最近、すっかり寒くなり、年の変わり目を意識する季節となりました。山間部では、雪が積もっている地域もあるようで、これから更に寒さが増してくることでしょう。

さて、そんな冬の寒い時期には塗装作業を行わない方がいい、ということを聞くこともあるかと思います。冬は寒いだけでなく、空気が乾燥しており、日照時間が短いという特徴があります。それらの特徴のうち、何が冬は塗装作業に向かないと言われる原因なのでしょうか。

今回は、冬季における塗装作業で、

塗装作業が向かないと言われるわけと、依頼者側が注意することについてまとめてみました。

冬が塗装作業に向かないと言われるワケ

 冬は、夏と比べると気温が低いだけでなく、湿度が低い、日照時間が短いという変化があります。塗装作業において使用する塗料には、適切な気温及び湿度が定められており、概ね、気温は20度程度、湿度は60%程度がいいと言われています。しかし、冬の時期は、気温は10度未満、湿度も低いときは20%~30%と、塗料のベストコンディションとは遠い状態であるといえます。

特に、外気温が3度未満である場合、気温が低すぎて塗料の粘度が増し、結果として希釈剤(シンナー)を入れなければ作業ができなくなる可能性があります。しかし、塗料のベストコンディションを守れないのは夏も同じで、夏の場合は気温が30度以上、湿度も多いときは70%以上と、こちらもベストコンディションとは言い難い状態です。

塗料に関しては、ベストコンディションはあくまで気温20度、湿度60%程度と言われていますが、メーカーの努力の甲斐もあり、今では夏用・冬用といった塗料も販売されています。各季節に応じた塗料を行うことで、その季節に応じた状態をベストコンディションとすることができますので、今は昔ほど気温や湿度に関して、注意しなければならないということはありません。

では、冬が塗装作業に向かないと言われる最も大きな点とはなんでしょうか。それは、日照時間の短さです。塗装作業を行う場合は、下塗り・中塗り・上塗りと少なくとも3段階に分けて塗装作業を行います。塗装を行ってすぐは、塗料が乾いていない関係から、次の工程に移ることができません。必ず塗料を乾かすという待ち時間が生じます。

 夏では、19時位までは日照時間があるため、比較的遅くまで塗料を乾かす環境を作れますが、冬は早い場合は17時程度までしか日照時間がなく、乾燥にかけられる時間が短くなってしまいます。また、夕方から夜にかけて、霜が降りることもあります。せっかく乾燥させようとしている塗料は、霜によって再度水分を含んでしまうことは、塗装作業の中断となりかねません。(水性塗料において)これらの要因が、冬は塗装作業に向かないと言われる原因です。

本当に冬季は外壁塗装ができないのか

 では、これらの問題があるから、冬は本当に外壁塗装ができないのかと言われると、そうではありません。夏に比べて、条件はよくありませんが、冬でも塗装作業は十分に行うことができます。

第一に、すでに説明したとおり、冬用の塗料が販売されていますので、よほどの低温出ない限りは、塗料の性能を十分に発揮して塗装することができます。塗料の問題については、現代においては特に問題とはなりません。次に日照時間の問題ですが、これについても、先に日当たりの悪い部分から塗装を行い、日当たりの良い部分を最後に行うことで、短い日照時間でも効率的に日光に当てることができますし、熟練の職人さんであれば、乾燥までの時間をシミュレートすることも可能ですので、霜が降りる前に乾燥を完了させるよう、塗装計画をたてることも可能です。そのため、冬であっても塗装作業は問題なく行うことができます。

冬に塗装作業を依頼する場合の注意点

 冬でも塗装作業は問題なく行えますが、これは施工主様の協力が必要です。例えば、夏であれば多少無理なスケジュールであっても、日照時間が長く、気温も高いため、塗料の乾燥までの待ち時間が短く、スケジュールも立てやすいのですが、冬においては、日照時間が短いため、限られた時間内に効率よく塗装を行わなければなりません。

そのため、厳しい納期や期間を限定しての塗装のご依頼があった場合、ご期待に添えることができない可能性が生じます。かといって無期限に納期を延長させてほしいということではありません。

しっかりとゆとりをもった納期をご指定いただければ、きっちり納期を計算に入れた上で塗装作業行うことができますので、期限はゆとりをもっていただきたいと思います。(ただどうしてハウスメーカーさんでの工期は下請け業者さんにしわ寄せが来ることが多いので、

ヨコイ塗装では元請け業者さんでの塗装をおすすめしています。)

特に、外壁塗装において、雨や雪の日は作業が滞ってしまいます。雪の降りやすい地域で、雪が積もっている場合には、塗装場所によっては塗装作業を行えないケースもあり得ますので、納期に関しては、十分にゆとりをもたれることをおすすめいたします。