三面接着を避けるバックアップ材・ボンドブレーカーの役割は?

家の窓や壁の周りにある、あのゴムみたいなシーリング剤に気づいていますか?ほとんどの人が気にも留めないこの部分ですが、実は、ごくありふれた小さな施工ミスが、後々あなたの家を蝕む大きな問題を引き起こす可能性があることをご存知でしょうか。

問題の核心は、実は驚くほど単純な違いにあります。シーリング剤が自由に伸び縮みできるか、それとも溝の底にベタッとくっついてしまっているか。たったこれだけの差がもう全てを決めちゃうんです。これから、その衝撃の真実を5つに分けて解き明かしていきます。

——————————————————————————–

真実1:伸び縮みできない「輪ゴム」が、すべての悲劇の始まり

すべての悲劇の始まりは、「3面接着」という状態です。これは、シーリング剤が本来接着すべき溝の両側(2面)だけでなく、うっかり底の部分にもくっついてしまう施工ミスのことです。

シーリング剤を「輪ゴム」に例えてみましょう。建物は夏には暑さで膨らみ、冬には寒さで縮むなど、季節によってわずかに動きます。シーリング剤の最も大事な仕事は、その動きに合わせて輪ゴムのように伸び縮みし、建物を水から守ることです。

しかし、3面接着の状態は、その輪ゴムの真ん中を接着剤で地面に貼り付けてしまったようなもの。これでは、もう自由に伸び縮みできません。

動けなくなったシーリング剤の末路は悲惨です。まず建物の動きに耐えられなくなり、ヒビが入ります。やがて壁から剥がれていき、その隙間から水が侵入します。最終的には、高額な修理費がかかる雨漏りや、建物の構造自体が腐ってしまうという最悪の事態につながるのです。

——————————————————————————–

真実2:家を守る「縁の下の力持ち」がいる

この恐ろしい3面接着の問題を解決してくれる、2人のヒーローがいます。それが**「バックアップ材」「ボンドブレーカー」**です。これらは3面接着を防ぐための、まさに秘密兵器と言える存在です。

まずバックアップ材は、シーリング剤を詰める前に溝に入れる、スポンジのような素材です。これには3つの重要な役割があります。

  1. シーリング剤の深さを調整し、適切な厚さを確保する。
  2. (最も重要) 溝の底に物理的な壁を作り、シーリング剤がくっつくのを防ぎ、理想的な「2面接着」を実現する。
  3. 深い溝を埋める際に無駄なシーリング材を使わずに済むため、コストを削減できる。

次にボンドブレーカーは、バックアップ材が入らない浅い溝で活躍するテープ状の材料です。これを溝の底に貼ってシーリング剤がくっつかない層を作ることで3面接着を確実に防ぎ、シーリング剤が本来持つべき伸縮性を最大限に引き出して耐久性を格段にアップさせるのです。さらに、シーリング剤の変色を防ぐという嬉しい効果もあります。

——————————————————————————–

真実3:最強の武器は、あなたのスマホにすでに入っている

この知識を知っているだけでは意味がありません。本当に重要なのは、この知識を実践的な力に変え、自分の家を守ることです。そのための最強の武器は、あなたが持っているスマートフォンです。

業者に工事を依頼する際、最も効果的な方法は、工事工程の写真を要求することです。特に、完成したら見えなくなってしまう部分、つまり「バックアップ材やボンドブレーカーをちゃんと設置しました」という証拠写真の提出を必ず求めてください。

これは丁寧なお願いではありません。依頼主としての当然の権利です。

ちゃんと手順通りにやりましたよっていう証拠、つまり写真とか報告書を求めるのはもう交渉の余地なし。これはあなたの当然の権利だし、絶対に譲っちゃいけないポイントなんです。

この要求に誠実に応えてくれるかどうかは、業者を見極めるための最終テストになります。

——————————————————————————–

真実4:「良い業者」は、すぐには工事を始めない

「腕の良い業者」は、口先だけのセールストークではなく、行動でその価値を証明します。彼らを見極める決定的な違いは、工事を依頼した後の「最初の動き」に現れます。

良い業者を見極めるためのチェックリストは以下の通りです。

  • すぐに工事を始めない: 雨漏りの場合、いきなり工事を始めることはありません。まずは散水テストなどで原因を徹底的に調査します。
  • 正直である: もし原因が特定できなければ、「分かりません」と正直に伝える誠実さを持っています。
  • 仕事に自信を持っている: 修理保証を付けたり、「もし治らなかったら全額返金します」といった約束をしてくれたりするのは、自分たちの仕事に絶対的な自信がある証拠です。

一方で、「今契約してくれたら値引きしますよ」といった、契約を急がせるような営業トークには絶対に乗ってはいけません。

衝撃的な話ですが、業者の中には塗料を計量器も使わず、感覚(目分量)で混ぜる人もいるそうです。だからこそ、施工プロセスをきちんと記録し、品質管理を徹底している業者を選ぶことが何よりも重要なのです。

——————————————————————————–

真実5:修理が数年でダメになるか、20年持つかは「見えない部分」で決まる

今日お伝えしたかった結論は、本当に大事なのは「細かい部分、ディテール」だということです。

バックアップ材やボンドブレーカーのような、一見すると地味で完成後には見えなくなってしまう部品。しかし、この小さな部材の有無が、その修理の寿命を決定づけます。

これがあるかないかでその修理が数年でダメになるか、それとも10年20年と持つかが決まってしまう。それくらいの決定的な違いを生むんだってこと是非覚えておいてください。

建物の寿命は、こうした見えない部分へのこだわりによって大きく左右されるのです。

——————————————————————————–

今日のお話で、皆さんは自分の家を守るための強力な知識という武器を手に入れました。

次に家のメンテナンスとか修理を考える時、この知識をどう生かしますか?自分の家をちゃんと守る準備、できましたか?

Tags: コーキング, 外壁塗装, 扶桑町

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


このサイトは reCAPTCHA によって保護されており、Google のプライバシーポリシー および 利用規約 に適用されます。

reCaptcha の認証期間が終了しました。ページを再読み込みしてください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

このサイトは reCAPTCHA によって保護されており、Google のプライバシーポリシー および 利用規約 に適用されます。

reCaptcha の認証期間が終了しました。ページを再読み込みしてください。

目次