サイディングボードやALCを外壁材とした際に、ボードとボードをつなぎ合わせて、そのつなぎ目(目地)から水が侵入するのを防止する役割を持つシーリングですが、シーリングには、様々な種類があり、使用用途に応じて使い分ける必要があります。今回は、シーリングの種類と使用用途についてご紹介します。
1.シーリング材の分類
シーリング材は、大きく分類した場合、1成分形のシーリングと2成分形のシーリングに分けることができます。1成分形のシーリングは、空気中の湿気や酸素などに反応して、シーリング材の表面から硬化するもので、2成分形はシーリング材の主成分に硬化剤を混ぜ合わせることによって硬化する(混合反応硬化形)という違いがあります。2成分形の場合は、主剤と硬化剤を混ぜ合わせる必要があることから、その配合や攪拌によって硬化にムラが生じたり、硬化不足などが発生する可能性があることから、1成分形の方が使い勝手がいいといえますが、配合や攪拌がきちんと行われた2成分形のシーリングであれば、1成分形のシーリングよりも耐久性が高いと言われています。
2.1成分形のシーリングの種類
①湿気硬化形
湿気硬化形のシーリングは、空気中の水分に反応して硬化するタイプのシーリング材です。湿気硬化形のシーリングは、次の種類があります。
(1)シリコーン系
(2)変性シリコーン系
(3)ポリサルファイド系
(4)ポリウレタン系
②酸素硬化形
酸素硬化形のシーリングは、空気中の酸素に反応して硬化するタイプのシーリング材です。酸素硬化形のシーリングは、現在は変性ポリサルファイド系のシーリングのみとなっています。
③乾燥硬化形
乾燥硬化形のシーリングは、シーリング内部の水分(溶液)が蒸発することによって、シーリング内部が乾燥することで硬化するタイプのシーリング材です。乾燥硬化形のシーリングは、エマルジョンタイプのアクリル系シーリングと、溶剤タイプのブチルゴム系シーリングが存在します。
エマルジョンタイプのアクリル系シーリングは、硬化後は不溶となりますが、溶剤タイプのブチルゴム系シーリングは、硬化後であっても溶剤には溶解するという違いがあります。
④非硬化形
非硬化形に分類される油性コーキング材は、空気中の酸素と反応してコーキング材の表面に被膜を形成しますが、その内部は硬化しないというシーリング材になります。非硬化形のシーリングは、プライマーを使用しなくても様々なものに粘着するという特徴があります。
3.2成分形のシーリングの種類
2成分形のシーリングは、主剤と硬化剤が反応して硬化する「混合反応硬化」のシーリングのみとなっています。混合反応硬化形のシーリングは、主剤によって以下の種類があります。
①シリコーン系
②ポリイソプチレン系
③変性シリコーン系
④ポリサルファイド系
⑤アクリルウレタン系
⑥ポリウレタン系
4.シーリング材の使用用途
①窯業系サイディング
窯業系サイディングボードには、1成分形の変性シリコーン系シーリングか、1成分形のポリウレタン系シーリングがよく使用されています。最近では、2成分形の変性シリコーンシーリングも比較的よく使用されています。
②ALC
ALC板には、変性シリコーン形シーリング、アクリルウレタン系シーリングを使用します。表面を塗装で仕上げる場合には、ポリウレタン系シーリング(ノンブリードタイプ)を使用します。
③塗装アルミニウムパネル
塗装アルミニウムパネルには、2成分形のシリコーン形シーリングかポリイソプチレン系シーリング、変性シリコーン形シーリング、または1成分形のシリコーン形シーリングを使用します。
④塗装鋼板・ほうろう鋼板
塗装鋼板・ほうろう鋼板パネルには、ポリイソプチレン系シーリングか変性シリコーン形シーリング、2成分形のポリサルファイド形シーリングを使用します。
⑤押し出し成型セメント
押し出し成型セメント板には、変性シリコーン形シーリングか2成分形のポリサルファイド系シーリングを使用します。
⑥ガラス・マリオン方式のカーテンウォール
ガラス・マリオン方式のカーテンウォールには、1成分形のシリコーン系シーリングか、2成分形のポリイソプチレン系シーリングを使用します。
方立・無目ジョイントは、1成分形のシーリングだと追随性が劣るため、2成分形を使用します。
⑦金属パネルのカーテンウォール
金属パネル方式のカーテンウォールには、シリコーン系シーリングを使用します。また、汚染防止の観点から、2成分形のポリイソプチレン系シーリングも使用することがあります。
⑧PCaパネルのカーテンウォール
PCaパネル方式のカーテンウォールには、シリコーン形シーリングを使用します。
このように、シーリングには様々な種類があり、使用する外壁材や部位によって使い分ける必要があります。ヨコイ塗装では、シーリングの特徴を知り尽くした職人が、適切なシーリングをしっかりと使い分けて施工するため、高品質、高耐久を維持することが可能です。外壁や各所シーリングのメンテナンスをお考えの方は、ヨコイ塗装にご相談ください。