シャッター塗装はどうすれば良いですか?
導入部:
「最近、家のシャッターの色褪せや錆が気になってきたな。そろそろ塗り替え時かもしれない」 ご自宅のメンテナンスを考える際、このように感じる方も多いのではないでしょうか。外壁と一緒にシャッターもきれいにすれば、家全体の印象がぐっと引き締まります。
しかし、シャッター塗装には、知らずに行うとシャッターを壊してしまう危険さえある、意外な落とし穴があることをご存知でしたか?この記事では、建物の資産価値を守るためにプロが実践している、シャッター塗装の「やってはいけないこと」を5つのポイントに絞って解説します。失敗を避け、大切な住まいを長持ちさせるための知識を身につけましょう。
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1. 【意外な事実】「シャッター塗装」は、シャッター本体を塗らないのが基本
外壁塗装と同時にシャッター塗装を依頼した場合、一般的に塗装されるのは「シャッターボックス(収納箱)」のみで、シャッター本体(スラット)は対象外となることがほとんどです。
多くの方が「シャッターを塗る」と聞くと、シャッターの板(スラット)全体を塗り直すイメージを持つかもしれません。しかし、外壁塗装においてシャッターボックスは「付帯部」として扱われるため塗装範囲に含まれる一方、スラット部分の塗装は塗膜の厚さ管理などが非常に難しく、高度な技術が要求されます。そのため、特別な依頼がない限り、見積もりの範囲はシャッターボックスのみとなっているのが一般的です。これが、多くの人が抱くイメージとの最初のギャップであり、知っておくべき基本の事実です。
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2. 【最重要工程】仕上がりの9割を決めるのは「見えない下地処理」
塗装の成功は、塗料を塗る前の「下地処理(ケレン)」で決まると言っても過言ではありません。 サンドペーパーやワイヤーブラシを使い、古い塗膜、汚れ、そして錆を丁寧に取り除くこの作業が、新しい塗料の密着性を高め、数年後の「剥がれ」を防ぐために不可欠です。
プロが行うこの作業は専門的に「3種ケレン」と呼ばれ、戸建て住宅のシャッター塗装で一般的に行われる手法です。これは、まだ生きている塗膜は残しつつ、浮き上がった古い塗膜や錆を徹底的に除去する作業を指します。
シャッター塗装において、下地処理(ケレン)最も重要な工程とされています。ケレンを怠ると、塗膜がすぐに剥がれる原因となります。
しかし、この下地処理は塗装が終わると完全に見えなくなってしまいます。だからこそ、手間がかかるこの工程は手抜きされやすい箇所でもあります。見えない部分にこそ、職人の質が現れるのです。
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3. 【最大の注意点】塗料の「厚塗り」はシャッターの故障原因になる
シャッター塗装で絶対にやってはいけないこと、それは塗料の「厚塗り」です。
見た目を良くしようと一度に塗料を厚く塗ってしまうと、塗りムラや塗料の垂れが発生するだけでなく、シャッターのスラット(板)同士が塗料でくっつき、開閉できなくなるという最悪の事態を招きます。特に電動シャッターの場合、モーターに過剰な負荷がかかり、故障に直結する非常に危険な行為です。
プロの技術は、塗料を「2〜3回に分けて薄く均一に重ね塗りする」ことにあります。これは美観を保つためだけでなく、シャッターが持つ本来の機能を維持するために不可欠な鉄則なのです。
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4. 【劣化のサイン】シャッターが送る「白い粉」のSOSを見逃さない
シャッターの表面を手で触ったとき、白い粉がつきませんか? これは「チョーキング現象」と呼ばれる、塗膜が劣化しているサインです。また、わずかな錆が発生している場合も、メンテナンスを検討すべき初期のSOSです。
「まだ大丈夫だろう」とこれらの小さなサインを見過ごしてしまうと、劣化が内部まで進行し、最終的には高額な修理費用やシャッター自体の交換が必要になる可能性があります。早めの対処が、将来的な大きな出費を抑える最も賢明な方法です。
そして、費用対効果を考えるなら、外壁塗装と同時期にシャッター塗装を行うことを強くお勧めします。足場の設置費用などを一本化できるため、単独で依頼するよりもずっと効率的にメンテナンスを進めることができます。
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5. 【業者選びのコツ】見積書の「一式」という言葉に要注意
信頼できる業者を見極めるには、見積書の記載内容をチェックするのが最も効果的です。
見積書に単に「鉄部塗装 一式」としか書かれていない場合は注意が必要です。信頼できる業者は、**「下地処理(3種ケレン)」「錆止め下塗り」「上塗り」**といった具体的な作業工程を明記します。
さらに信頼性を測るなら、「錆止め下塗り」の項目で「エポキシ樹脂系錆止め塗料」のように、使用する塗料の種類まで具体的に記載されているか確認しましょう。何をして、何を塗るのか。作業内容が明確な見積書を提出する業者は、見えない部分である下地処理にもこだわり、責任を持って仕事に取り組むプロである可能性が高いと言えるでしょう。
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結論:
この記事では、シャッター塗装で絶対にやってはいけない5つのことを解説しました。
- 本体は塗らないのが基本
- 見えない下地処理(ケレン)が最も重要
- 塗料の厚塗りは故障の原因
- 劣化のサイン(白い粉)を見逃さない
- 見積書は「一式」ではなく工程を確認する
シャッター塗装は、単に見た目をきれいにするだけではありません。シャッターの機能を守り、建物全体の資産価値を維持するための重要な技術的メンテナンスです。
ご自宅のメンテナンス計画を立てる際、次は何を基準に専門家を選びますか?
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