外壁塗装で本当に得する3つの意外な真実【知らないと損する塗料選び】
導入部:はじめに
自宅の外壁塗装を検討し、業者から見積もりを取ったとき、シリコン、フッ素、無機といった聞き慣れない塗料のグレードが並んでいて、どれを選べば良いのか迷った経験はありませんか?価格も性能もバラバラで、最適な選択をするのは簡単ではありません。
長年この業界に携わる中で、多くのお客様が初期費用の安さだけで塗料を選び、結果的に損をしてしまうケースを数多く見てきました。
この記事では、住宅メンテナンスの専門家として、多くの方が見落としがちな「外壁塗装の意外な真実」を3つご紹介します。これを知るだけで、目先の価格に惑わされず、将来的に最もコストパフォーマンスの高い賢い選択ができるようになります。
意外な真実1:本当のコストは「塗料代」ではない
外壁塗装の見積もりを見ると、高価な塗料に目が行きがちですが、実は工事費用全体で最も大きな割合を占めるのは塗料の材料費ではありません。費用の大半を占めるのは、職人の人件費と、作業に不可欠な足場代なのです。
この事実が、長期的なコストを考える上で非常に重要になります。
例えば、30年間で自宅のメンテナンスを考えてみましょう。
- 耐用年数10年の塗料を選んだ場合:10年ごとに塗り替えが必要なため、30年間で3回の工事が発生します。
- 耐用年数15年の塗料を選んだ場合:15年ごとに塗り替えれば良いため、30年間で2回の工事で済みます。
工事が1回減るだけで、その分の人件費と足場代が丸ごと節約できます。つまり、初期費用が多少高くても、耐久性の高い塗料を選ぶ方が、塗り替えの回数を減らし、長期的に見て総メンテナンス費用を大幅に削減できるのです。
では、どの高耐久塗料を選べば良いのでしょうか?ここで、最もグレードが高いとされる無機塗料やフッ素塗料の落とし穴が見えてきます。
意外な真実2:「最強」の無機塗料には、まだ誰も知らない秘密がある
現在、市場で最高グレードとされ、「20年以上の超耐久性」をうたう無機塗料。しかし、この「最強」の塗料には、知っておくべき2つの注意点があります。
第一に、一般的に「無機塗料」として販売されている製品は、純粋な無機物ではありません。ガラスや鉱石のような無機物だけでは塗膜が硬くなりすぎてしまい、建物の動きに追従できずひび割れてしまいます。そのため、実際には柔軟性を持たせるための有機樹脂を混ぜた**「無機と有機のハイブリッド塗料」**なのです。
そして最も重要な点が、その「20年以上の超耐久性」という言葉の根拠です。無機塗料が市場に登場してから、まだ20年が経過していません。つまり、その驚異的な耐久性はあくまで理論値や促進耐候性試験の結果であり、実際の建物で20年以上もつかどうかは、まだ誰にもわからないというのが現状です。
意外な真実3:名前に惑わされるな!「フッ素塗料」の落とし穴
フッ素塗料は、無機塗料に次ぐ高いグレードとして知られ、一般的にはシリコン塗料よりも高性能だと考えられています。しかし、「フッ素」という名前だけで判断するのは危険です。
なぜなら、塗料に含まれるフッ素樹脂の含有量には規定がなく、メーカーによって大きく異なるからです。中には、フッ素の含有量がごくわずかで、実際には高品質なシリコン塗料よりも耐久性が低い「フッ素塗料」も存在するのです。
ですから、単に「フッ素」という名前だけで判断せず、「どのメーカーの、何という製品か」を業者に確認し、その製品の評判や実績を調べることが重要です。
また、フッ素塗料は塗膜が硬く、柔軟性に欠けてひび割れしやすいというイメージを持つ専門家もいます。このように、グレード名だけで性能を判断するのは難しく、消費者を混乱させる一因となっています。
結論:賢い選択のために
外壁塗装の塗料選びは、単に「どのグレードが一番安いか」で決めるべきではありません。本当のコストは長期的な視点で考える必要があり、耐久性の高い塗料こそが将来の出費を抑える鍵となります。
今回ご紹介したように、「最強」と言われる無機塗料にはまだ未知数な部分があり、「高性能」なはずのフッ素塗料には品質のばらつきがあります。
これらの事実を踏まえると、塗料選びがいかに複雑かがわかります。最終的には、業者から提案された塗料の性能と価格をよく比較検討し、見積書に出てくる金額とご自身の財布との相談になるでしょう。
これらの事実を知った上で、あなたは次の見積書をどのように見ますか?
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