に使用される用途としては、屋根や外壁の金属部分、特に雨がしみ込みやすい部分で使用することがあります。他にも樋や屋根の補修にもシリコン系コーキングを使用することがあります。

しかし、シリコン系コーキングは上から塗装できないというデメリットが存在します。そのため、外壁や屋根の塗装を行う場所では、シリコン系コーキングは使用することができません。通常、そういった場所にシリコン系コーキングを打つ場合は、先に塗装を完了させてから、最後にコーキングを注入します。しかし、後年再塗装をしたときに塗装しにくいというデメリットがあります。

※良く聞かれるシリコンコークとシリコンシーラントの違いは?

シリコンコークは商品名です。 シリコンシーラントはシーリングのことをいいます。したがってシーリングという作業の中で使う商品が「シリコンコーク」になります。

シリコン系コーキングと外壁塗装

 外壁や屋根の塗装工事を行う際、シリコン系コーキングが先に打たれている場合があります。先に打たれたコーキングが劣化している場合は、打ち替えを行うことで他のコーキング材を使用したり、

後から注入することも可能ですが、(シリコンの撤去はかなり難しく表面も見苦しくなります)先に打たれたシリコン系コーキングが劣化していない場合は、シリコン系コーキングを剥がさずに塗装をします。ほとんどの業者では、そういった場合は、お客様にご説明したうえでやむなくシリコン系コーキングをマスキングし、塗装を実施します。もしくは、細かいお話をせずに、シリコン系コーキングの上から塗装を行うような業者も存在します。そういった工事が行われた場合、塗膜が安易に剥がれてしまうことになります。また知識の無い一般の方が、シリコン系コーキングで安易にDIYを行った場合、業者の施工時に追加費用が発生することもあります。

(大前提として、コーキング屋外用を前提で使わないといけません)

シリコンカバー

シリコンカバーは、1成分型の特殊変性シリコン系樹脂組成物となっており、シリコン系コーキングにしっかりと密着します。シリコンカバーをシリコン系コーキングの上に使用することで、シリコン系コーキングを使用していても、その上から塗装を行うことが可能となります。そのため、塗装が必要な部分にシリコン系コーキングを使用したとしても、シリコンカバーを使用することで、マスキングしなくても塗装を行うことができるようになり、外観上の不自然さや塗装の耐久性を改善することができます。つまり、シリコン系コーキングのメリットを受けつつ、デメリットである「塗装ができない」という点を解消し、防水性能や耐久性の向上といった塗装によるメリットを受けることができるのです。

外観からは全く分からない部分ではありますが、こういった細部にまで気を配ることで、外壁やコーキングの耐久性は大きく向上させることができます。

外壁に使用するコーキングの特徴

 外壁材に使用するコーキングは変性シリコンコーキング(主にサイディングボード)やアクリルコーキング(主にALCパネル)、ウレタンコーキングを使用します。これらのコーキングは、建物を雨などの水から守るだけの防水性能を有しつつ、塗料をしっかり密着させることができるため、塗装が前提となる外壁材に使用することができます。

上記のシリコンカバー同様にコーキングにも専用のシーラーがあります。(※塗装で重要なシーラーについて

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これらは使わないとサイディングタンメンとコーキングがパックリと開いてしまいますので、十分に染み込ませて活用する必要があります。

①変性シリコンコーキング

 変性シリコンコーキングは、その名の通り、材料にシリコンが含まれています。しかし、シリコンコーキングで問題となった塗装まで弾いてしまう強い防水性は抑えられ、上から塗装を行うことができるよう改良が施されたコーキングとなっています。

 変性シリコーン系コーキングは、塗装面でも使用できるという特徴があるものの、耐久性が若干低く、メンテナンスの回数が増えてしまうというデメリットも存在します。そのため、コーキングする場所によっては、ほかのコーキング材を使用したほうがいい場合もあります。

※変性シリコーンコーキングと普通のシリコンコーキングの違いは塗装に使用できるかどうかです。しかしながら変性シリコンコーキングも約1週間程度すると硬化をして普通のシリコンコーキングと変わらなくなってしまいます。硬化後は塗料との密着が低くなってしまいますので、 コーキング打った後の経過時間には注意が必要です。 (屋根塗装でも変成シリコンを使う時がありますが、外壁と比べ温度が高いので使用可能時間もより短くなっていきます。)

コーキング材
塗装できるコーキング材

②アクリルコーキング

 アクリルコーキングは、素材にアクリルを使用しているため、水性で作業を行いやすいという特徴があります。しかし、水性であるがゆえに、硬化したときには、コーキングの痩せが発生しやすくなってしまうため、耐久性は高くありません。最近は、使用頻度の低下してきたコーキングです。

③ウレタンコーキング

 ウレタンコーキングは、素材にポリウレタンを使用したコーキングで、変性シリコンコーキングよりも安価で、かつ耐久性が高いという特徴があります。しかし、紫外線に対する耐久性が低く、ウレタンコーキングの上には、必ず塗装を施さなければなりません。塗装の品質が悪かったり、塗装のヒビや剥がれが発生した場合、その部分からコーキングが劣化することもあるため、塗装には注意が必要です。

 このように、同じ「コーキング」という名前であっても、シリコンとその他の素材では、特徴が大きく異なります。繰り返しになりますが、シリコンコーキングはホームセンターなどで手軽に購入できるため、購入前に、メンテナンスしたい部分で使用できるかどうか、しっかり確認してください。 DIYでやる場合コーキングの専用プライマーを忘れることが多いのでこちらも注意が必要です。専用プライマーは接着剤のような役割があり、言っていない場合外壁との密着力がなくすぐ剥がれてしまいます。

外壁のちょっとした補修をDIYでやってしまおうと、シリコンコーキングを購入してメンテナンスを行っている建物を何度か拝見したことがありますが、最悪の場合、建物自体の耐久性能につながってしまうこともあり得ますので、必ず素材と使用用途はしっかりと確認するようにしてください。

シーリング材 オートンイクシード
コーキングも色の種類が多数あります。

 ヨコイ塗装では、コーキングのメンテナンスにも自信があります。外壁に使用されている素材や、環境から、最も適したコーキング材を使用して、熟練の職人がメンテナンス作業を行いますので、高い品質でご満足いただけるメンテナンスを実施しています。扶桑町周辺でコーキングのメンテンナンスについてお悩みの方は、ヨコイ塗装にご相談ください。

塗装は下地処理が命ですよ

ALC外壁の雨漏り原因と対処方法: 防水対策を知る

軽量で耐久性に優れたコンクリートであるALC(軽量気泡コンクリート)は、外壁の素材として非常に優れていますが、すべてにおいて完璧な外壁材というものはなく、ALCにもデメリットが存在します。

ALCは、非常に水分を吸収しやすい素材ですので、防水対策をしっかり行わなければ、すぐにALCの気泡に水分がたまってしまい、中の鉄骨が錆びて耐久性が低下してしまいます。

また、この性質によって、雨漏りに発展してしまうこともあります。

 そこで今回は、ALC外壁で発生する雨漏りの原因と対処についてご紹介します。

1.ALC外壁で発生する雨漏りの原因

 雨漏りと言えば、屋根から水が侵入してきて、天井にシミができたり、天井から水が落ちてきたりと、「天井から」というイメージがあるかと思います。

しかし、雨漏りは屋根から発生するものだけではありません。

外壁からの雨漏りというのも存在します。

 外壁からの雨漏りで、特に発生しやすい部分は、窓上の額縁などです。

また、2階建ての建物の1階の天井から雨漏りするというケースも、屋根ではなく外壁が原因の雨漏りと考えられます。

では、これらの雨漏りはどうして発生するのでしょうか。

 ALCは、その吸水性の高さというデメリットから、防水対策が必須となります。 内部のリフォーム分に水が侵入してしまうと、誇張やひび割れの原因となって 雨漏りの危険性も高まりますので大変注意が必要です。

ALCの外壁で、外壁が原因の雨漏りが発生しているということは、外壁のどこかで防水対策の穴があり、そこからALC内部に水が侵入していると考えることができます。

 ALCの防水対策に穴があく原因としては、

  • ①塗装している塗料が劣化したことによって、防水を担う塗膜が弱くなっている。
  • ②ALCそのものにクラックが発生している。
  • ③ALCパネルをつなぎ合わせるコーキングが劣化したことによって、痩せやクラックが発生している。 

といったことが考えられます。

参考:シーリング材の種類と使用用途2

2.ALC外壁で発生した雨漏りの対処

 ALC外壁が原因で雨漏りが発生している場合、その雨漏りの原因となった場所を見つけ出し、修復する必要があります。

ここでは、原因別に対処方法をご紹介します。

①塗装している塗料が劣化したことによって、防水を担う塗膜が弱くなっている場合

 ALC外壁に塗装した塗料が、経年劣化によって、その機能を十分に果たさなくなった場合や、塗装方法が悪く、塗装にクラックが入っている場合、塗装が剥がれている場合は、その部分からALCに水が侵入してしまいます。

そのため、対策としては外壁塗装が有効な方法となります。

ALC外壁を塗装する際には、しっかりとした下地処理、下塗り、中塗り、上塗りの3回塗装は必須となります。

下地の状態に応じて、塗膜を厚くするなど、外壁材の状態に合わせて、適切な塗装を施すことで、雨漏りを解消することができます。

②ALCそのものにクラックが発生している場合

 ALCパネルそのものにクラックが発生している場合や、ALCパネルが欠けてしまっている場合、ALCパネルの補修を行わなければなりません。

多少のクラック程度であれば、コーキング材を注入することでクラックを埋めてしまうことも可能ですが、破損個所が大きい場合は、ALCパネルそのものを取り換えるということも検討しなければなりません。

 これらの補修を行った後には、その上から塗装を行わなければ、防水対策は十分とは言えません。

そのため、ALCを補修したのちは、①と同様に、しっかりと塗装を行います。

③ALCパネルをつなぎ合わせるコーキングが劣化した場合

 ALCパネルをつなぎ合わせるコーキングが劣化し、コーキングの痩せやクラックが発生している場合は、コーキングの補修を行う必要があります。

ALCのコーキングは、基本的に増し打ち工法で十分な防水性能を作り出すことはできますが、増し打ち工法を行うためには専用の工具でコーキング上の塗料を除去しなければなりません。

また、増し打ちを行ったコーキングとALCパネルの隙間からの浸水を防止するため、コーキングの上から塗装を行う必要があります。

  • 増し打ち 既存のシーリングの上に新しいシーリング材を充電する方法
  • 打ち替え 既存のシーリング材を撤去し、新しいシーリング材を打ち直す方法

そのため、この対策を講じた場合でも、①の塗装工事は必須となります。

ALCは、外壁をご利用の方は、非常に強度が高く、その上軽量で断熱性能もあるという、外壁材としては非常にすぐれた素材です。

そのため、現在ではサイディングボードの次に、外壁材として採用される方が多い素材となっており、徐々に人気も出てきています。

しかしながら、吸水性が高いというデメリットを知らないまま、適切なメンテナンスが行われていないALC外壁を目にすることがあります。

どれだけ元の素材がよくても、最適なメンテナンスを実施しなければ、そのメリットはどんどん薄くなり、デメリットの部分が大きくなってしまいます。

ALCの場合は、吸水性の高さから来る鉄骨のさびや雨漏りが、それに該当します。

これらの症状が発生してしまうと、その症状に対する対策を講じることはできても、家が負ったダメージを修復するのは困難です。

そのため、それらの症状が出る前に、最適なメンテナンスを行い、雨漏りを未然に防止するようにしてください。

参考:シリコンコーキングの耐熱温度について

扶桑町周辺でALC外壁のメンテナンスでお困りの方は、ヨコイ塗装にご相談ください。

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ベランダ防水対策の選択肢と費用・耐用年数比較

ベランダの防水対策には、FRP防水やウレタン防水など、

建物の防水方法には様々な施工方法があります。

建物を湿気や水分から守るためには防水施工は欠かせない工事になりますが、

防水施工の方法によって、適している場所、適している素材等が異なります。

適した材質や適した塗料を使用しなければ、

その防水性能を100%引き出すことはできません。

 そこで今回は、FRP防水やウレタン防水などの施工方法と、

それに適した塗料についてご紹介します。

 

1.ベランダの防水対策の違い

 ベランダの防水対策は、大きく分けて

  • ①FRP防水、
  • ②ウレタン防水、
  • ③シート防水、
  • ④アスファルト防水

の4つの方法があります。

 

①FRP防水の特徴

 FRP防水はFRP(ガラス繊維強化プラスチック)の皮膜防水層を形成する工法のことを言います。

FRPの皮膜防水層は、軽量なだけでなく、強靭性、耐水性、

耐候性に優れており、その強度は車両の走行にも耐えられると言われています。

 さらに、FRP防水は、その軽量かつ強靭という特徴から、保護層が不要であり、

硬化速度も速いため、短期間で施工が終了するというメリットがあります。

 しかし、プラスチックのデメリットとして、紫外線に弱いという問題点があり、

劣化するとヒビ割れを起こしてしまうため、定期的にトップコートを塗り替える必要があります。

また、伸縮しにくいため、耐震性にも問題があり、建物が揺れた際にヒビ割れを起こしてしまうケースもあります。

②ウレタン防水

 ウレタン防水は、ウレタン樹脂を塗装して防水層を形成する工法のことを言います。

具体的には、ポリイソシアネートを主成分とする主剤、

ポリオールを主成分とする硬化剤を混ぜ合わせた塗料を

使用して塗装することによって防水層を形成します。

 

 そのため、どのような形状であっても塗装ができれば防水層が形成できるというメリットが有り、

使用用途が広いという特徴があります。

また、既存の防水層があったとしても、その上から防水層を新たに形成することができるという

使い勝手の良さもメリットの一つとして挙げられます。

 一方、塗装する職人さんの腕次第で、その品質が大きく左右されるという問題点があり、

腕の悪い職人さんが、適当な施工を行ってしまうと、

想像通りの防水効果が得られないという点がデメリットとして考えられます。

 

③シート防水

 シート防水は、防水シートを施工する部分の形状に接着剤等で貼り付ける工法のことを言います。

使用されるシートの素材は、合成ゴムや塩化ビニール樹脂などがあり、

下地に貼り付けるだけなので施工性に優れています。

特に塩化ビニール樹脂の場合は、熱風でシートを溶かすことで

シート同士のジョイント部分を一体化させることができますので、

複雑な形状の下地であっても対応できることがメリットとして考えられます。

 しかし、シートを接着させるという工法の特徴から、

平らな下地でしか使用できないというデメリットがあります。

そのため、下地の素材によって施工できないケースもあります。

 

④アスファルト防水

 アスファルト防水は、合成繊維不織布にアスファルトを含ませて

コーティングを施したシーロを貼り重ねて形成する工法です。

道路にも使用されている歴史あるアスファルトを使用することで、

防水性能を確保するとともに積層する工法の特徴から、水密性が非常に高くなります。

 

 しかし、アスファルトを何重にも重ねた上に流し込む必要がありますので、

手間がかかるという点や、アスファルト防水の上に保護モルタルを貼らなければならない点から、

重量が重くなってしまうというデメリットも存在します。

 

 そのため、ベランダの防水対策としては、あまり利用されません。

 

2.ベランダの防水対策の費用と耐用年数

①FRP防水

 FRP防水は、1㎡あたり5,000円~8,000円程度で、

10年~12年程度の耐用年数を有しています。

ベランダ防水

②ウレタン防水

 ウレタン防水は1㎡あたり3,000円~7,000円程度で、

10年~14年程度の耐用年数を有しています。

 

③シート防水(ゴムシート)

 ゴムシートを使用したシート防水は、1㎡あたり2,000円~7,000円程度で、

10年~15年程度の耐用年数を有しています。

 

④シート防水(塩ビシート)

 塩ビシートを使用したシート防水は、1㎡あたり3,000円~8,000円程度で、

10年~20年程度の耐用年数を有しています。

 

以上の結果より、ベランダの防水加工を行う際は、シート防水を選ぶほうがコスト面、

耐用年数からコストパフォーマンスが高いと言えます。

しかし、塗装による防水層の形成ではないため、

施工できる場所、材質の条件が厳しく、

実際にシート防水でベランダの防水層を形成されているケースは殆どありません。

逆に、現在、新築のベランダ等で最も活用されているのは「FRP防水」になります。

 

FRP防水の場合、ウレタン防水よりも均一に塗装しやすく、

見た目がきれいになるという点や施工期間が短いというメリットから、

選択されているご家庭が増えているようです。

ヨコイ塗装では、お客様のベランダの形状や素材から、コスト面、

品質面で最も優れた工法をご提案させていただきます。

扶桑町周辺でベランダの防水対策でお悩みの方は、ヨコイ塗装までご相談ください。

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