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屋根やベランダの排水ドレンメンテナンスと雨漏り防止方法

屋根やベランダに取り付けられている排水ドレンは、

雨水を地上に落とすために重要な機能を有しています。

 

万一、この排水ドレンが壊れてしまうと、

雨水を地上に落とすことができずに屋根やベランダにたまり続け、

雨漏りなどの原因となってしまいます。

雨漏りなどによって、家にダメージを負ってしまうと、

家そのものの耐久性が低下してしまうほか、

修理費用として数十万円~百数十万円といった高額なコストもかかってしまうため、

壊れないよう定期的にメンテナンスを行わなければなりません。

 

 そこで今回は、排水ドレンのメンテナンス方法についてご説明いたします。

1.排水ドレンが壊れる原因

 排水ドレンは、金属や強化プラスチックなどで作られているため、

多少の衝撃で壊れることはありません。

しかし、台風などの強風、突風などによって、

運悪く排水ドレンに瓦などのものが当たってしまうと、

破損してしまうことがあります。その場合は、残念ながら修理を行う必要があります。

 排水ドレンが破損してしまった場合は、できるだけ早めに修理することで、

雨水の侵入を防止することができ、雨漏りを未然に防止することができます。

そのため、台風などが通過したのちには、排水ドレンが破損していないか、

確認することをお勧めします。

 

2.排水ドレンに起因する雨漏りの原因

 排水ドレンそのものが破損していなくても、

以下の場合に、雨漏りにつながってしまうケースがあります。

①排水ドレンの取り付けが不完全な場合

 排水ドレンは、その名の通り水を排するためのドレンですので、水の通り道になります。

そのため、排水ドレンの周りは、水が漏れないようしっかりと施工する必要があります。

しかし、排水ドレンの取り付けが不完全で、

排水ドレンの周りに隙間があったり、凹凸があったりするものも見かけます。

 そういった排水ドレンの場合、その隙間から水が侵入してしまい、

雨漏りにつながってしまうケースがあります。

 

②塗装の劣化

 排水ドレンの周りは水が通過する場所となりますが、

その素材はそれぞれで金属製もおおくあります。

経年劣化により、排水ドレンが錆びて劣化してしまった場合、

十分な防水性能が得られずに水が内部に侵入してしまい、

雨漏りにつながってしまうケースがあります。

ドレン

③排水ドレンの詰まり

 風で飛ばされてきた落ち葉やごみが

排水ドレンに詰まってしまうことによって、

水をうまく流すことができずに、

排水ドレン周辺にたまり続けてしまうことがあります。

その場合、塗膜によって防水処置を施していたとしても、

長時間にわたる水の停滞によって塗装の劣化が進み、

水が内部に侵入してしまうことによって雨漏りにつながってしまうことがあります。

 

3.排水ドレンのメンテナンス

 排水ドレンに起因する雨漏りの原因別のメンテナンス方法は、以下の通りとなります。

①排水ドレンの取り付けが不完全な場合

 排水ドレンの取り付けが不完全な場合、

排水ドレンを取り付けなおす以外に手段はありません。

一時的に隙間をコーキング等で埋める

塗装を厚くするといった応急処置は可能ですが、

ほかの部分に比べて劣化の速度が非常に早く、

トータルコストで考えた場合、

排水ドレンを取り付けなおすほうが安く済む場合も多々あります。

 

②塗装の劣化

 外壁や屋根の塗装と同様に、排水ドレンもひと目で

サビの状況を判別することができます。

特に、水が通過する場所になりますので、外壁や屋根と同様に、

定期的に確認して劣化の症状が出ていないことをチェックすることをお勧めします。

 サビの症状が現れた場合は、

金属耐久性が低下してきているサインになりますので、

できるだけ早めの塗装工事を行うことをお勧めします。

ドレン

③排水ドレンの詰まり

 排水ドレンは、ドレン内部にゴミや落ち葉が詰まらないよう、

金属や強化プラスチックのふたが取り付けられており、

これらがフィルターの役目をしています。

しかし、このフィルター部分にゴミや落ち葉や引っかかってしまい、

水が排水ドレンの中に進んでいかないようになっているところを、

頻繁に見かけます。これらのごみや落ち葉は、

ご自身で掃除することができますので、定期的に清掃することをお勧めします。

 

 排水ドレン内部に細かい落ち葉などが侵入し、

詰まってしまった場合は、簡単に清掃することができません。

その場合、専用の器具を有する業者に清掃を依頼していただくことで、

詰まりを解消することができますので、排水ドレンが詰まっていることを見つけた場合は、

早めに排水ドレン内部の清掃を依頼するようにしてください。

 

 ヨコイ塗装では、ベランダ防水塗装についても、

高い品質で塗装を実施しています。

雨漏り防止のため、排水ドレン周辺を含めた塗装をご検討のかたは、

ヨコイ塗装までお気軽にご相談ください。

相談

 

 

塗装と雨漏り

建物は、定期的に外壁塗装を行わなければ外壁の防水性が低下してしまい、雨漏りの原因となります。そのため、7年~10年という周期で外壁塗装を実施しなければなりません。しかし、外壁塗装は、まとまった費用が掛かってしまうため、雨漏りする直前の、ぎりぎりまで待ってから外壁塗装をご依頼いただくというケースも少なからず存在します。その場合、外壁の中では何が起こっているのでしょうか。そこで今回は、防水性が低下した外壁の中の状態と、その補修についてご説明します。

カラーベスト 劣化

建物内部に浸水した際の影響

 塗装が劣化した状態で放置し続けた場合、塗膜のヒビや剥がれた部分から外壁内部に水分が侵入することになります。塗膜を抜けた水分は、通常、二次防水という防水設備によって建物内部に侵入するのを防止しています。そのため、塗装が劣化したからと言って、すぐに雨漏りが発生するわけではありません。しかし、二次防水で食い止められている状態で放置した場合、二次防水が劣化してしまい、建物内部への水分の侵入を許してしまうことになります。こうなると、雨漏りという状態になってしまいます。

 また、二次防水は、ほとんどの場合、外壁の内部に設置されていますので、二次防水で防いでいる状態というのは、外壁の内側に水分がたまってしまっている状態になります。つまり、外壁を内側から劣化させることにつながっています。そのため、雨漏り自体は防止できていたとしても、外壁の補修が必要となるケースもあります。

雨漏り サイディング

劣化した屋根を補修しなかった場合のデメリット

 雨漏りしている、もしくは雨漏りする直前まで放置していた建物の屋根工事を行う際、外壁そのものをメンテナンスする必要があります。一部の業者では、雨漏りの対策として塗装だけを行っているようですが、すでに説明した通り、塗装というのは外部の水分が侵入しないように施すもので、雨漏りを根本から改善するものではありません。また、雨漏りする、もしくは雨漏りの直前まで進行している場合、塗装を行うそのものの劣化も進んでいることが考えられます。そのため、このまま塗装を行った場合、塗料が収縮する力によって外壁そのものが破損してしまったり、塗料がしっかりと屋根材に密着することができず、短期間で塗膜のヒビや剥がれが発生する可能性が極めて高い状態となります。塗装を行う場合には、その下地となる屋根材そのものを塗装を行う最適な状態にしておく必要があるのです。

雨漏りした、もしくはする直前まで進行した場合の対処

 屋根から雨漏りが発生している、もしくは発生する直前まで進行している場合、初めにその補修工事を行う必要があります。二次防水が劣化しているのであれば、二次防水の交換を行わなければなりませんし、建物内部に水分が侵入している場合、腐食している部分の補修工事が必要になる場合があります。また、劣化した外壁の補修も行う必要があります。

 つまり、雨漏りが発生している、もしくは発生する直前まで進行するまで放置していた場合、定期的に外壁塗装を行っていた場合には発生することのない工事が多数発生することとなってしまい、工事にかかる費用が跳ね上がってしまうことになります。また、それだけの費用を払ったとしても、完全に元の状態に戻るわけではなく、補修という形になりますので、若干ではありますが、強度の低下も否めません。

軒裏 雨漏り 腐る
雨漏り 屋根

たまに、「定期的な屋根塗装なんてせずに、壊れたら一気に修理したほうが安くすむ」という考え方をうかがうことがありますが、これは完全に誤りで、建物の耐久性を上げる、工事費用を安く抑えるという両方から考えても、定期的に屋根塗装を実施するほうが、メリットがあるということになります。

雨仕舞について

雨仕舞(あまじまい)という言葉は、あまり聞かれたことはないかもしれません。この雨仕舞というのは「建物の中に雨水が入り込まないようにする」ための構造や設備のことを指し、住宅にとっては非常に重要な言葉となっています。そこで今回は、ご紹介します。

雨仕舞と防水の違い

 「建物の中に雨水が入り込まないようにする」と聞くと、外壁塗装やコーキングなどの防水を思い浮かべる方も多いかと思います。いずれも、雨水を建物の内部に侵入させないようにする方法ですが、防水は、その漢字が示すとおり、水の侵入を「防ぐ」方法で、建物の外側で水を弾き、内部に入れない仕組みのことを指します。一方、雨仕舞は、防水に加えて、中に入り込んだ水分を、建物に悪影響を及ぼさないように、外部に排出する構造や、傾斜や樋をうまく使って、建物から水を流す構造のことも含みます。

 つまり、防水より雨仕舞のほうが、「建物の中に雨水が入り込まないようにする」ことに対して、広い考え方だということになりますが、論文や業者によっては、水を外部に受け流すことが雨仕舞で、防水は含まないとしていることもあります。

ベランダ防水

雨仕舞の目的

 改めて雨仕舞の目的を確認すると、「建物の中に雨水が入り込まないようにする」ことです。このうち、防水については、塗装やコーキングについて解説している部分をご覧いただくとして、雨水を受け流す構造のことに着目してみましょう。雨水を受け流す構造としては、建物の表面で受け流す場合と、内部に侵入してきた雨水を外部に受け流すという2つの方法が考えられます。いずれも雨仕舞の考え方ですが、後者の方は、厳密には「建物の中に雨水が入り込まないようにする」という目的を達することができていません。一時的とはいえ、建物の中に雨水が入り込んでしまっています。しかし、すぐに排水することにより、建物の内部にダメージを与えないようにすることこそが、雨仕舞の目的となりますので、内部に侵入した雨水を外部に受け流す構造も、決して疎かにしてはいけません。

建物内部に侵入した雨水を受け流す構造の重要性

 本来は、建物内部に雨水を侵入させないことが最善であることは間違いありません。しかし、住宅は数十年使用するものであり、どうしても経年劣化は生じてしまうものですので、常に最善にメンテナンスを行ったとしても、雨水を100%防水できるという事はありません。もちろん、塗装業者はもとより、塗料メーカーや塗装器具のメーカーも一丸となって、100%に近付けるように、高品質なメンテナンスを実施していますが、塗装の経年劣化や地震や台風といった災害、強風による物の衝突などによって、防水を担う塗装にわずかでも隙間が生じると、そこから建物の内部に雨水が入り込むことになってしまいます。そのときに、雨仕舞ができていないと、入り込んだ水は、そのまま建物内部にとどまることとなり、内部の木製部分を腐食させ、鉄製部分を錆びさせる要因となります。さらに、そこから雨漏りにつながるといったケースもあり、建物の寿命を大きく損なってしまうことになります。

 そのため、建物内部に侵入した雨水を外部に逃がす構造が必要となるのです。この構造のことを「水抜き」といいます。

水抜きの問題点

 建物に水抜きの構造を備えておくことは重要ですが、水が抜けるということは、そこに隙間があるということですので、裏を返せば、そこから雨水が侵入する可能性もあると考えられます。実際、サイディングボードを使った外壁の場合で、サッシ上部にサイディングの裏に回った水分を排出する隙間を作るため、コーキングを行わないという水抜きの方法があります。この場合、コーキングを行っていない部分から雨水が入り込んで防水シートの裏側にまで、その水が入り込んでしまうということもあり、業者の中でも、どちらが最善かの意見がわかれているところでもあります。

 このように、最善の雨仕舞を行おうとすると、専門的な知識を有した業者が、実際に建物の構造を確認しながら、どのように水を逃がすのか、どの部分に水抜き用の隙間を作るのかを1つ1つ確認しながら検討していく必要があるのです。

 一部の塗装業者では、構造上、雨仕舞になっているにもかかわらず、一面に塗装を施し、水抜きの場所を埋めてしまうような手抜きを行うところもあるようです。雨水が入り込まないようにする防水も確かに重要ですが、入り込んでしまった雨水を外部に排出する雨仕舞も防水と同じくらい重要です。外壁塗装を依頼する場合は、その重要な雨仕舞を潰してしまうことがないような業者に依頼することが大切です。

カラーベストでは重ねの隙間を作ることが大切

ここで注意が必要なのが、業者選びです。すべての業者がお客様の建物を最優先に考え、品質重視で塗装工事を行うのであれば問題ないのですが、技術が不足している業者や、品質よりも利益だけを考えている業者があるのも事実です。そういった業者に依頼してしまうと、雨漏り対策に必要な工事を一切行っていなかったり、行っていたとしても、十分でないケースが散見されます。

水切り板金の役割と重要性について

1.水切り板金とは

 通常、水は上から下に向かって流れます。屋根に降った雨水も、当然のことながら、高いところから低いところに向かって流れます。全ての屋根が屋根の頂点から雨樋までしっかりと勾配があれば、雨水はしっかりと雨樋に流れ込みますので、屋根の途中に止まってしまうことはありません。しかしながら、建物の構造上、全ての面できれいな勾配を付けられないケースがあります。例えば、屋根の途中で枠の出っ張りなどがあると、そこで水が止まってしまうことになり、うまく雨樋まで流れることができません。そうなると、その枠の出っ張り部分に水が溜まってしまうことになり、その部分だけ腐食が早まってしまいます。それに気づかないまま放置してしまうと、その部分から建物内部に雨水が侵入してしまい、雨漏りの原因となってしまいます。

 そういった水が溜まりやすい部分に、水の流れるルートを作ることで、雨水が一箇所で停滞することなく、雨樋まで流すことが可能になります。この水の流れるルートを作ることを水切りといい、それを可能にする部材が水切り板金なのです。余談になりますが、この水切り板金と防水紙、シーリングをセットで雨仕舞と呼ぶこともあります。

2.排水と防水の違い

 屋根には、水が建物内部に入り込まないように様々な仕掛けが施されています。その殆どは、排水、もしくは、防水という観点で作られたものになります。

①排水とは

 排水とは、水を適切に排出することを言います。屋根においては、雨水を地上に流すまでの仕掛けが排水という考え方になります。屋根に降った雨水は、屋根の勾配を使って雨樋に流れ込み、雨樋を通って地上に流されます。この一連の流れが「排水」という考え方になります。そのため、水切り板金は排水という考えのもの、取り付けられる部材となります。

②防水とは

 防水は、降った雨水が建物内部に侵入しないために水の侵入を防ぐための仕掛けのことを言います。屋根材そのものや、屋根材の下に敷く防水シートなどがこれらの役割を果たします。

③排水と防水、どっちが重要?

 排水と防水の関係は、どちらか一方を満たしておくことで雨水の侵入を防止できるというものではなく、両方が適切な状態でなければ雨水は建物内部に侵入してしまうことになります。例えば、防水はしっかり施されており、排水が疎かになっていた場合、降った雨水は屋根の上に停滞することになります。防水機能によって一時的に建物内部に水が侵入することを防げたとしても、そこに水がたまり続けていますので、徐々に防水機能が劣化し、建物内部に水の侵入を許してしまうことになります。

 逆に防水が疎かになっていた場合、適切に水を地上に排出できたとしても、排出している間に建物内部にも水が侵入してしまいますので、そこから雨漏りが発生していまいます。そのため、排水・防水は、ともに重要な要素となっています。

3.水切り板金の重要性

一昔前の屋根には、水切り板金が取り付けられていないことがありました。しかし、そういった屋根では、特に屋根の勾配が緩やかな場合は特に、屋根の上に水が溜まってしまい、屋根材の内部が腐食してしまうことがあります。屋根材の内部が腐食してしまうと、屋根材、特に瓦の場合は瓦を見ても綺麗なままなのに雨漏りが発生するという状況が発生してしまいます。こうなってしまうと、屋根材の下地の部分を修理しなければなりませんので、補修費用が高額になってしまいます。そのため、水切り板金が施されていない屋根の場合は、専門家に水の流れを調査してもらい、必要に応じて水切り板金を施工してもらう方が、長期的に見た場合、費用を安く抑えることができるケースが多々あります。

水切り板金は、今では施工する業者がほとんどではありますが、昔ながらの職人さんで新しい知識を仕入れていない方や水切り板金は知っていても、少しでもコストを安く仕上げるためにあえて施工しない悪徳業者などに依頼してしまうと、水切り板金が施工されていないというケースもわずかながら存在しています。屋根のメンテナンスを行う場合は、複数社から見積もりを取得し、極端に安いところや、他の見積もりに含まれている部材が入っていない業者などに依頼する場合は、本当に問題がないか、しっかり調査する必要があります。

防水性能が劣化したことによる雨漏り

 最近、最も普及しているカラーベストの屋根は、屋根材そのものに防水性能はほとんどなく、塗装による塗膜で防水性能を高めています。そのため、塗装が劣化すると屋根の防水性能も低下し、屋根材内部に水分が侵入していくことになってしまいます。屋根材内部に侵入した水分は、そのまま逃げ場はありませんので屋根内部に蓄積され、やがて雨漏りとして室内に流れてきてしまいます。

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 これを防止するためには、定期的に塗装を行う必要があります。塗装のタイミングは、使用する塗料によって異なりますが、最もよく使用されているフッ素塗料の場合、10年~15年程度が塗装のタイミングとなります。

ただし、この期間はあくまで目安であり、塗装が剥がれている、色あせ、色むらが見える場合などは塗装が劣化している可能性がありますので、特に屋根は早めに塗装を行う必要があります。

防水シートが老朽化したことによる雨漏り

 屋根には、屋根材の下に防水シートを敷いています。そのため、塗装による防水性能が劣化したからと言って、すぐに雨漏りにつながるわけではありません。しかし、防水シートも15年~20年程度で劣化していきます。防水シートが劣化すると、シートが割裂けてしまうことがあり、その裂け目から水が侵入してしまうことで、雨漏りにつながってしまいます。

また、防水シートは、防水シートがあるからと屋根の塗装を行わなかった場合、防水シートの上に水分が溜まってしまうことになり、防水シートの劣化速度を速めることになります。そのため、雨漏りを未然に防止しようと考えた場合には、防水シートがあるからと屋根の塗装を放置しておくのではなく、定期的に屋根の塗装を実施し、その上で、防水シートの劣化状況を確認してメンテナンスを行う必要があります。

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サイディングのコーキングと雨漏り

「雨漏りは天井だけ?」雨漏りと聞くと、多くの方が天井からの雨漏りを想像されるのではないでしょうか。また、一昔前のコントのように、雨漏りするからとバケツを置いたり、家の中で傘をさしたりといったように、天井から水が落ちてくる雨漏りをイメージされる方も多いかと思います。しかし、雨漏りは、天井しか発生しないものではありませんし、天井から水が降ってくるというものだけでもありません。

 少し古い建物に入った際に、天井に濡れたようなシミを見たことがあるという方もいらっしゃるかと思いますが、そのように、天井が濡れるのも立派な雨漏りです。つまり、雨漏りというのは、家の外側で弾かなければならない雨や水が、家の中にまで侵入してきたことを指すのです。つまり、外壁から雨漏りするといったこともあり得るのです。

雨漏りの原因

 先ほども少し説明しましたが、雨漏りは、本来家の外側で弾かなければならない雨や水が家の中に侵入してしまうことで発生します。つまり、雨漏りの原因は、家の外側で水をはじけなかったことに起因しています。

 では、どのようにして家の外で水をはじいているのかというと、多くの場合が「塗装」です。塗装は、屋根や外壁に塗料を塗ってきれいにするというイメージがあるかと思いますが、同時に水が侵入しないように塗膜を貼って、水を内部に侵入させないようにしているのです。もちろん、サイディングにも塗装を行っていますので、塗料が劣化しない限りはそこから水が侵入することはありません。

 しかし、サイディングは、複数のボードをつなぎ合わせて外壁を構成していますので、ボードのつなぎ目にはどうしても隙間が生じてしまいます。そこで、その隙間を埋めて水を侵入させないようにする仕組みがコーキングということになるのです。この塗装とコーキングによって、外壁から家の内部への水の侵入を防いでいるのです。

コーキングと雨漏り

 このように、コーキングには、サイディング同士をつなぎ合わせると同時に、家の内部に水が侵入しないようにする目的があります。そのため、実際にコーキングを手で触ってみるとわかる通り、コーキングはゴムのような弾力のある材質で、サイディング同士をぴったりとつなぎ合わせています。この状態であれば、コーキングから家の内部に水が侵入することはありません。

しかし、古くなった輪ゴムが細くなるように、古くなったコーキングは「痩せ」といった充てんした直後より体積が小さくなる現象が発生します。コーキングが痩せると、コーキングにひび割れが発生したり、コーキングが外壁からはがれてしまうことになります。そうすると、ボードとボードの間に隙間が生じることとなり、この隙間から侵入した水は、家の内部に入り込んでしまうことになります。もちろん、一滴、二滴の水が侵入したからといって、すぐに家の壁にシミが付くというわけではありませんが、このまま放置しておくと、家の内部にどんどん水が侵入し、内部で水が溜まってしまうことになり、雨漏りにつながってしまいます。そのため、コーキングが痩せている状態を発見した場合は、できるだけ早めにコーキングのメンテナンスを行うことをお勧めします。

また、一部の業者では、ずさんなコーキングの充てん工事を行っており、その影響でコーキングが痩せるほど劣化していないにも関わらず、外壁からコーキングが剥がれてしまうケースもあります。残念ながら、こういった状況であっても、ボードとボードの間に隙間が生じることには変わりありませんので、水の侵入を防ぐことはできません。そのため、粗悪な工事を発見した場合も、できるだけ早めに手を打ったほうがいいでしょう。

 サイディングの場合、基本的にはコーキングを充てんした上から、コーキングも含めて塗装を行うため、ボードとボードの間には、コーキングと塗料という2つの防水対策が施されています。しかし、上から塗料で隠れるからと、コーキングの充てん工事で手を抜く業者も残念ながら存在しており、そういった工事をされた場合、コーキング部分から塗料のヒビや剥がれにつながってしまい、コーキング以外の部分から水が侵入してしまうこともあり得ますので、業者選びはしっかりと信頼のおける業者に依頼するようにしてください。

サッシ周りに適したシーリング

 シーリングには、シリコーン系、変性シリコーン系、ポリサルファイド系、ポリウレタン系などの種類があり、それぞれ、1成分形、2成分形が用意されています。これらは、外壁の素材、使用する場所に応じて使い分けを行います。例えば、シリコーン系は撥水性能が非常に高いため、上から塗装するのには向いていないため、浴槽などの水回りでよく使用されています。この中で、サッシ周りに適したシーリングは、2成分形の変性シリコーン系、もしくは同じく2成分形のポリサルファイド系のシーリングになります。

参考:シーリング材の種類と使用用途2

※コーキングとシリコンの違いについてはこちら

※ シリコンコーキングの耐熱温度はどれぐらいか?

①変性シリコーン系シーリングの特徴

 シリコーン系のシーリングは耐久性や耐候性、耐熱性、耐水性が非常に高く、シーリングの中では非常に優れた素材ではあるものの、撥水性能が高く、通常、上から塗装を行うことができません。外壁のシーリングは、基本的に上から塗装を行うため、性能が高いのに使用できないシーリングとなっています。そこで開発されたのが「変性シリコーン系」のシーリングです。変性シリコーン系シーリングは、シリコーン系シーリングに比べると、密着性や耐久性が若干低くなっていますが、上から塗装を行うことができるため、外壁に使用することができるというメリットがあります。また、非常に柔軟性が高く、サッシなどの金属類にも使用することができるという特徴があります。サッシ周りで使用する場合は、上から塗装することとなりますので、ノンブリードタイプの変性シリコーン系シーリングを使用します。

コーキング材

※ノンブリードタイプ

 変性シリコーン系シーリングには、可塑剤と呼ばれるプラスチックを添加して伸縮性を持たせていますが、この可塑剤は塗装後、表面ににじみ出る特徴(ブリード現象)があります。ノンブリードタイプは、このブリード現象を発生しにくくした変性シリコーン系シーリングで、上から塗装する際にはこちらを使用します。

②ポリサルファイド系シーリング

 ポリサルファイド系シーリングは、シーリングの表面にゴミなどが付着しにくく、耐熱性が高いシーリングとなっています。こちらも、上から塗装を行うことはできますが、そのためには汚染防止処理を行う必要があります。また、仕上げ材によっては塗料の変色や軟化が生じる可能性があるため、変性シリコーン系シーリングよりも、やや使い勝手の悪いシーリングとなります。ポリサルファイド系シーリングもサッシ周りに使用することはできますが、一般的には変性シリコーン系シーリングを使用するケースが大半です。

2.サッシ周りのシーリング工事の注意点

 サイディングボードのシーリングは原則、打ち替えをお勧めしていますが、サッシ周りのシーリングの場合は、やむを得ず打ち増しを行わなければならないケースがあります。シーリングの打ち替えを行う場合は、古いシーリングをすべて除去したうえで新しいシーリングを打つことになりますが、サッシの形状が特殊で、古いシーリングを完全に撤去することができない場合があります。例えば、ツバの出ているタイプのサッシは、カッターの刃をうまく入れることができず、無理に古いシーリングを除去する際にサッシを傷つけてしまうケースがあります。そういった場合は、やむを得ず打ち増しという方法でシーリングのメンテナンスを行うケースがあります。

また、最近では通気工法による透湿防水シートの施工が増えていますが、少し古めの住宅で透湿防水シートを直貼りしている場合、古いシーリングを除去する際に透湿防水シートをカッターで切ってしまう可能性があります。この透湿防水シートは、塗装やシーリングの劣化によって侵入してきた水分を外壁材や建物の中に入れないためのセーフティネットとなっていますので、シーリングのメンテナンスを行う際に傷をつけてしまうと、そのシーリングが劣化した際に雨漏りの原因となってしまいます。そのため、透湿防水シートを直貼りしている場合も打ち増しを行うケースがあります。

 いずれのパターンも、古いシーリングをきれいに除去できるのであれば、原則は打ち替えを行うことをお勧めします。あくまで、古いシーリングを除去するのに、他の部分を傷つけてしまう虞がある場合に、やむを得ず打ち増しを行うとご理解ください。(ヨコイ塗装では、目地のコーキングとはサイディング同士の動きに追従させる役割で、サッシ周りは動きが少ないので、劣化していないところがほとんどです。)サッシ周りのシーリングは、サッシの形状や透湿防水シートの施工状況などをしっかりと確認し、熟練の職人さんがシーリングのメンテナンスを行うことで、高い耐久性を有したメンテナンスを行うことができます。

コーキングは、外壁材であるサイディングボードをつなげ、その隙間から水が侵入しないようにする大切な役割を持っています。その役割から、コーキングは非常に高い防水性能を有しています。このコーキングは、劣化によってひび割れや痩せといった症状が発生し、防水性能が大きく低下するため、主に外壁塗装のタイミングでメンテナンスを行います。しかし、外壁塗装時のメンテナンスで、すべての隙間にコーキングするわけではありません。

 外壁材であるサイディングボードは、大きな1枚だけで外壁を構成しているわけではなく、複数のサイディングボードをつなぎ合わせて外壁を構成しています。そのため、サイディングボードとサイディングボードは、ゴムのような素材であるコーキングを使って固定しています。また、コーキングにはサイディングボードをつなぎ合わせるという目的に加え、外壁材の中に水が侵入しないように、サイディングボードとサイディングボードの隙間を埋め、防水するという目的もあります。

コーキングしてはならない場所

 コーキングは、サイディングボードをつなぎ合わせる場合、実施しなければなりませんが、外壁の構造として、サイディングボードを重なり合わせている場合、外壁の中に水が侵入しても、内部の隙間から逃がす仕組みになっている場合があります。この場合、水の逃げ道部分をコーキングで塞いでしまうと、水の逃げ道が亡くなってしまいますので、外壁材の中に水が残り続けることになってしまい、外壁材の内部から腐敗が始まってしまいます。

 そのため、コーキングは水の通り道には実施しないということになります。

コーキングのメンテナンス

 コーキングのメンテナンスを行う場合は、基本的には古いコーキングの上から新しいコーキングを充填する打ち増しと、古いコーキングを取り除き、新しいコーキングを充填する打ち替えのいずれかになります。いずれの方法を行う場合であっても、古いコーキングを基準にコーキングのメンテナンスを実施します。そのため、建物を建てた際に設計ミス等がなければ、当初からコーキングを使用している部分について、コーキングのメンテナンスを行うことになります。

しかし、最近はホームセンター等で手軽にコーキング材を購入することができますので、費用を少しでも安く抑えるためにと、ご自身でコーキングのメンテナンスを行う方がいらっしゃいます。その際に、本来、コーキングしてはならなない部分にまでコーキングをおこなってしまうという方がいらっしゃいます。

どうしても、長年サイディングボードを使用していると、サイディングボード自身が変形してしまうことがあります。その変形の補修でコーキングを打つことを業者から勧められることもあるでしょうし、ご自身で補修する際に、コーキングを打ってしまうこともあるかと思います。

しかし、その部分が水の通り道として設計されていた場合、水が逃げられなくなってしまいますので、外壁内部が腐食の可能性が生じてきます。そのため、元からコーキングが打たれている部分以外にコーキングを打つ場合、しっかりとご自宅の設計を確認しておく必要があります。

コーキングが劣化するとどんな影響がある?

 コーキングが劣化すると、コーキングにひびがはいったり、コーキングが縮んだりするということは先ほど記載しましたが、これによって、どんな影響が出るのでしょうか。

コーキングが劣化し、ひびや縮が生じるということは、外壁の一部に隙間ができるということになります。外壁材がサイディングボードの場合は、コーキングも外壁の一部と考えますので、ここに生じた隙間も、外壁の隙間と考えてください。外壁に隙間ができると、雨の日などに、雨水がこの隙間から外壁の中に侵入してしまいます。外壁材の中に侵入した雨水は、その中に使われている木材にしみ込むこととなります。(中に防水シートが貼ってありますので、すぐすぐ悪くなることはありませんが・・・)

ご存知の通り、木材は長時間、水につかっていると腐敗してしまいます。雨水が外壁材の中に侵入してしまうということは、家の基礎を作っている木材が、その水分を吸収してしまうこととなり、腐敗してしまいやすい状況になってしまうのです。もちろん、隙間ができて1日や2日で家の基礎を作っている木材が腐敗することはありませんが、長期間、隙間を放置してしまうことで、侵入する水分が多くなり、木材が常時、湿気を帯びている状態となります。外壁材の中は、どうしても換気されにくい状況にありますので、中に侵入した湿気は、なかなか乾燥しません。ですので、木材が腐敗する最適な環境となってしまうのです。また、サイディングは内面からの水分浸透に弱いです。特にお風呂周りのコーキングが割れていると冬季の凍害による劣化につながりますので、早めに対応してくださいね。

 家を長持ちさせようとおもったら、コーキングの劣化には、十分に注意しなければなりません。

コーキングはどの程度もつの?

 コーキングの劣化は3年~5年程度から始まるといわれています。しかし、5年で完全に使い物にならなくなるのかというと、そうではなく、実際にひびや縮みが出てくるのは、使用している環境にもよりますが、概ね10年程度となります。(コーキングの一番の劣化要因は、紫外線です。上に塗料が載っていますと、耐用年数は伸びます。新築時はコーキングが悪くなりやすいのは、上に塗料が乗っていないのが原因です。)そのため、外壁塗装のタイミングでコーキングを補修することで、家にダメージを与えることなくメンテナンスを行うことができるのです。しかし、これはしっかりとした業者に依頼した場合のケースになります。

粗悪な塗装工事しか行わない業者に依頼すると、コーキングの補修も手を抜かれることとなり、コーキングの隙間が出てきたり、専用シーラーを塗っていないために、簡単に剥がれてくることもありえます。また、しっかりとした業者であっても、コーキングの種類や補修方法の選択を誤ることで、本来持つはずの期間であっても、激しく劣化してしまうこともあります。(コーキングは本来2面接着ですが、3面接着で施工してある工事現場にはよく出くわします。)

(こちらはジョイントの金具も無かった事例)

(専用のコーキング剥がしやボンドブレーカーこういったものを持っているかでも、業者判別が出来ます。)

サッシ周りから発生する雨漏り

1.サッシ(窓枠)周りの雨漏りの原因

  1. コーキングの劣化ーサッシと外壁は、部材が異なりますので、その間には必ず隙間が生じます。通常、その部分はコーキングを施して、その隙間から雨水の侵入を防止しています。このコーキングは、紫外線などの影響による経年劣化で、ヒビや痩せといった症状が現れます。このヒビや痩せが生じた場合、その隙間から雨水が侵入してくることによって、雨漏りが生じてしまいます。コーキングの耐用年数は、一般的には10年程度と言われていますが、環境によって大きく異なります。そのため、劣化に気づかずに雨漏りが発生したというケースが非常に多い場所となります。
  2. サッシ周りの防水処理の劣化ーサッシは取り付け時に、雨漏りしないように防水テープなどを使用して防水処理を施します。この防水テープが劣化することによって、内部に入り込んできた水分がそのまま家の中に入り込み、雨漏りとなってしまいます。また、この防水処理は、施工時に雑に施工してしまうことによって、テープにシワが生じ、そのシワから水分が入り込んでしまう、「毛細血管現象」と呼ばれる問題が生じ、それによって雨漏りが発生することもあります。
  3. サッシの境目からの雨漏りーサッシは、2枚1組になっていることが多く、その境目から雨水が入り込んでしまうことで、雨漏りとなるケースがあります。サッシとサッシの間には、雨水を通さないように隙間を埋める加工がされていますが、強風等によってサッシが少しずれてしまい、その隙間から雨水が入り込むというケースもあります。

2.サッシからの雨漏りの対応方法

①コーキングのメンテンナンス

 コーキングの劣化による雨漏りの場合、コーキングのメンテナンスを行う必要があります。ヒビが発生した場合や、コーキングが痩せて隙間が生じているコーキングは、打ち増し、打ち替えといったコーキングの再充填を行うことで隙間を埋めることができます。現時点でヒビや隙間が生じている場合は、少しでも早くメンテナンスを実施すべきですし、現時点でヒビや隙間が生じていない場合であっても、定期的にメンテナンスを行うことで、雨漏りを予防することができます。

 なお、サッシ周りで使用するコーキングは、多くの場合、変性シリコーンコーキングを使用します。このコーキングは、コーキングを充填した後に、塗装をすることで高い防水性能を発揮することができます。そのため、外壁塗装を同じタイミングでメンテナンスを行うのが望ましいと言えるでしょう。

②防水処理のメンテナンス

 防水テープは、基本的にはコーキングに比べると、外気にさらされていない分、劣化が遅くなります。また、通常、水分はコーキングで食い止め、セーフティネットとして使われる部分ですので、劣化状況が分かりづらいという状況でもあります。そのため、定期的にメンテナンスを行うというのは難しいのですが、この部分が劣化したことで雨漏りが発生した場合、サッシを取り外して防水処理を施す必要がありますので、多額の費用が発生することとなります。

 ですので、コーキングのメンテナンスをしっかりと行い、内部に水分を侵入させないという対策が需要となります。

③雨戸の設置

 強風時にサッシとサッシの間から雨水が入り込んでくる場合、雨戸を取り付けることで改善することができます。しかし、劣化によってサッシとサッシがずれてしまい、常に隙間が空いているようであれば、サッシの取り替えを行わなければなりません。雨戸を設置することによって、サッシそのものの劣化を防ぐ事もできます。

サッシ周りは、雨漏りが発生しやすい場所です。特にコーキングの劣化は、外壁のコーキングよりも見づらく、発見がおくれることがよくあります。サッシ周りで雨漏りが発生した場合、はじめはコーキングだけが原因であったとしても、時間が経つにつれ、様々な部分に波及していきますので、プロの目で、しっかりと原因を突き止めなければ、雨漏りが再発するだけでなく、シロアリ等の被害に発展するケースも存在します。そのため、サッシ周りで雨漏りが発生した場合、ご自身で処置を行うのではなく、必ず専門の業者にメンテナンスを依頼することをおすすめします。

トイの詰まりや劣化による雨漏り

 屋根にたまった水は、その斜頸によってトイに流れ落ち、トイから地面に流れ落ちる構造になっています。このトイが詰まっていたり、劣化によってトイの斜頸がなくなってしまっている場合(トイが地面に対して水平になっている場合)、トイから地面に水が流れ落ちなくなってしまい、トイから水があふれる結果となります。このまま放置していると、トイからあふれた水が屋根や外壁の内部に侵入してしまい、雨漏りの原因となってしまいます。

施工不良による雨漏り

 屋根材と屋根材をつなぎ合わせ箇所も、雨漏りの原因となりやすい部分になります。重ねを塗料で埋めると雨水の逃げ場がなくなり、カラーベスト同士の隙間から雨水が蓄積します。

カラーベスト

裏側に雨水がたまると防水シートを止めている釘穴から、水分が屋根の内部に侵入してしまうことになりますので、職人の知識を確認する必要があります。

塗装の役割

 最初に、改めて外壁塗装の役割についておさらいします。外壁塗装は、建物の美観を高める他、塗料の膜(塗膜)を作ることによって、建物内部に水分が侵入することを防止しています。この塗膜が劣化すると、ひび割れや塗料の剥がれといった水分が建物内部に侵入する隙間ができてしまうため、そうなる前に、再度塗装工事を行う必要があります。

 ここで注意しなければならないのは、「塗膜で外部からの水分の侵入を防止する」という点です。最近、防水用塗材として塗膜に厚みのある塗料も販売されていますが、これも含めて、外部からの水分を侵入させないことを目的としているため、建物内部に水分の侵入を許してしまうと、その後、外壁塗装を行ったとしても内部に侵入した水分に対しての対処にはならないという点をしっかり押さえておく必要があります。

塗装と雨漏り

このように、雨漏りの大半は屋根の劣化が原因となっています。そのため、雨漏りを未然に防止しようと思ったら、屋根の塗装工事を定期的に行わなければなりません。この塗装工事は、専門の塗装業者に依頼することをお勧めします。なぜなら、DIYで塗装を行う場合には、基本的には「塗装」しか行わないと思います。しかし、カラーベストが破損していたり、反りかえっていたりと、塗装だけでは修復できない問題があるのです。

 塗装業者に依頼した場合、大半が①高圧洗浄、②下地処理、③下塗り、④中塗り、⑤上塗りというプロセスで工事を行っていくことになります。

重要なポイントは②の下地処理で、プロの目から見て、このまま放置しておくと雨漏り等の問題が生じる部分について、塗装前に修復するというプロセスが②の下地処理になります。例えば、屋根材と屋根材をつなぎ合わせるコーキングも、劣化が進むと水分が屋根材の中に侵入してしまうポイントですが、塗装業者がプロの目で確認し、さらに板金屋さんなどに入ってもらうことも少なくありません。

排水ドレンパイプからの雨漏り

排水ドレンとは

 ドレン(Drain)そのものは、水を外部に排出する設備ですので、排水の必要がある設備などには設置されているものとなります。そのため、ここでは建物に使用されている排水ドレンに限定して説明を行っていきたいと思います。

 建物に備え付けられている排水ドレンは、主に屋上やベランダなどに設置されている排水設備で、溜まった水を排水管に流し込むための継手のことを言います。住宅の屋根のような勾配がある場合、雨などの水分は、その勾配によって流れ落ちていき、屋根に備え付けられている雨樋を伝って地面に流れ落ちる仕組みとなっています。しかし、ベランダやマンションの屋上などの場合、水が流れ落ちる隙間が空いていないことがほとんどです。そのため、多少の勾配を付けて水を1箇所に集めることはできても、そこから地面に流す手段がなく、水がその部分にたまり続けることとなってしまいます。そうならないよう、水が溜まる場所に、水を排出するための仕掛けを作っておく必要があります。それが排水ドレンになります。

 1箇所に溜まった水は、排水ドレンを通って排水管に流れ込み、そこから地面に排水されることになります。学校や商業施設、事業所ビルなど、大型の空調室外機や高圧受電設備を屋上に設置しているような建物においても、同じような仕組みで排水するよう、排水ドレンが取り入れられています。

排水ドレンパイプから雨漏りする原因

 排水ドレンパイプは、建物の屋上やテラスにたまった水を地上に流すための設備です。一般的には、屋上やテラスの隅に排水口が設置されており、排水口に入った水が排水ドレンパイプを通り、建物の外に運ばれていきます。排水ドレンパイプは、屋上やテラスの排水口から、建物の外まで伸ばされ、そこから地上に向けて縦に設置されるケースが大半です。

 排水口には、大きなごみを通さないような網目になっていますが、比較的、大きな網目となっていますので、砂や落ち葉は水と一緒に排水口の中に侵入していくこととなります。運よく、落ち葉や砂が水と一緒に建物の外まで排出されると問題はありませんが、排水ドレンパイプの内部で停留してしまうと、水の流れが悪くなってしまいます。それを放置しておくことで、水が外部に流れることができなくなり、排水ドレンパイプの結合部分から水が漏れ、その水が外壁材の内部に侵入してしまうことで雨漏りとなってしまいます。

 また、もともとの排水ドレンパイプの取り付けが悪かったことによって雨漏りしてしまうケースもあります。例えば、屋上やテラスから建物の外に延ばす排水ドレンパイプは、水を通すために傾斜をつけて取り付けるのが普通ですが、水平に取り付けてしまった場合や、傾斜を逆に取り付けてしまった場合などが、このケースに該当します。この場合、新築にも関わらず、早い段階で雨漏りしてくることもあります。

排水ドレンパイプのメンテナンス方法

 排水ドレンパイプの詰まりは、可能な限り大きなごみを通さないことが重要です。特に秋~冬にかけては、落ち葉が多くなることで排水ドレンパイプの中に落ち葉が詰まってしまうことが多くなりますので、落ち葉対策が必要になります。排水口についている網目の金具に、落ち葉除けネットをかけるだけでも、多少の効果が期待できます。

 しかし、本格的にメンテナンスを行おうとすると、雨どいのように詰まったごみをすべて取り除く必要があります。雨どいの場合は、屋根に上ることさえできれば、樋の中を確認することができますので、大変なのは屋根から地上に水を落とす部分だけになりますが、排水ドレンパイプは一度、建物の内部にパイプが入っていきますので、簡単に清掃することができません。ホームセンターに行けば、排水ドレンパイプのパイプクリーナーが1,000円~2,000円程度で入手することができますが、排水ドレンパイプ全体のごみを取るのは難しく、ごみを押し込んだだけで、パイプの先で詰まっているケースが見受けられます。

また、排水ドレンパイプの構造を知らないまま排水ドレンパイプの洗浄を行おうとした場合、無理にパイプクリーナーを押し込んでしまうことで、排水ドレンパイプに傷がついてしまい、そこから水漏れが発生する可能性もあります。そのため、排水ドレンパイプの清掃は、知識のある専門の業者に、定期的に依頼することをお勧めします。

排水ドレンパイプの経年劣化

 排水ドレンは、放置しているとその部分にゴミなどがつまり、水が流れなくなることがあります。そうなると、1箇所に集められた水は、行き場をなくして、その場に停滞してしまいますので、そこから徐々に建物内部に侵入することとなり、最終的に雨漏りにつながってしまうことがあります。そのため、排水ドレンは定期的に清掃する必要があります。

経年劣化によってパイプそのものの耐久性能が下がってしまいます。特にパイプの結合部分は、パイプ本体よりも劣化が早く、しっかりメンテナンスを行っていたとしても、経年劣化によって結合部分が剥がれてしまい、水漏れが発生してしまうというケースもあり得ます。

しかし、排水ドレンパイプは、外から見ただけでは劣化状況が一切分かりません。そのため、劣化状況を確認するためには、専門の業者に劣化状況をチェックしてもらう必要があります。おすすめのタイミングとしては、外壁塗装のタイミングとなります。外壁塗装は、一般的に7年~10年程度に1回の頻度での実施をお勧めしています。そのタイミングで排水ドレンパイプの点検を行い、劣化が確認できた場合に追加で排水ドレンパイプの補修、もしくは交換の工事を行うことで、足場の設置などの費用を抑えることができますので、結果としてばらばらに工事を行うよりも安く抑えることができます。

そもそも排水ドレンは、ほとんどが鉄製となっています。そのため、長期間使用していると徐々にサビが発生してしまいます。排水ドレンは、ストレーナー、雨樋、防水受けという3つのパーツで構成されていますが、サビが発生することで、それらをつなぎ合わせている部分が変形し、隙間が生じてしまいます。排水ドレンに隙間が生じるということは、その隙間から水が漏れるということですが、排水ドレンは建物内部を通っていますので、漏れた水は、そのまま建物内部に侵入してしまうことになります。それが原因で雨漏りにつながってしまうのです。そのため、排水ドレンのサビには注意が必要です。先に説明したゴミなどによる詰まりも、排水ドレン周辺に水が貯まるため、排水ドレンが錆びやすくなる原因となります。

排水ドレンの交換

 劣化した排水ドレンは、補修を行わなければなりません。排水ドレンの部分補修も可能ではありますが、「物があたって一部だけが破損した」というケース以外では、他のパーツも同様に劣化していることが考えられるため、基本的には排水ドレンの交換という対応となります。

 排水ドレンを交換する場合、まずは排水ドレン周辺の清掃を行ってから交換作業を実施します。特に、排水ドレンの周辺に苔やカビが発生している場合、上辺だけの清掃では、すぐに生えてしまい、同じように水が詰まってしまう原因となりますので、その根から取り除く必要があります。しかし、うまく排水できない場合は建物内部に清掃した際の水分が入り込んでしまう可能性があるため、現状を確認しながら、最適な清掃方法を取ることになります。

 また、排水ドレンを交換する際には、排水管にはいりこんだゴミなどを除去する必要があります。排水ドレンが劣化していたことによって、排水ドレンを通り抜けたゴミなどが排水管に大量に入り込んでいるケースもよくありますので、それらの清掃も同時に実施します。

 排水ドレンは、目立たない設備ではありますが、建物を雨漏りから守る重要な設備となっています。できる限り定期的に清掃を実施して、水がたまらないように注意してください。また、サビなどの症状が見られた場合には、早めに専門の業者に点検を依頼し、早期メンテナンスをおこなうことが建物を長く使うコツとなります。

ケレン作業の重要性とその効果的な進行方法 – ヨコイ塗装のケーススタディ

外壁塗装において、下地処理は塗装の品質を左右するとも言われるほど重要なプロセスです。その下地処理は、高圧洗浄で外壁をきれいに掃除することから始まり、外壁のひび割れやなどの補修、コーキングの打ち替えなど、様々な工程が存在します。それらの下地処理の中には「ケレン」という作業があります。今回は、下地処理の中のケレンについてご紹介したいと思います。

1.ケレンとは

 ケレンは、高圧洗浄で落としきれなかった外壁材の汚れや古い塗膜を削り落とす作業となります。トタンなどの鉄製の外壁材や、鉄部分にはサビが付着することもありますので、これらを除去するのもケレンの目的となります。ケレンをしっかりと行わずに塗装を行ってしまうと、サビや古い塗膜の上に塗料を塗ることになってしまいますので、そのサビや古い塗膜が剥がれてしまうと、新しく塗った塗料も一緒に剥がれ落ちてしまうことになります。そのため、塗装の耐久性が大幅に低下してしまうのです。また、サビは塗料だけで抑え込むことはできませんので、塗装が剥がれなかったとしても、比較的短い期間で塗装の上にサビが浮かび上がってきてしまいます。

ケレンは、下地処理の中でも重要な作業の1つで、この作業の精度で外壁塗装の品質が大きく左右されてしまいます。しかし、塗装し終えた時点では、目に見えて大きく変化が分かる部分ではなく、塗装後、数年経って初めて品質の良し悪しに気付く部分となりますので、品質に無頓着な業者は、ケレン作業に時間をかけずに工期の短縮を図るところもあるようです。

ケレン作業

2.ケレンの目的

 ケレンには、大きく3つの目的があります。

①サビの除去

 鉄製の外壁材や鉄部分のサビを研磨して除去します。鉄部分のサビは、少しでも残してしまうとそこからどんどん浸食してしまいます。浸食したサビは、塗装を行っていたとしても、すぐに塗装の表面に到達してしまうため、塗装から短い期間で外観が大きく損なわれてしまうことになります。また、サビが浸食するということは、鉄製の外壁材や鉄部分の素材が傷むことにつながります。そのため、サビの除去は徹底的に行っておく必要があります。

②汚れの除去

 高圧洗浄でも落としきれないような、外壁材の奥まで浸透してしまった汚れやカビ、しっかり密着した古い塗膜などを削り落とします。これらの汚れが残っていた場合、高圧洗浄でも落ちないくらい密着しているのは現時点だけで、時間がたてば徐々に汚れが剥がれてきますので、その剥がれによって塗装が剥がれ落ちないよう、最初にしっかりと除去しておく必要があります。

 また、高圧洗浄で落としきれない細かい部分の汚れもケレン作業で除去することになります。特に屋根は高圧洗浄で落としきれない細かな部分が多くあります。ここで汚れを見落としたまま塗装プロセスまで進んでしまうと、いったん塗装を中断し、改めて下地処理からやり直す必要がありますので、しっかりと汚れを見つけて、ケレン作業を行う必要があります。

③新しい塗料の密着性を高めるため

 全く摩擦の無いツルツルの外壁材には、塗料がなかなか密着しません。そのため、そのような外壁材に塗装を行ったとしても、すぐに剥がれ落ちることになってしまいます。そこで、ケレン作業で外壁材に細かな傷をつけることで、外壁材に塗料が密着しやすいように研磨します。

 

3.ヨコイ塗装のこだわり

 ヨコイ塗装では、ケレン作業も外壁塗装の品質を左右する非常に重要な作業だと位置づけています。そのため、ケレン作業に使用する道具についても、しっかり厳選を行ったうえで「N-GRIT」というツールを導入しました。N-GRITは、ナイロンと研磨砥粒をブラシのフィラメントにした新しいツールで、これまでの研磨ツールと比較して、幅広い研削力に対応したツールとなっています。そのため、強い研削力が必要な場合や繊細な研削を行わなければならない場合など、外壁材や外壁材の状況によって使い分けることが可能となっています。つまり、これまでの研磨ツールだと、外壁材に対して研削力が強すぎて必要以上に削ってしまう場合や、研削力が弱すぎてケレン作業に時間がかかってしまった場合がありましたが、「N-GRIT」を導入することによって、それらの問題が解消されることになりました。

 また、鉄製の外壁材や鉄部分のケレンだけでなく、木材部分にも使用することができますので、素材によってケレン用のツールを使い分ける必要がなくなり、高い品質を維持したまま、作業時間を短縮することができるようになりました。この「N-GRIT」を使用することで、ヨコイ塗装のケレン作業は、従来よりも高い品質、短い作業時間でケレン作業を実施しています。

参考:塗装工事の養生テープの種類と使い分けに関して

 

雨漏りと谷樋のメンテナンス

最近は急な大雨が多く、各地で浸水被害が発生しています。しかし、大雨でダメージを受けるのは、床からの浸水だけではありません。長年、屋根のメンテナンスを行っていない場合には、大雨による雨漏りも心配になります。

もし、雨の日に雨漏りしていることを発見した場合は、すぐに対処を行わなければなりません。雨漏りを放っておくと、家に深刻なダメージが入ってしまうことになってしまいます

雨漏りの原因

 雨漏りは、台風や大雨によって屋根にたまった水分が家の中にまで侵入してきてしまう状況のことを言います。

昔のコントのように、屋根からぽたぽたと水が落ちてくるような深刻なものではなく、天井にうっすらシミができるようなものも雨漏りしている状況といえます。雨漏りは、台風や大雨によって屋根が壊されて発生していると思われがちですが、実はそうではありません。

屋根は、瓦屋根であってもコロニアルであっても、屋根材だけで防水しているわけではなく、屋根材の下に「ルーフィング」と呼ばれる防水シートを貼って、屋根の中に水が入るのを防いでいます。雨漏りは、屋根材とルーフィングが経年劣化したことで、水を防ぐことができなくなり、徐々に屋根の中に水が入り込んでしまうことによって発生するのです。

雨漏りを予防する方法

 雨漏りを予防するためには、定期的に屋根をメンテナンスすることが必要となります。

雨どいの清掃

定期的なメンテナンスの1つは、屋根に水が溜まらないように、雨どいの掃除を行うという方法です。屋根にたまった水は、雨どいを伝って地面に落ちる仕組みになっています。この雨どいに落ち葉やごみがつまってしまうと、雨どいから地面に排水することができなくなってしまい、屋根の上に水が溜まり続ける状況になってしまいます。

屋根に水が溜まった状態が続くと、トイが淀み、虫が発生する可能性も高まります。その結果、屋根材やルーフィングの僅かな隙間から、虫などが侵入してしまいます。そのため、雨どいを掃除し、水が排水される環境を整えることで、建物自体の劣化を防ぐことができます。

ルーフィング等のメンテナンス(トップライト設置時は特に要注意)

トップライトの例で。鉛スカートが経年劣化と施工不良が原因で破れていました。その結果隙間から、雨水が入り込んでしました。このようにルーフィングは、経年劣化による張り替える必要がある時もあります。ルーフィングには、以下のように様々な種類があります。

  • アスファルトルーフィング  一般的な防水シートです。フェルト状の原紙にアスファルトをしみこませたものです。そのため、貼り付ける際に、非常に小さな穴が開きます。もし雨水などが溜まったりすると、そこから建物自体に浸入する可能性があります。
  • 改質アスファルトルーフィング  通常のアスファルトルーフィングがverアップしたものです。合成樹脂やポリマーなどを加え、耐久性が高まっています。
  • ゴムアスルーフィング  ルーフィングを貫通しているタッカーにまとわりつき、針穴による影響を受けにくくなります。
  • 粘着式(自着式)ルーフィング  裏面に糊みたいな接着剤があるルーフィングです。シールのように施工することができます。穴を空けることがないため、穴からの雨水の侵入リスクを軽減できます。

 

屋根のメンテナンス

屋根材のメンテナンスには、屋根材そのものの劣化による屋根材の交換と、屋根材に塗られた塗料の劣化による塗装工事の2つの方法が考えられます。屋根材が劣化し、破損している場合は、屋根材そのものを交換する必要があります。壊れた屋根材を放置していると、第1次防水となる屋根材のうち、破損した部分のみが常時ルーフィングでの第2次防水となり、その部分の劣化が早まってしまいます。

また、その状況でルーフィングが劣化し、損傷すると、雨漏りにつながってしまうため、屋根材そのものが破損している場合には、屋根材を交換する必要があります。もちろん、破損部分が小さく、補修することで防水することができる場合には、屋根材の補修も選択肢として含めることができます。

次に、屋根材に破損がない場合のメンテナンスですが、屋根材に破損がなくても、屋根材で防水できているのは屋根材に塗られた塗料の膜(塗膜)の防水機能ですので、定期的に塗装を行う必要があります。(どうしてもメンテナンスコストがかかるので、建築時にカラーベストより瓦を選ぶのが一番理想です。)

屋根は劣化が激しいので、どうしても10年毎の塗装が求められます。したがって今後のコストを考えると瓦への交換も考慮してよいかと思います。カラーベストに破損がないからと、長年放置してしまうと、カラーベストが劣化し、劣化したり変形したりして、第2陣であるルーフィンへの接触度合いも増えてきます。塗料による防水性能は、7~10年程度の耐久年数と言われていますので、少なくとも10年に1回は、カラーベスト自信の耐久性を高めるために、塗装工事をおこなわなければなりません。

参考:トタン屋根のメンテナンスと塗装工事

谷樋のメンテナンス

屋根の縁に取り付けられた、半円柱型のものが軒樋、軒樋から伝わってきた水を下に落とすために地面に向かって垂直に備えられているのが竪樋と呼ばれ、これらを合わせて雨樋と呼ばれています。建物の下から見える樋は、この雨樋になりますが、屋根に上らなければ見えない樋もあります。それが「谷樋」と呼ばれる樋です。実は、雨漏りの一番多い原因は、谷樋の劣化とも言われています。

谷樋

谷樋の役割

屋根がすべて1方向にしか向かっていない場合、水の流れも1方向だけですので、水はすべて軒樋に集まります。しかし、建物の形によっては、複数の屋根が取り付けられており、水の流れが1方向だけではない場合もあります。谷樋は、そんな2方向から水の流れがぶつかる場所に対して取り付けられる樋になります。水の流れが2方向から集まる場所は、そのままにしておくと水の流れが悪く、うまく軒樋に水を流し込むことができません。そのため、2方向から来た水を、軒樋に落とし込むのが谷樋の役割になります。

谷樋の劣化

谷樋が付けられている、水の流れが2方向からぶつかる場所というのは、下から屋根を見上げても見ることができない場所になりますので、谷樋を屋根の下からチェックすることができません。しかし、谷樋は軒樋や竪樋と異なり、様々な形状のものが必要となりますので、柔らかく加工がしやすい銅板が使用されるケースが多いのですが、この銅板は、強い雨や瓦に使われている釉薬との化学反応などにより、穴が開いてしまうことがあります。谷樋に穴が開いてしまうと、軒樋に流すべき水が、その穴から落ちてしまうことになります。

落ちた水は、谷樋の下にある「下ぶき材」と呼ばれる防水シートに落ちてしまうことになります。まだ、防水シート上に水分が少し落ちるだけなら問題ありませんが、谷樋に穴が開いたままになっていると、「下ぶき材」も劣化することになってしまい、屋根の内部に水分が侵入していくことになります。屋根の内部に侵入した水は、時間をかけて徐々に木材部分を腐食させてしまうことになります。

また、屋根の内部に水が侵入することで、それが木材部分を通過し、やがて建物内部に出てきてしまいます。つまり、雨漏りの状態です。谷樋の劣化は、下から見上げても発見することができませんので、穴が開いてしまっていても、なかなか発見することができません。そのため、樋の劣化による雨漏りのうち、最も多いのが谷樋の劣化となっています。

谷樋

谷樋のメンテナンス

谷樋のメンテナンス方法として、最も多いのが、銅板を使用している場合に、ステンレス製の谷樋に交換するという工事になります。銅板が出始めたころは、銅板は耐久性が優れているといわれていましたが、近年、先述した通り、銅板に穴が開く症状がみられるようになってきたことから、銅板の谷樋からステンレス製の谷樋に変更する方が多くなってきました。

また、現時点で谷樋に穴が開いていない場合や、ステンレス製に交換した場合、銅板をそのまま使い続ける場合には、塗装を行うことで谷樋の強度を高めることができます。ただし、谷樋の塗装をDIYで実施することはお勧めしません。その理由として、塗装やメンテナンスの経験が少ない方が谷樋のメンテナンスを行った場合、谷樋から軒樋に流すべき水が、メンテナンス不良によってうまく流れなくなってしまうことがあるからです。もちろん、これは素人の方々だけに当てはまるものではなく、塗装業者にも当てはまります。

外壁塗装と谷樋の塗装では、もともとの素材が異なりますので、塗料や塗装方法が大きく異なります。その点について、認識がない業者が塗装を行ってしまうと、谷樋本来が持っている機能を損なってしまい、余計に雨漏りの原因になってしまう可能性がありますので、依頼する業者には注意が必要です。(特に雨漏りの原因となりやすい釘が打っている部分には注意が必要です。)

谷樋は、最も目につきづらい屋根の構成部分であり、最も雨漏りの原因になりやすい部分でもあります。谷樋に使用されている素材にもよりますが、谷樋についても、定期的なメンテナンスを欠かすことはできません。しかし、屋根に上がらなければチェックできない部分になりますので、なかなかご自身で劣化状況をチェックすることができません。そこで、外壁塗装や屋根の塗装を行う際に、同時にチェックされることをお勧めします。

谷樋

(グレーの部分が錆止めを塗った谷樋。ほかは中塗りと上塗りの色を変えて塗り残しがないようにしてあります。)

外壁や屋根の専門家が、塗装前にしっかりと確認を行いますので、メンテナンスの要否がしっかりと分かります。谷樋も、外壁塗装に合わせてしっかりメンテナンスを行い、雨漏りを未然に防止しましょう。

セメント瓦の塗装メソッドとメンテナンスの必要性

瓦屋根といえば、昔は日本瓦を使用することが多かったのですが、最近は施工がしやすく、品質も一定のセメント瓦が使用されることが多くなってきました。

日本瓦は、重く、耐震性が低いといわれていますが、基本的にメンテナンスは必要ありません。一方、セメント瓦は、日本瓦より軽量なため若干ではありますが、耐震性に優れているほか、耐火性にも優れています。また、プレス加工で作成されているため、品質や形状が一定であることから、非常に施工しやすい屋根材となっています。しかし、セメント瓦は、塗装によって強度を高めていますので、定期的なメンテナンスが必要となります。

今回は、そんなセメント瓦の塗装に関して、ご紹介します。

セメント瓦のメンテナンス

 セメント瓦は、石灰石と砂で作られるモルタルと水で構成された屋根材となっています。そのため、スレート屋根よりも重く、日本瓦よりも軽いという特徴を有しています。

しかし、セメント瓦は釉薬をかけて焼き上げる日本瓦と違い、定期的なメンテナンスを行わなければ、日光や風雨にさらされることで徐々に塗装が剥がれてしまい、最終的にはセメントそのものが劣化し、破損することになります。屋根材が破損すると、その部分から雨水が侵入してしまい、雨漏りや屋根そのものの劣化につながることになりますので、セメント瓦は定期的なメンテナンスを欠かすことができません。

セメント瓦のメンテナンスは、塗装と交換という2つの選択肢があります。メンテナンスを行う際に、セメント瓦を1枚1枚チェックし、欠けているもの、割れているものは新しいものに交換し、きれいなものは塗装して使用することになります。

セメント瓦の塗装方法

 セメント瓦を塗装する場合には、初めに古い塗膜や汚れを徹底的に除去する必要があります。そのため、高圧洗浄を行い、それらの古い汚れを除去します。この時点で汚れが残っていたり、古い塗料が残っていたりすると、塗装の際に塗料がうまく乗らなかったり、せっかく塗装した塗料がすぐに剥がれてしまうというトラブルにつながりますので、この高圧洗浄は非常に重要な工程となります。

次に、セメント瓦の状態を確認します。セメント瓦1枚1枚の状態をチェックして、割れているものや欠けているものがないかチェックします。併せて、高圧洗浄では落としきれなかった汚れがないかも確認し、汚れが残っている場合は徹底して取り除きます。セメント瓦の場合、何枚もの瓦を重ね合わせて屋根を構成していますので、高圧洗浄だけでは落としきれない汚れもありますので、塗装の品質を考えると、この工程も非常に重要な工程となっています。

 さらに、セメント瓦同士のつなぎ目に砂が溜まっている場合がありますので、それらをエアー等で吹き飛ばし、汚れがない状態にします。併せて、瓦のズレがある場合に、それを修正します。

 

スレート屋根の場合は、下地処理にここまでの手間をかける必要はないのですが、セメント瓦の場合は、「瓦」という特性上、様々な下地処理を行う必要があります。しかし、ここで手を抜いてしまうと、後の塗装に大きな影響がでますので、下地処理はしっかりと実施しなければなりません。

 

下地処理が終わると、いよいよ塗装になります。セメント瓦の塗装は、他の外壁や屋根材と同様に下塗り・中塗り・上塗りの3回塗りを実施します。セメント瓦の下塗りを行う際は、特に密着性に注意します。紫外線などで旧塗膜が劣化している場合があります。まずは充分にボロボロの下地を塗れる状態にすることが大切です。

 

下塗りが終了した後に、フッ素系塗料などを使用して中塗り・上塗りを実施します。セメント瓦の場合は、価格の高い断熱塗料が使用されることはほとんどありません。もともと、セメント瓦自体の厚みがあるため、断熱塗料の効果が薄く、そのメリットを十分に活かしきれないのがその理由です。

セメント瓦を塗装する際の注意点

 セメント瓦を塗装する場合、瓦同士がくっつかないようにしなければなりません。スレート屋根も同様ですが、屋根材の中に入り込んだ水分は、屋根の傾斜によって落下する仕組みになっています。しかし、屋根材同士がつながっていると、中に入り込んだ水分が出る場所がなくなり、傾斜に従って、下には落ちても、常時屋根材の中に滞留することになります。そうなると、水分が滞留しているところから腐敗が始まり、雨漏りや屋根の劣化につながってしまいます。何より水分が躯体の中にとどまり、淀むことは避けたいところですよね。

 そうならないために、もし瓦がひっついていて水ののげ場がない場合は、瓦同士を切り離す作業が必要不可欠になります。この作業ををしておくことで、下に流れてきた水は、瓦と瓦のつなぎ目から外に排出されることになり、屋根材の中にとどまることがなくなるのです。いずれにしろ目視が必要で、時間にゆとりのある作業が求まれます。

 

セメント瓦の塗装は、非常に多くの下地処理を行いますので、業者によってはその部分を手抜きすることもあるようですが、そういった業者に依頼してしまうと、ほんのすこしの手違いで雨漏りにつながることもあります。その結果長い時間悩まされることにもなりかねません。

屋根塗装の見積もり方法と工夫 | ヨコイ塗装

屋根の塗装を実施する場合、塗装業者は、現状をしっかりと確認したうえで見積もりを作成しなければなりません。現状をしっかり確認しないままに見積もりを作成してしまうと、想像していた以上の修復作業等が必要になってしまい、見積もりには記載していない金額を、後ほどご負担いただく必要が生じるといったトラブルに発展しかねません。

しかし、屋根は非常に見づらい部分になりますので、こういった見積もりに盛り込めなかったことによるトラブルは後を絶ちません。

 今回は、ヨコイ塗装で工夫している屋根の見積もり方法についてご紹介したいと思います。

見積もり用図面

1.見積もりの立て方

 ヨコイ塗装で外壁や屋根の見積もりを作成する場合は、基本的に工程ごとの金額を算出し、それぞれの金額を明示したうえで、合計金額を算出します。この点は、業者ごとに方針が異なっており、同じように工程ごとに金額を算出している業者もあれば、各工程の金額は見積もりには明記せずに、「屋根の塗装一式」として金額を明示する業者もあります。

一括して見積書を作成する業者の中には、時間を少しでも削減して、その分実際の作業時間を確保するという業者もありますが、工程ごとの金額をうやむやにして、相場より高い金額をだまし取ろうという業者もいますので、工程ごとの明細が示されない場合は、その内訳をしっかり確認しておいた方がいいでしょう。屋根の塗装を行う場合の見積もりは、

①足場の作成費用、②養生費用、③洗浄費用、④下地処理、⑤塗装、

といった工程に分けることができます。

①足場の作成費用

 足場を作成するための費用です。屋根の塗装は、どうしても高所での作業になりますので、足場の設置は必ず必要となります。この金額は建物の大きさや高さによって増減する部分となります。

②養生費用

 建物に傷をつけないため、塗装による汚れを付着させないために設置する養生の費用になります。こちらも、塗装を行う上で必ず必要となる費用で、建物の広さや養生する範囲によって増減します。

③洗浄費用

 外壁や屋根の高圧洗浄を行うための費用です。高圧洗浄によって汚れや古い塗膜をしっかり洗い落とさなければ、汚れの上に塗装することになり、耐久性が大きく低下してしまいます。「高圧洗浄機をもっているから自分で実施する」と言われる方もいらっしゃいますが、市販の高圧洗浄機と、業者が使用する高圧洗浄機とでは、水圧が大きくことなっており、確実に汚れが落としきれないという点や、高圧の水を当ててしまうことによって破損してしまう部分などがありますので、業者に依頼するのが確実となります。

④下地処理の費用

 今回のメインテーマとなる見積もり時に追加費用が発生しやすい項目が、この下地処理になります。下地処理では、劣化した外壁材や屋根材を補修、交換することになりますが、その確認をおろそかにしていると、補修しなければならない屋根材の金額を計上していないなどの料金の差異が生じてしまいます。

⑤塗装費用

 塗装にかかる塗料と職人さんの費用になります。この金額は、使用する塗料によって大きく増減します。

2.ヨコイ塗装の工夫

 屋根の見積もりは、その現状をしっかりと確認しなければ正確な金額を算出することができません。しかし、見積もりを立てる段階で、足場を組んで屋根をしっかりと確認するのは、コスト的にも現実的ではありません。そのため、どうしても人の視線的に見ることができない「死角」が生じてしまい、実際に作業を開始すると、死角の部分に想像以上の劣化が発生していたということがあります。これによって、屋根に上ってしっかり現状確認していたにも関わらず、見積もりに計上できていない費用が発生してしまい、お客様とのトラブルに発展してしまう可能性がありました。

カメ棒

 そこで、ヨコイ塗装では、360度カメラと「カメ棒」と呼ばれるカメラの延長棒を導入いたしました。360度カメラとカメ棒を使用することで、これまで足場がなければ確認できなかった屋根の裏や小さな隙間も、カメラを延ばすだけで確認することができます。

また、従来のデジタルカメラの場合は、撮影範囲に確認できていない部分が写っていないと、確認が漏れてしまう可能性が残っていましたが、360度カメラでは、360度すべてを撮影することができますので、カメラの向きを気にすることなく、撮影することができます。360度カメラと「カメ棒」によって、見積もり作成時の死角がなくなり、これまで以上に屋根の状態を正確に把握する事が可能となりました。そのため、ヨコイ塗装にご依頼いただいたお客様は、「想定以上の追加料金が発生する可能性がある」といった不安はなく、安心してご依頼いただけます。

 どうしても、見づらい屋根の塗装を安心してご依頼いただけるのは、ヨコイ塗装の強みです。扶桑町周辺で外壁塗装をお考えの方は、ヨコイ塗装にご相談ください。写真によって漏らさず確認できる体制を構築いたしました。

参考:施工価格について

相談

外壁材の種類と適用するコーキングについて

外壁材には、最近よく使われているサイディングボードの他に、モルタルであったりコンクリートであったりと、様々な素材が存在します。1つの外壁材で外壁を構成できる外壁材であれば、コーキングという作業自体を行う必要はないのですが、サイディングボードのように複数のボードをつなぎ合わせることによって外壁を構成する外壁材であれば、コーキングという作業が必要不可欠となります。この外壁材をつなぎ合わせるためのコーキングですが、外壁材によってコーキングを使い分ける必要があります。今回は、外壁材の種類ごとに、適用するコーキングのおすすめをご紹介します。

コーキングの種類

コーキングには、大きく分けて①シリコン系、②変性シリコン系、③ウレタン系、④アクリル系

という4つに分類することができます。

  • シリコン系のコーキングは、水回りやガラス周りで使用されるコーキングで、耐水性や耐熱性、耐候性に優れたコーキングです。耐候性にも優れているため、外壁にも使用できると思われがちですが、シリコン系のコーキングは撥水効果が高く、水を弾いてしまうことから、コーキングの上から塗装することができません。そのため、外壁にはほとんど使用されず、浴室やキッチンで使用されるコーキングとなっています。※シリコンとコーキングの違いとは
  • 変性シリコン系のコーキングは、非常に万能なコーキングであるという特徴があります。そのため、外壁の種類を問わずに使用することができますが、シリコン系のコーキングやウレタン系のコーキングと比較して、耐久性や密着性が劣ります。つまり、万能であるが故に、専門性の高いコーキングには性能面で一歩ひけを取るというイメージですね。
  • ウレタン系のコーキングはコンクリートや木材に対して非常に優れたコーキングです。ウレタン系のコーキングが硬化すると、高い弾力性が生まれますのでALCなどの補修などにも使用されるコーキングとなっています。
  • アクリル系のコーキングは、一昔前まではALCの外壁に対して、頻繁に使用されていましたが、現在では、他に耐久性の高いコーキングが登場しているため、費用頻度は激減しています。メリットは、非常に安い「コスト」にありますが、長期的に見た場合は、補修回数が少ない変性シリコン系のコーキングやウレタン系のコーキング、シリコン系のコーキングの方が安くなるケースが多くなります。

参考:シリコンコーキングの耐熱温度はどれぐらいでしょうか?

外壁材とコーキングの種類

 次に、外壁材ごとのおすすめのコーキングをご紹介します。

サイディングボードを使用した外壁では、

変性シリコン系のコーキングがおすすめとなります。なお、変性シリコン系のコーキングの中でも、ノンブリードタイプを使用します。ノンブリードタイプのコーキングとは、コーキングの伸縮性を出すために配合されている可塑剤が塗装面に浮き出てこないように改良されたコーキングで、外壁の美観を保つために使用されます。

サイディング塗装時のコーキングの可塑剤防止について

 外壁材にミミズの跡のようなグレーの汚れを見たことはないでしょうか。その正体は、コーキング剤に含まれる可塑剤移行(またはブリード現象)と呼ばれる状態です。コーキング剤に含まれる可塑剤(かそざい)と言うのは、コーキングに柔軟性を持たせるための材料のことで、コーキングのひび割れが発生しにくくするために配合している成分になります。これが影響して、ミミズの跡のような汚れが発生してしまうのです。そこで今回は、コーキングの可塑剤移行の防止方法についてご紹介したいと思います。

コーキングの可塑剤移行が発生してしまった場合の影響

 コーキングの可塑剤移行が発生してしまうと、初期段階としては、可塑剤が溶け出すことによる塗料のベタつきが発生します。次に、そのベタつきに汚れが付着し、どんどんと黒ずんで行くことになりますので、外観が非常に汚くなってしまいます。この汚れだけであれば、外観以外に大きな問題はないのですが、可塑剤が溶け出すことによって、コーキングそのものの柔軟性が失われることになります。つまり、コーキングがひび割れしやすい状態になっていますので、外壁が少し伸縮しただけで、簡単にひび割れが発生してしまう状態になります。そうなると、コーキングのメンテナンスを行わなければ、防水性能は失われたままとなりますので、結果としてコーキングの耐久性が大きく低下するといえます。

コーキングの可塑剤移行の原因

 コーキングの可塑剤移行という現象は、コーキングに含まれる可塑剤が溶け出し、表面の塗料や汚れに反応して変色するのが原因となります。これは、主にコーキングそのものと塗料の相性であることが多いのですが、この相性は、今回塗装する塗料だけでなく、前回使用していた塗料との相性によっても、この現象が発生していることが確認できています。そのため、前回、どのような塗料を使用したのかを調査した上でコーキング剤の選択をしなければ、コーキングの可塑剤移行が発生してしまうことに繋がります。

コーキングの可塑剤移行の防止策

①使用するコーキング剤を厳選する

 最近は、ノンブリードタイプのコーキング材が多く販売されています。これらは、その名の通り、コーキングの可塑剤移行(ブリード現象)が発生しないように改良された塗料で すので、これらの塗料を使用することで、コーキングの可塑剤移行を防止することができます。注意しなければならないのは、ノンブリードタイプのコーキング材を使用したからどういった環境においても100%コーキングの可塑剤移行が発生しないかというと、そうではありません。通常のコーキングよりもコーキングの可塑剤移行が発生しにくくはなりますが、なんの調査もしなくていいということではなく、やはり可能な限り塗料との相性は調査しておく必要があります。

②ブリードオフプライマーなどの活用

 使用環境などにより、ノンブリードタイプのコーキング材が使用できない場合には、下地処理において、ブリードオフプライマーなどのコーキングの可塑剤移行を防止するプライマーを使用することで、可塑剤の溶け出しを防止することができます。

スズカファイン:ラフトン逆プライマー

 また、モルタル外壁など、古いコーキング剤をすべて除去する事ができない外壁材において、1度でもノンブリードタイプではないコーキング剤を使用した場合は、新たにノンブリードタイプのコーキング材を使用しても、古いコーキング剤が残ってしまうため、ブリードオフプライマーを使用してコーキングをメンテンナスすることになります。

コーキングの可塑剤移行が発生した場合の対処

可塑剤が汚れてきた感じです・・・

すでに、コーキングの可塑剤移行が発生してしまった場合、その部分のコーキングをすべて除去した上で、ノンブリードタイプのコーキングを充填するという方法が一般的な対処方法となります。しかし、どうしても古いコーキングが除去できない場合には、コーキング剤は通常のものを使用し、塗装の段階において、下地処理でブリードオフプライマーを使用し、中塗り・上塗りを行うことで処置を行う事ができます。

部分的に逆プライマーを塗装しました。

これらの対処については、コーキングの可塑剤移行を発見した場合、早めに実施することを検討していただきたい事項となります。この処置が遅れれば遅れるほど、コーキングにひび割れが発生しやすくなり、外壁そのものにダメージを与えることにつながってしまいます。建物を長く、大切に使いたい場合は、ミミズの跡のような汚れは、危険なサインだということを認識していただければと思います。

コーキングの可塑剤移行(ブリード現象)は、その仕組を理解している職人であれば、未然に予防することができる問題です。ヨコイ塗装では、コーキング剤の特徴やその注意点を熟知した職人がコーキングのメンテナンス作業を実施しますので、安心してお任せいただいたというご意見を多数、頂戴することができています。扶桑町周辺でコーキングのメンテナンスをお考えの方は、ヨコイ塗装までご相談ください。

ALCなどのコンクリートを素材とした外壁コンクリートを素材とした外壁には、

変性シリコン系のコーキングよりも密着性に優れたウレタン系のコーキングがおすすめです。コンクリート素材は変性シリコン系のコーキングでは密着しづらく、コーキングが剥がれてしまうことがありますが、ウレタン系のコーキングであれば、しっかり密着しますのでコーキングの剥がれが起こりにくくなります。

ALCのコーキングに関して

ALC(軽量気泡コンクリート)は、その名の通り、内部に気泡が空いているコンクリートで、通常のコンクリートのおよそ1/4程度の重さまで軽量化された外壁に適したコンクリートの1種です。ALCは、その気泡によって熱の伝わりを抑えるため、高い断熱効果も期待できる外壁材ですが、現在、主流となっているサイディングボードと比べると、知名度が劣るため、そのメンテナンス方法についてもご存じない方が多くいらっしゃいます。

そこで今回は、ALCのメンテナンス方法のうち、コーキングを中心についてご説明したいと思います。

ALC

ALC外壁のメンテナンス内容

ALC外壁は、コンクリート製の外壁であるため、その耐久性能は30年~50年と言われています。しかし、この年数はメンテナンスを行わなくても良い期間ではありません。適切にメンテナンスを施した場合、30年~50年は、外壁材の張替えを行わなくても良いと言われる期間になります。

 ALCは、気泡が空いているコンクリートですので、吸水性が非常に高く、外壁塗装による防水は必要不可欠です。塗装が劣化してしまうと、塗膜による防水が行えず、ALCの内部に水が侵入してしまうことになります。ALCが水分を吸収してしまうと、芯に使われている鉄筋が錆びてしまい、強度が著しく低下します。そのため、定期的な外壁塗装が必要となります。

併せて実施しなければならないのが、「コーキング」です。ALCはサイディングボードと同様に、外壁材の継ぎ目が存在します。そのため、外壁材をつなぎ合わせるためのコーキングを施す必要があります。

ALCのコーキング

 コーキングは、外壁材同士をつなぎ合わせるためのゴム状のもので、サイディングボードやALCのつなぎ目に注入し、建物のつなぎ目から水が侵入することを防止する役割があります。また、季節ごとの温度変化などによる建物の伸縮を、コーキングの伸縮性によって吸収し、外壁材同士がぶつかってしまったり、歪んでしまうことを防止する役割も有しています。

コーキングの耐久年数は一般的には8年程度と言われており、8年を過ぎるとコーキングそのものが縮んでしまったり、欠落してしまうことがあります。もちろん、環境によっては8年を待たずして破損してしまうこともありますので、定期的にチェックすることが重要となります。コーキングが縮んでしまったり、欠けてしまうと、その部分から水が侵入することになり、ALC内部の鉄筋を錆びつかせる原因となりますので、そういった症状を見つけた際には、早めにメンテナンスを行う必要があります。

ALCのコーキングのメンテナンスには、

打ち替え工法と増し打ち工法の2種類があります。

  • 打ち替え工法は、傷んだコーキングをすべて撤去し、新しくコーキングを打ち換える工法のことを言います。この工法は、古いコーキングをすべて除去するという作業と、新しいコーキングを注入するという作業があるため、どうしても増し打ち工法よりもコストがかかります。サイディングボードの場合は、耐久性を持たせるために基本的には打ち替え工法を選択する場合が多いのですが、ALCの場合は、打ち替え工法よりも増し打ち工法を選択する場合があります。
  • 増し打ち工法は、劣化して痩せたコーキングの上から新しいコーキングを注入する方法で、古いコーキングを除去しない分、コストが低い工法になります。サイディングボードで増し打ちを行ってしまうと、耐久性を決めるコーキングの厚さが確保できないため、基本的には選択しませんが、ALC(目地)の場合は増し打ち工法でも十分な耐久性を保てるだけの厚みを出すことができます。したがって増し打ち工法を選択することがあります。

 ただし、ALCでも窓の周りなど、十分な厚みが確保できませんので、打ち替え工法を選択する場所もあります。ALCで増し打ち工法を行う場合、古い塗料を除去するための専用の機材が必要となりますので、注意が必要です。

ALCに適したコーキング

 コーキングにも、ウレタン系や変性シリコーン系といったように、様々な種類のコーキング材が販売されています。この中でALCに最も適したコーキング材は「ウレタン系コーキング」になります。ウレタン系コーキングは、コーキングと塗料の密着性が高く、コーキングの上から塗装を行うことができます。ALCそのものは、非常に吸水性の高い外壁材になりますので、外壁材をコーキング材で接着した後に、隙間なく塗装を行うことで水の侵入する隙間をなくす必要があります。

そのため、コーキングの上から塗装できるウレタン系コーキングが最適になるのです。

オートンCP1

吹き付けがしてある外壁材のコーキングメンテナンス

モルタル外壁を補修する際には、

外壁塗装には、ローラー等を使用して職人が手作業で塗装を行う「手塗り」の他に、スプレーガンという工具を使用して塗装を行う「吹き付け」という工法があります。吹き付け工法のメリットは、外壁の模様や凹凸をしっかりと残して塗装できるという点と、主にそういった外壁について、塗膜を均一にすることができるという点で、外壁の素材等によって選択されることがあります。この吹き付け工法が行われている外壁材と手塗り工法の外壁材とでは、コーキングのメンテナンス方法に違いがありますので、今回は吹き付け工法が行われた外壁材のコーキングのメンテナンスについてご説明します。

吹き付け工法とは

 吹き付け工法は、塗装工事のうち、「中塗り」「上塗り」の工程で使用される工法で、スプレーガンを使用して塗装を行う方法となります。吹き付け工法では、塗料に細かい砂を混ぜて吹き付ける「リシン工法」、セメントが主剤の建材を吹き付ける「スタッコ工法」、粘り気の強い塗料を吹き付ける「タイル工法」といった様々な工法で、独特の模様を作り出すことができる塗装方法で、外壁の美観を美しくする効果があります。

Rc板
吹付けをされた外壁

 一方、吹き付け工法で高い品質を保つのは非常に難しく、熟練の職人でなければ、手塗り工法よりも品質が落ちるといったデメリットや、塗料が飛散することで、使用する塗料が増えるといったデメリットも存在します。

 吹き付け工法の耐用年数は、塗料の種類にもよりますが、おおむね10年程度といわれており、しかしながらコーキング自体は塗膜で紫外線からガードされ、劣化していないことがあります。そのため、塗膜自体は耐用年数としては手塗り工法と大差ないとも言えますが、このコーキングの状態は、耐用年数が大きく異なるため、注意が必要です。

吹き付け工法がしてある外壁のコーキング

 吹き付け工法が行われている外壁であっても、ALCやサイディングを外壁材として使用している場合は、外壁材同士をつなぎ合わせるのにコーキングは必須です。それらの外壁材のコーキングをメンテナンスする際には、初めにコーキングの打ち替えを行った後に、塗装を行いますので、基本的な作業はサイディングと異なりません。。

 注意点として、吹き付け工法を行っている外壁材には、上記通り紫外線が当たらないことで、コーキングがガードされ、その部分が案外コーキング自体が生きていることがある点です。そのため、コーキングの劣化状況については、コストを抑えるならば徹底的な削ぎ落としをしてから打ち替えるなどの必要がない場合があります。

コストを抑えた吹付け外壁の補修

 コストを重視したコーキング場合の補修として、部分的に増打ちをする方法があります。しかし問題なのは、業者が簡易にコーキング作業をしても一般の方には分からず、余分な経費を請求してくるとこです。吹き付け外壁の場合は、コーキングによる補修を行ったとしても、実際人工がかかっておらず経費も少ないことが多いです。しっかりと施工の時間や人数を把握して抑えられるところは交渉してみますよう。

状態が悪い吹付け外壁のコーキングのメンテナンス

 吹き付け工法を行ったコーキングであっても、コーキングの痩せや剥がれを見つけた場合にはメンテナンスを行わなければなりません。その場合、吹き付け塗膜もろともしっかりと削ぎ落とし、打ち替えをしなければいけません。

参考:リシン吹き付けのメリットやデメリット、劣化の補修方法について解説します

 こちらはサイディングなどと同様です。大切なことはしっかりと削ぎ落としをすること。そのため、人工はかかります。見積もりを見れば案外どの程度の品質かどうかは見分けが付きます。(安かれ悪かれはあります。)また専用のプライマーを、外壁が吸い込んでしまうこともあるので、しっかりたっぷりと塗ることも大切です。

 手塗り工法であっても、吹き付け工法であっても、コーキングのメンテナンスは必須です。それぞれの工法に適したメンテナンス方法をしっかりと行わなければ、本来、持つはずの耐用年数よりも早く劣化が始まってしまいます。しかし、一部の業者では、その工法の違いを理解しておらず、すべて同じ工法でメンテナンスを行い、結果として低い品質のメンテナンスしか行わない業者も存在します。

カラーベストの塗装と張替えはどのタイミングで?

カラーベストは、セメントとけい砂、それに繊維を原料とした屋根材で、「化粧スレート」と呼ばれる屋根材のとある商品名を指しますが、最近ではカラーベストといえば「平型化粧スレート」のことと言われるほど定着しています。ホッチキス(商品名)とステープラのような関係ですね。カラーベスト屋根は、ケイミューというメーカーが販売している化粧スレート屋根の総称で、コロニアル・クァッド、コロニアル・グラッサ、コロニアル・グランデグラッサといった通称「コロニアル」シリーズが非常に有名です。カラーベスト屋根は、施工性がよく、価格も安いことから、最近の住宅には多く取り入れられている屋根材となっています。

 今回は、カラーベストのメンテナンスについて、ご説明いたします。

カラーベストの劣化について

劣化したカラーベスト

カラーベストとアスベスト

 以前、「アスベストは危険だ」というニュースが流れ、アスベストの使用に制限がかけられたことを記憶されている方も多いかと思います。カラーベストは、昭和36年ごろから販売されており、当時はアスベストについては問題視されていませんでした。そのため、2006年頃までに販売されたカラーベストにはアスベストが含まれていますが、それ以降に販売されたカラーベストには含まれていません。そのため、カラーベストの劣化を見つけた際、そのメンテナンスを行う際には、もしアスベストが含まれているカラーベストを使用していた場合、アスベスト対策が必要になるという点について、注意が必要です。

カラーベストの寿命

 カラーベストの寿命はおおむね20年と言われています。ただし、アスベストの有無や使用環境によって、それよりも早く劣化する場合もあれば、30年程度持つといった事例もありますので、20年はある程度の目安として捉える必要があり、実際にはカラーベストの劣化状態を見ながら判断することになります。

カラーベストの劣化

 カラーベストが劣化しているという状態は、主に3つに分類することができます。

 

峰のトタン抑えの釘は大体浮いてきます
  1.  カラーベストが劣化し、割れてしまっている状態です。カラーベストの下にはルーフィングという防水材が入っているため、カラーベストが割れたからすぐに雨漏りにつながるというわけではありませんが、屋根材の内部に水分が侵入することに変わりはありませんので、ルーフィングの劣化を早めることにつながり、最終的に雨漏りの原因となります。カラーベストが割れる原因としては、台風や強風など、風によって運ばれてきた飛来物などの物理的な接触で割れてしまうケースと、経年劣化で割れるケースの2通りあります。カラーベストは、材料をセメントで固定している屋根材になりますので、少なからず屋根材の中に水分が含まれています。この水分が凍結や融解を繰り返すことによってわずかながら体積の変動が生じ、繰り返し、その状態が続くことによって、素材が耐え切れなくなり割れてしまうのが、経年劣化の原因と言われています。
  2.  カラーベストは割れる以外にも反ってしまうという劣化の状態もあります。原因は経年劣化によってカラーベストが割れることと似ていますが、カラーベストの表面と裏面の温度変化によって、中の素材が伸縮を繰り返していますが、通常はそれでもしっかり密着させるよう作られています。しかし、経年劣化によって、その密着が維持できなくなった場合に、表裏の温度変化によってカラーベストがいびつに伸縮してしまい、それが反りにつながってしまいます。カラーベストが反ってしまった場合にも、その部分から雨水が屋根材の内部に侵入することになりますので、雨漏りの原因となってしまいます。
  3.  カラーベストを固定している釘やビスが劣化して外れてしまうことや、地震などによってこの釘やビスが外れてしまうことがあります。それらが1つや2つ、外れてしまったからと言って、すぐに屋根全体が外れてしまうというわけではありませんが、少なくともその釘やビスで固定していた部分にはズレが生じ、カラーベスト同士の接触などによって、カラーベストが割れたり、ひびが入ったりしてしまうケースがあります。また、これらは、自然災害や経年劣化だけではなく、施工した業者の腕が悪かった場合や、手抜き工事が行われた場合にも同様の症状が発生します。そのため、建てたばかりだからと安心して、全くチェックしていなかった場合、カラーベストの劣化に気付かず、雨漏りして初めて気づくといった事象も存在しています。
  4. カラーベストは、基本的に塗装を行って使用します。この塗装は、物理的なカラーベストの劣化を防止することはできませんが、屋根材の強度を増したり、防水性能を増す、大切なメンテナンスとなります。この塗装工事は、おおむね10年に1度、実施することが推奨されていますので、この塗装工事の際に、カラーベストの劣化状況をプロの業者にチェックしてもらうことで、劣化を早期発見し、適切なメンテナンスをとることが可能となります。

 非常に、軽量で丈夫なカラーベストですが、それでも時間やその他の要因によって劣化してしまいます。それを早期発見し、適切な対処を行うことで、建物を長く使い続けることが可能となります。カラーベストのメンテナンスにお悩みの方は、ヨコイ塗装にご相談ください。

参考: カラーベスト・コロニアル

 

屋根は塗膜への環境が厳しいので無機がおすすめ

カラーベスト屋根の張替えと塗装の見極め

 カラーベスト屋根のメンテナンスを行うにあたり、コスト面で考えると①塗装、②重ね葺き、③葺き替え、という順になります。しかし、コストを安く抑えるために塗装を行いたくても、カラーベスト屋根の状態によっては張替えを選択しなければならないというケースもあります。そこで、張替えと塗装、どちらを選択するのか、その見極め方法についてご説明します。

コストが最も低い、塗装を行うためには、既存の屋根材が、そのまま使用できなければなりません。カラーベスト屋根そのものに傷が入っていたり、劣化がひどい状況では選択することができません。あくまで塗装で回復できるのは、表面の塗膜だけであって、屋根材そのものの耐久性を回復させることはできないのです。見た目で判断する基準としては、以下の点が考えられます。

①チョーキング

 塗装が劣化して、触ると白い粉がつく状態です。この症状は、塗装の劣化が原因となりますので、塗装工事を行うことで、本来の性能を取り戻すことができます。チョーキングは、目に見えて塗装の劣化が分かるため、塗装工事を行う1つの判断基準といえます。

②塗膜の剥離

 チョーキングを放置しておくことで、塗装の劣化がすすみ、塗装が剥がれている状態です。この程度までは、なんとか塗装でメンテナンスを行うことができますが、剥離している部分から水分などが入り込み、屋根材にダメージを受けている可能性があります。(下に防水シートがありますので、躯体に害はありません。)この症状が現れたら、できるだけ早めに塗装を行ったほうが良いでしょう。

③カラーベスト屋根の極度の劣化

 塗膜が剥離している状態で長期間放置し、カラーベスト屋根がボロボロの状態です。カラーベスト屋根の内部に水がしみ込んでしまうと、水分に弱いカラーベスト屋根は、膨張し、徐々に破損していきます。この状態で塗装工事を行ったとしても、劣化により素材自体の表面が薄くなっていますので、塗装自体が意味のないものになります。

初期の状態であれば、カラーベスト屋根の強度がある程度残っていますので重ね葺きによるメンテナンスも選択することができますが、さらに放置し、大きな反りや劣化が発生してしまうと、上から重ねて葺くこともできなくなります。そうなった場合は、葺き替えによるメンテナンスしか取れなくなってしまいます。

コロニアル屋根を塗装するタイミング

 コロニアル屋根はその設置時期によって様々な種類があります。

  • 昭和54年から平成13年までは、ニューコロニアルという商品で、メンテナンス時期は建築後30年から35年と言われています。また、メンテナンスの方法もカバー工法によるリフォームとされており、塗装とはされていません。このニューコロニアルは、アスベストが使用されているコロニアルで、非常に耐用年数が長いのが特徴ですが、しっかりメンテナンスしていなければ、大量のコケが発生する特徴があります。コケの発生を抑えるためには塗装を行わなければならず、このコケの量が塗装を行うタイミングといえます。ニューコロニアルは、アスベストが含まれているため、処分には高額な費用が発生します。そのため、塗装を含めてしっかりとメンテナンスを行い、少しでも長く使えるようにしておく必要があります。
  • 次に、平成13年に販売されたコロニアルNEOですが、こちらは現在生産が中止となっています。このコロニアルNEOは、アスベストが規制された直後に作られたコロニアルで、メンテナンス時期は20年程度と言われています。アスベストが含まれていないことから、耐用年数は大幅に落ちており、10年程度で屋根先の毛羽立ちや変色、ヒビの発生が生じてきます。ですので、塗装を行うタイミングは、それら不具合が生じてきたころと言うことになります。
  • 最後に、現在販売されているコロニアルクァッドですが、こちらは製品に改良が加えられており、メンテナンス時期は建築後30年程度とアスベストを含むニューコロニアルと同程度の耐用年数が実現できています。現在、主に利用されているコロニアル屋根はコロニアルクァッドとなっています。しかし、耐用年数が長くてもコケやカビが生えやすいということに変わりはありませんので、それらによって美観が損なわれたときが塗装のタイミングであるといえます。

コロニアル屋根の塗装のポイント

コロニアル屋根は他の屋根材と同様の塗装を行ってしまうと、問題が生じてしまいます。そのため、コロニアル屋根を使用している場合は、コロニアル屋根の塗装手順に従って塗装を行う必要があります。コロニアル屋根の塗装手順は

  1. 洗浄、
  2. 板金処理、
  3. サビ止め塗装、
  4. シーラー塗装、
  5. タスペーサーによる通気性の確保、
  6. 塗料の中上塗り

という手順になります。この内、タスペーサーによる通気性の確保がコロニアル屋根の塗装を行う上でのキーポイントとなります。

コロニアル屋根は板状の屋根材を重ね合わせて作られていますので、屋根材と屋根材の間にしっかりと通気口を確保して置かなければ、入り込んだ雨水等が逃げる場所がなくなり、屋根材と屋根材の間に溜まりこんでいきます。こうして溜まった水分は、屋根材を内部から腐食させていき、屋根の劣化や雨漏りの原因となります。そのため、しっかりとタスペーサーによる通気性の確保を行う必要があるのです。

雨漏りになってしまう事例

コロニアルまとめ

コロニアル屋根は、建築された時期によって耐用年数が大きく異なります。しかし、特徴であるカビやコケの生えやすさは、どのコロニアル屋根であっても同様で、美観を保ち、かつ屋根の耐用年数を伸ばそうと思うと、屋根の塗装を欠かすことはできません。コロニアル屋根を塗装するタイミングは、カビやコケの発生をもって塗装を行うという判断でも問題ありませんが、コロニアルNEOについては他のコロニアル屋根よりも耐用年数が低く、10年程度で劣化が始まりますので、この屋根材を使用している場合に限っては屋根の変色や毛羽立ちといった、屋根材の劣化の症状を見落とさないようにしなければなりません。

カラーベストの塗装タイミング

 カラーベストの屋根は、日本瓦の屋根と違い、塗装によって防水性や耐熱性を保っています。そのため、塗装が劣化してしまうと、十分な防水性や耐熱性を得ることができなくなってしまいます。特に防水性が劣化してしまうと、カラーベスト内部に雨などの水分が侵入してしまうこととなり、雨漏りの原因になってしまいます。

また、雨漏りまでいかなかったとしても、屋根内部の木材が水分を吸収してしまい、腐食してしまうこともありますので、カラーベストの屋根は定期的に塗装を行う必要があります。

屋根塗装 カラーベスト

 一般的には、カラーベストの再塗装は使用する塗料にもよりますが、一般的なシリコン塗料で8年~10年程度といわれています。ただし、外壁と違って屋根を間近で見る機会はそれほど多くありませんので、そのタイミングは非常につかみづらく、状況によっては10年以内に雨漏りしてしまうケースもあり得ます。例えば、前回塗装を行ってから10年を経過していなかったとしても、屋根に色むらや色あせがある場合、カビやコケが見える場合、塗装が剥げているように見える場合は、早めに塗装を検討するのがおすすめです。

カラーベストの塗装

 カラーベスト屋根は、塗装による塗膜によって防水性や耐熱性を維持しています。そのため、塗装が劣化してしまうと、防水性や耐熱性が大幅に低下してしまい、雨漏り等の原因となってしまいます。塗装が劣化した場合は、カラーベスト屋根の塗装を行うことで、防水性や耐熱性を高める必要があります。外壁などの塗装と同じく、得られる防水性や耐熱性、耐候性については、使用する塗料によって大きく変化しますが、後ほど説明する張替えに比べると、安価に実施できるメンテンナンスとなっています。通常、カラーベスト屋根の塗装の間隔は、10年程度といわれていますが、塗装の劣化状況によっては、それよりも早く塗装工事を行う必要があります。しかし、そのタイミングが非常に分かりづらいという問題があります。

 カラーベストの塗装が劣化したときに、塗装工事を行って防水性、耐熱性を取り戻すメンテナンスは、長くカラーベストを使用するうえで重要なメンテナンスになります。しかし、劣化してしまったカラーベストの耐久性までを復元することはできませんので、カラーベストの劣化が進む前に、定期的に塗装工事を行うことをお勧めします。

カラーベスト 高圧洗浄 注意

 カラーベストの塗装を行う場合、使用する塗料によって耐久性は大きく異なります。例えば、安価なウレタン塗料を使用した場合、1回あたりのコストは安く済みますが、耐用年数が5年~8年程度しか持ちません。一方、単価が高い断熱塗料を使用した場合には、1回あたりのコストは高いものの15年~20年という長期間の耐久性を有しています。

現在、ヨコイ塗装がおすすめしているのは、無機塗料で、10年~15年という耐久年数がります。屋根は紫外線などの影響で劣化が激しいので、高性能な塗料をおすすめしています。

カラーベストの張替えタイミング

 カラーベストは、塗装を行うことで防水性や耐熱性を取り戻すことはできますが、それはカラーベスト自体に問題が生じていない場合に限ります。カラーベストそのものに、ひび割れなどの劣化が生じている場合には、カラーベストの張替えという工事が必要になります。

カラーベスト

 カラーベストの張替えは、古いカラーベストを取り除き、新しいカラーベストに張り替える「葺き替え」と、古いカラーベストの上から新しいカラーベストを張る「重ね葺き」という方法がありますが、いずれもカラーベストそのものが劣化し、そのまま使用できない場合に実施することになります。そのため、タイミングとしてはカラーベストのひび割れを発見した場合、ズレやゆがみを発見した場合となります。それらの症状は、環境によって左右されるため、明確に何年程度と示すことができません。

カラーベストの張替え

カラーベスト屋根が劣化した際には、張替えを行うことができます。張替えとは、新しいカラーベスト屋根に張替える工事のことを言い、重ね葺きと葺き替えの2通りの方法があります。重ね葺きは、古いカラーベスト屋根の上から新しいカラーベスト屋根を張る張替え方法で、葺き替えに比べると、古いカラーベスト屋根の撤去が必要ない分、安価に、また、短期間で工事を行うことができます。しかし、屋根全体が2倍の重さとなるため、軽量であるメリットが損なわれ、耐震性が低下します。

一方、葺き替えは古いカラーベスト屋根をすべて撤去し、新しいカラーベスト屋根を張る張替え方法になります。重ね葺きと違い、古いカラーベスト屋根をすべて撤去するため、費用と工期が必要となりますが、全く新しい屋根になりますので、新築の時と同様の防水性能を発揮することができます。しかし、古い屋根をすべて撤去する際に、職人さんの腕や環境によって内部に雨が入り込みやすくなってしまいます。

 カラーベストの張替えは、葺き替えか重ね葺きかによって、その結果が大きく異なります。

 葺き替えの場合、古いカラーベストを撤去して新しいカラーベストを張りますので、コストが高くなるというデメリットがあります。しかし、カラーベストの下のルーフィングや野地板のメンテナンスも同時に行うことができますので、それらに劣化が生じた場合は、早期発見を行うことができます。また、重量もこれまでとは変化しませんので、耐震性能が低下する心配もありません。

 一方、重ね葺きの場合、古いカラーベストの上から新しいカラーベストを張るため、2倍の重量が必要になってきます。重量が増えると耐震性が低下してしまいますので、葺き替えに比べると、耐震性能が低下してしまうことになります。しかし、古いカラーベストを取り除かない分、コストは安く抑えることができ、また単純に屋根が2層になるとことなので、雨漏れの心配も減ってきます。ただし、古いカラーベストの劣化状況がひどい場合には、重ね葺きができない場合があります。

 葺き替えと重ね葺きには、それぞれメリットとデメリットがありますが、カラーベストが劣化した場合には、今後のメンテナンスや耐久性を考慮し、葺き替えを行うことをお勧めしています。。

コールターの塗装に関して|扶桑町の外壁リフォーム【ヨコイ塗装】

https://yokoi-tosou.net/estimate/question/kikubekisitumon/
実際の塗装では何に気をつけたら良いのか?

これからコールタールを塗ろうとしている人の「コールターってどうやって塗るの?」「どんな注意点があるの?」こういった疑問に答えます。

■コールターは昔と違って格段に作業性能が良くなりました。コールターと言うとコテコテで塗りにくいと言うイメージがありましたが、現在では特に希釈する必要もなく非常に塗りやすいものがメーカーから出ております。

□よくある質問:コールターは高くなっていないですか?

昔は安く、防腐効果もあったので、よく使用されていました。発がん性物質があるため、現在では取り扱い業者も少なくなり、なおかつ発がん性物質を除去すると言う手間も増えたためコルター自体の価格が上がっています。

■コールターの塗装で注意をしなければいけないポイントとしましては、コールターの上にはコールターしか塗れないと言うことです。コールターの上に塗料を塗ってもコルターが、油脂を分解しコールター自体が浮き出てくるという現象が起こってきます。時間を置くと、コールターが新しくなった塗料を溶かし、まだら模様になってきます。そのため見苦しいものになってきます。

また、コールターの上にはコールターしか塗れません。その事は当然、これから素材がずっと黒色になります。したがってコールターを塗装する前には、今後その素材に色付けをする必要があるかどうかを、事前にチェックしておく必要があります。

■はけやローラーは使い捨てのものを使用しましょう。

コールターを塗装すると刷毛やローラーがいっぺんに悪くなります。そのため後から派遣などではもったいがありませんので、ホームセンターなどで売っている使い捨ての安い刷毛で塗装することをお勧めします参考:トタン屋根のメンテナンスと塗装工事

ここからはお時間がある人がお読みください

コールタールは、石炭を材料とする塗料で、昔から木や金属の錆止めを目的として使用されていました。最近では、サイディングボードの外壁やALCの外壁が増え、金属素材であるトタンはほとんど使用されなくなりましたが、コールタールの塗装が最も効果的な素材は、トタンなどの金属外壁になります。

 最近ではあまり使用されない塗装ではありますが、今回は、トタンに対しては非常に効果的なコールタール塗装について、ご紹介します。

(※コールタールの上に塗料は塗ってもすぐ剥がれます。)

1.コールタールの特徴

 コールタール塗料は、他の外壁塗装で使用する樹脂を素材とする塗料とは異なり、原材料は石炭となります。コールタールは、コークスを製造する際に石炭を乾留して得られる副産物となり、黒い液体でタール臭がありますので、基本的には、塗装後の色は黒となります。コールタールには、強い防腐効果、防錆効果がありますので、金属や木材といった素材に対して、高い効果を発揮します。

特に、トタン屋根のような金属素材に対しては、樹脂製の塗料よりも高い防錆効果があるといわれています。また、コールタールには虫よけの効果もありますので、農家で使用している納屋などにもよく使われる塗料となっています。

また、この虫よけの効果は、白アリの予防にもつながりますので、建物以外にも木製のベンチやウッドデッキの見えない部分などに塗装することで、白アリの被害を防止することも可能となります。

 このように、耐久性が高く、コストが安いという、非常にコストパフォーマンスに優れた塗料ではありますが、色が黒しか選択できないという点、芳香族化合物の持つ、強い臭気があるという点から、取り扱いが難しい塗料でもあります。

特に、現在はカラートタンに代表されるように、美観が非常に重要視されていることから、美観を変えることができないコールタール塗装を選ばれる方は、徐々に減ってきています。

2.コールタールの塗装方法について

①下地処理

 コールタールで塗装する際にも、下地処理は重要な作業となります。特に、トタン屋根は錆が発生しやすいため、さび落としは目荒らしといった下地処理は必須になります。これらの下地処理として、さび落とし、ワイヤーブラシなどでの研磨を行うことで、さび落とし、目荒らしを同時に行うことも可能です。これらの工程を行うことで、錆や汚れが除去され、トタンがきれいになると同時に、細かな傷が入りますので塗料をしっかりと密着させることができます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

②コールタールの塗装

 樹脂製の塗料の場合は、下塗り、中塗り、上塗りと最低でも3回の塗装を行わなければなりませんが、コールタールの塗装は、基本的には1回で仕上げることになります。もちろん、より、厚みを出すために複数回に分けて重ね塗りを行うことはありますが、基本的には1回の塗装で、ある程度の耐久性を持たせることができます。

 

 

 

 

 

 

 

 

③コールタールの乾燥

 塗装を行った後、塗料を乾燥させる必要があります。樹脂製の塗料の場合、1日程度で乾燥しますが、コールタールの場合は、速乾性の高い商品を選択したとしても、早くても1週間くらいは硬化しません。また、コールタールの場合、乾燥しても完全に固まるわけではなく、べたつき感が残るという特徴もあります。

 

 

 

 

 

 

 

3.コールタールの注意点

 コールタール塗料で塗装する場合、基本的には1回の塗装で仕上げることになりますので、職人さんの腕によって、仕上がりが大きく異なってしまいます。腕のいい職人さんが、丁寧に仕上げることで、重厚な黒い輝きのある塗装に仕上げることもできれば、そうではない職人さんや雑な作業によって塗りムラが目立つ仕上がりになることもありますので、コールタールで塗装を行う場合は、特に職人さんの腕が大切になります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 また、コールタールは非常に臭いがきついため、住宅の密集地で使用される場合は、ご近所さんに配慮する必要があります。特に、コールタールは気温の高い日は臭いがきつくなりがちですので、そういった日を避けて塗装するなどの配慮が必要となります。

 

 

 

 

 

 

 このように、コールタール塗料は、使用方法が難しいという側面はあるものの、高い耐久性、虫よけの効果など,他の塗料では実現できないような様々なメリットも有しています。最近ではあまり使用されなくなった塗料ではありますが、トタン屋根やトタンの外壁を黒できれいに仕上げる、虫の多い農地の納屋に使用する、ウッドデッキやベンチといった木製部分を白アリから保護するために目立たない部分に塗装するなどといった使用方法もありますので、使い方によってはコールタール塗料のデメリットを最小限に抑えつつ、その効果だけを受けるといった方法も可能となります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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