リノベーション必見!「ガルバリウム色褪せ早い」問題の原因と防止策

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1. はじめに

リノベーションに欠かせない素材の一つ、ガルバリウム鋼板。その耐久性や美麗な光沢は建築業界で高い評価を受けています。しかし、「ガルバリウム色褪せ早い」という問題が指摘されることもあります。

これは経年劣化や環境要因により、ガルバリウム鋼板が色褪せしまうという現象を指します。特に屋外で使用される場合、雨風や紫外線により劣化が進行しやすいのが実情です。リノベーションを行う際に、色褪せが進行しているガルバリウム鋼板をどのように処理し、どのように保護すべきか、適切な知識が必要となります。

本記事では、「ガルバリウム色褪せ早い」問題の原因とその防止・改善方法について解説します。早期発見と適切な対策で、ガルバリウム鋼板の美しさを長く保つことが可能です。

「ガルバリウム色褪せ早い」問題について

「ガルバリウム色褪せ早い」とは、ガルバリウム鋼板の色が経年劣化などにより早く褪せてしまう問題を指します。この問題は、ガルバリウム鋼板が建築物や外装材として広く使用されているため、多くの方々からの関心を集めています。

ガルバリウム鋼板は、優れた耐食性や耐久性を持つ一方で、経年劣化により色褪せが起こる可能性があります。特に、強い紫外線や雨風、湿度などの影響を受けやすい環境下では、その現象が顕著に現れることがあります。

以下の表は、ガルバリウムの色褪せ早い問題の主な原因とその概要を示しています。

原因

概要

経年劣化

自然の腐食過程により色褪せが発生

紫外線

強い日差しにより色あせが進行

雨風・湿度

高湿環境や雨風により劣化が早まる

この問題を解決するためには、定期的なメンテナンスや適切なリノベーションが必要となります。具体的な対策については後述します。

2. ガルバリウムとは

ガルバリウムとは、鋼板にアルミニウムと亜鉛を主成分とした被膜をつけたものを指します。以下の表でその特性を詳細にご紹介します。

特性

内容

耐食性

アルミニウムと亜鉛の二重の保護により、優れた耐食性を持つ。

高耐熱性

炎による影響を受けにくく、火災に強い。

軽量性

鋼板自体が軽量で、大きな建築物でも取り扱いやすい。

ガルバリウム鋼板は、その特性から屋根材や外壁材などに広く用いられています。特に耐食性と高耐熱性は長期にわたる外部環境への影響を抑えるため、建築分野での利用が多いのです。ただし、色褪せが早いという課題があることも事実で、その原因と解決策については次節以降で詳しく解説します。

(1) ガルバリウム鋼板の特性

ガルバリウム鋼板は、その名の通りガルバニウムとアルミニウムを主成分とする特殊な鋼板です。これらの成分が錆びにくさと耐久性を備え、それが大きな特長となっています。一般的な鋼板に比べて耐候性に優れ、建物の屋根や外壁などに用いられることが多いです。

ガルバリウム鋼板の主な特性を以下の表にまとめました。

特性

説明

耐久性

長期間にわたり優れた耐久性を発揮します。

耐候性

風雨や紫外線から建物を守る能力に優れています。

軽量性

比較的軽量なため、構造物への負荷を抑えます。

しかし、その一方で「色褪せが早い」という課題も存在します。続く項目では、この問題の原因と対策を詳しくお伝えします。

(2) ガルバリウム鋼板の用途

ガルバリウム鋼板は、その耐食性と耐久性に優れているため、様々な分野で利用されています。主に屋根や外壁材としての使用が多く、これらの部分に使用することで、長期間にわたる耐久性とメンテナンスのしやすさを提供します。

また、建築物のサイディング、雨どい、屋外装置のカバーなどにも利用され、これらの用途においては、ガルバリウム鋼板の色褪せに強い特性が利点となります。

さらに、塩害に強いため海沿いや温泉地などの塩分を多く含む環境でも持ちが良いとされています。その他にも、一部の農業施設や工業施設では、耐食性を活かした用途が見られます。

以下に、ガルバリウム鋼板の主な用途を表にまとめています。

用途

特性の活用

屋根・外壁材

耐久性・メンテナンス性

建築物のサイディング・雨どい

色褪せ耐性

海沿いの施設

塩害耐性

農業施設・工業施設

耐食性

以上が、ガルバリウム鋼板の主な用途とその特性の活用例です。

3.「ガルバリウム色褪せ早い」問題の原因

ガルバリウム鋼板が色褪せる原因は主に三つです。

1.経年劣化現象: 全ての建材に共通する現象で、時間とともに自然と色褪せが起こるものです。通常、ガルバリウムは20年以上の耐久性があるとされていますが、環境条件によっては早めに色褪せが起こることもあります。

2.チョーキング現象: これはガルバリウムの表面に塗装やコーティングが施されている場合に起こります。紫外線や雨風によって表面が劣化し、粉状の白い物質が発生し、色褪せにつながる現象です。

3.錆・苔・カビの影響: 使用環境やメンテナンス状況により、錆や苔、カビが発生することがあります。これらが直接的に色褪せを引き起こすわけではないですが、表面を覆い、元の色を見えなくすることで色褪せと感じられることがあります。

これらの原因を把握することで、適切なメンテナンスやリノベーションが可能となります。

(1)経年劣化現象

ガルバリウム鋼板は、その特性上、時間の経過とともに色褪せる経年劣化現象が見られます。これは、ガルバリウム鋼板の表面に形成される独特のパティナ(腐食生成物)が、日光や雨風によって徐々に変化し、元の色合いを失う現象を指しています。

以下の表は、ガルバリウム鋼板の色褪せを引き起こす主な要因を示しています。

原因

詳細

日光

紫外線や赤外線等により鋼板の色が褪せる

雨風

雨や風による物理的な摩耗で鋼板が劣化する

この経年劣化は避けることは難しく、ガルバリウム鋼板の持つ美しさの一部とも言えます。しかし、適切なメンテナンスを行うことで、色褪せを最小限に抑えることが可能です。

(2)チョーキング現象

「ガルバリウム色褪せ早い」と感じる一因に「チョーキング現象」があります。これは、ガルバリウム鋼板の表面が紫外線や雨風により劣化し、微細な粉状になる現象のことを指します。触れると手に白い粉がつく事からこの名前がつきました。

↓ 【チョーキング現象のメカニズム】

  1. 紫外線や雨風による長期的な影響

  2. ガルバリウム鋼板表面の劣化

  3. 微細な粉状の発生

この現象により、ガルバリウム鋼板の色が褪せて見えることがあります。対策としては、定期的なクリーニングや、適切なタイミングでの塗装が効果的です。また、強い紫外線が当たりやすい場所や、海沿いなど塩害の影響を受けやすい地域では、特にこの現象に注意が必要です。

(3)錆・苔・カビの影響

ガルバリウムの色褪せが早く進む一因として、錆や苔、カビの影響があります。「ガルバリウム色褪せ早い」問題を深刻化させるこれらの要因について詳しく見ていきましょう。

まず、「錆」についてです。ガルバリウム鋼板は耐食性に優れていますが、経年による風雨の影響や、塩分濃度が高い地域では、表面が酸化し、錆が発生する可能性があります。これにより、元々の美しい色合いが褪せてしまいます。

次に、「苔・カビ」についてです。湿度が高い環境や、雨水が長時間滞留する場所では、苔やカビが生育しやすくなります。これらが原因でガルバリウム鋼板の表面の色が変化し、色褪せが進行します。

これらの問題を防ぐためには、定期的な清掃やメンテナンスが重要となります。また、劣化が見られた場合は、早めの補修や塗装がおすすめです。

4.色褪せを防止するためのメンテナンス方法

ガルバリウム鋼板の色褪せを防ぐためには、以下のメンテナンス方法が試されています。

(1)定期的なケレン(表面処理) ガルバリウムの表面は経年劣化により少しずつ変色します。これを防ぐためには、定期的なケレンが有効です。ケレン(表面を磨くこと)により、鋼板表面の不純物や既に色褪せてしまった部分を取り除くことが可能となります。

(2)適切な塗装とそのタイミング 適切な塗装は、ガルバリウムの色褪せを予防します。塗装のタイミングは、新築時やリノベーション時、または既存の塗装が劣化してきたと感じたら行うと良いでしょう。

(3)傷や劣化シーリングの早期補修 ガルバリウムに傷がついたり、シーリングが劣化したりすると、そこから色褪せが進行します。傷や劣化シーリングを早期に補修し、塗装を施すことで、色褪せの進行を防ぎます。

以上のメンテナンス方法を試すことで、ガルバリウム鋼板の色褪せを防止し、美観を長持ちさせることが可能です。

(1)定期的なケレン(表面処理)

ガルバリウム鋼板の色褪せを遅らせるためには、定期的なケレン(表面処理)が必須です。ケレンとは、鋼板表面の汚れや錆を取り除く作業のことを指します。

まず、ガルバリウム鋼板の表面についた塵や汚れを柔らかいブラシや布で優しく拭き取ります。これは、細かい粒子が鋼板表面を傷つけるのを防ぐためです。次に、専用のケレン剤を使用して、鋼板表面の錆や汚れを完全に取り除きます。

表1. ケレンの手順

手順

内容

1

ガルバリウム鋼板表面の汚れを柔らかいブラシや布で拭き取る

2

専用のケレン剤で鋼板表面の錆や汚れを取り除く

このケレンの作業は年に1度程度を目安に行い、ガルバリウム鋼板の美観と耐久性を保つことが可能です。しかし、ガルバリウム鋼板の環境や使用状況によっては、もっと頻繁に行うことも考えられます。

(2)適切な塗装とそのタイミング

ガルバリウム鋼板の色褪せを防ぐためには、適切な塗装が欠かせません。一般的に、ガルバリウム鋼板には、耐候性や塩害に強いフッ素系塗料やシリコン系塗料が適しています。太陽光や雨風による直接のダメージから鋼板を守り、色褪せを最小限に抑えます。

また、塗装のタイミングも重要です。新規施工後、すぐに失敗すること無く2~3年目を目安に塗装をすると、ガルバリウム鋼板の寿命を格段に延ばすことが可能です。更に、定期的な再塗装(7~10年ごと)も忘れずに行いましょう。

以下に一例を挙げてみます。

【塗装タイミングと種類の例】

初回塗装

再塗装

塗料の種類

新規施工後2~3年目

7~10年ごと

フッ素系、シリコン系

色褪せ問題を解消するために、適切な塗装とそのタイミングを把握し、ガルバリウム鋼板のメンテナンスを怠らないようにしましょう。

(3)傷や劣化シーリングの早期補修

ガルバリウム鋼板の色褪せを防ぐためには、傷や劣化したシーリングの早期補修が欠かせません。

まずは、定期的にガルバリウム鋼板の表面を観察することが重要です。見かけ上の小さな傷も、時間と共に錆びる原因となる可能性があります。見つけ次第、適切な塗料で塗装し直すことで、色褪せや錆を予防することができます。

次に、建物の屋根や壁に使われるシーリング材が劣化していれば、そちらも早急に補修する必要があります。劣化したシーリング材から水分が侵入し、ガルバリウム鋼板が錆びたり色褪せたりする原因となります。

■補修の手順

  1. 傷や劣化部分を確認

  2. 必要に応じてシーリング材を撤去

  3. 新しいシーリング材を適用

  4. 塗装を行う

以上のような対応を早めに行うことで、ガルバリウム鋼板の長期的な色褪せを防ぐことが可能です。

5.色褪せを改善するリノベーション方法

ガルバリウム鋼板の色褪せを改善するには、適切なリノベーションが有効です。

まず(1)塗装の手順とポイントですが、ガルバリウム鋼板の表面を整える「ケレン」を行い、さらにプライマーを塗布し、最後に上塗りとなる塗料を塗るのが基本的な手順です。これらの工程は専門家に依頼することをおすすめします。

次に(2)色選びのアドバイスですが、塗装色は日光に強く、退色しにくい色を選ぶと良いでしょう。例えば、濃色よりも淡色、無彩色よりも彩度の低い色がおすすめです。

最後に(3)フッ素鋼板の活用です。フッ素鋼板は色褪せに強く、耐久性にも優れています。ガルバリウム鋼板の上から貼ることで、色褪せを防ぎつつ経年劣化も抑えられます。ただし、費用がかかりますので、必要性と予算を考慮しましょう。

(1)塗装の手順とポイント

ガルバリウム鋼板の色褪せを改善するためには、適切な塗装が重要となります。その手順とポイントを以下に示します。

1.表面処理:まずはガルバリウム鋼板の表面汚れや旧塗膜、錆などをケレンで除去します。これにより塗料がしっかりと鋼板に密着する基盤を作ります。

2.下塗り:初めて塗装する場合や前の塗装から時間が経過している場合は下塗りが必要です。これにより塗料の密着性を高め、錆びの発生を防ぎます。

3.中塗り:下塗り後、色の均一性や防錆性を高めるために中塗りを行います。塗膜の厚さを一定に保つことで色ムラを防ぎます。

4.上塗り:最終的な色味と光沢を出すための上塗りを行います。耐久性を高め、長期間色褪せを防ぐ効果があります。

以上、適切な塗装手順とそのポイントを理解し、ガルバリウム鋼板の美観と耐久性を長持ちさせましょう。

(2)色選びのアドバイス

色選びは、ガルバリウムの色褪せを防止する上で重要な要素の一つです。一般的に、淡い色ほど太陽光の反射率が高く、暗い色ほど低いことから、色褪せの進行速度に差が出ます。つまり、淡い色の塗装を選ぶことで、色褪せを遅らせる効果が期待できます。

また、過度な紫外線の影響を受けやすい地域では、紫外線防止効果のある塗料を選ぶことも大切です。これらの塗料は、紫外線による色褪せを抑える成分を含んでいます。

また、色選びは家の外観だけでなく、周囲の環境にも配慮した方が良いでしょう。周囲の景観と調和し、長期間美しい状態を保ちやすい色を選んで下さい。

(3)フッ素鋼板の活用

ガルバリウム鋼板の色褪せ問題を解決する一つの方法として、フッ素鋼板の活用があります。フッ素鋼板は、耐候性、防汚性に優れ、色褪せにくいという特性を持つため、ガルバリウム鋼板よりも長持ちします。

フッ素鋼板は、その名の通りフッ素樹脂を塗布した鋼板で、優れた耐候性と保色性を持っています。表面が滑らかであるため、汚れが付着しにくく、メンテナンスも容易です。

また、多くの色彩が用意されており、建物のデザインに合わせた選択が可能です。これにより、色彩変化を楽しみながらも、色褪せによるリノベーションの頻度を抑えることができます。

ただし、フッ素鋼板はガルバリウム鋼板と比較してコストが高くなります。初期投資は増えますが、長期的に見ればメンテナンスコストの節約につながるため、総合的なコストパフォーマンスは高いと言えます。

フッ素鋼板を活用することで、ガルバリウム鋼板の色褪せ問題を改善し、美しい外観を長持ちさせることが可能になります。

6.まとめ

ガルバリウム鋼板の色褪せが早いという問題は、主に経年劣化やチョーキング現象、錆・苔・カビの影響から生じます。これらは避けられない現象ではありますが、適切なメンテナンスによって防止も可能です。

表1. 色褪せ問題の原因と解決策

問題の原因

解決策

経年劣化

定期的なケレンと塗装

チョーキング現象

適切な塗装とタイミング

錆・苔・カビ

傷や劣化シーリングの早期補修

これらの対策は、色褪せを抑えながらガルバリウム鋼板の耐久性を長持ちさせるためのものです。さらに、色褪せが気になる場合にはリノベーションを検討し、塗装の手順と色選びに注意を払い、フッ素鋼板の活用も考えてみてはいかがでしょうか。これらを行うことで、ガルバリウム鋼板はより長持ちし、美しさを保つことが期待できます。

(1)ガルバリウムの色褪せ問題の原因と解決策

ガルバリウムの色褪せは主に3つの原因が考えられます。1つ目は自然に起こる経年劣化で、日本の厳しい気候条件によりガルバリウム表面が変色します。2つ目はチョーキング現象、つまり、塗膜の表面が粉化し、雨により流れ落ちることで色褪せが起こります。3つ目は錆や苔、カビ等の生物の影響です。

これらの問題を解決するための策としては、定期的なケレン(表面処理)が効果的です。ケレンにより、古い塗膜や錆を取り除き、新たな塗膜を形成することで色褪せを防ぎます。さらに、塗装のタイミングを見極めることも重要です。塗装はケレン後、乾燥した状態で行うと良い結果が期待できます。最後に、傷や劣化シーリングは早期に補修しましょう。これらのメンテナンスを行うことで、ガルバリウムの色褪せ問題は大幅に改善します。

(2)適切なメンテナンスとリノベーションで長持ちさせる方法

ガルバリウム鋼板の色褪せを防ぐためには、適切なメンテナンスが重要です。まず、ガルバリウム鋼板の表面を定期的にケレン(表面処理)することが推奨されます。これにより、汚れや錆を取り除き、塗装がしっかりと密着する環境を整えることが可能です。

また、塗装は一定期間ごとに行うことが必要で、そのタイミングは劣化の度合いや使用環境によりますが、おおよそ5~7年に1回が目安です。塗装にはフッ素塗料がおすすめで、これにより色の長持ちだけでなく、耐候性も向上します。

さらに、傷や劣化シーリングの早期補修も欠かせません。これらは水分が侵入する原因となり、結果的に色褪せを早める可能性があります。

リノベーションでは、塗装の手順を遵守することが大切です。塗装前の表面処理、下塗り、中塗り、上塗りという工程を丁寧に行い、各工程間の適切な乾燥時間を確保しましょう。

以上のメンテナンスとリノベーションを行うことで、ガルバリウム鋼板の色褪せを防ぎ、長持ちさせることが可能となります。

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