外壁材としてサイディングボードが広く普及する中、
その防水性や耐久性を確保するために欠かせないのが**コーキング(シーリング)**です。
しかし、コーキング技術が現在のように確立されたのは比較的最近のことで、
約70年前に日本に導入されてから進化を続けてきました。
本記事では、コーキングの歴史・技術の変遷・最新のトレンドについて解説します!
目次
5. まとめ
1. コーキング材の歴史:日本への導入と発展
① 日本でのコーキング材の輸入開始
日本に初めてコーキング材が輸入されたのは1951年。
当初は油性コーキング材が使用され、
1954年には東急東横店や神奈川県立図書館の音楽堂に導入されました。
この時点では、日本国内でのコーキング材の製造は行われておらず、
すべて輸入品を使用していました。
② 日本国内でのコーキング材の製造開始
1955年に**昭和化工「エバーシール」、日本添加剤工業「ファインコーク」**が生産開始。
1958年には東京タワーの展望台の屋根に採用されるなど、
徐々に日本国内でもコーキングの需要が高まっていきました。
しかし、この当時のコーキング材は耐久性に課題があり、
南極昭和基地で使用されたコーキング材は、ブリザードで削られやすく、
毎年の補修が必要だったとされています。
2. コーキング材の技術革新と変遷
① ポリサルファイド系の導入(1958年~)
1958年にポリサルファイド系コーキング材の輸入が開始され、
1961年には住友3Mが「ウェザーバン」を販売。
これにより、高耐久なコーキング材が日本国内でも使用可能になりました。
② 1成分型シリコンコーキングの登場(1964年~)
1964年に1成分型シリコンコーキングが登場し、三井霞が関ビルのガラス周りに使用。
従来のコーキング材に比べ、より施工しやすく、耐候性にも優れた製品として普及していきました。
③ コーキングの普及と標準化(1970年代~)
1972年には日本建築学会「JASS8防水工事」に「シーリング工事」が制定され、
日本シーリング材工業会で**「シーリング管理士」制度**が導入。
さらに、1978年には「鉄筋コンクリート造のひび割れ対策指針」にコーキングが正式に記載されるなど、
コーキングの施工が一般的になり、品質管理の基準も確立されていきました。
3. 現在の主流コーキング材とシェアの変化
① 変性シリコンの登場(1978年~)
現在、最も広く使用されている「変性シリコン系コーキング」が1978年に誕生。
その高い耐久性と施工性から、1980年には富国生命本社ビルや第一勧銀本社ビルで採用され、
市場での認知度が急速に高まりました。
② コーキング材の市場シェアの変化(1985年~1995年)
✅ 1985年時点:ポリウレタン系コーキングが主流
✅ 1995年以降:変性シリコン系コーキングが急成長し、現在の主流に
変性シリコン系は、ポリウレタン系・シリコン系に比べて**「塗装可能」「耐久性が高い」「施工しやすい」**という特徴を持ち、
1995年以降は、シェア1位を維持し続けています。
4. コーキング材の選び方と今後のトレンド
① コーキング材の適材適所
種類 | 特徴 | 使用用途 |
---|---|---|
変性シリコン系 | 耐久性・塗装適性が高い | サイディング・ALCの目地・外壁補修 |
ポリウレタン系 | 弾性があり、動きに追従しやすい | コンクリート・ALCの目地・屋根防水 |
シリコン系 | 耐水性が高いが、塗装不可 | 浴室・キッチン・ガラス周り |
ポリサルファイド系 | 高耐久・耐候性が高い | 石材目地・サッシ周り |
✅ サイディングやALCの目地には「変性シリコン系」が最適
✅ コンクリートの動きが大きい箇所には「ポリウレタン系」
② 今後のトレンド
近年では、より耐久性の高い「高耐候シーリング材」の開発が進んでいます。
✅ 15~20年の耐久性を持つ「オートンイクシード」などの高耐久コーキング材が登場
✅ ノンブリードタイプの普及で、美観の維持が可能に
✅ 施工性の向上により、より短時間で高品質な仕上げが可能
5. まとめ
✅ コーキングの歴史は、1950年代に油性コーキング材の輸入から始まり、1970年代に普及が進んだ
✅ 1978年に登場した「変性シリコン系コーキング」が、現在の主流に
✅ 適材適所でコーキング材を選ぶことで、建物の防水性・耐久性が向上
✅ 今後は「高耐久」「ノンブリード」「施工性向上」がキーワード
「適切なコーキング材を選び、定期的なメンテナンスを行うことで、建物の寿命を延ばすことが可能!」
ヨコイ塗装では、外壁の状態に最適なコーキング材を選定し、高品質な施工を提供しています。
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