外壁塗装工事

塗装工事にケレン作業は本当に必要?

只今、扶桑町で補助金を使った塗装をしています。お客様から疑問が出ましたので、ケレン作業について書いて行きたいと思います。

 

外壁塗装を行う下地処理で、一番初めに行う作業がケレン作業です。塗装業者から見積書を取った時にも「ケレン」という言葉で記載されていることがありますが、一般的には「ケレン」という言葉はあまりなじみがありません。そのため、この「ケレン」という作業がどんな作業なのか、本当に必要なのか判断がつかないかと思います。今回は、この「ケレン作業」というのは、どういう作業を行うのか。外壁塗装を行う上で必要なのかについてご説明いたします。

ケレン作業とは

 ケレン作業は、これから新しい塗料を塗る外壁のサビや古い塗膜を落とす作業のことを言います。例えば、鉄製の部品を使用している外壁材であれば、少なくとも7年~10年程度は風雨にさらされている状態となりますので、少なからずサビが発生してしまいます。このサビがついている状態で塗料を塗ってしまうと、新しく塗った塗料の中で金属の部品はサビたままになっていますので、パッと見ただけではわからないような内部でサビが進行してしまい、気づいたころには鉄製の部品はサビで使い物にならなくなるという最悪な状況に陥ってしまうことがあります。

また、そこまでひどい状況にならなくても、サビが浮いている鉄製の部品に塗装を行っても、それは鉄製の部品そのものに塗料を塗ったのではなく、サビに塗料を塗っただけになりますので、サビがはがれた時には一緒に塗料もはがれてしまうといった状況にもなり得てしまいます。

そのため、鉄製の部品にでたサビについて、しっかりと落とす必要があるのです。では、「我が家は、外壁はすべて木製だからケレン作業は要らないよね」と、言われる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、木製の外壁材を使用している場合は、長年の風雨によって材木が毛羽立っていたり、へこみや傷などで外壁材に様々な汚れがついてしまっています。表面の汚れをしっかりきれいにすることもケレン作業の一つなのです。

また、素材の表面に微細な凹凸を作ることで、外壁材に塗料が密着させることができるため

塗装の耐久性が向上します。さらに、ケレン作業では古い塗膜の除去も行います。これまで長年の間、外壁材を守ってくれた古い塗膜ですが、すでに役割を終えて、十分な機能性を発揮できなくなってしまっています。経費がもったいないからと、この古い塗膜の上から新しい塗料を塗ってしまうと、新しい塗料は外壁材に密着せずに、古い塗膜についてしまいますので、古い塗膜がはげ落ちると同時に、新しい塗料もはがれてしまうという問題があるのです。

そのため、ケレン作業によってしっかりと古い塗膜をはがしておく必要があるのです。(ここが優良業者の見極めどころです)

ケレン作業は必要か?

 すでに、説明しているとおり、ケレン作業をしっかりと行わなければ、外壁材と新しい塗料がしっかりと密着しませんので、塗料の耐久年数が非常に低いものとなってしまうことになります。過去に、ケレン作業の手を抜かれていたことによって、通常7年~10年は持つといわれている外壁への塗装が、わずか1年~3年で剥離の症状が現れ、仕方なく再度外壁塗装を行ったという方もいらっしゃいます。そのため、外壁塗装を行う際、ケレン作業は必ず必要な作業となるのです。

なお、ケレン作業にかかる費用については、現在の外壁の状態によって実施するケレンが異なることから、その外壁を実際に確認してみなければ判断することができません。

参考:外壁塗装工事後の塗膜の剥がれを防ぐために

ヨコイ塗装のケレン作業

 ヨコイ塗装では、外壁塗装の品質はどれだけ丹念に下地処理を行ったかで決まると考えています。そのため、下地処理の1プロセスであるケレン作業についても一切妥協を行うことはございません。

サビを除去すべきところはすべて除去し、毛羽立った木材は、すべて修復し、古い塗膜は徹底的にケレン作業を実施いたします。そのため、他の業者よりもケレン作業に関する費用が高いというケースや、作業日数が多いというケースも出てしまいます。しかし、ここで時間や費用をしっかりとかけてでも、ケレン作業を妥協なく行うことで、高品質な塗装に仕上げるために必要な時間と費用となっています。他の業者よりも少し高く、また工期も伸びてしまいますが、最初のケレン作業をしっかりと行っておくことで、外壁塗装の仕上がりはとてもきれいに仕上がりますし、その耐久年数も長くなりますので、長期的に見た場合、外壁塗装にかかる費用は安くなるとかんがえられます。 

ケレン作業の重要性

 ケレン作業は、外壁塗装工事の品質を決定する非常に重要な作業であると説明しました。なぜ、ケレン作業が重要なのかというと、ケレン作業を行わずに、サビや汚れ、古くなった塗膜の上から塗装を行うと、塗装する面に大きな凹凸があるため塗装にムラが生じてしまい、美しく塗ることができません。

また、そのようにして行われた塗装は、外壁にしっかりと塗料が乗っておらず、サビや汚れの上に塗料が乗っているという状態ですので、外壁からサビや汚れが剥がれ落ちるときに、塗料も剥離してしまいます。また、外壁に塗料が乗っていませんので、サビや汚れと外壁の間に空洞ができてしまいます。その隙間は、塗料による防水性能は期待できませんので、水が入り込んでしまうと、家の内部が腐食してしまうという問題もあります。

つまり、ケレン作業は外壁塗装の美観だけでなく、耐久性にも大きく影響する重要な作業であると言えます。

ケレン作業の内容

 ケレン作業は、鉄の部分のサビをしっかり落とす作業がメインとなります。では、木造部分にはケレン作業を行わなくてもいいのかというと、そうではありません。木造部分では、サビはありませんが、木の毛羽立ちなどによる凹凸を慣らす作業が必要となります。

また、完全にツルツルに磨かれた状態では、逆に塗料が付着しません。そのため、細かな傷をつけて、塗料の乗りをよくするのもケレン作業の目的の一つと言えます。

3be323a6fc76113402d99f87224d07f2_s

ケレンの種類

ケレン作業は、外壁の状態によって、2種ケレンから4種ケレンの中から、適切なケレンを行います。

  • 1種ケレンはサビや腐食が相当ひどい場合に使われることがありますが、一般住宅で行われることは、まずありません。なぜなら、一般住宅の場合において、1種ケレンが必要な場合は、その部分を取り換えてしまうほうが安価であるためです。1種ケレンは、ブラスト工法によりサビや古い塗膜を除去する方法になりますが、ブラスト工法は粉じんや騒音など、環境への配慮が必要とされていますので、非常に高価な作業となってしまいます。
  • 2種ケレンは、重度のサビや腐食がある場合に行われるケレン作業です。2種ケレンでは、電動工具を使用して、徹底的にサビや古い塗膜を除去します。2種ケレンも、非常にコストと手間が発生するため、取り換えの方が安価な場合が多く、一般住宅ではあまり使われることはありません。価格は、1㎡当たり1,400円~2,200円が相場となっています。
  • 3種ケレンは、サビや古い塗膜の劣化がひどくなく、サビていない部分や塗膜が劣化していない部分が残っている状況で使われるケレン作業です。3種ケレンは、主に手作業か電動工具によるブラッシングでサビや古い塗膜と除去します。3種ケレンが、ケレン作業において最も選択されているケレン作業になります。価格は、1㎡当たり500円~1,200円が相場となっています。
  • 4種ケレンは、サビや古い塗膜がほとんどなく、表面を洗浄するレベルできれいにできる状態の場合に選択されるケレン作業です。主に手作業で、紙やすりを使用して行われます。価格は、1㎡当たり200円~400円が相場となっています。

 

まとめ

 ケレン作業はサビや汚れ、腐食の度合いによって、コストが大きく異なります。特に、1種ケレンや2種ケレンを行わなければならないほど、重度なサビや腐食がある場合は、ケレン作業ではなく、取り換え作業になりますので、非常に高価な工事となってしまいます。

 しかし、そこで取り換えを行わずに、塗装でだましだまし使っていたとしても、塗装自体の耐久性も下がるうえに、塗料がしっかりと付着しませんので、家そのものの耐久性も下がってしまう事となります。そのため、1種ケレンや2種ケレンが必要な状態まで進んでしまうと、非常に高いコストを支払わなければならなくなるのです。

しかし、3種ケレンで対応できる状態で外壁塗装工事を定期的に行っておけば、サビや汚れ、腐食も定期的にきれいに取り除かれていますので、比較的安く、塗装もいい状態をキープすることができます。さらに、塗膜が古くなる前に塗り替えますので、防水性能も高く、家へのダメージも少なくて済みます。(ここでの作業の質が、品質につながり、良い職人かどうかの分かれ目になります。)そのため、定期的に外壁塗装工事を行うことで、外壁のメンテナンスを行うことをおすすめいたします。

外壁塗装工事にかかる料金の公開|扶桑町の外壁リフォーム【ヨコイ塗装】

外壁塗装工事にかかる料金を公開!

外壁塗装は、持ち家のメンテンナンスとして7年から10年に1回は実施しなければならず、その費用も比較的高額となります。

今回は、そんな外壁塗装の料金を工程別、塗料別に見ることで、おおよそどのくらいの料金が適正価格なのかを確認していただきます。ここから大きくはずれた価格(高すぎるor安すぎる)の場合は、その価格設定や工事の内容を慎重に確認したほうがいいでしょう。

参考:外壁塗装相場

1.外壁塗装の工程別費用内訳

 外壁塗装には、主に事前準備、下地処理、下塗り、中上塗りという工程があります。ここでは、それらの工程別に費用の内訳を確認していきます。なお、中塗りと上塗りについては、使用する塗料によって価格が大きく異なりますので、次項目で詳しく説明します。

− 事前準備

外壁塗装の事前準備には、足場の作成や養生といった作業があります。

 ・足場の作成

足場の作成は、2階建てであれば坪単価で500円~800円程度となります。3階建の場合、足場の高さが必要となりますので、同じ面積であっても坪単価は800円~1,200円とやや高くなります。

 ・養生

養生を行う範囲の坪単価として300円~500円程度となります。

参考:塗装工事の養生テープの種類と使い分けに関して  

・下地処理

 下地処理では、高圧洗浄による外壁の洗浄、破損した箇所の補修やシーリングの打ち直しといった作業があります。

高圧洗浄
専用の高圧洗浄機を使用した外壁の清掃は、坪単価150円~300円程度となります。

下地の補修
傷んだ下地を補修しなければならない場合、その箇所や大きさによって価格は大きく異なります。坪単価にした場合、価格は10,000円程度から20,000円程度と非常に幅広い価格帯となります。補修しなければならない範囲があまりに多すぎる場合には、外壁を塗装するのではなく、貼り替えを行うほうが安くつく場合があります。

シーリングの打ち直し
シーリング部分の劣化により、シーリングにヒビや溝がある場合、シーリングの打ち直しを行う必要があります。シーリングの打ち直しにかかる費用は、坪単価で500円~1,000円程度となります。あまりに劣化の範囲が広く、劣化の進捗状況も進んでいるようであれば、シーリングの打ち替えを行う必要があります。その場合、坪単価で1,000円~1,300円程度必要となります。


 − 下塗り   

下塗りでは、専用の塗料を使用して外壁と塗料を密着を高める効果のある専用の塗料を使用して塗装を行います。この費用は、坪単価で500円~1,000円程度となります。

2.塗料の種類と料金

塗料には、アクリル系塗料から光触媒塗料まで、大きく分けて6種類程度に分類することができます。最も安価であればアクリル系塗料から、その値段について確認します。

(1) アクリル系塗料

最も安価で、耐久性の低い特徴のあるアクリル系塗料の坪単価は、30,000円~40,000円程度となります。アクリル系塗料を使用すると、耐久性が低いことから、頻繁に外壁塗装を行わなければなりません。現在滅多に使われる事はありません。

(2) ウレタン系塗料

次に、少し前まで人気の高かったウレタン系塗料の坪単価ですが、こちらは35,000円~45,000円程度となります。

(3) シリコン系塗料

今最も人気の高いシリコン系塗料は、坪単価で35,000円~50,000円程度となります。

(4) フッ素系塗料

現在、住宅でも使用されるケースの増えてきたフッ素系塗料は、坪単価で40,000円~60,000円程度となります。

(5) 断熱塗料

塗料の中に断熱効果のある素材を入れた断熱塗料は、坪単価45,000円~60,000円程度となります。

(6) 光触媒塗料

現在、もっとも高価と言われている光触媒塗料ですが、その費用は坪単価50,000円~70,000円程度となります。

3.まとめ

以上のように、外壁塗装はその工程別や塗料別に料金を算出することができます。もちろん、外壁だけでなく屋根も同時に塗装する場合は、金属部分の補修もしくは木材部分の補修を行う場合は、その価格が追加で上乗せとなることに注意が必要です。これらをすべて合計した場合の価格が、外壁塗装の価格相場であるということがいえます。

例えば、住宅の面積が20坪から30坪未満の場合、外壁塗装にかかる費用は1,000,000円程度となります。もちろん面積が増えるにつれ、価格は高くなってしまいます。例えば、30坪から40坪未満の場合、1,050,000円程度、40坪から50未満の場合、1,200,000円程度、それ以上の場合は状況によって異なりますが、概ね1,500,000円となります。

これら相場の価格から大きく異なっている価格を提示された場合、あまりにも安すぎる契約、もしくは高すぎる契約につて、しっかりと確認しなければなりません。見積もりを取得する際には、合計金額だけでなく契約書の各項目で相場から逸脱しているものがないかの確認をしっかり行い、不明点があれば、契約前にしっかりと聞いておきましょう。

 

☎0587−93−1546

塗装工事の品質につながる気温と雨

塗装工事を行う際には、気温に注意しなければなりません。塗装は塗料という液体を何重にも塗って仕上げるというプロセスで行いますが、その際に、必ず塗料を乾かすという工程が必要となります。

この塗料を乾かすという作業については、気温が大きく関わってきます。また、塗装工事においては、気温だけでなく湿度も大きく関わってきます。液体である塗料を使用しているため、湿度が高すぎる場合は、塗料に余分な水分が混ざってしまい、本来の効果が得られないという可能性もあります。(水性塗料)湿度と気温は非常に密接に関わっていますので、

今回は、そんな塗装工事と気温の関係について、ご説明いたします。

気温が低い場合の塗装工事について

塗装工事において、気温が高ければ高いほど、塗料の乾燥に時間がかからず、低ければ低いほど、塗料の乾燥に時間がかかります。

これは、洗濯物を乾かす時間と同じと考えればわかりやすいかもしれません。夏の晴れた日であれば、洗濯物はすぐに乾きますが、冬の寒い日だと、なかなか洗濯物は乾きません。もちろん、乾燥させる以上、ある程度の風も必要となりますが、気温が高くて、かつ、適度な風が吹いている状況が、最も塗料が乾燥しやすい環境といえます。

では、どの程度の気温があれば、問題なく塗料を乾かすことができるのでしょうか。塗装を乾かすためには、一般的に気温が5℃を超えている必要があると言われています。気温が5℃以下の場合は、塗料の乾燥が非常に悪いばかりか、塗料の粘度が増してしまいます。そのため、希釈するためにシンナー等の希釈剤を添加しなければなりません。その結果として、塗膜が薄くなってしまうという事になってしまいます。

塗装工事では、新しい塗料を塗ることで塗膜を作成し、その塗膜によって防水性能や耐久性能を向上させることを目的としています。そのため、塗膜が薄くなってしまうということは、それらの目的を達することができないということにつながります。ですので、気温が5℃以下の場合は、塗装工事をするべきではありません。

特に、初冬から早春にかけては、日中は5℃を超えていたとしても、夕方から気温が一気に低下してしまうことがあります。そのため、その期間の塗装工事は、できたとしても10時から14時ごろまでで終了するのが無難であると言われています。 特に気温が上がりにくい北側の塗装に関しては注意が必要です。

気温が高い場合の塗装工事について

 次に、気温が高い場合の塗装工事についてです。夏場等、気温が30℃や40℃を超える場合、塗装工事を行っても問題はないのでしょうか。結論としては、気温だけみると問題はありません。

しかし、気温が上がると相対湿度もあがるという関係があります。そのため、冬場は乾燥し、夏場は湿気でジメッとした日が多くなります。

塗装工事は、一般的に相対湿度が85%を超えるときは行わないほうがいいと言われています。相対湿度が85%を超えている場合、空気中の水分が付着してしまうことによって、塗膜の付着力が低下し、防水性能や耐久性能が下がってしまいます。また、金属面など、結露しやすい部分では、「かぶり」という現象が発生し、色が白くボケやすくなってしまいます。夏場は気温が高く、日照時間も長いため塗料の乾燥については非常に恵まれた環境となっています。しかし、気温が高い分、湿度も高くなりがちという点や夕立等による突発的な雨が多く、せっかく塗装した部分が乾く前に雨で流されるというリスクを考えると、最も適した季節とは言えません。

「雨」と外壁塗装の関係について

 外壁塗装は、1日で終わる作業ではありません。そのため、塗装工事の期間中に雨が降ってしまうこともあります。では、雨が降った日には、塗装工事はどうなるのでしょうか。

雨が降ってしまった場合、基本的には塗装工事は中断となります。雨の中、塗装工事を行ってしまうと、塗った直後の塗料やこれから使用する塗料に雨水が入り込んでしまい、塗料の品質が下がってしまいます。また、完全に乾ききっていない塗料の上に雨が落ちることによって、その部分だけ弾いてしまい剥がれの原因となってしまいます。さらに湿気によって乾燥までに時間が長くかかりますので、どちらにしても、その間、待たなければならず、その時間を短縮しようと、完全に乾燥しないまま塗料を重ねて塗ってしまうと、しっかりと塗料が密着せずに1年程度でひび割れや剥がれ落ちる原因となります。 また養生作業も雨のため外壁等の掃除にテープが密着しないため作業はできません。

参考:塗装工事の養生テープの種類と使い分けに関して

そのため、雨の日には塗装を行うことはできません。(サイディングは表面は撥水性がありますが、断面や裏側などは吸い込んでしまいます。)

逆に雨の日でもできる作業としては、高圧洗浄やケレンなどがあります。

 しかし、雨が降ってしまった場合でも、雨量によっては、足場の作成や養生といった塗料を使用しない工程で、職人さんの安全が確保できるものについて、実施することが可能です。しかし、最近よく降っているゲリラ豪雨のような大雨の場合は、塗装作業はもちろんのこと、養生や足場の作成も職人さんの安全が確保できないために延期することとなります。

そのため、現場に来る職人さんがどこから来るのか把握するのも大切です。

「職人さんは、どこからきますか?」

現場から近いと横着をしないで、雨が降ってきても柔軟に対応してくれます。しかしながら、現場が遠いとせっかくだからと無理をしがちです・・・

塗装している途中で雨が降ってしまったら

 最近の天気は非常に変わりやすく、青空が見えるくらいに晴れていたと思ったら、いつの間にか曇り空から大雨になることもあります。そのため、天気がいいからと塗装を行っていた時に急に雨が降ってしまうということもあります。そういったときには、途中まで実施していた塗装はどうなるのでしょうか。

ごく少量の小雨程度であれば、品質に影響の出ない作業に関しては継続しても問題はありません。ある程度の雨量がある場合は、残念ながら別の日に延期ということになります。

こんな業者には要注意

 普通は雨の日は作業を中断しますが、一部の業者では多少の雨でも作業を継続するところがあります。職人さんを雇っている以上、業者は職人さんに給料を支払わなければならないため、1日でも早く塗装工事を終わらせるために、雨の日でも作業を行うため、工期自体は確かに短いのですが、品質は全く期待することができません。

すでにご説明した通り、雨の日に塗装を行ってしまうと塗装事故の原因になってしまいます。建物を守るべき塗膜が弱くなるということになりますので、建物をメンテナンスするために塗装工事を行っているにも関わらず、きちんとしたメンテナンスになっていないということになります。

また、塗り終わった塗料の上から雨が当たることで、水玉模様のようなムラができてしまい、見た目も悪くなってしまいますし、その部分だけ塗膜が薄くなってしまうことにもなります。(屋根塗装時は特に注意が必要です。)

さらに、雨の日でも作業を継続するような業者ですと、塗料が完全に乾ききる前に中塗り・上塗りを行う傾向にありますので、本来7年~10年は持つといわれている塗料であっても、わずか数年で剥がれ落ちてしまうことになってしまいます。

ですので、いくら価格が安いからといって、雨の日にも作業を継続するような業者に依頼することは、長期的な目で見た場合、高い出費が伴うこととなります。

塗装工事を行うのに適した季節

 塗装工事を行う上で、最も適した季節は「春」と言われています。春先は、比較的気温が高く、梅雨前で雨の日も少ないため、湿度も上がりにくいという特徴があります。日照時間についても徐々に伸びてくる季節で、1年を通して、もっとも長時間、塗装工事ができる季節となっています。また、秋も春と同じように、塗装工事に適した季節と言われています。しかし、昨今の天気を見てみると、夏が過ぎたあとでも、大量の台風が発生するなど、春に比べると天気が安定していないという環境になりつつあります。雨や台風や自然現象ですので、どうすることもできませんが、比較的、それらの発生が低い季節に塗装工事を行うことをおすすめします。

まとめ

 塗装工事を行う際に注意しなければならない点は、気温は5℃以上、湿度は80%以下の環境で行わなければならないという点です。気温・湿度ともにこの基準を超えてしまった場合、塗装工事が行いにくいだけでなく、せっかく行った塗装工事によって得られるべき防水性能や耐久性能といった建物をまもるための効果が薄れてしまい、次回、塗装工事を行うまでの期間が短くなったり、建物にダメージを与えてしまうことになったりと、デメリットが多い工事となってしまいます。

そのため、気温5℃、湿度80%という基準をしっかり守り、きれいで機能性を備えた塗装工事が行うようにしてください。

塗装工事の冬季における注意する事

最近、すっかり寒くなり、年の変わり目を意識する季節となりました。山間部では、雪が積もっている地域もあるようで、これから更に寒さが増してくることでしょう。

さて、そんな冬の寒い時期には塗装作業を行わない方がいい、ということを聞くこともあるかと思います。冬は寒いだけでなく、空気が乾燥しており、日照時間が短いという特徴があります。それらの特徴のうち、何が冬は塗装作業に向かないと言われる原因なのでしょうか。

今回は、冬季における塗装作業で、

塗装作業が向かないと言われるわけと、依頼者側が注意することについてまとめてみました。

冬が塗装作業に向かないと言われるワケ

 冬は、夏と比べると気温が低いだけでなく、湿度が低い、日照時間が短いという変化があります。塗装作業において使用する塗料には、適切な気温及び湿度が定められており、概ね、気温は20度程度、湿度は60%程度がいいと言われています。しかし、冬の時期は、気温は10度未満、湿度も低いときは20%~30%と、塗料のベストコンディションとは遠い状態であるといえます。

特に、外気温が3度未満である場合、気温が低すぎて塗料の粘度が増し、結果として希釈剤(シンナー)を入れなければ作業ができなくなる可能性があります。しかし、塗料のベストコンディションを守れないのは夏も同じで、夏の場合は気温が30度以上、湿度も多いときは70%以上と、こちらもベストコンディションとは言い難い状態です。

塗料に関しては、ベストコンディションはあくまで気温20度、湿度60%程度と言われていますが、メーカーの努力の甲斐もあり、今では夏用・冬用といった塗料も販売されています。各季節に応じた塗料を行うことで、その季節に応じた状態をベストコンディションとすることができますので、今は昔ほど気温や湿度に関して、注意しなければならないということはありません。

では、冬が塗装作業に向かないと言われる最も大きな点とはなんでしょうか。それは、日照時間の短さです。塗装作業を行う場合は、下塗り・中塗り・上塗りと少なくとも3段階に分けて塗装作業を行います。塗装を行ってすぐは、塗料が乾いていない関係から、次の工程に移ることができません。必ず塗料を乾かすという待ち時間が生じます。

 夏では、19時位までは日照時間があるため、比較的遅くまで塗料を乾かす環境を作れますが、冬は早い場合は17時程度までしか日照時間がなく、乾燥にかけられる時間が短くなってしまいます。また、夕方から夜にかけて、霜が降りることもあります。せっかく乾燥させようとしている塗料は、霜によって再度水分を含んでしまうことは、塗装作業の中断となりかねません。(水性塗料において)これらの要因が、冬は塗装作業に向かないと言われる原因です。

本当に冬季は外壁塗装ができないのか

 では、これらの問題があるから、冬は本当に外壁塗装ができないのかと言われると、そうではありません。夏に比べて、条件はよくありませんが、冬でも塗装作業は十分に行うことができます。

第一に、すでに説明したとおり、冬用の塗料が販売されていますので、よほどの低温出ない限りは、塗料の性能を十分に発揮して塗装することができます。塗料の問題については、現代においては特に問題とはなりません。次に日照時間の問題ですが、これについても、先に日当たりの悪い部分から塗装を行い、日当たりの良い部分を最後に行うことで、短い日照時間でも効率的に日光に当てることができますし、熟練の職人さんであれば、乾燥までの時間をシミュレートすることも可能ですので、霜が降りる前に乾燥を完了させるよう、塗装計画をたてることも可能です。そのため、冬であっても塗装作業は問題なく行うことができます。

冬に塗装作業を依頼する場合の注意点

 冬でも塗装作業は問題なく行えますが、これは施工主様の協力が必要です。例えば、夏であれば多少無理なスケジュールであっても、日照時間が長く、気温も高いため、塗料の乾燥までの待ち時間が短く、スケジュールも立てやすいのですが、冬においては、日照時間が短いため、限られた時間内に効率よく塗装を行わなければなりません。

そのため、厳しい納期や期間を限定しての塗装のご依頼があった場合、ご期待に添えることができない可能性が生じます。かといって無期限に納期を延長させてほしいということではありません。

しっかりとゆとりをもった納期をご指定いただければ、きっちり納期を計算に入れた上で塗装作業行うことができますので、期限はゆとりをもっていただきたいと思います。(ただどうしてハウスメーカーさんでの工期は下請け業者さんにしわ寄せが来ることが多いので、

ヨコイ塗装では元請け業者さんでの塗装をおすすめしています。)

特に、外壁塗装において、雨や雪の日は作業が滞ってしまいます。雪の降りやすい地域で、雪が積もっている場合には、塗装場所によっては塗装作業を行えないケースもあり得ますので、納期に関しては、十分にゆとりをもたれることをおすすめいたします。

外壁塗装工事におけるひび割れ補修の仕方

外壁が劣化した場合に発生する症状の一つである「ひび割れ」ですが、壁にひび割れがあると、外観上も良くありませんが、放置しておくことで、家そのものの耐久性の低下につながる状態と言えます。今回は、そんなひび割れについて、状態ごとの補修の方法をご説明いたします。

1.ひび割れの状態について

 外壁にひび割れが生じているといっても、全てが同じ症状ではありません。外壁のひび割れが、どこまで深くまでひび割れしているかによって、補修方法は大きく異なります。

1f8a83ca12bb2dc21d0a9f602c50c43e_s

①浅いひび割れ

 浅いひび割れは、「チェッキング」や「ヘアークラック」と言われ、外壁に塗られている塗膜のみがひび割れている状況の事を言います。この状態のひび割れは非常に細く、ひび割れは塗膜のみですので、早めに外壁塗装工事を行うことで補修することが可能です。 浅いひび割れの原因は、塗膜の経年劣化や、塗装時の下地処理等の不手際などが考えられます。

②深いひび割れ

ひび割れが外壁材にも影響している状態が、深いひび割れとなります。深いひび割れには、乾燥クラック、構造クラック、縁切りクラックという3つのパターンがあります。

  • 乾燥クラックとは、モルタル外壁で発生しやすいひび割れです。モルタル外壁は、ペースト状のモルタルを完全に乾燥させた後に塗装工事を行うことで仕上げますが、ペースト状のモルタルを乾燥させる過程で水分の蒸発による収縮が発生し、それによってモルタル外壁そのものにひび割れが発生し、れが塗膜にまで伝達することによって発生します。
  •  構造クラックは、建物や外壁そのものの構造的な欠陥や、不同沈下などの原因によって、外壁そのものがひび割れしてしまう現象のことを言います。寒冷地において、外壁が凍結と融解を繰り返すことによっても発生する可能性があります。
  •  縁切りクラックは、モルタル外壁において、モルタルの塗り継ぎ部分に発生するひび割れとなっています。通常、モルタル外壁は、一度に一面を仕上げることとなりますが、部分的なやり直しなどの原因によって、古いモルタルと新しいモルタルが塗り継ぎされている場合、収縮の差によりひび割れが発生してしまうことがあります。これを縁切りクラックといいます。

img_1224

2.ひび割れの補修に関する検討

 ひび割れは放置しておくと、塗膜によって防いでいた水分がひび割れ部分から侵入してしまい、外壁材や建物の内部を腐敗させてしまうことにつながります。そのため、ひび割れについては、できるだけ早めの補修をおすすめしますが、ひび割れの大きさによって、緊急性が異なります。

 塗膜のみがひび割れしている浅いひび割れの場合、幅が0.3mm以下であれば、ひび割れが外壁材まで到達していないことが多いため、すぐに補修しなくても問題はありません。ただし、ひび割れの幅が広くなっていないか、定期的にチェックすることが必要です。幅0.3mm以上のひび割れが見つかった場合、補修を検討しなければなりません。特に、幅1mmを超えるひび割れは、ひびが外壁材にまで到達している可能性が高いため、必ず業者による調査が必要となります。また、幅3mmを超えるひび割れが見つかった場合、外壁材そのもののひび割れも懸念されますが、すでに内部に水分が侵入していると見て間違いありません。幅3mmを超えるひび割れを見つけた場合は、早急に業者に補修を依頼する必要があります。

3.ひび割れの補修方法

 塗膜にしかひび割れが発生していない浅いひび割れや、外壁材も少しひび割れしているが、細いひび割れで済んでいる間は、外壁塗装工事を行うことで補修ができます。細いひび割れ程度であれば、下塗りで埋めることができますので、問題はありません。

 外壁材に少し大きめのひび割れが発生している場合、ウレタンもしくは変成シリコンのコーキング材でひび割れを埋めておきます。このコーキング材を埋める方法として、VカットとUカットという方法があります。VカットやUカットは、コーキング材を入れるひび割れ部分を、V字もしくはU字にカットし、コーキング材をしっかり充填させる目的で行われます。

 コーキング材でひび割れを埋めた後は、フィラー塗付を行います。フィラー塗付はひび割れ部分を平滑にするために使われます。さらにそこから、凹凸処理(塗料をしっかり乗せるために、あえて細かい傷をつける処理)を行い、塗装工事を行います。ひび割れ部分は、コーキング材で埋めていても、構造クラックや縁切りクラックのように根本的な原因を解決することができないものについては、ひび割れが進行することが考えられます。そのため、ひび割れ部分には、ひび割れが進行するのに合わせて追従することができる弾性塗料を使用することが望ましいとされています。

特に、ひび割れが発生しやすいモルタル外壁の場合は、よく使用されています。ただし、サイディングボードに対しては、外壁材の膨れの原因になるため、使用することができませんので注意が必要です。

参考:コーキングとシリコンの違いについて

参考:プロが教える!塗装工事の正しい工程と大事なの目的

外壁塗装工事の流れについて|扶桑町の外壁リフォーム【ヨコイ塗装】

塗装工事と言っても、外壁に塗料を塗るだけではなく、様々なプロセスがあります。各プロセスでどのような工事を行うのかについて、ご紹介させていただきます。

お問い合わせ・現地調査・見積もり・ご契約

  まず初めに、塗装工事をご依頼いただく前段階として、お客様からお問い合わせをいただきます。お問い合わせの段階では、お客様が望まれている工事の内容や、劣化が認められた部分、大まかな環境をご確認させていただきます。

しかし、お問い合わせいただいた際の内容だけでは、詳細な状況はわかりかねますので、次に、実際に現地調査を行います。お客様からお問い合わせ時にご確認させていただいた劣化部分を実際に確認して、どのような塗装工事を行うべきかの判断や、施工環境の確認等を実施します。この段階で、ようやく塗装方法についてご提案させていただくことができます。

また、見積書の作成等も、現地調査が終わってから作成することとなります。この段階で、不明な点や確認したい点は、細かくお話しいただくと、さらにご要望にあった工事ができる可能性が高まります(屋根や外壁の状況次第では、全てのご要望にお応えすることができない場合があります)。工事内容、見積もりについて、ご納得いただけましたら、工事の契約となります。

契約完了後、実際の工事の日程調整や工事の計画に関する打ち合わせを行います。

工事の前準備

 塗装工事は、どうしても塗料の匂いや足場組み等による音が発生しますので、工事の前準備として、近隣の方々への挨拶と、工事の概要のご説明を行います。外壁塗装におけるトラブルとして、近隣住民の方々からのクレームという問題が非常に多く発生していますので、この事前準備は欠かすことができません。可能であれば、家主様からのご挨拶もあれば、より心証がよくなりますので、家主様からのご挨拶も行っていただければと思います。

現場管理アプリがオススメ

現場管理アプリを使って進捗状況を把握することが品質につながります。工事の揉め事を減らすためにも内容を見える化しておきましょう。また言った言わないのコミニケーションのズレが 起こりにくくするためにもアプリの活用をお勧めしております。

塗装工事の工程とそれぞれの納期

 塗装工事は、ただ屋根や外壁に塗料を塗るだけではなく、様々な準備や工程があります。まずは、工程ごとの作業期間について確認してみましょう。

①ご近所様へのご挨拶

 塗装工事を行うにあたり、騒音や塗料の臭いはどうしても発生してしまいます。そのため、はじめにご近所様へ、塗装工事を行う旨のご挨拶に訪問します。このご挨拶については、1日で完了することができます。

②足場の組み立て

 塗装工事を行う場合、高所の塗装も行いますので、職人が安全に工事することができるように足場を組んで作業を行います。この際、建物の周りに置かれてあるお荷物で移動可能なものについては、足場を組む際に移動をお願いすることもありますので、ご協力をお願いします。

屋根や外壁を塗装するために、職人が作業を行うための足場を組みます。こちらについても、1日あれば作業は完了します。また、状況によりますが、①と②をあわせて1日で行うこともあります。

③屋根や外壁の洗浄

塗装工事で最も重要なプロセスとなります。初めに、屋根や外壁の高圧洗浄を行い、汚れをしっかりと落とします。この高圧洗浄を疎かすると、汚れの上から塗料を塗ることになってしまい、屋根や外壁そのものに塗料が塗れていないという状況になってしまいます。

そうなると、汚れが剥がれる際に、塗料も同時に剥がれてしまい、通常7年~10年は持つと言われている塗装が、1年程度で剥離してしまうというケースもあります。そのため、塗装前に、しっかりと汚れを落とし切ってしまう事が非常に重要なプロセスとなっています。

 実際に塗装する部分の汚れやカビ・コケを、高圧洗浄によって除去します。この洗浄については、塗装範囲の広さや業者によって大きく期間が異なります。塗装範囲が狭い場合は1日で完了しますが、広い場合は、それなりに日数がかかります。また、同じ塗装面積であっても、簡単にしか洗浄しない業者は短時間で終了させるのに対し、丁寧に行う業者は、その何倍もの時間をかけて洗浄します。

この洗浄については、丁寧に行えば行うほど、仕上げの品質に影響します。雑な洗浄歯科していない場合は、汚れの上から塗料を塗ることとなり、綺麗に塗れないばかりか、耐久性も低いものとなってしまいます。そのため、この洗浄の工程は時間をかけて実施する業者を選択した方がいいでしょう。

※高圧洗浄後はしっかりと外壁を乾かす時間をとることが大切です。壁に水分が含まれるている状況下での塗装は剥がれの事故につながるからです。

③下地処理

下地処理(クラック補修)

外壁にクラックがある場合は、その補修を行います。

下地処理は、塗料を塗る前に、古い塗膜を除去したり、ヒビやクラックを補修する作業になります。この工程についても、屋根や外壁の状態によって、納期は大きく異なることになりますし、業者によっても納期が大きく異なります。長年、メンテナンスを行っていなかった外壁や屋根の場合、ヒビやクラックの発生がどうしても多くなってしまいますので、その補修に時間がかかってしまいます。しかし、定期的にメンテナンスを行っている場合は、ヒビやクラックの発生が少ないため、短期間で終わらせることができます。

特にモルタル外壁の場合は、10年程度でも多くのクラックが発生する場合がありますので、下地処理として、経年劣化によって発生した細かなクラックを補修します。クラックの補修については、表層部分のみで留まっているような軽微なクラックであれば、下塗り材による刷り込みという作業を行います。これを行っておくことで、何も処理を行わずに塗料を塗るよりも耐久年数が向上します。

 また、クラックが深部にまで達する重度のクラックであった場合は、刷り込みを行ったとしても、軽微な地震等でひびが動いてしまい、効果がなくなることがあります。そのため、弾力性のあるシーリング材でクラックを埋める作業を行います。

また、同じ状態であっても、簡単にしか下地処理を行わないは短時間で終了させるのに対し、丁寧に行う業者は、その何倍もの時間をかけて下地処理を行います。これも、洗浄と同様に仕上がりの品質に大きく影響しますので、しっかりと下地処理を行ってもらう業者を選択した方がいいでしょう。

下地処理(塗膜の剥離)

塗料によってできた塗膜が、経年劣化によりチョーキングしている場合など、すでに塗膜が劣化している場合は、塗膜を剥がす作業が必要となります。劣化している塗膜も、外壁についている汚れと同様に、その上から塗料を塗った場合、劣化した塗膜が剥がれてしまう際に新しい塗料も剥がれてしまうという問題が生じます。そのため、劣化した塗膜についても、必ず剥がす作業が必要となります。

下地処理(パターン補修)

クラックの補修や劣化した塗膜の剥離を行った際に、その部分だけ他の部分とは外壁の見た目が異なってしまいます。このまま塗装工事を行ってしまうと、塗料を塗った後も、そこだけが違う仕上がりとなってしまいますので、この時点でほかの外壁に合わせた不陸調整やパターンの吹き付けを行います。この作業は、特にモルタル外壁で重要なポイントとなっています。

下地処理(シーリング処理)

サイディングボードを使用した外壁では、塗装工事を行う前にシーリング処理を行う必要があります。ヒビが入っているシーリングや、痩せてしまったシーリングを補修せずに塗装したとしても、塗膜だけでは防水しきれず、シーリング部分から浸水し、建物内部からの腐敗につながります。そのため、シーリング部分の補修は、必ず実施しなくてはなりません。

 コーキングの劣化に伴うコーキングの処理に必要な期間は、3,4日程度となります。こちらも建物の大きさや劣化しているコーキング部分の多さによって所要日数が大きく異なります。たまに前回の施工業者さんが、コーキングの3面接着をされいることがあります。こういった場合、コーキング撤去に手間がかかり時間が大幅に遅れます。

※コーキングはコーキング自体のひび割れ防止の為、両サイドだけの2面接着が正しい施工になります。

ケレン作業

ケレン作業に必要な期間は、2日~3日となります。ただし、修繕しなければならない部分が、非常に大掛かりな場合は大工さんに修繕を依頼する必要がございますので、その場合は数日から数週間かかる可能性があります。

④養生

下地処理まで完了すると、実際に塗料を塗るための養生を行います。塗装する範囲によって異なりますが、養生に必要な期間は1日~2日となります。この養生作業の後は、建物に熱がこもりやすくなりますので、必要に応じて塗装工事業者の確認の元、通気孔をあけるなどの対処を行うこともできます。

下地処理を行う際にも、必要に応じて実施しますが、本格的な塗装工事を行う前には必ず養生作業を行い、塗料が付着してはいけない部分を保護します。この養生作業の目的は、塗料の汚れから保護することですが、養生をきれいにできるかどうかで、塗装の仕上がりが大きく異なります。

例えば、外壁と窓の境界線ですが、境界線に沿って真っすぐ養生できていれば、非常に見栄えのいい塗装が行えます。しかし、養生のテープが歪んで貼られていた場合、仕上がりも歪んだ状態となってしまいます。そのため、養生作業は、塗装工事をきれいに仕上げるために最も重要なプロセスであるという業者さんもいらっしゃいます。

しかし、「ただ、まっすぐ貼るだけ」と思われるかもしれませんが、場所によっては、いびつな形であったり、凹凸のある外壁に対する養生であったりと、仕上がりは職人さん腕に大きく左右される工程になります。

参考:塗装工事の養生テープの種類と使い分けに関して

⑤下塗り・中塗り・上塗り

下塗り

ここから、本格的な塗装工事となります。業者さんによって、屋根から始める業者さんと外壁から始める業者さんがいらっしゃいますが、いずれにしても下塗り、中塗り、上塗りというプロセスで、それぞれの部分を塗装します。つまり、必ず3回塗ることとなります。

1回目の塗装である下塗りは、中塗り、上塗りの塗料をしっかり接着させることと、屋根や外壁の劣化により、塗料を吸い込んでしまう事を防止すること、上から塗る塗料の色を出しやすくすることという、3つの目的で行います。

  1. 最初の目的である「接着させること」についてですが、中塗りの塗料や上塗りの塗料は、接着性が高くありませんので、そのまま屋根や外壁に塗った場合は、塗装が剥離しやすくなります。しかし、下塗り用の塗料は、屋根や外壁との接着性が高く、また塗料も接着しやすい素材ですので、下塗りを行っておくことで、塗料の剥離を予防することができます。  
  2. 次の目的である「吸い込みの防止」ですが、屋根や外壁が劣化してしまうと、防水性能が著しく低下してしまいます。そのため、そのまま塗料を塗ってしまうと、塗料そのものが吸収されてしまい、塗料の使用量が大幅に増加してしまいます。それを防止するため、下塗りを行い、防水性能を低下させている細かなヒビや穴を埋めてしまいます。
  3. 最後の「塗料の色を出しやすくする」という目的については、大きく色を変える場合でなければあまり必要はありませんが、元が濃い色の外壁であった場合、それを消そうとすると、何度も塗る必要が出てきます。そのため、中塗りや上塗りで使用する塗料より安価な下塗り用塗料で希望の色に近くしておくと、色あせて来た時も目立ちにくく、塗装の回数を増やす必要がなくなり、余計なコストが発生しないというメリットがあります。

必要な期間は2日~4日となります。材料によって塗りやすさが変わります。また匂いが特に気になるようになるのはこの時期からになります。

中塗り

下塗りが完了すると、次は中塗りです。下塗り用の塗料は白か透明であることがほとんどですので、中塗りによってはじめて屋根や外壁に色が付きます。さらに、その色をしっかりと出すためにもう一度塗装を行います。これが上塗りです。

中塗り・上塗りの目的は、色を付けることによる屋根や外壁の美観を良くするという目的の他に、家そのものの耐久性を上げるという効果があります。中塗りや上塗りで使用する塗料は、種類にもよりますが、防水性能や断熱機能、遮熱機能がある塗料が使われます。これにより、屋根や外壁から侵入する水分を遮断し、家の内部の腐敗を防止することができます。中塗り・上塗りで使用する塗料によって、その効果は大きく変わりますので、ここで使用する塗料の種類については、業者さんと事前に十分、話し合っておく必要があります。

中塗りに必要な期間は2日程度となります。下塗り後も、完全に塗料を完成させたうえで上塗りを行うこととなりますので、下塗り同様、冬場や梅雨、雨天時には期間が延びることがあります。※ポッドタイムと言って、「23°前後では、〇〇間隔を開けること」と塗料の缶に記載があります。気になる人は業者さんに見せてもらってくださいね。

上塗り

塗装の仕上げとなる上塗りに必要な期間は2日程度となります。こちらも、完全に塗料が乾燥させる必要がありますので、中塗り同様に、塗料が乾燥しにくい季節には期間が延びることがあります。

ベランダ防水処理

 上から一番塗料のかかりやすいベランダは最後に仕上げます。防水処理に必要な期間は3日~4日となります。

鉄部の錆止め

鉄部の錆止めに必要な期間は1日~2日となります。錆止めを塗る鉄部が多ければ多いほど、所要時間は多く必要となります。

軒裏・鼻隠し・雨どいの塗装

軒裏・鼻隠し・雨どいの塗装に必要な期間は5日程度となります。それぞれの塗装を別々に実施する場合、軒裏に1日~2日、鼻隠しに3日程度、雨どいに3日程度の日数が必要となります。

漆喰工事

屋根の漆喰部分が腐食している場合に実施しなければならない漆喰工事に必要期間は、3日程度となります。漆喰の損傷が大きければ、修復に時間が必要となりますので、劣化状況次第によって期間が延びることがあります。

※通常は塗装工事と並行して作業が出来ます。しかし駐車場とかの兼ね合いから、工事期間に影響が出ることもあります。

⑥点検・手直し

 上塗りまで実施すれば、塗装工事は概ね終了です。最後に仕上げのチェックと手直しを実施します。この期間は短ければ1日で完了します。冬季や梅雨の時期など、塗装工事に向かない季節に行った場合は、手直しに時間が掛かる可能性があります。

⑦足場等の片付け

最後に、片付けを行って終了となります。この工程は概ね1日で完了します。

参考:プロが教える!塗装工事の正しい工程と大事な目的

納期と品質について

 一部の工程でも説明しましたが、ただ納期を早めるだけでしたら、洗浄や下地処理で手を抜くことで納期を短縮することは可能です。実際に、一部の業者ではそのような作業によって、品質の悪い塗装工事がされているようです。

 多少、期間はかかってしまっても、塗装部分の洗浄や下地処理といった塗装を行う上で品質を左右する重要な工程については、丁寧に実施してもらえる業者に依頼すべきです。そうすることで、仕上げが綺麗になるばかりか、家を守るための塗料の効果が十分に発揮することができ、耐久性の高い屋根や外壁とすることができるのです。塗装工事の期間短縮はあまり求めないほうがよいです。

 前述したとおり、ヨコイ塗装での塗装工事に必要な期間は3週間前後となります。これは平均的な現場での算出した期間となります。塗装工事では、ケレン作業といった品質につながる大切な作業があります。旧塗膜をしっかりと取らないで塗装することは誰にでも出来ることです。※しかしながら塗り終わった後では、素人さんには見分けがつかない苦しいところです。結果、工事期間を短縮することができます。しかし、数年後にはケレン作業が及ぼす外壁の状態は目に見えてわかります。下地作業にかける日数や作業姿勢これをじっくりと見極めて業者を選んでくださいね。

家主様のチェック

  塗装工事後の状態を家主様にご確認いただきます。業者さんによっては、塗装の塗り漏れや、ムラが残っているケースが稀にありますので、家主さんの目でしっかりと状態をチェックしていただくことが重要となります。

後片付け

家主様のチェックに問題が無ければ、養生の取り外しや足場の解体、周辺の清掃を行い、外壁塗装工事は完了となります。また、この時点で家主様への引き渡しとなります。

アフターフォロー

  この点は、業者さんによって大きく異なる部分となりますが、定期便の発送や、塗り替え時期のご案内を行う業者さんもあります。アフターフォローがしっかりしている業者さんですと、問題が発生した場合も安心できますね。

共働き世帯でよくある外壁塗装のトラブル

 共働きでご自宅に誰も居ないことが多いご家庭での外壁塗装のトラブルが多数報告されています。外壁塗装を行う際には、お客様とのコミュニケーションを欠かすことはできません。しかし、ご自宅にお客様がいないことをいいことに、大切なコミュニケーションをないがしろにし、トラブルに発展するケースがほとんどです。具体的は、以下のようなトラブルが多く発生しています。

①希望していた色とは違う色で塗装された。

外壁の色を決める際にも、どのような色がいいのか、まずはおおざっぱな色から、徐々にご希望の色に合わせて試し塗りを重ねて、お客様が本当に出したい色を決めていくという工程があります。例えば、グレーな外壁と希望したとしても、ご自宅の陽の当たり方や周りの住宅の雰囲気、屋根の色、サッシの色、ドアの色などから、どのような「グレー」が最適なのか、お客様としっかり相談して色を決定します。

しかし、一部の業者では、色見本の指定だけを確認し、その後の詳細な打ち合わせを行わないまま、不在にしている時間帯に、施主が決めた色で塗装されてしまうというケースがあります。もちろん、色を決めた責任はお客さま自身にあります。しかしながらカラーシュミレーションをいくらパソコンや色見本でやったところ、リアルに塗ってみないと感じは掴めないものです。仕事を終えて、帰宅した際に目にするのは、想像していた色と違う自宅の外壁となり、愕然とするでしょう。

それでも帰宅時には業者も帰っており、色の調整がつきにくく、電話ではらちがあかないものです。そのため、希望が通らず我慢される方もいらっしゃいます。

②工事の進捗が分からない。

 外壁塗装の作業は日中行いますが、共働きの世帯では、日中、自宅に誰も居なくなってしまいます。そのため、工事の進捗が分からないという問題があります。外壁塗装では、養生や足場の作成により実際の進捗が分からないのに加えて、実際に作業しているところを見ることができませんので、今、何を行っているのかが分かりません。

③手抜き工事を見抜きにくい。

 ②ともつながる話ですが、実際に作業を行っているところを見ることができませんので、手抜き工事を行われていたとしても、なかなか発見することができません。

例えば、下地処理を行うのに通常数日間かかるところ、半日程度で雑に終わらせられていたとしても、工事の進捗状況が分かりませんので、どうなっているのか知る手立てがありません。

 そのまま、塗装工事が終了し、品質の悪い外壁塗装となっていたとしても、それに気付くのは工事が終了し、支払い後というケースから、トラブルに発展することがあります。

2.共働き世帯がトラブルを防止する方法

上で紹介したトラブルは、いずれも業者とのコミュニケーションをしっかり取らなかった(取れなかった)ことにより発生しています。そのため、これらのトラブルを未然に防止しようとする場合、業者がコミュニケーションをとってこなかったとしても、積極的にコミュニケーションを取りに行く必要があります。

それでも、コミュニケーションをとろうとしない業者は、ご自宅が不在なのをいいことに、手抜き工事を行おうとしている業者と考え、別の業者に依頼することも検討されるべきかと思います。ただ、多くの業者は、日中ご不在がちでコミュニケーションが取れない場合、コミュニケーションを取りやすい週末などにしっかりと話を行い、お客様のご納得の上で工事を実施しますし、その工事の進捗状況は逐一報告されています。そのため、少しでも「おかしいな」と感じた場合は、注意深く業者をチェックするようにするのが、トラブルを未然に防止する方法となります。

(現場コミュニケーションアプリ)

バルコニー(ベランダ)の塗装工事について|扶桑町の外壁リフォーム【ヨコイ塗装】

1.ベランダとは

 「ベランダ」という言葉を聞いて、どういうものか全く想像できないという方はいらっしゃらないと思います。ご存知の通り、ベランダとは、建物からせり出した、人の歩ける場所のことを言います。さらに、ベランダの定義としては、屋根がついているというものがあります。つまり、建物からせり出した、人の歩ける場所はあるが、屋根が付いていないという場合は、「ベランダ」とは言いません。

では、そのような場所を何というかというと、「バルコニー」と言います。「ベランダ」と「バルコニー」の違いは、屋根の有無ということになります。と、言い方に差はあるものの、ベランダもバルコニーも屋外にせり出した部分であることには変わりありません。そのため、屋根や外壁と同様に、劣化するということを覚えておかなくてはなりません。

2.ベランダの劣化

ベランダは、バルコニーと違って屋根がついているといっても、屋外にせり出した場所であることに変わりはありません。屋根によって多少は保護されているところは良いのですが、一般的に屋根が無い分、雨や風などご直に当たりやすく、外壁以上に劣化に気を付けなければなりません。ベランダの劣化を放置しておくと、建物内部の腐食や雨漏りの原因となってしまいます。そのため、ベランダの劣化の種類をきちんと知り、早期発見を行うことが重要です。

①ひび割れ

 ベランダのひび割れには、ベランダの外壁部分のひび割れと、床部分のひび割れの2種類があります。ベランダの外壁は、家の外壁同様に塗装が施されていますので、この塗膜がひび割れを起こしているということになります。しかし、床については、大半が塗装ではありません。この場合、床の防水層がひび割れしている状態となります。

②剥がれ、膨らみ

 ベランダの剥がれや膨らみについても、外壁部分に発生しているか、床部分に発生しているかで状況は異なります。外壁部分の剥がれや膨らみについては、大半はひび割れを放置していた結果で、ひび割れから水分が侵入したことにより、塗膜の内側で水蒸気が発生し、それが原因で塗膜が膨らんでしまい、それが悪化することで剥がれにつながったという状況です。

また、塗装を行う際に下地処理をきちんとおこなっていなかったことが原因となるケースもあります。床に膨らみや剥がれがある場合は、注意が必要です。同じくひび割れを放置した結果、膨らみや剥がれにつながるのですが、ベランダの床には防水層がありますが、それが剥がれている状況ですので、雨などによる水の侵入を全く防ぐことができないという状況になっています。この状況の場合は、すぐに対処しなければ、家の内部から腐敗することにつながりますので、早急に業者に連絡して対処しなければなりません。

③ベランダの雨漏り・染み

 構造的にベランダの床面を下から見れる構造に限りますが、床面に雨漏りの跡や雨染みがある場合、ベランダの床に水が侵入している状況であるため、早急に業者に連絡して対処する必要があります。このケースも放置しておくと家の内部に水が侵入することで腐敗してしまう事につながります。

④ベランダの排水不良

 ベランダの排水不良には、2つの原因が考えられます。

1つは排水管がゴミ等で詰まってしまったことにより、せき止められてしまっている状態です。この場合は、配水管のゴミを掃除するだけで解決できます。

もう1つがベランダの勾配がなくなってしまっている状態です。本来、配水管に向かって水が流れるように、ベランダには勾配が付けられていますが、それが何らかの原因でなくなってしまった場合、水が配水管にむかって流れず、水たまりとなってしまいます。

床や外壁にヒビや剥がれがなければ、早急に対処しなければならないということはありませんが、床や外壁が劣化した場合、水たまりからベランダ内部に浸水することになりますので、早めに対処したほうがいいトラブルとなっています。

3.ベランダのメンテナンス

 ベランダの外壁は、家の外壁と同様に定期的な塗装工事を行うことで、塗膜を貼りなおし、水の侵入を抑えることができます。ベランダの床面は、塗装工事ではなく、防水工事を行うことでメンテナンスを行います。具体的には、「ウレタン塗膜防水工法」「FRP防水工法」といわれる方法で行います。ウレタン塗膜防水工法は、比較的簡単な防水工事で、液体状の材料を使用して行います。そのため、どのような形状であっても継ぎ目がない防水膜が貼れるという特徴があります。FRP防水工法は、防水用ポリエステル樹脂と防水用ガラスマットで防水層を作る工法となります。そのため、ウレタン塗膜防水工法よりも高度が堅いのが特徴です。

下塗りについて

ベランダは特に劣化が激しいです。下地の状態に合わせて柔軟に対応してもらうと良いです。今回はボンタイルの痛みが激しく、シーラー(接着剤)の吸い込みが激しかったので、何度も塗り重ねておきました。

ベランダ手すりのケレン作業

ケレン作業が塗料の密着性が高まります。

4.まとめ

 ベランダも建物の一部である以上、きっちりとしたメンテナンスを行わなければ、そこから建物の内部腐敗につながる要因となり得る劣化が生じます。まずは、定期的な塗装工事や防水工事を行い、ベランダの劣化を防止しましょう。また、定期的にベランダが劣化していないことを確認してください。

外壁塗装工事の相場について

 外壁塗装工事は、7年~10年の周期で行わなければならない家のお手入れです。

しかし、期間が長いため、どうしても適正な相場を知るチャンスが少なくなってしまいます。そのため、高額な買い物であるために、金額に納得できずに後々、もめてしまうというケースも少なくありません。金額面で揉めないためにも、外壁塗装の相場をきちんと把握するようにしましょう。

今回は、外壁塗装工事の相場についてご説明いたします。

1.外壁塗装工事の相場

 まず、結論から説明すると、外壁塗装工事に相場はありません。と、いうのも、家は1軒1軒異なっており、同じ面積を塗るにしても、足場の組み方や職人の配置方法などによって変化しますので、「相場」として示すことができないのです。

例えば、延べ面積が50坪の家といっても、平屋建ての場合と2階建ての場合だと、平屋建ての場合では発生しない足場組みの値段が、2階建てにはかかってきますので、これだけでも金額に大きな差が出てしまいます。

さらに、同じ2階建てで、同じ面積であったとしても、隣の家との間がどの程度あるかによって、組める足場と組めない足場があるため、ここでも値段の差が出てしまいます。そのため、まったく同じ条件での費用の相場を示すことはできません。したがって、よく似た家の事例を参考に、相場を調べるといった方法となります。

また見積もり時に面積を計算するのにもリフォーム会社ごとに異なる場合があります。 現場で実測する会社や見積もり図面から延床面積を根拠に簡単に算出する会社、ITソフトを使って図面から算出する会社 それぞれあります。そのため外壁塗装の費用は、この視点からも施工会社それぞれで異なってきます。 

ae0eb4e4749914486f69a97b47754360_s

2.おおよその塗装相場金額

外壁塗装工事で使用する「塗料代」には、もちろん相場が存在します。外壁塗装工事で使用する塗料には、

  • 「アクリル系塗料」
  • 「ウレタン系塗料」
  • 「シリコン系塗料」
  • 「フッ素系塗料」
  • 「断熱塗料」
  • 「光触媒塗料」

があります。これらの塗料を使用した場合の一般的な相場は、以下の通りとなります。※住宅1階の坪数が30坪の場合 外壁+屋根塗装のおおよその相場価格

  • アクリル系塗料 :\1.050.000
  • ウレタン系塗料 :\1,113,000
  • シリコン系塗料 :\1,113,000
  • フッ素系塗料  :\1,365,000
  • 断熱塗料    :\1,491,000
  • 光触媒塗料   :\1,617,000

この金額は、あくまでおおよその金額ですので、そのまま当てはまるわけではありません。

参考:施工価格について

ここで見ていただきたいのは、使用する塗料によって、相場が大きく変わるという点です。外壁塗装は、7年から10年という長いスパンで行う工事となりますので、どの塗料を使用するのか、その選択も金額面や仕上がりに大きな影響があるのです。

bd59f0f4c029f6cc99bee7d246052e6b_s

3.外壁塗装工事の金額を調べるうえで知っておくべきポイント

 一口に金額といっても、外壁塗装工事には様々な費用が発生します。足場や養生、下地処理、下塗り、中塗り、上塗り等々、様々な金額の合計額が工事費用となります。

例えば、工事費用1,500,000円と、合計のみを提示されたとしても、どんな塗料で、どの程度の面積を塗装して…といった、各種条件の組み合わせが分からければ、一概に高い、もしくは安いと判断できないのです。逆に、それぞれの金額がどのように算出されているのかがわかると、どの部分が適正でどの部分が不適正なのかがわかることとなります。※以下の行で「単価」としている部分は、地域によって差が生じます。

そのため、複数社から見積書を取得し、それぞれの単価を比較してください。

①足場、養生の相場

足場や養生の金額は、外壁の外側に組むこととなりますので、外壁面積より大きな範囲で算出することとなります。そのため、「外壁面積×1.2×単価」で大まかな金額を算出することができます。単価は足場が\600~\800、養生が\300~\500が平均と言えるでしょう。

②高圧洗浄

高圧洗浄については、「外壁面積×単価」としている会社が多いようです。単価は\200~¥250程度が平均となっているようです。

③下塗り・中塗り・上塗り

外壁塗装工事の金額は「塗装面積×単価」となります。塗装面積は、外壁面積から塗装しない(できない)範囲を除いた面積となります。※玄関ドアや窓などが、上記に該当します。この単価は、使用する塗料で大きく変わります。

1)下塗りの単価:下塗りは\600~\900の範囲が多いようです。

2)アクリル系塗料:アクリル系塗料を使用した場合の単価は、\1,000~\1,200が多いようです。

3)ウレタン系塗料:ウレタン系塗料を使用した場合の単価は、\1,800~\2,000が多いようです。

4)シリコン系塗料:シリコン系塗料を使用した場合の単価は、\2,500~\3,500が多いようです。

5)フッ素系塗料:フッ素系塗料を使用した場合の単価は、\3,500~\4,500が多いようです。

6)光触媒・無機塗料、遮熱・断熱塗料:光触媒や無機塗料、遮熱・断熱塗料を使用した場合の単価は、\5,000~\5,500が多いようです。

0317b42e04f44790cea05cb28e6566ba_s

参考:プロが教える!塗装工事の正しい工程と大事な目的

4.まとめ

 以上のように、外壁塗装工事は様々な料金が複雑に絡み合っており、相場を算出することが難しくなっています。それでも、7年~10年ごとに発生する大きな買い物ですので、ムダな出費を抑えたいという点もよく分かります。 そういった場合「一軒家 外壁塗装 相場」「 外壁塗装 相場 スペース20坪」等で調べる方も多いと思います。 いろいろな業者がいっぺんに見積もりできると言う点で便利ですが、そういった上記のようなポータルサイト間に手数料とられているいる点でオススメはできません。

 しかし、少し手間はかかるものの、地元の複数の業者から見積もりを取得し、内容一つ一つについて、不明点を確認することで、自分の家を塗装する場合の標準的な外装工事の金額が見えてくるはずです。

 また、高い品質で工事を行うためには、どうしても手間暇がかかり、相場より高い金額を請求しなければならないというケースもあり得ます。その場合、見積書の確認時点で、しっかり業者と話をして、信頼できるようであれば、コストより品質をとるという選択も時には必要となりますので、お住いに今後どれぐらい住むのか等の自分の環境と、ご自身の懐具合とよく相談して、自分にベストな選択をしてください。

参考:外壁塗装相場

4e75516fc4cb003c172cc9b3b055274a_s

業者の「煽るセールストークに」に惑わされることなく、

ご自身が納得出来る塗装業者を、ぜひ選んでくださいね。

 

【適正価格について】

外壁塗装工事の価格は、主に4つのポイントによって決められています。

 

まず最初のポイントは、塗装面積です。

塗装する面積が大きいほど塗料や作業量が増えるので、その結果高額になります。

塗装面積で注意しておきたいのは、必ずしも建坪が大きくなるほど、塗装面積も増えるわけではないと言うことです。

同じ建坪の建物でも、外周の長さは変わってきます。

外周の長さが増えるほど外壁の面積は増えるので、塗装する面積も増加するのです。

塗装面積は建坪ではなく、外周で決まることを覚えておきましょう。

 

2番目に価格を決めるポイントは、塗料の種類です。

外壁塗装工事に使われる塗料は、ウレタンやシリコン、光触媒など様々な種類があります。

塗料の価格は、機能性や耐久性が高いほど高額です。

つまり、良い塗料を選べば選ぶほど、外壁塗装の価格も高くなります。

ですが、価格の安い塗料を使ってしまうと、

耐久性が低く頻繁に外壁塗装工事をしなければいけません。

何度も足場費用がかかるコストを、トータル的に考えると、ヨコイ塗装では

高価格ですが長持ちして、実績のある安心塗料の「フッ素系塗料」をお勧めいたします。

機能性と耐久性、価格のバランスを考えながら、使用する塗料は決めましょう。

 

価格を決める次のポイントは、使用する塗料の量です。

塗料の量は塗装面積で決まりますが、外壁の素材によっても変わってきます。

表面が滑らかな素材だと使用量は少なく、価格にはそれほど影響しません。

しかし、デコボコとした素材の場合は塗料の量が増えるので、価格が倍になることもあります。

ただ、それよりちゃんと意識しておきたいことは、

実際に使用した塗料が適正化かどうか、ここが重要になってきます。

例えば“フッ素系塗料”を使った場合、1缶6万円前後します。

コストを下げるために、シンナーで薄めて使用す業者もいます。

当然、塗膜の性能も下がり、従来の耐用年数を保てない危険性があります。

ちゃんと適正量を使用してもらえるか、ここはかなり重要です。

 

最後に価格を決めるポイントは、足場代や養生費、高圧洗浄費などです。

76fb1505b7cc29b52b93abe513cf87cf_s

これらは総額に占める割合も大きいので、無視することができない費用です。

足場代金は金額が大きいですが、必須の部分です。

たまに「足場なしで施工してほしい」

とのお客様もいらっしゃいますが、適正な品質の仕事をするためにも、

足場は必ず必要になってきます。

もちろん足場にも種類がありますが、丸太など足元がおぼつかない足場では、

作業がおろそかになるので、お勧めいたしません。

 

おすすめは、くさび形足場です。

外壁塗装工事の適正価格を考えるときは、以上のポイントに注意して計算しなければいけません。

しかし、知識のない素人が適正価格を計算するのは、簡単なことではありません。

そこで適正価格を調べるために利用したいのが、相見積もりです。

複数の業者から相見積もりをとって比較することで、適正価格を調べることができます。

ただし、相見積もりをとるときには注意点があります。

 

塗装の品質は、結局は”人”によって変わります。

たとえハウスメーカで塗装しても、作業する人が、知識もない下請けの新人さんだとしたら

どう思いますか?

 

相見積もりでは、どんな人が仕事をするのか?どんな意識で仕事をするのか?

しっかりと把握することが大切です。

 

扶桑町、大口町、犬山市、江南市で外壁塗装でお悩みの方は、

ヨコイ塗装にお気軽にご相談ください。

☎0587−93−1546

ALC外壁材の塗装工事

ALCの外壁住宅にお住まいの方が悩んでいること、及びその解決方法

ALCとは、高湿高圧蒸気養生(Autoclaved)、軽量気泡(Lightweight aerated)、コンクリート(Concrete)のそれぞれ頭文字をとった言葉です。ALCの成分は、珪石、セメント、生石灰、石膏、アルミニウム粉末などで構成されています。ALCは、耐火性、防火性、強度といった、建築物に求められる性能を満たしており、外壁や床下地、間仕切壁等に利用されています。

ALCのメリット

 ALCは、外壁の素材として様々なメリットがあります。ALCのメリットは、概ね次の通りとなります。

  • ①通常のコンクリートより軽量である。
  • ②熱伝導率が、通常のコンクリートの1/10であり、断熱性が高い。
  • ③防火性能が高い。
  • ④粉砕するとリサイクルすることができる。
  • ⑤軽量であっても強度も十分にある。

このように、様々なメリットがある、建築物に適した素材となっています。

ALCの問題点

 ALCも、他の外壁同様に適切にメンテナンスを行わなければ、劣化の速度は早まります。まずは、ALCの問題点を理解し、そのうえで適切なメンテナンスを行う必要があります。ALCの問題点は、次の2点です。

  • ①防水性は期待できないALCは、多孔構造となっていますので、防水性は期待できません。ALCを外壁として使用する場合は、防水性を持たせるために仕上げ材を塗布します。
  • ②吸水性が高いALCは、吸水性も高い素材となっています。特に、寒冷地においては、ALCが吸水した水分が凍結することによって剥離することにつながります。

ALCの問題の解決策

 「ALCの問題点」で示した通り、ALCの弱点は「水に弱い」ということです。ALCそのものの防水性はほとんどなく、その上、吸水性が高い素材となっていますので、そのまま使用すると、当然、すぐに雨漏り等につながります。また、ALCが吸水してしまうと、強度や断熱効果が著しく低下しますので、防水加工は必須となっています。

では、どのように防水加工を行うのかというと、ALCに仕上げ材を塗布することで、仕上げ材の防水効果を利用するという方法になります。そのため、ALCの仕上げ材には、防水効果の高い仕上げ材を使用する必要があります。

 

ALCに適した仕上げ材

シーリング材

 ALCのパネル同士を結合させるために使用します。ALCは多孔構造になっていますので、パネル同士のつなぎ目からも水が侵入する可能性があります。そのため、防水機能をもったシーリングで完全に接合してしまうことで、ALCパネル同士の結合部分からの水の侵入を防止します。

 ALCは1枚の外壁材ですべての外壁を構築しているわけではありません。サイディングボードと同様に、ALC同士をつなぎ合わせる必要があり、その部分にコーキングが施されています。ALCは、サイディングボードよりも多くの継ぎ目がありますので、その分、多くのコーキングをしなければなりません。また、サイディングボードよりも狭い幅にコーキングを施す必要があるため、どうしても補修費用は高くなってしまいます。しかし、ALCを外壁材として選択する以上は、必ずコーキングの補修を行わなければなりません。

ALCでコーキングの補修を行う必要がある理由

 ALCを外壁材として選択した場合は、定期的にコーキングの補修を行わなければなりません。そもそもコーキングの目的は、外壁材同士をつなぎ合わせるほかに、そのつなぎ目から水が侵入しないようにする目的もあります。これはサイディングボードであってもALCであっても同じです。

 コーキングが劣化してしまうと、コーキングにひびが入ってしまったり、コーキングがやせたりしてしまいますので、そこから水の侵入を許してしまうことになります。そうなると、外壁内部に水が浸透し、建物の傷みにつながってしまいます。また、ALCはサイディングボードよりも吸水性が高いという特徴があります。

 ALCの主成分はセメントですので、ALC内部に水が入り込むと、主成分のセメントが水を吸ってしまいます。さらに、ALCは軽量気泡コンクリートという名前の通り、多くの気泡がありますが、水がその気泡に入り込んでしまいます。その状態で冬の寒い日を迎えてしまうと、気泡内の水分が凍結し、膨張することでALCの内部からひび割れが発生してしまうことにつながります。ALCは、それだけ水分に弱い素材なのです。ですので、定期的にコーキングの補修を行って、水分がALCの内部に侵入しないようにしなくてはなりません。

参考:シリコンコーキングの耐熱温度について

ALCのコーキングの打ち替え方法

 ALCの場合は、コーキングを打ち増しすることもありますが基本的には多いです。ALCのコーキングを打ち換えるには、大きく分けると古いコーキングの除去と、新しいコーキングの打設という2つのプロセスがあります。

①古いコーキングの除去

ALCのコーキングを打ち換えるには、初めに古いコーキングをしっかり除去する必要があります。コーキングの除去は手作業で古いコーキングが残らないように丁寧に除去する必要があります。ここで失敗すると、古いコーキングが薄皮のように残ってしまい、新しく打設するコーキングが外壁材としっかり密着せずに、すぐに剥がれてしまうことにつながります。 ただALCは簡単に削れてしまいますのでプライマーをしっかり吸収させて表面に接着面を作ることが大切です。また、古いコーキングを除去する際にALCそのものを削ってしまうと、目地が直線ではなくなってしまいます。目地が直線でなくなると、美観を悪くするだけでなく、ALCを傷つけないように古いコーキングを除去する必要があります。

②新しいコーキングの打設

 新しいコーキングを打設する際には、数あるコーキングの中から最適なものを使用するという点に注意しなければなりません。コーキングの上から塗装する予定がある場合には、ポリウレタン系のコーキングを選択する、または塗装への汚染を考慮してノンブリードタイプを選択するといったことを検討するなど、状況にあったものから適切なものを選択しないといけません。これらのコーキングの種類が決まった後は、ALCとコーキングの種類に合わせてプライマーを選択しなければなりません。プライマーは、ALCとコーキングを密着させるための下塗り材のことを指し、この種類を誤ってしまうと、コーキングがしっかりと接着されずに、コーキングの剥がれにつながってしまいます。

このように、新しいコーキングを打設する場合には、多くの選択肢の中から、最適なコーキング、およびプライマーを選択しなければなりません。ALCのコーキングは、サイディングボードのコーキングと同様に一定期間ごとに補修が必要となります。しかし、ただ補修をすればいいというわけではなく、最適な補修をすることによって、コーキングの耐用年数を高めることもできますし、お客様の希望の美観に合わせることもできます。

下塗り材

 一般的に使用されているフィラーでも問題ありませんが、微弾性のフィラーやウレタン系のシーラーを使用しても問題はありません。微弾性のフィラーを厚塗りすることで、クラック遮蔽性と防水機能を高める効果があります。

上塗材

 上塗材は、アクリル、ウレタン、シリコン、フッ素系等の塗料を塗布することで、防水機能を高めます。

ALC外壁のメンテナンス

 以上のように、ALCの場合は水の侵入に十分注意しなければなりません。そのメンテナンス方法としては、仕上げ材による防水性能の維持ということになります。つまり、定期的に外壁塗装工事を行い、防水性能を維持しなければならないということになります。

では、外壁塗装工事を行うタイミングの見極めはどのように行えばいいのかというと、次のような確認ポイントがあります。

チョーキング

 塗料の劣化により、塗料に含まれる樹脂が加水分解することで、白い粉状になることをチョーキングと言います。チョーキングしている外壁を手で触ると、白っぽい粉が付着しますので、すぐに判断することができます。チョーキングしているということは、塗料の表面が劣化しているというサインですので、外壁塗装工事をご検討いただく時期の目安としていただくのをおすすめします。

シーリングの劣化

 ALCパネル同士の結合部に使用されているシーリングが痩せてきている(すきまがある)状態や、剥がれ、ひび割れが起こっている場合は、シーリングが劣化していると判断できます。ALCの場合ほとんどの場合、シーリングは塗膜に隠れており、シーリングのほうが塗装部分より耐用年数が長いため、シーリングに劣化が生じている場合は、塗装部分も劣化していると判断し、シーリングの追い打ちや打ち直しと同時に外壁塗装工事を行うことをおすすめします。

カビや藻の付着

北側の外壁や日当たりの悪い面に発生しやすい症状です。カビや藻が発生している場合、ALCの穴に対して、防水処理が施しきれていないことによって吸水してしまい、カビや藻が発生してしまうリスクが考えられます。この場合、ローラー施工等でしっかりと塗料を塗りこむといった処置を行う必要があります

参考:外壁塗装工事後の塗膜の剥がれを防ぐために

まとめ

 ALC外壁は、他の材質と比較しても特に水に弱いため、ほかの材質以上にしっかりと外壁塗装を行っていかなければなりません。せっかくのALCのメリットを最大限に活用するためにも、塗装の劣化のサインを見逃さず、少しでも劣化の兆候が見え始めたら、外壁塗装工事を検討するようにしてください。

外壁塗装工事の塗料の種類について|扶桑町の外壁リフォーム【ヨコイ塗装】

塗料の希釈剤

塗料は、そのままでは非常に使用するのが難しく、通常は少し薄めて(希釈して)使用します。この希釈によっても、耐久性能が異なってきます。

  1. 水性:塗料を水(希釈水や水道水)で薄める方法です。最近では耐久性能が少しずつ向上していますが、紹介する希釈方法の中では最も耐久性能が低くなっています。
  2. 弱溶剤:塗料用シンナーで薄める方法です。塗料用シンナーは、希釈用のシンナーの中でも刺激臭や人体への影響が最も低く、水性よりも高い耐久性能を発揮することができます。
  3. 溶剤:アクリルシンナーやウレタンシンナー、ラッカーシンナーといった溶剤用のシンナーを使用して希釈する方法で、最も耐久性は高いものの、非常に強いシンナー臭がしますので、なかなか住宅街で使用することができません。

水性と油性の違いについて

外壁塗装をしようとしている人「油性塗料か水性塗料かどちらがいいの? これから、見積もりをしたいので、外壁塗装においてよくもつ塗料の情報を知りたいです。」

こういった疑問に答えます。

おすすめの塗料は弱溶剤系

なぜかというと、比較的「耐候性が高いから」です。

(弊社がよく使用するKFケミカルさん「ワールドセラ」シリーズのカタログから引用)

□よくある質問:室内が臭くなるんじゃない?

もちろん工事中は油性塗料は匂います。しかしながら施工後は匂いは消えてなくなり、匂いは一時的なものです。それと比べ外壁の耐候性が高くなるということは継続的なので、どちらを選ぶかという判断になります。しかし条件を変え、屋内塗装の話なら、雨や紫外線の悪条件が無いので水性塗料が、健康の面から考えてもおすすめです。

□よくある質問②:見積もりで水性塗料オススメされたけど?

Q「水性も耐候性上がってきているって聞くけど?」

A:無理をして水性を使って耐候性が低くなるなら、油性塗料が◎

現場や営業目線の理由:塗装は天気に左右されます。ゲリラ豪雨が降れば水性塗料は、模様が流れてしまう可能性もあります。また水性塗料は油性塗料よりも安く仕入れられるので、業者さんが少しでも利幅を増やすために水性塗料を勧めている可能性もあります。施工具体例:塗膜が劣化しやすいのが、屋根、ベランダ周り、外壁、軒裏になります。したがって屋根:無機、ベランダ周り:フッ素4回塗り(下塗り込み)、外壁3回塗り(下塗り込み)、軒裏2回塗り、上記のような内容で、軒裏だけを部分的に水性を使うのも出来るかと思います。なので、油性塗料がおすすめです。

□その他の違い

  • 価格:もちろん油性塗料の方が高くなります。先程のワールドセラグランツでは油性塗料の方が水性塗料より約1.3倍高くなっております。
  • 作業性(主流の弱溶剤塗料の場合):比較的油性塗料の方が作業がしやすいです。特に刷毛を持った時に、細かい部分を塗るのには油性塗料の方がスムーズに作業しやすいです。現場の職人さんからすると塗りやすいのは、油性塗料のほうになってきます。また塗膜の乾きの速さからも油性塗料の方が優れていて、現場の作業が比較的スムーズに進むのは見せとるようになります。

水性と油性の違いがわかったら、見積もり時にこう聞こう!

外壁塗装の見積もりに質問すべき内容

  • 「見積もりにある塗料は油性塗料ですか?水性塗料ですか?」
  • 「提案の塗料を油性塗料にすると見積もり値段は異なってきますか?」

結論:価格の変化を聞くことです。

なぜなら、水性塗料と油性水性塗料と油性塗料の仕入れ価格の違いを、見積もりに反映しているかどうかは、それぞれ施工業者の判断が異なるから、実際に聞いてみるのが1番良いです。

1液型と2液型

 最後に、1液型と2液型という分類もあります。1液型は1つの塗料缶だけで塗料として使用することができますが、2液型は主材と硬化剤という2つの塗料缶の中身を混ぜ合わせてはじめて塗料として使用することができます。2液型は混ぜ合わせた瞬間から固まり始めるため、時間がたってしまうとカチカチに固まってしまいます。そのため、使用するごとに混ぜ合わせる必要があるため、非常に手間がかかります。その手間を削減するのが1液型塗料で、こちらは混ぜる必要がありませんので楽に使用することができますが、その分耐久性が低くます。

これらの特徴から、一般的にサイディングボードにお勧めする塗料は、2液型・弱溶剤・シリコン系の塗料となります。もちろん、一般的なおすすめとなりますので、現状や工法をしっかり確認したうえで、最適な塗料を選択する必要があります。(ただ耐久性をせっかくなので・・・と言われる方には無機をおすすめしています。)

2液型塗料の弾性用硬化剤について

2液型塗料と1液型塗料の違い

 塗料は、従前から使用されていた2液型塗料と、より手軽に使用できるよう改良がくわえられた1液型塗料の2種類があります。 2液型塗料は、塗料の主原料となる主材と、それを固めるための硬化剤の2つで構成されており、塗装を始める直前にこれら2つを混ぜ合わせることによって塗料として使用できるようになります。

 2液型塗料は、硬化剤を混ぜた後、すぐに使用しなければ、塗料がどんどん固まってしまい、使い物にならなくなるというデメリットや、硬化剤を混ぜ合わせる手間がかかるといったデメリットがある一方で、耐久性に優れており、塗装できる素材も比較的広範囲にわたります。

 一方、1液型塗料は、時間経過とともに自然と固まる塗料であるため、水やシンナーで薄めるだけですぐに使用することができます。一方で、2液型塗料と比べると、耐久性の低さや塗装できる素材の範囲で劣っている塗料となっています。

2液型塗料の特徴

①使用可能時間

 2液型塗料は、硬化剤と混ぜ合わせるとすぐに使用しなければならないと言われていますが、実際に使える時間はどの程度なのでしょうか。その時間は、商品によって異なりますが、3時間~10時間となっており、日をまたいで使用することはできません。特に夏場の高温時はすぐに固まってしまいます。

②塗装できる素材

 2液型塗料では、コンクリートやモルタル、サイディングボードといった1液型塗料でも塗装できる素材に加え、ALCパネルやスレート板、鉄部、亜鉛メッキ鋼、にも塗装することができますので、非常に広範囲の素材に使用することができます。

③耐用年数

 一般的に、2液型塗料の耐用年数は、1液型塗料の耐用年数よりも3年程度長いといわれています。ただし、この耐用年数は塗料メーカーが公表している数値ではなく、現場の職人さんの感覚ですので、その期間は多少前後します。

3.弾性硬化剤

1液型塗料では、硬化剤がすでに混ぜ込まれていますのが、2液型塗料では職人さんの配分で硬化剤を混ぜ合わせる必要があります。この作業自体は、少しに手間がかかるものですが、自分で硬化剤を混ぜ合わせることができる2液型塗料では、硬化剤の種類を選択できるというメリットもあります。

その選択肢の1つが「弾性硬化剤」といわれる特殊な硬化剤を使用できるという点です。一般的な硬化剤を使用した塗料は、塗装した部分が強力に硬化することによって、強い塗膜を貼り、防水性能を高めています。一方、弾性硬化剤を使用した塗料は、その名の通り弾力性が非常に強い塗料となります。弾力性が強い塗料ということは、塗装した部分が強力に硬化するのではなく、環境によって伸縮するゴムのような塗料ということです。

サイディングボードのような動きのない外壁素材に塗装する場合は、塗料がしっかりと固まった方が、高い耐久性を有することができますが、樋や木材といった温度によって伸縮する素材に塗装する際には、硬化してしまう塗料の場合は動きに耐え切れず、塗膜にひびが入る原因となります。

一方、弾性硬化剤を使用した塗料を使用した場合、温度によって樋や木材と一緒に塗膜自体が伸縮しますので、ひびが入る心配がありません。そのため、塗装する外壁によって、弾性硬化剤を使用することができる2液型塗料は、手間がかかる分、耐久性に優れた塗料といわれています。

雨樋

4.弾性硬化剤のデメリット

 メリットが多いように見える弾性硬化剤にもデメリットは存在します。 1つは、窯業系サイディングボードには使用できないという点です。窯業系サイディングボードは、断熱材は含まれており、表面が80度近い高温になってしまいます。

弾性硬化剤を使用すると、温度によって伸縮してしまいますので、80度もの高温になってしまうと、外壁以上に膨張し塗膜が痛む危険性があります。そうなると、見た目も悪くなるほか、膨れた部分の耐久性能が著しく低下していますので、耐久性能にも問題が生じてしまいます。

 また、塗膜自体が伸縮する関係上、どうしても硬化する塗料に比べると耐用年数が低くなってしまいます。そのため、塗装する場所を適切に選択しなければなりません。

塗装の回数を減らすためにやっておくべきこと

外壁塗装は通常7年~10年という期間で定期的に実施すべき建物のメンテナンスです。定期的に外壁塗装を実施しなければ、外壁に塗った塗料の膜(塗膜)が徐々に薄れ、塗膜によって保護していた紫外線や湿気の影響を外壁そのものが受けてしまうことによって、外壁材の腐食や建物内部に雨水などが吸収されることによって、建物内部の腐敗につながってしまい、建物耐久年数そのものが下がってしまうことになります。

 そんな大切な外壁塗装ですが、その費用は1回数十万円~百万円以上と高額になります。そのため、1回外壁塗装を行った後は、できるだけ長持ちさせたいと思います。

1.外壁塗装を依頼するときにやっておくべきこと

 外壁塗装の状態を維持するためには、その外壁塗装を依頼するときにもやっておかなければならないことがあります。それは、

  1. 耐久性の高い塗料を使用すること、
  2. 環境に応じた塗装を依頼すること、
  3. 信頼できる業者に依頼すること、

の3点になります。

①耐久性の高い塗料を使用する

 塗料には、大きく分類するとアクリル系塗料、ウレタン系塗料、シリコン系塗料、フッ素系塗料、無機という5種類があります。この塗料の種類によって、耐久性は大きく異なり、全く同じ環境、同じ場所、同じ塗装方法で使用した場合、

  • アクリル系塗料を使用した場合は5年~7年、
  • ウレタン系塗料の場合は7年~8年、
  • シリコン系塗料の場合は7年~10年、
  • フッ素系塗料の場合は8年~12年程度

の耐久度があるとされています。(実際は、もっと短く感じます。)

 その分、価格もアクリル系塗料が最も安価で、フッ素系塗料が最も高価となりますが、例えば、60年間同じ建物を使い続けると考えた場合、アクリル系塗料の場合は10回~12回程度、フッ素系塗料の場合は3回~4回と外壁塗装の回数が大きく異なります。そのため、1回あたりのコストを高くしても、長期間使える塗料を塗っておいたほうがお得ということもあり得ますので、この点をしっかり検討する必要があります。 

②環境に応じた塗装を依頼

 海に近い地域や台風が多い地域と、晴れた日が多い地域ですと、紫外線の量や湿気の量が大きく異なります。また、外壁の方角や、隣家との距離、日当たりなどによっても、建物の受けるダメージが異なりますので、その立地や環境に合わせた塗装を行うことが塗装を長持ちさせる条件となります。

例えば、屋根や日当たりのいい南側の外壁は劣化が早いため、無機系塗料を使用する、塗装を厚くしておくといった工事を行っておけば、塗装を長持ちさせることができます。

③信頼できる業者に依頼する

 外壁塗装は、最低でも下塗り・中塗り・上塗りという3回実施します。この3回の塗装が非常に重要で、これより回数が少ない場合、耐久性は大きく低下することとなります。

悪徳業者は、安価に依頼を受ける代わりに、塗装の回数を減らすことによってコストダウンしていることが多々あり、下塗りと上塗りの2回、上塗りだけの1回という業者もあるようです。(塗装の耐久性は、塗膜の厚みにも密接に関係しています。)

 そのため、塗装を3回行わないような業者には、依頼すべきではありません。なお、塗装は最低でも3回必要ということですので、状況に応じて下塗りや中塗り、上塗りの回数を増やすことに問題はありません。塗装の回数が増えれば、それだけ塗膜が厚くなりますので、耐久性が向上することになります。(ただ過度に厚く塗りすぎると、剥がれの原因になることもあります。)そのため、塗装の回数を増やす提案をしてくる業者は、それだけ耐久性の向上を考えている業者ともいえます。

塗料のグレード

1.アクリル系塗料

 アクリル系塗料は、モルタル外壁のひび割れに効果的な塗料でしたが、耐久性が6年から8年と低く、汚れも付きやすいという欠点があります。価格そのものは安いのですが、これらの欠点から、長期的に見た場合、頻繁にメンテナンスしなければならないことから、トータルとしては他の塗料よりも高額となってしまいます。また、これらの欠点のために、高耐久性が求められる屋根用の塗料としては、現在、アクリル系塗料はほとんど出回っていないという状況にあります。

2.ウレタン系塗料

 ウレタン系塗料は、比較的安価で塗料の素材が柔らかく、細部の塗装に適した塗料と言えます。しかし、近年主流となっているシリコン系塗料と比べると、耐用年数が7年~10年とやや短く、シリコン系塗料の価格低下から、選択される頻度は減少傾向にあります。ウレタン系塗料は、万能塗料として、どの部分にも塗れるため、場所によって塗料を使い分けることを嫌う業者では、今でもメインで使っているケースもあります。

ヨコイ塗装では、外壁の塗装時にウレタン塗料は提案しません。。

なぜかというと、何故かと言うと紫外線に弱く、耐久性が低いからです。せっかくの足場を作っての大掛かりな工事は、なるべくスパンを長く、より持たせたいという考えからです。実際の体感としては6、 7年で色あせが見られているような感じを受けます。日当たりがよく紫外線が強い塗膜環境に悪いような箇所では、5年程度で色あせが始まってくると思います。元請け業者さんから下請けの施工業者さんに「とりあえずウレタン塗料で塗っておけばいいんじゃない。」と言うような会話はよくある話です。

□よくある質問:外壁塗装ではウレタン塗料は絶対にダメなの?

ダメと言うわけではありません。外壁の塗料としてはお勧めしておりません。ウレタン塗料は特に柔軟性に優れております。したがって木部の塗装や雨どいの塗装によく使われております。特に破風の塗装においては、浸透性の塗料(キシラデコールなど)は塗膜も薄く紫外線によってすぐ劣化してしまいます。それらの耐久性を高めるために、キシラデコールの上に木部用ウレタンクリアーを塗って耐久性を持たせるようなことをしております。上記の木部用クリアーはポリウレタンの塗料で耐久性も良いです。

ウレタン系でも、アクリルウレタンよりポリウレタンのほうが、断然紫外線に強く耐久性があります。

ウレタン塗装は、どの箇所なら施工することがあるのか?

塗装業者では、緑木部や雨どいにウレタン塗料を使用すると思います。その理由としましては、ウレタン塗料に柔軟性があるからです。木や雨どいは性質上夏冬で伸び縮みが外壁と比べ大きいです。そのため業者はより柔軟性の高い塗料としてウレタン塗料を採用しています。(ヨコイ塗装では、外壁のグレードに合わせて、上記箇所もフッ素系塗料の弾性用硬化剤を使用することで塗装をしています。)

見積もりに質問すべき内容 は?

外壁塗装の見積もりに質問すべき内容「外壁と木部や雨樋の耐久性は一緒ですか?」もし木部の浸透性塗料の使用の記載があったら、「何年ぐらいもちそうですか?」と聞いてみてくださいね。

ウレタンのまとめ

ヨコイ塗装では、まずウレタン塗料は耐久性がないので使用しません。使っても破風だけです。キシラデコールなどの浸透性の塗料の上に保護膜を作るためにクリア塗料を塗るだけです。そしてなおかつその塗料はポリウレタン系が良いと思います。

参考して、見積もり時には、外壁材にどれぐらいの耐久性がある塗料を提案されているかを把握することです。そしてそれに伴い、雨どいや木部の塗料の耐久性も把握することです。せっかく外壁材に良い塗料を使っても、雨戸や木部がグレードが低くてすぐ色あせをして、見苦しくなったらもったいないですよね。もし雨樋が歪みなど生じていて古くなっているとしたら、その際無機やフッ素など良い塗料を外壁に使用するならば、予算があるようでしたら、雨どいはいっそのこと交換しても良いと思います。

3.シリコン系塗料

 シリコン系塗料は、最近まで最もよく使われている塗料になります。耐用年数は12年~15年と比較的長く、シリコンの性質から汚れにくさと高耐久性を両立させることができると言われています。ただ実際使用してみると南側など条件の悪いところや塗料の種類によっては、10年も持たない場合が見られます。

 シリコン系塗料にお勧めの外壁は、モルタル、ヘーベル(主に水性セラミシリコンがおすすめ)、サイディング(クリーンマイルドシリコンがおすすめ)、ジョリパット(アートフレッシュが条件付きでおすすめ)と、様々な外壁で利用することができることも特徴の一つです。

4.ラジカル系塗料

 2015年に発売されたばかりの新しい塗料です。ラジカル系塗料が発売されるまでは、シリコン系塗料が最もよく利用されていましたが、ラジカル系塗料発売以後、現在においては、ラジカル系塗料がよく利用されています。

 ラジカル系塗料では、シリコン系塗料までで防ぐことができなかったUVや酸素、水による塗膜の劣化を防止することができます。そのため、耐用年数は14年~16年とシリコン系塗料よりも耐久性が上がっています。価格もほとんどシリコン系塗料と同じで、かつ、高額なフッ素系塗料に似た効果があるため、シリコン系塗料に変わる人気No.1の塗料となっています。ただまだ年数が経過後の実績には不安があります。

5.フッ素系塗料

 現在販売されている中で、最も高額な塗料がフッ素系塗料です。一般的には、フッ素系塗料が一般家庭用として使われている例はあまりなく、商業施設向けの塗料と考えられていますが、非常に耐久性が高いため、予算に余裕があれば、検討の価値はあると思います。フッ素系塗料は、その名のとおり、主成分がフッ素となっており、耐久年数は8年から15年と非常に長いとされています。

 フッ素系塗料が高額であることを逆手にとって、訪問販売等において、最初にこの塗料で見積もりを行い、外壁塗装は高いというイメージをつけておいて、ラジカル系塗料やシリコン系塗料(もしくはウレタン系塗料)での見積もりを作成し、通常価格を「安い」と思い込ませる方法も使われていることもありますので、フッ素系塗料は高額であるという点だけは、最低限、覚えておいて損はないでしょう。どの程度価格が変わるかというと、坪単価で、フッ素系塗料とラジカル系塗料では5万円前後異なると言われています。そのため、30坪程度の家の場合、塗料だけで150万円程度の違いが生じてしまいます。しかし、その効能は非常に優れており、スカイツリーにも使用された実績のある塗料となっています。

 このように、塗料によって耐久年数や性能、価格に大きな違いがあります。ご自宅の外壁を塗装する場合は、フッ素塗料を利用されることを強くおすすめいたします。塗り替えスパンが短くなりますので、お住いのトータル的なメンテナンス費用を抑えることができます。外壁塗装の見積書を取得する際に、使用する塗料についても記載があるかと思いますが、商品名で記載されている場合や記載がない場合は、どの塗料を使用するのか、きちんと確認しておくことが重要です。

また、シリコン系塗料とされていても、単層弾性シリコン(セラミックシリコン)については、工程短縮用の塗料であるため、耐久年数が低く外壁塗装工事には不向きな塗料とされていますので、この点にも注意が必要です。

フッ素塗料の適性品質塗装

今回の現場では、日本ペイントさんの「ファイン4Fセラミック」を使っています。こちらの塗料はフッ素系の塗料であります。一般的にフッ素系の塗料は硬いイメージがあるのですが、この塗料はその中でも柔軟性に富み、なかなか塗りやすいものです。

また実績としましても、ヨコイ塗装の塗装後5年以上経過したOBのお客様の外壁を見ても、まだまだ艶が十分にあります。色あせた現場にはまだ出くわしていないです。実績として時間経過的にもかなり優れた成果を出している塗料です。フッ素系の塗料ですと、特徴は紫外線に強いと言うことで、かなり耐久性もいいです。したがってヨコイ塗装では、外壁塗装工事においてかなりおすすめしています。塗装は、せっかく足場も作って経費がそれなりにかかかりますので、「ファイン4Fセラミック」若干金額がかさみますが、コストパフォーマンスで考えるとかなり良いのです。

ただ、こちらの塗料が1缶あたり大体5万円以上します。塗料としても結構高いのです。このためコストを下げるために、シンナーで薄めて、なるべく少ない量で塗ろうとする業者さんもいます。(塗膜が薄くなり、耐久性が落ちてしまいます。)やっぱり長持ちさせるためにも、なるべくローラーでたっぷりと塗膜に厚みがつくように塗料を塗ってもらうと良いと思います。適切な品質の塗装工事をしてもらうためにも、ぜひ使用した塗料の缶の数を確認してみてください。

フッ素実例

高品質な塗料を使うのであれば、無機塗料がおすすめ

フッ素系塗料よりも性能の高い無機系塗料は、1㎡あたり4,500円~5,500円と非常に高額ですが、その分耐久性能も12~25年と非常に長くなっています。

無機塗料の成分

 そもそも、無機塗料の「無機」とは一体何なのでしょうか。ここでいう「無機」とは、有機物の対義語である無機物のことを指しています。つまり、ガラスや陶器と同じといえます。ガラスや陶器は、時間とともに劣化するということがありませんので、耐久性に優れているといえます。逆に有機物とは、植物やプラスチックのように、時間とともに劣化するもののことを言います。

では、無機塗料という名前であるからには、塗料の成分はすべてがガラスや陶器と同じ無機物でできているのかと言われると、そうではありません。すべてが無機物ですと、確かに半永久的に性能を保持し続ける塗料となりますが、無機物だけですと、塗料に必要な弾力性や接着性が作り出せませんので、塗料として使用することはできません。あくまで樹脂中に含まれる無機成分が30%程度のものを無機塗料としています。

 実際に無機塗料を塗った塗膜は、樹脂中に含まれるアクリル成分によって無機成分が連結されているという構造になります。

無機塗料の特徴

 無機塗料は、100%でないにしろ、成分の中に無機物が含まれていますので、その無機物部分については、ほとんど劣化することはありません。そのため、通常の有機物のみで作られている塗料に比べて、高い耐久性能を誇ります。特に、色あせやチョーキングといった塗装の劣化を代表する現象は、有機物である顔料によって発生するため、無機塗料では非常に発生しにくくなっています。さらに、有機物を栄養素とするカビや藻についても、その栄養素である有機物が限りなく低いため、発生しにくくなっています。

 しかし、デメリットとして、ひび割れが発生しやすいという特徴もあります。無機物そのものは、非常に硬い素材ですので、樹脂中の無機物が多くなればなるほど、ひび割れが発生しやすくなります。しかし、無機塗料が塗料として販売されている以上は、外壁塗装のプロである職人さんが、しっかりと施工方法を守って塗装すれば、ひび割れが発生することはほとんどありません。そのため、価格面でも施工面でも、DIYに向かない塗料だといえます。 

無機塗料と汚れ

 無機塗料で塗装した場合、耐久性能は20年~25年程度と説明しましたが、それだけの長期間、外壁塗装をしないとなると、外壁の汚れが非常に気になるかと思います。そもそも外壁塗装は、建物のメンテナンスという側面の他に、建物の美観を向上させるという目的もありますが、最長で25年もの間、塗装を行わないとなると、しっかり掃除しておかないと見た目が悪いのではないかと心配される方も多いのではないでしょうか。

 しかし、無機塗料は、汚れが付きにくいという特徴もあります。多くの無機塗料に含まれる成分には、親水性が非常に高くなっています。親水性が高いというのは、水と非常になじむという性質のことを指します。無機塗料が水となじむとどうなるかというと、塗料と水が密着しやすくなりますので、塗料の上に汚れがついていたとしても、その間に水がはいりこみ、汚れを流れ落とすことができるのです。

つまり、無機塗料をつかうことで、雨や軽く水で流すだけで、簡単に汚れを落とすことができるのです。イメージとしては、車のガラスコーティングと同じような特徴といえます。

 また、無機塗料には静電気が発生しにくいという特徴もあります。

外壁の汚れには、泥はねなどの直接的な汚れの他に、ほこりや小さなごみが付着することで発生する汚れもあります。それらは、静電気によって付着しますが、静電気の発生しにくい無機塗料では、これらの汚れも有機塗料に比べると付着しにくくなっています。

無機をこえる30年塗料の弊害とは・・・

住宅を購入する際や、外壁塗装を行う際に、業者から「この外壁は、今後30年間は塗装しなくても大丈夫です」というセールストークを聞いたという方が、少なからずいらっしゃいます。この業者の30年間というのは、どの程度の信ぴょう性があるのでしょうか。

30年塗装は実在するのか

 一部の塗装業者のセールストークとして「今回、30年間塗り替えなくてもいい塗料で塗装します。」というものがあります。はたして、本当に30年間持つ塗料というのは存在するのでしょうか。

 結論から先に申し上げますと、2018年現在、30年間持つ塗料というのは分かりません。塗料の耐用年数は、塗料に配合されている樹脂によって大きく異なります。例えばアクリル塗料の場合、コストが安い分、耐用年数は6年~7年と非常に短くなっています。耐用年数が短い順に並べると、アクリル塗料(6年~7年)、ウレタン塗料(8年~10年)、シリコン塗料(10年~13年)、フッ素塗料(15年~20年)となります。ほかにも、断熱塗料、遮熱塗料、光触媒塗料なども存在しますが、いずれも最大で20年程度の耐用年数となっています。そのため、繰り返しになりますが、現時点で耐用年数が30年を超える超えるかどうかはわかりません。

 では、「30年間塗り替えなくていい塗料で塗装する」と説明していた業者は、全くのでたらめをセールストークとしているのでしょうか。その答えは、半分は正解ですが、もう半分は不正解と言えます。なぜなら、そういった業者の手口としては、「自社開発の塗料」として、30年以上の耐用年数を有する塗料を勧めてくるためです。自社開発の塗料であれば、「自社の基準で」計測したデータに基づいて、耐用年数30年を算出することができますので、そういう意味では嘘のセールストークとは言えないのです。

 しかし、資金力が豊富な大手塗料メーカーが、長期間研究を重ねてきて未だ実現していない30年以上の耐用年数を有する塗料を、研究設備の整っていない塗装業者が、自社開発で作成できるほど簡単ではありません。実際に、30年以上持つというセールストークを信用した方の中で、10年以内に塗装工事を再度実施したという方も多数いらっしゃいます。

30年塗装が実現した場合の問題点

 では、仮に30年の耐用年数を有する塗料が、今後開発された場合には、本当に30年間、塗装工事を行う必要はないのでしょうか。残念ながら、その答えは「否」となります。

 塗装工事を行う際には、その下地処理として、外壁や屋根、その他建物を構成するあらゆる部分に対して、補修作業を実施しています。この補修は、塗装が古くなったことによる雨水の侵入に起因するものの他、経年劣化等による補修も含まれています。

例えば、屋根に設置されている雨どい等は、定期的にメンテナンスを行わなければ、雨どいが詰まったり、経年劣化による歪みで傾斜が無くなってしまったりという原因で、雨水をうまく地上に流すことができなくなることもあります。こういった補修作業を全く行わずに30年間、建物を持たせることは、非常に難しく、外壁そのものに問題はでなくても、ほかの部分から建物全体にダメージを受けてしまう可能性があります。

メンテナンスフリーの外壁

 こちらは、新築時によく聞く説明として「この外壁はメンテナンスフリーですので外壁塗装の必要はありません」というものです。こちらも、実際には誤った内容と言えます。ここでいう「メンテナンスフリー」というのは、あくまでハウスメーカーが机上で算出したデータに基づくもので、それを信じて外壁塗装を行わなかった場合、外壁塗装を行った場合と比べて、建物の耐久年数は大きく低下します。また、「2.30年塗装が実現した場合の問題点」でも説明した通り、雨どいやサッシといった、外壁以外の部分が先に劣化してしまい、その部分の補修が行えないために、そこから建物全体への深刻なダメージが伝わってしまう可能性があります。

 外壁塗装は、1回あたりの料金が高額ですので、できる限り少なくし、出費を抑えたいところでしょう。そういった中、30年間、外壁塗装を行わなくてよいという言葉は、非常に魅力的に聞こえるかもしれません。これまで、10年に1回、100万円の外壁塗装を行っていたとしたら、30年間で300万円の出費となるところ、「少し高いですが…」と、200万円の工事費用で30年持つといわれると、30年持つという塗料を試してみたくなってしまうかと思います。

しかし、これまでご説明した通り、30年間の耐用年数を有する塗料は、まだ実績が出ていません。必ず、おそらく30年以内に再度塗装工事が必要となります。そうみると、本当に、そのコストは有意義なものなのでしょうか。

トイや鼻隠しの付帯部も耐候性を合わせる

トイの劣化等

 トイは、屋根の雨水を地面に流す役割のある付帯部分です。トイがなければ屋根から雨水が外壁を伝って流れ落ちるため、外壁内部に雨水が浸入する可能性が高まり、外壁内部を腐食させる可能性が高まりますので、非常に重要な部分になります。

トイが、その機能を果たせなくなる一番多い原因は、落ち葉などによる「詰まり」となります。この詰まりは、塗装や補強によって詰まりにくくするということは行えませんので、年に1回程度、ご自身で点検していただき、詰まりがあれば早めに解消していただくことになります。

次に、トイの傾斜や破損についてですが、トイは屋根や外壁材と比べると、破損しやすい素材になっていますので、強い風や雪などによって、不自然な傾斜ついてしまったり、破損してしまうということがあります。

台風のように、とても強い風で、大きく破損してしまった場合は、すぐに補修する必要がありますが、見た目ではなかなか分かりにくい斜頸や破損もありますので、そういった場合は外壁塗装の際に、しっかりと補修しておく必要があります。

他にも、屋外で使用していることによって、太陽光や温度変化による経年劣化も生じてきます。経年劣化によって、明らかな破損等がなければ、外壁塗装などのメンテナンス時に、併せて補修や交換を行い、耐久性能を回復させる必要があります。

2.鼻隠しの劣化等

 鼻隠しは、トイを取り付けるための下地となる役割をもった板材で、トイの裏側にあります。また、屋根の構造材を隠す役割ももっており、こちらもトイと同じく、重要な付帯部分となります。

 鼻隠しは、現在では木材以外の素材も使用されていますが、10年以上前の建物ですと、ほとんどの建物で木材が使用されていますので、雨水や経年劣化によって、その耐久性能が下がってきてしまいます。鼻隠しは、トイの下地となっていますので、鼻隠しが劣化してしまうと、トイそのものが正しく機能しなくなる可能性が高くなります。そのため、鼻隠しも定期的なメンテナンスが必要となります。

破風

その他の付帯部分の劣化等

 建物には、他にも破風板や幕板など、様々な付帯部分が存在します。それらの付帯部分は、デザイン性のみでつけられている者はほとんどなく、いずれも建物を保護するために重要な役割を担っています。それらの付帯部分についても、屋外で使用している以上は、屋根や外壁材と同様に、太陽光や風雨、温度変化などによる劣化が少なからず生じてしまいます。

これらの劣化を放置してしまうと、建物を保護する機能が損なわれてしまい、建物全体に深刻なダメージが生じてしまう可能性がありますので、付帯部分についても定期的なメンテナンスが必要となります。

参考:プロが教える!塗装工事の正しい工程と大事な目的

屋根や外壁と付帯部分の耐候性

 多くの方は、屋根や外壁の塗装工事を行う際に、併せてトイのメンテンナンスや鼻隠しの塗装などを実施されるのではないでしょうか。ご自身の判断で塗装工事に合わせてメンテンナンスを依頼している方もいらっしゃれば、塗装業者に言われるがままに、メンテンナンスを依頼している方もいらっしゃるかと思いますが、塗装工事に合わせてメンテンナンスを行うことで、様々なメリットがあります。

 まず、塗装工事を行うことで、屋根や外壁の耐候性が向上しますが、この時にトイや鼻隠しの補修や塗装を行わなかった場合、屋根や外壁の耐候性と付帯部分の耐候性に差が生じてしまいます。外壁塗装はおよそ7年~10年ごとに実施しますので、比較的長期間、この差が残ってしまうことになります。年数がたつほど、この耐候性の差が大きくなり、やがて、屋根や外壁には一切問題がないにも関わらず、付帯部分の劣化から屋根や外壁材の内部から腐食が進行してしまうということもあります。

 この現象を防止するためには、付帯部分が劣化する前に補修や塗装を行う必要があるのですが、次回の塗装工事までは持ちませんので、2~3年後に付帯部分のみの補修や塗装を行う必要が生じてしまいます。そうなると、外壁の塗装工事では若干の節約ができたとしても、付帯部分の塗装工事で再度、職人さんの確保や足場の作成、養生といった作業を行う必要が生じてしまいますので、1回の塗装工事ですべて実施するよりも割高な料金がかかってしまいます。

また、次回以降も外壁の塗装時点では付帯部分は劣化しておらず、また別の時期に劣化が生じるといったように、継続して時期をずらして工事を行わなければならなくなります。

 そのため、屋根や外壁と付帯部分は、耐候性を合わせて塗装工事するのがおすすめの方法となります。

塗料の性能について

弾性塗料

 弾性塗料とは、基本的には2液型の塗料を使用し、主剤に硬化剤で弾性を持たせた塗料のことを言います。また、現在では、1液型でも弾性を持たせた弾性塗料も登場しており、選択肢が徐々に拡張されています。 塗料は、その弾性の強さ(塗料の硬さ)によって、硬質塗料、微弾性塗料、弾性塗料の3段階に分類することができます。

  1. 硬質塗料ー硬質塗料は、一般的な塗料のことを言います。
  2. 微弾性塗料ー微弾性塗料は、硬質塗料と弾性塗料の中間的存在で、伸び率は50%~100%とされていますが、規格などで定められた弾性ではありません。最近は、塗装の工程を省略することができる下地用の微弾性塗料が増えてきており、作業時間の短縮やコスト削減を目的として採用している業者が増加しています。しかし、微弾性塗料は、そこまで伸び率が高いわけではありませんので、ヘアークラックと呼ばれる髪の毛程度の小さなクラックには対応できても、大きなクラックには対応できないというデメリットも存在します。
  3. 弾性塗料ー弾性塗料は、伸び率120%以上とJIS規格で定められた塗料を指します。弾性塗料は、その高い伸び率で、比較的大きなクラックが発生した場合でも、塗料にひびや剥がれが入らず、防水性能を維持することができる塗料となっています。また、塗膜も厚く、高い防水性能を期待できる塗料でもあります。
ヨコイ塗装がよく使用する弾性塗料

弾性塗料の塗装方法の種類と特徴

 弾性塗料を使用した塗装には、単層弾性と複層弾性という2種類の工法が存在します。

①単層弾性

 単層弾性は、弾力性の高い塗料を上塗りに使用するという工法で、少ない工程で弾性塗料を使用することができる工法となっています。しかし、弾性塗料を上塗りでしか使用していない分、弾性に影響を与える紫外線を直接受けてしまうこととなり、長期間の弾性の維持には向かない工法となります。また、本来は厚く塗装しなければならない弾性塗料ですが、ローラーを使用して通常の塗装と同じように塗ることも可能であるため、業者や職人によっては、期待通りの防水性能を発揮できないという問題点も存在します。

②複層弾性

 複層弾性は、弾力性の高い下塗り塗料もしくは中塗り塗料を使用して下塗りや中塗りを行い、上塗りは他の塗料を使用する工法となります。この方法ですと、上塗り塗料によって紫外線に弱い弾性塗料を隠すことができますので、弾性を維持しやすくなります。

 ただし、単層弾性の場合、下塗り1回、上塗り2回の計3回の工程で塗装工事が完了するのに対し、複層弾性の場合は下塗り1回、中塗り2回、上塗り2回と、計5回の工程が必要となるため、塗装の期間や使用する塗料の量が増加し、コストアップしてしまうというデメリットも存在します。

3.弾性塗料の注意点

弾性塗料は、高い防水性能を有していますが、その反面、外壁そのものの熱や水分の影響を受けやすいという特徴もあります。そのため、蓄熱性が高いサイディングやALCに使用することはできません。これらの外壁材に弾性塗料を使用した場合、外壁材の温度が上昇し、弾性塗料がその熱によって膨張してしまうことになります。また、コーキングなどが劣化していた場合、そこから水分が中に侵入してしまうことになりますが、防水性能が高いため、入り込んだ水分が外に出られなくなり、外壁材と塗料の間に停滞してしまうことによって外壁材そのものが傷んでしまうこともあります。さらに、弾性塗料の伸縮だけでは、コーキング部分の動きに追従することができませんので、コーキングの上から塗装を行ったとしても、短期間で追従できない部分から塗装が剥がれてしまうことにもつながります。

そのため、弾性塗料は、サイディングやALC、軽量モルタルといった熱をためやすい外壁材、コーキングによって外壁材同士を接続している外壁材に使用することができません。弾性塗料は、高い防水性能を有する塗料で、使い方によっては非常に効果のある塗料となります。しかし、その特徴をしっかり理解し、使用する外壁材や環境に応じて厚みや工法を調整するなど、その効果を最大限に発揮するためには、十分な知識と経験を有していなければならない、取り扱いの難しい塗料であるともいえます。そのため、弾性塗料を使用して塗装工事を行う場合は、知識・経験を有した業者、職人に依頼する必要があります。

塗料の品質について

1.業者が使用する塗料の品質は本当に大丈夫?

 塗料で気にするポイントといえば、アクリル塗料やシリコン塗料といった樹脂の違いではないでしょうか。樹脂が異なれば、耐候性や耐久年数、価格が大きく異なりますので、この選択は慎重になる方が多いと思います。

 しかし、例えば「シリコン塗料」を選択した場合に、数あるシリコン塗料の中から、「この塗料がいい」というところまで気にされている方はほとんどいらっしゃらないのではないでしょうか。もちろん、非常に多く販売されている塗料の中で、お客様ご自身で塗料を選択するというのは、無理があるかと思います。しかしながら、業者が使用するとした塗料が、実は低品質の塗料かもしれません。

 実は、一部の悪徳業者では、自社開発したとする非常に質の悪い塗料を使用して利益を得るといった手法が用いられています。塗装業者が片手間に開発した塗料が、塗料メーカーが、塗料を専門に研究・開発した塗料よりも高品質であるはずがありません。そのため、塗装業者が「自社で開発したオリジナルの塗料」を勧めてきた場合、その業者に依頼するのは、少し様子を見てみたほうがいいかもしれません。

2.塗料の品質

 塗料に求められる品質は、耐候性・耐久性能が優れていることが挙げられます。同じシリコン塗料であっても、質の悪い塗料を使用した場合と、高品質な塗料を使用した場合とでは、耐久年数が数年違ってくることもあります。また、塗料の色合いも重視する品質となります。高い品質を有する塗料は、紫外線等による劣化で色褪せが発生したとしても、緩やかな変化で気付きにくいのですが、質の悪い塗料ですと、色褪せの速度が速く、気付いたら全く違う色になっていたというケースや、色褪せにムラがあり、見た目が非常に悪くなってしまうといったケースも発生します。

3.塗料とブランド名

 塗料は、塗装業者が開発したという塗料より、塗料メーカーが開発した塗料のほうが高品質であるというご説明はすでに行った通りですが、塗料メーカーが開発した塗料であれば、すべて高品質なのかと言われると、そうではありません。塗料メーカーは、塗装する目的に合わせて最適となる塗料を選択できるよう、様々な種類の塗料を開発しています。中には、品質はワンランクかツーランク下がっても、価格が安い塗料で塗装を行いたいというニーズにこたえるため、品質を犠牲にして低価格化している塗料も存在します(それでも、塗装業者が開発したという塗料よりは品質的には安心できます)。

 そのため、「有名な塗料メーカーが販売している塗料だから、安心」という考えで塗料を選択してしまうと、想像していたよりも品質が高くない高価な塗料を使用してしまうというケースもあり得ます。塗料を選択する場合には、ブランド名だけでなく、塗料そのものの品質を確認するようにしなければなりません。

4.その他の注意点

 塗料を選択する場合は、ブランド名や塗料そのものの品質のほかに注意しなければならない点があります。それは、塗料の使用用途です。

 塗料メーカー各社は、塗装する目的に合わせた塗料を開発しています。例えば、木部を塗装するのに最適な塗料を鉄部に使用した場合、いくら高品質な塗料であったとしても、本来の性能を発揮することができません。「何を当たり前な…」と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、悪徳業者やDIYで、塗装部分に合わせて塗料を変更せず、すべて同じ塗料で塗装しているというケースを多く目にします。もちろん、同じ塗料ですべての部分を塗装してしまえば、コストは低く抑えることが可能です。

しかし、その場合、いくら高品質な塗料を使用したとしても、残念ながら、その恩恵を受けることはできなくなります。

塗料は、どうしてもアクリル塗料やシリコン塗料、フッ素塗料とった樹脂に目を奪われがちになってしまいます。もちろん、それらの要素が、外壁塗装の耐久性能や価格を左右するため、よく検討していただく必要がありますが、それらの樹脂の中から、いずれかを選択したのちにも、様々な塗料の選択が可能であるということ、また、その塗料選びが非常に重要であるという点をご認識いただきたいと思います。

塗料の消費期限

1.未開封塗料の消費期限

 塗料は、密閉した缶で販売されていることが多く、缶詰などのイメージから、未開封であれば消費期限は無いと勘違いしている方がいらっしゃるようですが、未開封であっても消費期限は存在します。メーカーや塗料によって、この消費期限は様々に設定されていますが、少なくとも、「消費期限のない塗料」は存在していません。その期限の長短はあっても、必ず塗料に消費期限は定められています。

 この記事を記載するにあたり、塗料の消費期限がどの程度周知されているのか、調査してみましたが、「塗料の粘度が増して、濡れなくならない限り問題ない」といった説明をされているところが何か所かありました。あくまで、その説明は、「塗装に品質を求めず、塗れればいい」という前提に立てば、問題ないのかもしれません。しかし、塗装をする目的は、屋根や外壁に水分などが侵入して建物にダメージを与えないために行うのであって、ただ塗ればそれで目的が達成できるわけではありません。塗装を行う目的を達するのであれば、品質が保証されている消費期限が切れていない塗料(さらに、できるだけ新しい塗料)を使用する必要があるのです。

2.開封済み塗料の消費期限

 塗料に未開封の場合の消費期限は明記されていますが、開封した後の消費期限は明記されていません。これは、その保管状況等によって期限が異なるため記載できないというわけではなく、塗料は一度開封したものについては、その塗装工事のタイミングで使用しなければ、本来の品質を維持できないためなのです。塗料は、空気に触れることで酸化が進みますが、酸化した塗料は本来の性能を発揮することができなくなります。そのため、一度開封した塗料は、基本的には使い切りと考えなければなりません。

 なお、開封済みの塗料を保管した場合、皮張りや粘稠化といった症状が発生します。皮張りとは、塗料の表面が乾燥することで薄い膜が貼る症状のことで、この膜となった部分は使用することができません。粘稠化とは、塗料の粘度が増すことを言い、そのまま放置することで、塗料がゼリー状に固まってしまいます。もちろん、こういった症状が発生した場合も、その塗料を使用することができません。

 つまり、一度開封した塗料というのは、品質が低下するだけではなく、皮張りや粘稠化といった症状で、塗料そのものが使用できなくなる可能性も高いのです。

3.塗料の消費期限を守らなかった場合

 この消費期限というのは、塗料を製造しているメーカーが「塗料の品質を保証する」期限であり、言い換えれば、この期限を過ぎた塗料は、メーカーが公表している通りの品質を出すことができない可能性が高い塗料と言えます。つまり、使用期限が1年と定められている塗料を購入し、2年間使用せずに放置していた塗料を使用した場合、塗装工事の品質は著しく低下する可能性が高く、本来であれば7年~10年程度は耐用年数を有する塗料であっても、わずか数年で塗膜にひびがはいったり、塗装が剥げてしまったりすることがあります。

 しかし、これを承知で、使用期限が切れた塗料であっても使用する業者が存在しています。塗料を事前に大量購入することによって、その仕入れ価格を大幅に下げておき、消費期限を過ぎても使用できなかった在庫について、そのまま破棄するのではなく、使用し続けるという業者がそれにあたり、塗装工事の品質については2の次で、自社の利益を最優先で考えている、所謂、悪徳業者と呼ばれる業者です。業界では、別の塗装工事で残った塗料を保管しておき、再利用するというのはよくあります。しかし一度開封した塗料は、空気と触れ合うことで、品質は徐々に低下していきます。そのため、塗装工事を依頼する場合は、そういった消費期限切れの塗料や、開封済みの塗料の利用状況をよく選定する必要があります。特に下塗り材は、上塗り塗料もろとも剥がれる危険性が出てきますので、要注意です。

 また、一部の業者では、塗装工事の単価を下げる際に、「古い塗料を使用してもいいか」と確認してくることがあります。これは、上記の悪徳業者のケースとは異なり、お客様の意思確認を行っている分、優良な業者であるといえます。しかし、その場合でも、消費期限内であることは確認しなければなりません。いくら工事費用が安くなったとしても、消費期限が切れた塗料を使用しては意味がありません。

ニッペ ファイン4Fセラミック こちらもゲル化しやすいです

塗料の品質をしっかりと守るには

消費者庁によって表示が定められている使用方法

 塗料の基本的な使用方法は消費者庁の定めにより、製品の品質に応じて、以下の項目を表示するよう定めています。

  1. 塗る面のゴミ、油分、さび、かび、ワックス等をとる旨。
  2. 使用するときは、容器の蓋に手を添えて開け、塗料を底から十分にかきまぜる旨(エアゾール式のものを除く。以下④まで同じ)。
  3. 塗料の粘度が高く塗りにくいときは、塗料用希釈剤(使用すべき希釈剤の種類の名称を表示する)で少し薄める旨。ただし、水性の塗料は水で薄める旨。
  4. 5℃以下のときは塗らない旨(水性の塗料に限る)。
  5. 使用するときには、容器を十分に振り、よく混ぜる旨(エアゾール式のものに限る、以下⑧まで同じ)。
  6. 塗料を吹きつけるとき、塗る面と噴出口との間は、○~○センチメートル(適正な数字を表示する)の間隔をとる旨。
  7. 一度に厚塗りをしないで、塗る面と平行に移動しながら、やや薄めにまんべんなく2回から3回くらい塗り重ねる旨。
  8. 使用後は、噴出口がつまらないよう、容器を逆さにして2秒程度空吹きし、噴出口をよくふいてから蓋をする旨。
  9. これらの使用方法を守ることで、塗料の品質を維持することが可能です。ここでは、1つ1つの項目について、ご説明します。

①については、もっとも基本的な事項で、下地処理をしっかりと実施しなければならないことを示しています。この項目については、塗装後の塗料の品質を維持するための項目となっています。

②については、後半部分の「塗料を底から十分にかき混ぜる」という点が非常に重要です。このかき混ぜが足りなければ、塗料の色のムラや塗装した際の塗料の乗りのムラが発生するため、品質が大きく低下してしまいます。 (一斗缶を開封しないで缶を振っただけで混ざっていると誤解している職人さんもいますので注意が必要です。)

③については、必ず表示されている希釈剤を使用しなければなりません。極端な話として、油性の塗料を水で希釈しようとすると、水と油が反発しあい、全く希釈できないだけでなく、その塗料を使用することができなくなってしまいます。

④について、温度があまりに低い場合は凍結の可能性がありますので、水性の場合は5度以下の場合に塗装しないという注意文になっています。この項目については、油性の場合であっても、乾燥まで非常に時間がかかるため、低気温の場合の塗装はおすすめできません。

⑤以降についてはエアゾール式の塗料を使用する場合に関しての注意文となりますので、ここでは割愛いたします。

消費者庁の使用方法以外の注意点について

 塗料の品質を維持する最も重要なポイントは、消費者庁が表示を義務付けている使用方法の4点になりますが、それ以外にも塗料の品質を維持するための使用方法があります。

 1つめは、塗装を行ったのちにしっかりと塗料を乾燥させるという点です。外壁塗装に使用する塗料は、塗装が乾燥してから10年近く使用しますので、乾燥時の品質が高くなるように作られています。そのため、しっかり乾燥しないうちに中塗り・上塗りといった塗装の重ね塗りをしてしまうと、重ね塗りした塗料が混ざってしまい高い品質を維持できなくなります。そのため、各塗料に定められた乾燥時間をしっかり守り、かつ、プロの目から見てしっかり乾燥していると判断の上で次の工程に進まなければなりません。

2つめは、最低でも3回(下塗り・中塗り・上塗り)の重ね塗りを行うという点です。塗料は、基本的に重ねて塗るように作られています。どれだけ品質の高い塗料を使用したとしても、1回しか塗らなければ、その塗料本来の品質は発揮できません。そのため、最低でも下塗り、中塗り、上塗りの3回は塗装を行わなければなりません。外壁の状態や環境によっては、中塗りを2回、上塗りを2回など、各工程で複数回塗っても問題はありません。

外壁塗装の品質を決める最も重要な「塗料」ですが、ただ高価な塗料を使えば高い品質を得られるわけではありません。しっかりと使用方法を守って塗装する必要があります。

しかし、一部の業者では、残念ながら時間を短縮するためや、経費を削減するためといった目的で、使用方法をしっかり守らずに塗料を使用するケースも存在するようです。そのため、業者の選定は、塗装工事を依頼するうえで、非常に重要な項目となっています。