窯業系サイディングボード

サイディングの歴史と塗装工事の変化|扶桑町の外壁リフォーム【ヨコイ塗装】

今では、多くの家に使われているサイディングボードですが、現在使用されているサイディングボードは、その誕生から多くの改良がくわえられたものになっています。

ここでは、サイディングボードの歴史と、サイディングボードが変化したことによる塗装工事の変化についてご紹介したいと思います。

サイディングボードの歴史

 最近建てられている建物の多くは、外壁材にサイディングボードが採用されていますが、日本の住宅にサイディングボードを使用する歴史はそれほど長くはありません。日本で初めてサイディングボードが開発されたのは、1974年に開発された防火外壁材の「モエン」という商品でした。この「モエン」という商品は、現在でもシリーズ化が続いていますが、この時代では住宅にはほとんど使用されていません。住宅にサイディングボードが使用されだすのは、そこから15年以上経った1990年以降になります。

このころから、日本家屋から洋風の住宅が多く作られるようになり、外壁にサイディングボードが使用され始めることになりました。また、サイディングボードのデザインも、レンガ調やタイル調といったデザイン性の高い商品も多く使われ始めています。

1995年には阪神・淡路大震災が発生し、耐久性の高い住宅が求められるようになりました。軽量で耐久性の高いサイディングボードが特に注目を集めた時代で、当初、数種類しかなかったレンガのデザインやタイルのデザインも、この時代に非常に多くの種類が追加されています。

2000年になると、住宅の個性が求められる時代となり、これまで1色だった外壁のデザインも、複数の色を使い分け、リアルなレンガを表現できるサイディングボードや、木目調、塗り壁調といった個性的なデザインのサイディングボードが登場しています。

2005年には、さらにデザイン性を高めるために、次世代インクジェット塗装と言われる技術を使用して、サイディングボードに好きなデザインを行うことができるようになりました。これによって、これまでの大量生産型のデザインから少量生産型のデザインにシフトし、より個性的なサイディングボードとなっています。

このように、最初は機能性を重視していたサイディングボードですが、2000年を境に、より洗練されたデザインが好まれる時代と変化しています。

サイディング コーキング 打ち替え

サイディングの施工方法

1.直張り工法とは

サイディングの施工方法の一つである、直張り工法というのは、その名が示すとおり、外壁材であるサイディングを、下地に対して直に張る工法のことをいいます。一方、柱や間柱に透湿防水シートを張り、胴縁を打ち付けることで、サイディングを下地に直接張らず、隙間をあける工法が通気工法となります。
直張り工法のメリットは、なんと言っても費用の安さです。下地に対して直にサイディングを張ることができるため、余計なコストをかけずに施工することができるため、費用を安く抑えることができます。一方、下地に直接サイディングを張る、直張り工法では、サイディングから中に侵入した水分は、そのまま下地に浸透してしまうため、建物の防水性は低下してしまいます。
そのため、建物の耐久性を向上させるのに向いているのは、通気工法となります。そのため、2000年4月の品確法では、標準工法として通気工法を取り入れることとなっていますので、それ以降に建てられた住宅の殆どが通気工法となっています。しかし、この法律には罰則規定がありませんので、一部の住宅では、2000年4月以降に建てられたにも関わらず、コストを下げるために直張り工法が使われているものも存在しています。
なお、直貼り工法の場合、サイディングと下地の間に通気層がないため、結露が発生しやすくなってしまいます。一時的な結露であれば、それほど大きな問題は発生しませんが、長期的に結露が発生し続けた場合は、その部分が徐々に腐食し、雨漏りの原因となります。

2.直張り工法のメンテナンス

直貼り工法では、下地にサイディングを直接張っているため、サイディングから入り込んだ雨水は下地に直接吸収されますが、下地に吸収されなかった水分はサイディングと下地の間に滞留することになります。つまり、常に下地とサイディングが湿っている状態になります。サイディングそのものにも通気性がありますが、滞留した水分が簡単に出ていくほどではありませんので、一度入り込んだ雨水は、長期間、滞留することになります。そうすると、下地とサイディングそのものにダメージを与えることとなり、下地側は、下地の腐食や雨漏りに、サイディング側はサイディングの歪みが発生することになります。

  1. 塗装によるメンテンナンスー直貼り工法で施工している場合は、通気工法で施工しているサイディング以上に、塗装による防水が重要となります。直貼り工法であっても、定期的に塗装を行うことで高い防水性を維持しておくことで、内部に雨水を侵入させることなく、建物の耐久性を維持することができます。
  2. コーキングのメンテナンスーまた、サイディングの場合は、サイディング同士をつなぎ合わせるコーキングのメンテナンスも非常に重要なものになります。先述したとおり、雨水がサイディングの中に入り込んでしまうと、サイディングと下地の双方に大きなダメージを負ってしまうため、コーキングからの雨水の侵入も防止しなければなりません。サイディングそのものが劣化し、沿ってしまった場合、必然的にコーキングが剥がれてしまうことになりますので、サイディングを保護することもコーキングのメンテナンスの一部と考えることができます。

3.サイディングが劣化してしまったら

直貼り工法のサイディングが劣化してしまった場合、特にサイディングが反ったり割れてしまった場合、多少のコストが掛かったとしても、通気工法でサイディングを張り直すことをおすすめしています。初期投資はかかるものの、建物の耐久性を向上させることができるため、長期的に見た費用は安く抑えることができます。

直貼り工法は、費用が安い、工事が簡単というメリットはあるものの、建物の耐久性を考えた場合には、おすすめできる工法ではありません。そのため、金銭的に可能であれば、できるだけ早い時期に通気工法でサイディングを張り直すことを強くおすすめします。
しかしながら、適切にメンテナンスを施すことで、直貼り工法であっても建物の耐久性を高めることは可能です。直貼り工法のサイディングを張り替えない場合は、建物の耐久性を少しでも伸ばすために、適切なメンテナンスを定期的に実施することをおすすめします。

 塗装工事の変化

 サイディングボードの塗装工事は、サイディングボードが外壁に使用され始めた1995年からおよそ7年後の2003年ごろから徐々に件数が増加してきました。当初はレンガ調・タイル調といっても、1色で構成されていることが多く、お客様のご要望もこれまでのデザインに似た色にするか、全く異なる色にするかという、色に関するご希望が多く寄せられていました。

しかし、2007年ごろから徐々にデザイン性の高いサイディングボードを使用した外壁の塗装依頼をいただくこととなり、お客様のご要望も、これまで通りの1色での塗装から複数の色を使えないかというご要望をいただくことが増えてくることになります。

そこで開発されたのが、外壁の2色塗りという技法です。

  1. 1つ目は、下塗りはこれまで通り下塗り材を使用して塗装し、中塗りと上塗りの塗料を変更することによって、複数の色が混ざった複雑なパターンを表現する塗り方を行うという方法です。この塗装では、中塗りと上塗りの塗料を特殊なローラーで塗り分けることで、デザインの個性に対応することができます。https://yokoi-tosou.net/単色塗装はもう古い!?新しい塗装方法「多彩仕/
  2. 2つ目は、外壁に細かくマスキングすることによって、色を付ける部分と付けない部分に分けるといった特殊な塗装方法です。1色で塗りつぶすのとは違い、メリハリのある外壁を表現することができる塗装方法となっています。

さらに時代が進むと、外壁そのもののデザイン性が非常に高く、メンテナンスを行わなければならないのは理解しているが、外壁のデザインを損なわないでほしいというご要望が増えてくることになりました。そこで開発されたのが、外壁のクリア塗装です。

サイディング クリア塗装

 外壁のクリア塗装では、透明の塗料を使用して外壁塗装を行いますので、外壁のデザインをそのまま残すことができます。しかし、外壁に生じた傷などもそのまま残ってしまいます。下地処理で傷を修復したとしても、透明な塗料で塗っているため、その修復後を隠すことができませんので、現在の技法を持ってしても、新築から初回の外壁塗装の際に使用できる方法であって、毎回使用できる技法ではありません。それでも、ご要望は増加傾向にありますので、それだけ外壁のデザイン性が求められている時代となっていると言えます。

いずれの塗装方法も、しっかりとした技術を有した職人さんが、その技術をもって塗装工事しなければ、従前の1色で行う塗装工事に比べると品質が悪くなってしまう可能性のある塗装方法となっています。

窯業系サイディングのメンテナンス工事方法

窯業系サイディングとは、サイディングの種類の1つとなります。サイディングとは、羽目板や下見板といった外壁に張る板材の総称で、窯業系の他にはセラミック、金属が用いられます。今回は、窯業系サイディングのメンテナンス方法についてご説明いたします。

窯業系サイディングは、セメント質と繊維質を主原料としたサイディングボードで、現在、新築の外壁材として、最も使用されています。窯業系サイディングはモルタルに比べて工期が短いという点や、豊富なデザイン性があることから人気の高い外壁材となっています。

サイディング コーキング 打ち替え

窯業系サイディングが施行できない場所

 窯業系サイディングは、非常に人気の高い外壁材ではありますが、その素材の特徴から、以下のような場所への施行はできません

  1. バラベットなどの傾斜のある場所ー窯業系サイディングは、垂直方法に施行するように設計されていますので、屋根のように傾斜のついた部分に施行することはできません。もし、そういった場所に施行してしまうと、塗装後の塗膜がすぐに劣化し、防水性能が低下してしまうことから雨漏りの原因となってしまいます。
  2. 湿度が異常に高い場所ー窯業系サイディングは、外壁材として作成されていますので、一般的な外気で使用するのに適しています。そのため、常時、水がかかる場所や浴室などの屋内の施行はできません。そういった場所に施行すると、多量な湿気により外壁材の反りにつながります。
  3. 塀やセパレータとしての使用ー窯業系サイディングは、外壁材として、表面と裏面の耐候性が異なります。裏面は基本的に外気に触れないことを想定して作成されていますので、堀やセパレータのように裏面が外気に触れるように施行することはできません。そういった場所に施行すると、裏面が湿気によって反る原因になります。
  4. 誤った向きの施行ー窯業系サイディングには、縦張り用サイディングと横張り用サイディングがあります。縦張り用サイディングは、溝が地面に向かって垂直になるように施行するサイディングボードで、溝が若干深めになっています。この縦張り用サイディングを横に貼ってしまうと、深い溝に水分が溜まってしまい、外壁材の内部に水が侵入する原因となります。
  5. 寒冷地での施行寒冷地で窯業系サイディングを使用する場合は、以下の点に注意しなければなりません。(1)使用するサイディングが寒冷地に適応しているか。寒冷地に適応していないサイディングを使用した場合、雪の重みに耐えれずに破損してしまったり、凍害の影響を受ける可能性が高くなります。(2)横張り用サイディングを使用する場合の注意点横張り用サイディングボードを使用する場合、雪の積もる高さまで補強用銅線を取り付ける必要があります。また、雪は積もらなくても、2階下屋根部分にも同様に補強用導線で補強する必要があります。(3)縦張り用サイディングを使用する場合の注意点縦張り用サイディングを寒冷地で使用する場合も補強用導線で補強する必要がありますが、その取り付けは、雪の積もる高さまで取り付ける必要があります。ただし、その取り付け間隔は303mm以下にする必要があります。

施工後の注意点

 窯業系サイディングは、それ単体では防水性能を有していません。そのため、基本的には塗装によって塗膜を作成し、その塗膜によって雨などの湿気から外壁材を保護します。しかし、同じ防水目的であっても透湿性の低い防水紙を窯業系サイディングに施工することはできません。透湿性の低いプラスチック系のフィルムやルーフィングなどの防水紙を窯業系サイディングに施工すると、結露や凍害の原因となり、外壁材の耐久性を低下させることにつながってしまいます。また、窯業系サイディングにタイルを直張りすることもできません。窯業系サイディングにタイルを直張りすると、タイルの剥離や破損が発生する可能性がありますので、非常に危険です。

その他の注意点

 窯業系サイディングを使用するにあたり、不必要な加工は極力行うべきではありません。例えば、施工のために必要な切り込みや加工はやむを得ませんが、切り込みすぎた場合や切り込み幅は必要以上に大きすぎる場合は窯業系サイディングボードの強度を保つことができず、耐久性が大幅に低下してしまうことがあります。また、釘の取り付けにしても、釘頭の補修を行う際に大きすぎる補修や現場仕上げの塗料不足、シーリング材の使用など、不適切な補修を行ってしまった場合には、施工後すぐに問題は生じなくても、経年劣化で補修部分が目立ってしまったり、補修部分から大きな破損につながる恐れがあります。

また、後付けで付帯物を取り付ける場合には、必ず固定用の木下地を取り付けなければなりません。これを怠った場合、付帯物によって窯業系サイディングが傷ついてしまうことや、予期せぬ落下等によって怪我をしてしまう可能性があります。

窯業系の劣化

窯業系サイディングはメンテナンスフリーと言われることがあります。しかし、窯業系サイディングに限らず、基本的に風雨にさらされる外壁において、一切メンテナンスを行わずに長期間使用し続けることはできません。窯業系サイディングにおいても、必ず劣化します。特に、サイディングを使用している場合は、板と板の継ぎ目にゴム状のコーキングを充填し、接着しています。サイディングそのものの劣化よりも先に、コーキングが劣化しますので、コーキングのメンテナンスは必ず行わなければなりません。

コーキングが劣化すると、コーキングのひび割れやコーキングのヤセといった症状が現れます。コーキングは、板と板を密着させるとともに、その隙間から雨や湿気による水分の侵入を防いでいますが、ひび割れやヤセにより隙間が生じると、その隙間から水分が内部に侵入することとなります。コーキングから中に入った水分は、建物の内部に到達し、内部から腐食させる原因となります。

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 次にサイディングに施した塗装の劣化です。サイディングには、防水性能を向上させるために塗装を行っていますが、この塗装が劣化することによるチョーキング現象(さわると白い粉状のものが付着する現象)が劣化のサインと言われています。

塗装の劣化を放置しておくと、防水性能を向上させるための塗膜が劣化してしまい、従来通りの防水性能を維持することができなくなります。防水性能が下がると、雨や湿気による水分がサイディングに吸水されてしまい、サイディングの反りにつながります。また、サイディングの中に吸水された水分は、そのまま建物内部に浸水していきますので、建物を内部から腐食させてしまう原因となります。そのため、定期的に塗装を行う必要があるのです。

最後に、サイディングそのものの劣化です。これは、特に窯業系サイディングに多いサイディングの反りや割れといった症状になります。塗装の劣化でも説明した通り、サイディングが水分を含んで反るという現象や、下地が平らでなかったために徐々に反りかえるというケースもあります。反りがひどくなると、サイディングが割れてしまうという症状になります。

いずれの場合も、放置しておくことでさらに劣化が進みますので、早急に対応する必要があります。

サイディングが持つ防水効果

サイディングは、胴縁と呼ばれる木枠に張り付けるのですが、防水対策として、この胴縁の下に防水シートを貼っています。さらに、サイディングの上から塗装を行うため、二重の防水対策が行われている外壁材と言えるのです。しかし、そんなサイディングでも、雨漏りが発生してしまうことがあります。

軒裏 雨漏り 腐る

 二重の防水対策を施しているサイディングであっても、しっかりとメンテナンスしておかなければ雨漏りが発生してしまうことがあります。メンテナンスを行わなかった場合、以下のような原因でサイディングから雨漏りしてしまうことになります。

  1. 防水シートの劣化ーサイディングの胴縁の下に貼っている防水シートは、経年劣化により破損してしまうことがあります。また、破損まで到達しなくても、経年劣化でシートの形状が若干変わってしまう(伸縮してしまう)ことで、防水シートのつなぎ目に隙間ができてしまいます。通常、つなぎ目は防水テープで補強しますが、このテープ自体も経年劣化ではがれやすくなりますので、どうしてもこの隙間部分から浸水しやすくなってしまいます。
  2. 塗装の劣化ー2つ目の防水対策である外壁塗装で使用した塗料が劣化することで、サイディングボードの内部に水が侵入してしまうことにつながります。通常、サイディングの中に水が侵入しても、防水シートで防ぐことができますが、①の症状が同時に発生していた場合、雨漏りにつながることになります。
  3. 外壁材の破損ー台風などの強風時や、その他の要因により外壁材、つまりサイディングそのものが破損した場合、その破損部分は塗料による防水効果が期待できませんので、②と同様にサイディング内部に水の侵入を許してしまうことになります。また、破損の状態がひどく、防水シートまで破損していた場合は、①の状態と同様になりますので、塗装、防水シートという二重の防水対策が機能せず、雨漏りにつながることになります。
  4. シーリングの劣化ーサイディング同士をつなぎ合わせているシーリングも、サイディングの防水対策の1つとなります。シーリングがしっかりと充てんされている場合、サイディングとサイディングの間に隙間はなく、シーリングがしっかりと水を防ぎますが、経年劣化等によってシーリングにひびが入ったり、シーリングが痩せたりすると、その隙間から水が侵入することになり、雨漏りにつながってしまいます。

参考:コーキングとシリコンの違いについて

原因別の雨漏り対策

  1. 防水シートの経年劣化ー防水シートの経年劣化を予防することはできませんが、定期的にサイディングをチェックし、防水シートの経年劣化が発生していないかを確認することで、早期発見につながり、雨漏り発生前に防水シートの補修や交換といった対策を講じることができます。そうすることで、雨漏りを防止することができます。
  2. 塗装の経年劣化ー塗装の経年劣化についても、それ自体を予防することができません。しかし、定期的に塗装の状況を確認し、チョーキングやクラックといった劣化の症状を発見した場合、すぐに塗装工事を行うことで、防水効果を保つことができますので雨漏りを予防することができます。
  3. 外壁材の破損ー外壁材の破損は、台風などが予想されている場合は、外壁材の近くに物を置かないようにしておくことで多少の予防につながります。しかし、遠くから飛来する物を防ぐことはできませんので、どうしても完全に防ぐことはできません。台風や強風で物が当たった、経年劣化でサイディングそのものが破損したという場合、外壁の外観を定期的に確認するこで、その症状を発見することができます。特に台風が通過した後などは、外壁の破損がないかチェックしておくと早期発見につながります。外壁の破損を発見した場合、できるだけ早めに補修を行うことで、雨漏りを防止することができます。
  4. シーリングの劣化ーシーリングは、劣化するとゴム状のシーリングが硬化し、痩せやひびといった症状が現れます。シーリングも、紫外線によって経年劣化してしまい、それ自体を予防することはできませんが、定期的にチェックすることでシーリングの痩せやひびによって隙間ができていることを早期発見することができます。シーリングの劣化を発見した場合、できるだけ早く、シーリングの打ち替え(古いシーリングをすべて取り除き、新しいシーリングを充てんする工事)を行うことで、雨漏りを予防することができます。

コーキング材

窯業系サイディングの外壁塗装前に

窯業系サイディングで1番大切な事は、コーキングの打ち替えです。きっかけは昨年11月ごろに、サイディングの戸建て住宅を塗装した時です。コーキングの打ち替えを帰っていた時に、内部の木が腐っていることに気が付きました。したがって大工さんに相談して、いちどサイディングを剥がしてみました。
中の木が腐っていました・・・

雨漏れで内部の木がかなり腐っていました。しかしながらコーキングの打ち替えでなく、簡単な増打ちで作業をしていたら気がつかなかった事例になります。そのまま気づかず放置していたら、躯体の雨漏りは続きどんどん劣化していったと思います。コーキングの打ち替えによって、内部の状況がわかる時もありますのでしっかりとした作業をしてもらうことが大切です。サイディング塗装ポイントは3つあります。

  1. 1つ目はコーキングの打ち替えをしっかりすることです。
  2. 2つ目は、厚膜系の下塗り剤を塗装しないことです。フィーラーを見積もりに出している業者さんは疑ったほうが良いと思います。
  3. 3つ目は雨漏りにつながる施工をしないことです。雨水を逃すための部分に、知らず知らずコーキングで埋めてしまう業者さんも多いです。

窯業系サイディングでは、コーキングの打ち替えに関して知っておきましょう。コーキングはサイデイングの塗装にはずせないポイントです。コーキングの打ち替えに関しては、YouTubeのほうに何本か上がっていますのでどうぞ参考にしてくださ

サイディングの種類

 一口にサイディングといっても、その種類は大きく分けて4つあります。

  1.  一つは窯業系サイディングと言われる、日本で最も使われているサイディングです。窯業系サイディングは、セメントに繊維質と混和材を混ぜて窯で焼き上げることで作成します。これによって、コンクリートよりも強固で軽量となるサイディングが作られます。
  2.  二つ目は金属系サイディングです。金属にエンボス加工(凹凸の加工等)を行い、その裏面に断熱材をつけることで作成します。金属板ですので、窯業系サイディングよりも重量が軽いというメリットがありますが、錆や塗装のむずかしさがデメリットとなります。
  3.  三つめは木質系サイディングです。木材でできたサイディングですので、気の暖かさを感じることができますが、他のサイディングに比べて高価になる上、メンテナンスも非常に大変となっています。
  4.  最後は樹脂系サイディングです。樹脂系サイディングですが、塩化ビニールなどの樹脂を使って作成するサイディングで、海外ではよく使われていますが、日本ではあまり使われていません。樹脂系サイディングは、腐食しづらく、クラックも発生しにくい等、家の外壁材として、非常に良い性質がありますが、日本で普及していないことにより、扱える業者が少ないことがネックとなっています。

 サイディングの劣化

 サイディングが劣化してくると、様々な症状が見られます。

  1. カビ・藻による汚れ(窯業系サイディング、木質系サイディング)ー北側の外壁や日当たりの悪い面に発生しやすい症状です。カビや藻が発生しているからと言って、サイディング自体に問題があるということはありませんが、放置しておくとカビの胞子が拡散されるため、汚れが広がることとなります。 
  2. コーキングのやせ、ひび割れ(窯業系サイディング)ーサイディングは、ボードとボードをつなぎ合わせて外壁を構築していますので、つなぎ目にコーキングを行っています。このコーキングが劣化すると、痩せたて隙間がでたり、ひび割れたりすることとなります。コーキングの劣化は、紫外線が強く当たる方角が、最も劣化しやすいといわれています。
  3.  クラックの発生やサイディングボードの反りー外壁に使用しているサイディングボードにヒビが入ったり、ボード自体が反ってしまう症状です。放置しておくと、サイディングが更に劣化して割れてしまうこともある状態ですが、無理に反りを直すことでも、ボードが割れる可能性があるため、この症状を発見した場合は、できるだけ早く専門の業者に確認してもらってください。状態によっては、クラックは埋めて補修したり、反りを抑え状態を良くすることが可能です。
  4. サイディングのチョーキング(窯業系サイディング、金属系サイディング)ーサイディングの塗装面が劣化することにより、触ると白っぽい粉が手につく状態のことをチョーキングといいます。チョーキングは塗装が寿命を迎えたことで発生するといわれ、チョーキングが発生したら、塗装工事を検討しなければなりません。

3 窯業系サイディングの修復と金額

 では、サイディングが劣化した場合はどのような修復を行うことができるのでしょうか?コーキングが劣化しているだけであれば、コーキングのみのリフォームのみで大丈夫なケースもあります。特に雨風に晒されやすいベランダ部分で見かけることが多いです。この場合は、10万円から20万円と、比較的安価に修復することができます。

次に、サイディングのコーキングを打ち替えて塗装工事を行う場合です。この場合は使用する塗料によって大きく異なりますが、おおむね80万円~150万円と言われています。塗装を行うことによって、撥水性など、外壁としての機能をよみがえらせることができます。

最後の方法は、サイディングの張り替えです。コストを抑えるのであれば、今のサイディングはそのまま残した状態で、上から新しいサイディングを張り替えたほうが安く済みますが、サイディングボードが反っている場合は、上から新しいサイディングを張っても反りは直りませんので、新しいサイディングにもダメージが生じます。そのため、サイディングボードに反りがある場合は、既存のサイディングボードを撤去して、新しいサイディングボードを張るという方法をおすすめします。

参考

サイディングで塗り残しが出やすいところ

サイディングが長持ちをするために

窯業系サイディングのメンテナンス

①コーキングのメンテナンス

 窯業系サイディングの場合、サイディングの劣化や塗料の劣化よりも先にコーキングの劣化が始まります。コーキングの寿命は5年程度と言われていますので、5年を目途に、コーキングの状態を確認することをおすすめします。コーキングのメンテナンスについては、コーキングの劣化状況によります。軽度の劣化であれば、既存のコーキングを残しつつ、上から重ねてコーキングを充填するだけで対応することが可能です。

 しかし、劣化がひどいようであれば、既存のコーキングをすべて撤去し、新たにコーキングをやり直す必要があります。

②塗膜のメンテナンス

 サイディングボードの塗料が劣化し、チョーキング現象が発生している場合などは、塗膜のメンテナンスを行います。つまり、外壁塗装です。この際に、コーキングについても合わせてメンテナンスすることが多くなっています。塗装工事では、下地処理としてサイディングボードの汚れや古い塗膜を一度きれいに掃除してから、新たな塗料を塗るという作業になります。この汚れや古い塗膜をきれいに除去しておかなければ、塗装工事のもう1つの目的である美観が損なわれるほか、塗装の耐久性が著しく低下します。

③サイディングボードのメンテナンス

 サイディングボードが反った、もしくは割れてしまった場合のメンテナンス方法ですが、この場合は張り替えが最も理想的な方法となります。吸水したために反ってしまったサイディングボードをビス等で固定した場合、一時的には反りは戻るかもしれませんが、無理な力がかかっている以上、長期間持つことはなく、サイディングボードが割れてしまいます。一度割れてしまったサイディングボードを修復することは非常に困難ですので、張り替えという選択になってしまいます。

サイディングボードにおすすめの塗料とは

1.直張り工法と通気工法の違い

 サイディングボードを塗装する場合、今のサイディングが直張り工法か通気工法かを確認する必要があります。現在、ほとんどのサイディングボードは通気工法となっていますが、直張り工法の場合は、塗装の塗り替えではなく、張り替えが推奨されています。

通気工法は、柱とサイディングボードの間に通気層があり、湿気を乾燥させることができる仕組みになっていますが、直張り工法は柱とサイディングボードの間に通気層がないため、湿気を逃がすことができません。そのため、内部で結露等が発生した場合、その水分をサイディングボード自体が吸収することとなり、サイディングボードが反ったり塗装が剥がれたりします。

そのため、直張り工法の場合は、張り替えが推奨されていますが、どうしても塗装を行うということであれば、ガイナ塗料をお勧めしています。ガイナ塗料は内外の温度を緩和する効果があるため、サイディングボード内部の結露を緩和することができます。そのため、直張り工法のデメリットを緩和させることができるそうです。

 通気工法の場合は、塗り替えが推奨されていますので、防水性能、耐久性の高い塗料がおすすめとなります。

2.通気工法でおすすめの塗料

 サイディングボードは、製造された時期やメーカーによって、品質が大きく異なります。そのため、簡単に1つの塗料を指してお勧めですということができません。そのため、実際に使用する塗料は、ご依頼するプロの塗装業者さんと相談して決めていくことになるかと思いますが、ここでは、一般的におすすめできる塗料の種類をご紹介します。

フッ素系塗料

 今回紹介する中では、コスト、耐久年数ともに優れています。実績もあり耐久性能を最も重視される方には、おすすめの塗料となります。耐用年数を超えると、塗膜にひび割れが起こってしまいますので、少しでも気になったら早めの対応が望ましいです。フッ素系塗料の耐久年数は9年~12年程度と、ヨコイ塗装ではみています。

無機塗料

ヨコイ塗装では、今おすすめしている塗料です。せっかく足場を作るなら長持ちさせていのでは無いでしょうか?1回にかかる費用は少し高くなりますが、トータルの塗替え回数が減りますので、全体的にはコストパフォーマンスも良くなるのでは無いでしょうか?特にkfケミカルさんのワールドセラをヨコイ塗装ではオススメをしています。

KFケミカル 施工認定書

まとめ

 窯業系サイディングも決してメンテナンスフリーではありません。しっかりとメンテナンスを行っておかなければ、コーキングや劣化した塗膜から水が侵入し、サイディングを劣化させるとともに、家の内部からの腐食につながります。定期的にコーキングのメンテナンスおよび外壁塗装を行うことで、外壁をきれいに保つとともに、家の劣化を防止することが可能となります。しっかりとしたメンテナンスを心掛けるようにしてください。