扶桑町

玄関ドアの吹き付け

玄関のドアは、毎日使用するため非常に汚れやすい場所でもあります。そのため、汚れを気にされる方は、頻繁に掃除をする箇所ではないでしょうか。家に来られる方が、最初に目にされるのが玄関ですので、できるだけきれいに保っておきたい場所でもあります。

そんな家の顔ともいえる玄関ドアですが、日々の清掃をしっかり行っていたとしても、どうしても塗装が劣化してしまい、清掃だけではきれいにできない状況が発生してしまいます。そうなると、玄関ドアの塗装が必要となります。

今回は、そんな玄関ドアの吹き付け塗装についてご紹介します。

玄関ドア

1.玄関ドアの塗装方法

 玄関ドアの塗装は、非常に難しいと言われており、外壁と同じ方法では塗装を行うことができません。仮に外壁と同じ方法で塗装してしまうと、1~2年という非常に短い期間で塗装にひびが入ったり、塗装が剥がれてしまうことがあります。

玄関ドアには、木製のものと金属製のものがあり、一部の木製ドアや金属製のドアには吹き付けという方法で塗装を行います。

2.吹き付け塗装とは

 吹き付け塗装は、スプレーガンと呼ばれる専用の工具を使用して、塗料を霧状に吹き付ける塗装方法のことを言います。プラモデルの塗装でも、筆を使った塗装と、スプレー缶を使った塗装がありますが、吹き付け塗装はスプレー缶を使った塗装の方になります。

 吹き付け塗装は、霧状の塗料で塗っていきますので、塗装する対象の凹凸に左右されることなく、均一に仕上げることが可能です。玄関ドアの表面は、様々なデザインが施されている場合が多く、ローラーで塗装するよりも吹き付け塗装を行ったほうが、きれいに仕上げることができます。

参考:塗装工事の養生テープの種類と使い分けに関して

参考:塗装工事におけるローラの使い捨てについて

3.玄関ドアの塗装手順

①下地処理

 玄関ドアを塗装する場合も、最も重要な部分は下地処理となります。下地処理において、古い塗料をしっかり剥離し、錆や傷をしっかり修復しておかなければ、塗装によって見た目だけが良くなっても、内部で錆や傷が広がってしまいます。

また、錆の上から塗料を塗ってしまうと、錆がはがれる際に塗料も一緒にはがれてしまうこととなり、耐久性も大幅に低下してしまいます。そのため、下地処理をしっかりと行わなければなりません。

 また、木製ドアの場合は、古い塗料を剥がしたのちに、しっかりと研磨を行う必要があります。これも、研磨をしないまま塗装を行ってしまうことで、木片の剥がれなどによって塗装が剥がれてしまうことを防止するという目的があります。他にも、研磨することで塗装の完成度(美観)も大きく高くなります。

ケレン作業

②下塗り

 玄関ドアの素材が金属製である場合は、錆止めの入った下塗り材で下塗りを行います。玄関ドアの素材に直接塗装する下塗り材に錆止めを含めることで、しっかりと錆止めの効果を活かすことができます。(材質によってはバインダーと言われる専用接着剤のような物を使います)

木製の玄関ドアの場合は、木部用の下塗り材を使用して下塗りを行います。こうすることで、木材という自然の素材を強化することができます。いずれの素材であっても、品質を重視する業者であれば複数回繰り返して、強度を高めています。(女性のファンデーションに似ている作業です)

③中塗り・上塗り

 仕上げの塗料と同じ色で中塗り・上塗りを行います。玄関ドアの素材によって、使用する塗料は異なりますが、木製ドアであっても金属製ドアであっても中塗りと上塗りと、最低でも2回は塗装を行います。仕上がりの状況によっては、中塗りを複数回、もしくは上塗りを複数回実施することもあります。

4.吹き付け塗装・玄関ドアの塗装の注意点

①養生について

吹き付け塗装は、ローラー塗装と違って霧状の塗料を吹き付けますので、塗装を行わない場所に施す養生が非常に重要となります。プラモデルでスプレー缶を使った塗装をした経験のある方ならわかると思いますが、塗装したくない部分をマスキングテープで養生したつもりでも、その貼り付けが甘かった場合などは、マスキングテープの下に塗料が入り込んでしまい、養生していたにも関わらず、塗料がはみ出してしまうといった場合があります。

玄関ドアの吹き付け塗装も同様で、しっかり養生しておかなければ、塗装すべきではない玄関ドア以外の場所にまで塗料がにじみ出てしまうことがあります。

②塗装技術について

 吹き付け塗装は、外壁でも使用することがありますが、ローラーと比べると塗装する頻度が高くはありません。そのため、ローラーを使用した外壁塗装の技術が高くても、吹き付け塗装の技術が同じように高いとは言えません。玄関ドアは家具のリフォームと同様と言われているほど、塗装には高い専門知識と技術が必要な塗装と言われています。そのため、金属製、木製問わず、玄関ドアの塗装を依頼する場合は、業者選びを慎重に行う必要があります。

③料金について

 玄関ドアの塗装の相場は1枚当たり5万円~20万円と、塗装面積に比べると、やや高価になっています。その理由は、先ほど挙げた求められる塗装技術の高さや、養生にかかる手間の多さからきています。

玄関ドアは、家の顔といえる部分ですが、塗装を行う場合は、業者選びや金銭面など、いろいろ考える必要があります。

外壁塗装のプロが教える!ローラーの種類と使い分け

【外壁塗装のプロが教える!ローラーの種類と使い分け】

外壁塗装を行う際に欠かせない重要な工具である「ローラー」。実は、外壁の材質や凹凸の有無などによって複数の種類のローラーを使い分けることが重要です。今回は、外壁塗装におけるローラーの種類と使い分けについてご紹介します。

## ローラーの種類

外壁塗装で使用するローラーは大きく分けて以下の3つに分類されます。

1. ウールローラー:羊毛ローラー、マイクロファイバーローラー
2. 砂骨ローラー:マスチックローラー、多孔質ローラー、パターンローラー、スポンジローラー
3. 特殊なローラー:ヘッドカットローラー、脱泡ローラーなど

## ウールローラーの使い分け

ウールローラーは最も一般的に使用されるローラーで、外壁塗装には欠かせません。ウールローラーは短毛、中毛、長毛の3つに分けられます。

– 短毛ローラー:毛足が5mm前後で、平面を塗装する際に使用します。凹凸のない場所に最適です。
– 中毛ローラー:毛足が13mm程度で、平面と凹凸面の両方に対応します。汎用性が高く、一般的に使われます。
– 長毛ローラー:毛足が20mm以上で、凹凸のある素材やタイルを塗装する際に使用します。ムラを防ぐために注意が必要です。

## 砂骨ローラーの使い分け

砂骨ローラーはローラーに空洞が多くある特殊なタイプです。砂骨ローラーは大量の塗料を吸収できるため、以下のような場合に活躍します。

– 塗料を分厚く塗る場合
– 粘度の高い塗料を使用する場合

マスチックローラーや多孔質ローラー、パターンローラー、スポンジローラーなど、名称は異なりますが、基本的な使い方は同じです。

## その他の特殊なローラー

ウールローラーや砂骨ローラー以外にも、特殊な用途に合わせたローラーがあります。

– ヘッドカットローラー:吹付けで作られた凹凸を滑らかにする際に使用します。
– 脱泡ローラー:防水工事などでシートを密着させるために空気を抜く際に使用します。

これらの特殊ローラーは、特定の場面でのみ使用されることが多く、一般的な外壁塗装ではあまり使用されません。

## ローラーの使い捨てについて

外壁塗装の品質向上のためには、現場ごとにローラーを使い捨てにすることが重要です。使用済みのローラーを再利用すると、塗膜が薄くなるなどの問題が生じる可能性があります。しかし、コストを削減するために使い捨てを怠る業者も存在します。品質を重視するなら、塗装のプロに依頼しましょう。

【ヨコイ塗装がおすすめの理由】

ヨコイ塗装は、外壁塗装のプロとして品質を第一に考えています。外壁の材質や凹凸の有無などを考慮し、適切なローラーを使い分けて丁寧に塗装します。扶桑町、大口町、犬山市、江南市で外壁塗装をお考えの方は、ぜひヨコイ塗装にご相談ください。信頼性と高品質な仕上がりをお約束します。

外壁塗装は家の寿命を延ばし、美しい外観を保つために欠かせないメンテナンスです。適切なローラーの選択と使い捨てによって、品質の高い外壁塗装を実現しましょう。

 

下地処理や下塗りにかかる期間について

外壁塗装工事で何が一番重要か?

 一般的に外壁塗装にかかる期間は、30坪程度の家の場合で1~2週間かかります。(ヨコイ塗装では、おおよそ3週間かかってしまいますが・・・)その工程としては、 ①足場組み、 ②下地処理、 ③屋根の塗装、 ④外壁の塗装&雨どい、雨戸等の付帯部の塗装 ⑤足場崩し ⑥掃除 という6つの工程で行います。

この中で、外壁塗装工事にとって最も重要な部分は②の下地処理となります。下地処理を簡単に説明すると、汚れをきっちり落として、塗装する前にきれいな状態にするという工程になります。

下地処理で何が変わるのか

 外壁塗装工事において、下地処理が重要な理由は、第1に仕上がりの美観を良くするため、第2に塗装の耐用年数を上げるためという2つの目的があります。下地処理をきっちりやってないために、せっかく塗った外壁が部分的に1年~3年で剥がれたりめくれのトラブルになってしまうというケースもあります。

そのため、多少コストがかかっても、塗りなおすことを考えると、きちんと下地処理を行う業者に依頼した方がお得という結果になります。では、なぜ下地処理によって、ここまで差が出るのかということを理解するために、塗装の劣化原因について確認してみましょう。

塗装の劣化要因

結局、塗装が持たないのは??

塗膜の劣化要因についてお話をします。主なものとしては3つあります。

1つ目が紫外線、2つ目が熱、3つ目が水になります。

紫外線がうまくに与える影響はかなり大きいです

したがって、なるべく紫外線対策には、紫外線に強いフッ素系の塗料やシリコンの含有量が多い塗料、そういったものを使うと良いと思います。

熱による塗膜の伸び縮みに対応するためには

職人さんにローラでたっぷりと、ペンキを含まして、なるべく塗膜の厚みをもたしてもらう、そんな工夫もできます。経費を浮かせたい業者さんなんかは、むやみやたらにシンナーで塗料を薄めて、なるべく塗れる面積を増やそうとすることも考えれないわけでもありません・・・なるべく使用した塗料の量を明確にするためにも、使用後のペンキ缶を見せてもらう、そんなこともしても良いかもしれません

水に関して

まずは、壁が十分に乾いている状態で塗る、そんなことが塗装の基本になっています。またお化粧と一緒で、充分な下地処理をしてからやっと塗装を始める、そういったことも塗装する基本になってきます。

下地処理では

外壁についた汚れやコケ、藻をきれいに掃除するために高圧洗浄やバイオ洗浄を行ったり、古くなったコーキングを補修したり、外壁に生じたヒビを補修したりと、外壁塗装を実施する前に行う準備作業を実施します。

下地処理にかかる工期について

 下地処理には、

  • ケレン作業
  • 外壁の高圧洗浄
  • ひび割れ補修 
  • コーキングの補修、

と、4つの工程があります。

ケレン作業

 ケレン作業の部位としては、軒裏、雨樋、トイ金具、庇、水切りなどがあります。これらの補修作業の目的も外壁の補修やコーキングの補修と同様に、塗装する部分の汚れ落としと、表面の目荒らしをして塗料の密着力を高めるといった目的があります。これらの作業は、高圧洗浄の前に行うのがコツで、ケレンで出た埃を、洗浄で一緒に洗い流すことで手間が省けます。

塗装前の外壁の洗浄

 外壁についた汚れやコケ、藻といった汚れや古い塗料を除去する作業となります。基本的には高圧洗浄機によってしっかりと汚れを落としていくことになりますが、高圧洗浄機が使用できない部分については、手作業で汚れを落としていくことになります。

あまり品質の高くない業者の場合は、高圧洗浄機でざっと汚れを除去するだけの場合や、そもそも洗浄作業を行わないという場合があります。汚れが残っていた場合は、汚れの上から塗料を塗ることになりますので、その汚れが剥がれる際に、一緒に塗料が剥がれてしまうことになります。そのため、この洗浄をしっかりと行わなければ、外壁との密着性が悪く、外壁塗装の耐久性が大きく低下することになります。

外壁の洗浄は、一般的な住宅でおおよそ半日はかかります。塗装面が広い場合や、汚れがひどい場合には、普通に作業を実施してもまる1日かかる場合もあります。これより短い期間で外壁の洗浄が終わる場合は、外壁の洗浄がおろそかになっている可能性があります。

見積もり時に、高圧洗浄にかける時間を聞いて比べることで、業者の比較材料にすることが出来ると思います。

外壁のひび割れ補修

塗装工事ではペンキを塗る前にヒビを補修する必要があります。そのまま塗装を行うと、例え新しく塗装をしても、塗料で埋まるわけでもなくひび割れが目に見えて分かり、見た目悪いことがあります。また、ひび割れをしっかりと補修しておかないと、さらにひび割れが酷く進んでいきます。(そもそもの構造的な欠陥には、塗装での対応も限度があります。)ひび割れ処理をしていないと、雨水等が侵入することで、躯体内部の劣化が進み、大事なことにもなりかねないので、早めの対応が必要です。

この作業は、ヒビの数や大きさによって補修にかかる日数は異なります。ほとんどヒビが発生していない場合や、発生していてもあまり大きくない場合は、1日で補修ができますが、ヒビが大きい場合や数が多い場合は、2日以上必要となる場合があります。

コーキングの補修

 外壁材にサイディングボードを使用している場合には、サイディングボードをつなげているコーキングの補修も行う必要があります。コーキング部分も経年劣化によりヒビや痩せといわれる縮みが発生して隙間ができてしまいますので、基本的には塗装前に古いコーキングを除去して、新しいコーキングを入れなおします。

 

ここも、外壁の補修と同様に古い状態でそのまま上から塗装してしまうと、新しく塗った塗料もろとも、古いコーキングが剥がれてきます。また、施工時はコーキングの乾燥や雨天時のサイディング断面への染み込みに配慮する必要があります。 (コーキングに作業において マスキングテープの種類によって作業時間は異なってきますので、 職人さんがどこまでマスキングテープにこだわっているかを知ることも作業品質を見極めるコツになります。)

参考:塗装工事の養生テープの種類と使い分けに関して

下塗りにかかる工期について

 下塗りは、これから実施する中塗りや上塗りという実際に色を付ける塗料を塗る前に、その本番の塗料がしっかりと外壁材に密着するように補助するための下塗り塗料を塗る作業となります。下塗りをしっかり行っておかなければ、中塗りや上塗りで塗った塗料は、外壁材にしっかり密着せずに簡単に剥がれ落ちる原因となってしまいます。

外壁の素材に適したペンキを使うことが大切で、塗料に対する知識も必要になってきます。一般的なお住いでは、下塗りに必要な期間は1日とされています。

一口に塗装業者といっても、ヨコイ塗装のように、直接ご依頼をお受けして塗装工事を行う業者もあれば、受注だけ行って、実際の塗装工事は下請け業者に丸投げするという業者もあります。もちろん、下請け業者を利用するのが悪いわけではありませんが、直接ご依頼をお受けして工事する場合に比べて、受注を受けた業者のマージンが発生しますので、そのマージンの分、お客様から頂く料金を高く設定するか、下請け業者に支払う料金を下げる必要があります。マージンの分、料金に上乗せがされていますと、お客様が通常より高い料金を支払わなければなりませんので、相場よりも高い工事費が発生することになります。

逆に、マージンの分を下請け業者に支払う料金から差し引いていた場合、下請け業者は通常よりも安いコストで塗装工事を行わなければならない状況となってしまいます。そうなると、本来必要な工程を省略する、いわゆる手抜き工事が行われる可能性があります。

では、どの工程で手抜き工事が行われやすいのかというと、パッと見ただけでは仕上がりに影響しない「下地処理」で手抜きが行われることが多くなります。しかし、「下地処理」で手抜きが行われた場合、その塗装工事の品質は非常に低いものとなってしまいます。

参考:シーラーとは接着剤に近いです

下地処理で実施すべき作業

 まずは、塗装工事における下地処理についてご説明いたします。下地処理は、実際に塗装を行う前に実施しておかなければならない作業を総称して使う言葉で、その内容としては、屋根や外壁の破損している個所の修理やシーリングの補修、付着している汚れ、コケ、藻等の除去となります。

 例えば、モルタルの外壁にクラックといわれるひび割れが発生している場合、外壁の素材そのものにダメージを受けている状態ですので、このまま塗装を行うことができません。そのため、しっかりとクラックを修復させたうえで塗装を実施する必要があります。ほかにも、外壁素材の中で鉄製のパーツを使っている部分には、サビが付着していることもあります。このまま塗装を行ってしまうと、塗膜の中で金属のパーツはサビに包まれている状態となりますので、見た目はきれいでも、内部でサビが広がってしまい、塗装後すぐにペンキが剥がれたり、最悪の結果、気付いたら、その部分から建物全体に大きなダメージが入ってしまうというケースも考えられます。

そのため、下地処理では最高のパフォーマンスで塗装を行うことができるように、しっかりと事前準備を行うという目的があります。

下地処理で手を抜くと…

 下地処理は、しっかりやっていようと、手を抜いてやっていようと、塗装工事が終わった直後であれば、なかなか変化に気が付きにくい作業となります。なぜなら、塗料を塗ってしまうと、これまでの外壁と新しい塗料による美しい外壁の差が大きく感じてしまい、手抜き作業が見えない可能性があるためです。

しかし、下地処理で手を抜いている場合、仕上がった工事の品質は非常に低いものとなります。例えば、外壁の補修を行わないまま塗料を塗っている場合ですと、塗料を塗った外壁はきれいに見えますが、塗膜の中の外壁材そのものはダメージを負ったままとなっておりそのクラック等は徐々に開いてしまいます。

クラックが開くと、雨水の侵入を許し、新しく上から塗っていた塗膜も、一緒に浮いたり剥がれ落ちてしまうこととなることもあります。そして、その時点で新しい塗料による防水性能等は機能しなくなってしまいます。ほかにも、高圧洗浄で手を抜いた場合は、外壁材に塗装しているのではなく、外壁材に付着している汚れに塗装しているということになりますので、塗料が簡単に剥がれ落ちる結果となってしまいます。

参考:外壁塗装工事後の塗膜の剥がれを防ぐために

下地処理をしっかりと行うためには…

 下地処理は手間と根気がいる作業です。その為、下地処理をしっかりと行うためには、職人の仕事に対する姿勢や向き合う時間も大切になってきます。しかしながら、下請けの厳しい環境かで利益を出そうとすると、どうしても仕事を急いでしまい、大切な作業を疎かにしがちになってしまいます。

しかし、このコストと時間は、建物の耐久性能を維持するためには必要不可欠なものとなります。この下地処理を、コストがかかるから、時間がかかるからといった理由で手抜きをしてしまうと、せっかく良い塗料を使っても、行った塗装工事の品質は非常に低いものとなってしまいます。

 しかし、下請け業者の場合は、使えるコストも納期も、自身でお客様と交渉することができず、親会社の指示に従わなくてはなりません。外壁材の状況によっては、修復に大きな時間が必要となると判断できる場合であっても、その時間を確保できないというケースも考えられます。

塗装の品質を決める下塗りの重要性

外壁塗装を行う作業の工程として、初めにケレンや高圧洗浄といった下地処理を行い、その次に実際に塗装を行っていくこととなりますが、この「塗装」というプロセスは

  • 「下塗り」
  • 「中塗り」
  • 「上塗り」

という3つのプロセスがあります。

基本的には、中塗りと上塗りは同じ塗料を使用してメインとなる塗装を行い、下塗りは別の塗料を使用して補助的な塗装を行うということになります。そのため、下塗りも下地処理の1つと考える業者もあります。この下塗りだけ、違う塗料を使用するのは、どんな理由があるのでしょうか。

ここでは、この下塗りがなぜ必要なのかについて、ご説明いたします。

 

下塗りの必要性について

 外壁塗装を行うにあたり、使用する塗料が少なければ少ないだけ、かかる費用が安くなるのは言うまでもありません。では、実際に希望している色の塗料以外、

  • 使わなければそれだけ安く外壁塗装を行うことができるのではないか、
  • なぜ希望している色ではない、別の塗料を使う必要があるのか、

疑問に思われる方もいらっしゃるかと思います。

確かに、下塗りを行う際にはシーラーやプライマー、フィラーといった専用の下塗り塗料を使用します。これは、単に使用する塗料を増やして費用を高くしようとしているのではなく、大きくわけて2つの理由から、これらの下塗り塗料を使用しているのです。

  • 塗料をしっかりと外壁に密着させるための「接着剤」の役割があるためです。どれだけ良い塗料を使用したとしても、外壁にしっかり密着していなければ、塗料はすぐに剥がれ落ちてしまいます。つまり、耐久年数を上げるためというのが1つ目の目的となります。
  • 塗料が外壁に吸収されすぎるのを防止するためです。塗料が外壁に吸収されてしまうと、吸い込みによるムラができてしまいます。一部はペンキが残り、一部は外壁に吸い込まれる・・・そんな状態で仕上げても、仕上がりが見苦しいものになります。また、吸い込みが激しいとその分、多くの塗料を使用しなければ外壁の塗装を行うことができません。つまり、使用する塗料が増えることによる費用の増加を抑え、お客様への負担軽減目的があるのです。

外壁塗装を行う場合、基本は下塗り・中塗り・上塗りの3回は必ず実施します。一部の業者は、「塗料の性能が上がったから」とか「うちは高い技術をもっているから」ともっともらしいことを言いながら、下塗りと上塗りの2回だけ、さらにひどいところでは、上塗りだけしか行わないという業者もあるようです。

そういった業者に依頼すると、確かに中塗りや下塗りの工程を飛ばすことができますのでその分、納期も短く、値段も安い金額を提示してくるようです.(稀に、もうけを多く出すために、それほど安くない金額で同じような塗装をおこなう業者もありますのでご注意ください)。しかし、本来、必要なプロセスを省略することで、高い品質を維持できるはずがありません。

 今回は、塗装の基本である3回塗りの概要についてご説明します。

下塗り・中塗り・上塗りの役割

  まず初めに、なぜ外壁塗装を行う際に、最低でも3回の塗装を行わなければならないかについて、それぞれの役割をご説明します。

①下塗り

 下塗りは、中塗り・上塗りで使用する塗料を外壁材に密着させるための塗装となります。そのため、使用する塗料は下塗り専用の塗料を使用します。下塗り用の塗料は、ほとんどが白か透明、クリーム色となっており、中塗り・上塗りの色ではありません。

 下塗りをしっかりと行っていない場合、中塗りや上塗りの塗料が外壁材としっかり接着されませんので、すぐに剥がれ落ちてしまう原因となります。ですので、「塗料の性能が良くなったから下塗りは不要」という業者があった場合は、まず信頼できない業者であると判断したほうがいいかと思います。

②中塗り

 中塗りは、下塗りが終わった後に塗装する工程で、塗装の完成色を使用して塗装していきます。しかし、外壁塗装を行う際に、1回塗っただけできれいに仕上がるということはなく、このプロセスでは、塗りむらや、塗り残しといった問題があります。また、中塗り1回だけでは、塗料の層が薄く、外壁を保護するために必要な塗膜の厚さを確保することができません。

③上塗り

 中塗り後に行う上塗りは、仕上げとして行う塗装となります。そのため、中塗りの工程で塗りむらや塗り残しがあったとしても、最後の上塗りでしっかりと塗装を行って、きれいな状態に仕上げていきます。さらに、中塗りと上塗りという最低2回の塗装を経て、外壁材に密着させる塗料の層を厚くすることで、塗膜が厚くなり、塗装の耐久性を向上させることができます。

参考:プロが教える!塗装工事の正しい工程と大事な目的

下塗りは1回限り?

 中塗り・上塗りのプロセスでは、塗装のむらをなくし、塗料の層を厚くしています。

では、中塗りや上塗りの塗料をしっかりと接着させることが目的の下塗りは1回限りでもいいのでしょうか。単純に考えると、あくまで中塗り・上塗りの塗料を外壁材に密着させることが目的の下塗りは、多少の塗りむらがあったとしても塗装の仕上がりとして目に見えてわかるものではないため問題なさそうです。

(カラーベスト屋根 1回目の下塗り後。吸い込んでしまい表面に下塗り材が残っていない状態)

しかし、下塗りを何回も行うことはあります。これは何のために行っているのかというと、劣化が激しい外壁材の場合、下塗りを1回だけ行ったとしても、本来求めている下塗りの効果が得られない場合があるのです。

何度もご紹介している通り、下塗りは中塗りや上塗りの塗料を密着させるために行います。そのため、外壁材と塗料の間に、接着剤のように残っていなければ意味がありません

しかし、劣化の激しい外壁材の場合、外壁材がもつ防水性能が極端に下がっている場合があります。この場合、下塗り用の塗料を1回塗ったとしても、外壁材が塗料を吸収してしまい、表面に接着剤としての下塗り用塗料が残らないことがあります。ですので、そういった外壁材の場合は、下塗りを何度も行うことによって、外壁材と中塗り・上塗りの塗料を接着させることができるだけの下塗り塗料の層を作り出すこととなります。

(上が3回目の下塗り後、下が2回め目の下塗り後)

これをしっかりと行っておかなければ、いくら「うちは基本に忠実に下塗り・中塗り・上塗りの3回塗装を実施している」と説明していたとしても、その下塗りの効果がほとんどないというケースにつながってしまいます。

ヨコイ塗装の下塗り

 ヨコイ塗装では、基本に従い下塗り・中塗り・上塗りの3回塗装を実施しています。もちろん、塗装を行うための下地処理が塗装の品質を左右する一番重要なポイントであると考えていますので、下塗りも同様に重要なポイントとしてとらえており、必要に応じて2回目、3回目、それ以上の下塗りを実施しています。特にカラーベスト屋根では、劣化が激しいのが最適な塗膜状態にしておくことが大切です。)

下塗り塗料の種類と使用用途

 下塗りを行うことによって、塗料が外壁にしっかり密着するとともに、外壁に塗料が吸収されることを防止するという目的があることは説明した通りです。この目的を達成するため、複数の下塗り塗料を使い分けることがあります。ここでは、下塗り塗料の種類と使用用途についてご説明します。

  • シーラーは「シール」が語源となったといわれています。その効果は、名前の通り外壁にシールを貼る、つまり外壁に接着剤を塗ることによって外壁とペンキの密着を良くする効果が期待できます。シーラーは塗料を吸い込みやすい素材であるモルタル壁や、サイディング壁によく使用される下塗り塗料です。
  • プライマーは、1つ目の目的である外壁と塗料を密着させることを重視した下塗り塗料で、外壁の中でも塗料をはじきやすい鉄やステンレス、アルミといった金属の外壁に使用されることの多い下塗り塗料です。(ステンレスに塗装する場合は専用のペンキをご指定ください)
  • フィラーの使用用途はシーラーとよく似ていますが、外壁に小さなクラックがあったり、多少の凹凸があり、塗装を行う際にムラが生じやすい外壁に使用される下塗り塗料で、主にモルタル壁に使用されます。

参考:リシン吹き付けのメリットやデメリット、劣化の補修方法について解説します

シーラーの種類

 シーラーは、大きく分けると2種類に分類することができます。

  • 1つ目は水系シーラーといい、こちらが最もよく使用されているシーラーとなります。
  • 2つ目は溶剤シーラーといい、この中でも外壁材への浸透性が高いものについては浸透性シーラーとも呼ばれています。(ヨコイ塗装では、ニッペさんの「2液浸透シーラー」をよく使います。)

シーラーの特徴

①水系シーラー

 水系シーラーは、水性シーラーとも呼ばれており、においが少なく作業が行いやすい(塗りやすい)という特徴があります。また、水性ですので、塗装に使用した道具の洗浄も容易です。また、塗装時における旧塗膜の素材を損なうことがあまりありません。しかし、水性の塗料となりますので、乾燥までの時間がおおよそ3時間~4時間程度かかってしまうため、その間は中塗り以降の工程に進むことができません。

②溶剤シーラー

水系シーラーが水性のシーラーなのに対し、溶剤シーラーは文字通りシンナータイプのシーラーとなります。水系シーラーと比べて速乾性が高く、30分~60分程度で乾燥しますので、手早く次の工程に移ることができます。また、溶剤のシーラーとなっていますので、水系シーラーよりも上に塗装する中塗りや上塗りの塗料をしっかり密着させる効果が期待できるとともに、外壁材が傷んでいたとしても、塗料によっては、もろくなった外壁材を強固に固め、その部分を補強するという効果もあります。

また、傷んだ外壁などでいくら塗っても下塗り塗料が外壁に吸い込まれてしまうような場合は、溶剤シーラーの中でも、浸透性シーラーと呼ばれるシーラーを使用します。浸透性シーラーは、塗料を吸い込みやすくなってしまった外壁材の内部に浸透して、外壁材そのものを強化し、また、中塗り塗料の吸い込みを抑えたり、仕上がり時のムラの発生を防ぐという効果があります。

このような溶剤シーラーにもデメリットがあり、

  • 1つは水系シーラーに比べてにおいが多く、作業もしづらいという点です。
  • 2つ目は、現在使用されている塗料によっては、旧塗膜と外壁材の密着が悪い場合(前回の低品質施工が原因)その塗膜をしっかりとはがさなければ場合があり、手間が増え、扱いづらいという点になります。

シーラーは使い分けるべき

 このように、水系シーラーと溶剤シーラーによって特徴は大きく異なります。そのため、塗装する部分の状態や外壁材によって、使用する塗料は変更しなければなりません。しかし、業者にとっては、作業が行いやすい水系シーラーを使用するのが、非常に楽です。

また、1つの塗料しか使用しなければ、複数の塗料を用意しなくてもいいので、コスト的にも安く抑えることができます。そのため、一部の業者では、下塗りを行う際に、すべて同じ水系シーラーを使用して塗り上げるというところもあるようです。

しかし、そのような下塗りをしてしまうと、外壁材の傷み具合によって、シーラーが外壁の中に吸い込まれてしまい、効果が得られない部分や、下地塗料の吸着にムラがある部分などが出てしまいます。そのまま中塗り・上塗りを行っていくと、塗料の密着に大きなムラが生じてしまい、ある部分はしっかり密着できているが、ある部分は全く密着できずに1年程度で塗料がはがれてしまうといったケースも出てしまいます。

そのため、下塗りで使用するシーラーは、場所によってしっかり使い分けなければなりませんし、使い分けない業者はあまり信用できる業者ではないと判断することができるでしょう。

プライマーを塗る目的

 プライマーは、主に鉄製品における下塗り材になります。プライマーを塗ることによって、トタンなどの金属製品と中塗りや上塗りで使用する塗料を、しっかりと外壁材に密着させることができますので、容易に剥がれ落ちることがなくなります。プライマーを塗らずに中塗りや上塗りを行ってしまうと、錆止めがしっかり作用しませんので、仮にきれいに仕上げることができたとしても、わずかな年数でサビが浮いてくる可能性があります。そのため、プライマーを塗ることでトタン等の耐久性を高めることができるということになるのです。

シーラーとプライマーの違い

 プライマーと同じように下塗り用の塗料として使用される塗料に「シーラー」という種類があります。プライマーには主に金属製品に足し、塗装の初めに塗る塗料ということになります。一方、シーラーは「塞ぐ」という意味があります。この塞ぐという意味は、外壁材に空いた小さな穴から塗料が内部に侵入するのを「塞ぐ」というところからきています。シーラーは、サイディングなどの外壁材の劣化等により、外壁材が水分(塗料を含む)を吸い込んでしまうような場合に、シーラーそのものが外壁材に吸収されることによって、その穴を塞ぎ、中塗りや上塗りで使用する塗料が外壁材に吸収されないことを目的として使用する下塗り用と塗料であると言えます。

プライマーのその他の役割

 プライマーは、外壁塗装に限らず、車等の塗装や板金工事においても、プライマーが使用されることがあります。

プライマーの使用方法

 プライマーは、外壁塗装を行う際、最初に行う下塗りとして使用する塗料です。そのため、下地処理で外壁材をきれいに清掃、修復した後に使用することになります。この下地処理をおろそかにしていると、外壁材の汚れやケレンをしていないサビの上からプライマーを塗ることとなってしまいます。

汚れやケレン未処理のサビの上からプライマーを塗るということは、プライマーそのものが外壁材と密着しませんので、プライマーの目的である外壁材と中塗り・上塗りの塗料を密着させるという効果を発揮することができません。そのため、しっかりと下地処理を行った外壁材に塗ることで、初めてその効果を発揮することができます。

また、外壁材の劣化状態によっては、1回塗っただけでは期待通りの効果が得られないケースもあり得ます。その場合は、2回・3回と下塗りを重ねて、期待通りの効果を発揮することができるまで重ねて塗ることもあります。(テープを貼っての付着実験をしたほうが良い場合もあります。)

こんな業者には要注意

 下塗り用の塗料には、プライマーの他にシーラーという塗料があり、それぞれ目的が異なるということをご説明しましたが、もちろん外壁材の状態によって塗料を使いわ分ける必要があります。

しかしながら表面に塩ビ処理がしてある途端に、ただ単にプライマーを塗ればよいかといえばそうではありません。塩ビ処理済みの途端には専用のプライマーが必要であり、一般のプライマーでは持つ効果を100%発揮することはできず、逆に剥がれの原因になることもあります。

プライマーが適した場所については問題ありませんが、専用プライマーが適した場所では、塗装事故に繋がる可能性もあります。そうすると、塗装が終わった直後の外観だけは良く見えても、実際には塗装することによる建物のメンテナンスの効果を得ることができず、結果として建物自体の耐久性能を下げてしまうことになるのです。

下塗りは、下地処理と同じくらい大切!

 下塗りは、その後に実施する中塗り・上塗りの品質、耐久年数を決定する非常に重要なプロセスとなっており、この下塗りをしっかりと実施するか、手抜きをするかによって、品質に大きな差が生じるとともに、場合によっては、吸い込まれた分の余計な塗料の費用まで負担しなければならなくなります。

一部の悪徳業者といわれる業者では、不自然に安い料金で受注する、もしくは自社の利益をかさ増しするために、下地処理と同様に下塗りも手抜きを行ったり、実施しなかったりするようなところもあるようです。

しかし、下塗りをおろそかにしてしまうと、塗りたてはよくても1年~3年で塗装がボロボロとはがれてしまうケースもあります。そのため、外壁塗装を行う際には、ご自身でしっかりと実施する工事の内訳を確認する必要があります。しかしながら、素人の方がご覧になっても、「ここは悪徳業者だ」と、判断することが難しいかと思います。ですので、最終的には知人からのご紹介や、過去に実績のある業者に依頼することが多くなってしまいます。

 外壁塗装の見積もりを取ると、大抵の業者で「下塗り」「中塗り」「上塗り」という3つの塗装プロセスが書かれているかと思います。この中で、中塗りと上塗りの違いとは何でしょうか。中塗りも上塗りも、全く同じ塗料を使用して、同じ場所を塗装します。そのため、1回目の塗装を中塗り、2回目の塗装を上塗りと表現している業者もありますが、中塗りの品質に問題があるからと、何度も中塗りを繰り返して品質を高める業者もあります。そのため、単純に1回目が中塗りで2回目が上塗りというわけ方ではありません。

中塗りの目的

 中塗りは、下塗りが終わったばかりの外壁材に、仕上がりと同様の(もしくは若干の色の変化のある)塗料で塗装する作業です。この中塗りでは、模様がフラットになりますので、どうしても塗料が多く必要になってしまいます。必要な塗料が多いと、コストが多くかかり、業者にとっても負担がかかるところでもあります。

 そのため、高額な塗料で発注していても、下請け先がコスト削減のために、必要以上にシンナー等で薄めると元も子もないことになります。薄まって塗膜の場合、そのままの状態で工事を行ってしまうと、塗膜の耐久性に問題が発生します。そのため、塗膜の厚みに関しては、最初に1キロなら幾らぐらい塗れますと、実際に見せてもらって、おおよその塗料の使用量を把握しておく事が大切です。

工事をする上で色々と注文をつけてはいけないという決まりはありませんので、缶のラベルや計量の様子を見せて頂くことで、工事の品質も向上させることが可能です。

工事の品質を考えると、性悪説にたって管理し、なおかつ職人さんに気持ちよく作業してもらう難しさがあります。

上塗りの目的

 上塗りは、中塗りによってできた塗膜を補強し、分厚くするという目的があります。外壁塗装を行う目的は、美観を高める効果の他に、建物のメンテナンスという意味もあります。外壁塗装を行うことで、防水性能が高まり、建物の中に水が浸入しづらくなることで、建物の基礎を作る木材が腐食することを防止していますが、この防水性能は十分な厚さの塗膜がなければ効果を発揮することはできません。そのため、上塗りでは中塗りの塗膜をしっかり補強し、分厚く頑丈な塗膜を形成することにあります。

また、上塗りには、塗装の最終仕上げという役割もあります。いくら塗膜が厚かったとしても、美観が悪ければ外壁塗装が成功したとは言えません。そのため、何度も塗装を繰り返すことによって、塗料のムラをなくし、きれいな美観を作り上げるのも上塗りの目的の1つといえます。

中塗りと、上塗りの色を若干の違いを設けて、塗り残しを減らすのも工夫の一つなので、お願いしてみても良いかもしれません。

上塗りは1回できれいに仕上げる必要がある?

 一般的に下塗り・中塗り・上塗りの3回塗装と言われていますので、それぞれ1回ずつ、合計3回しか塗装作業を行うことができず、それ以上は特別対応になると誤解されている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

下塗り・中塗り・上塗りとも、1回しか行ってはならないという決まりはありません。品質に問題があるのであれば、下塗りであっても、中塗りであっても、もちろん上塗りであっても2回3回と塗装を行っても問題はありません。

実際に、外壁塗装の品質を高めようと考えた場合、下地が脆弱な除隊や、ムラがある状態で次工程に進むよりは、塗装を繰り返すことによって品質を高めたほうが良い場合も多々あります。

また、乾燥させている最中に落ち葉などのものが当たってしまったというようなイレギュラーにおいても、中塗りの手直し、上塗りの手直しが必要な場合があります。こういったイレギュラーの場合に、塗装の手直しを実施するか、あまり目立たないからと、何ら手を打たないか、その辺りは業者と塗装状況によって一概には言えませんが、

どういう状況であっても1回だけで中塗り・上塗りを終わらせる業者よりは、高い品質を維持するために複数回の塗装でも実施してもらうことのできる業者のほうが、信頼のおける業者といえます。

 

塗装工事にケレン作業は本当に必要?

只今、扶桑町で補助金を使った塗装をしています。お客様から疑問が出ましたので、ケレン作業について書いて行きたいと思います。

 

外壁塗装を行う下地処理で、一番初めに行う作業がケレン作業です。塗装業者から見積書を取った時にも「ケレン」という言葉で記載されていることがありますが、一般的には「ケレン」という言葉はあまりなじみがありません。そのため、この「ケレン」という作業がどんな作業なのか、本当に必要なのか判断がつかないかと思います。今回は、この「ケレン作業」というのは、どういう作業を行うのか。外壁塗装を行う上で必要なのかについてご説明いたします。

ケレン作業とは

 ケレン作業は、これから新しい塗料を塗る外壁のサビや古い塗膜を落とす作業のことを言います。例えば、鉄製の部品を使用している外壁材であれば、少なくとも7年~10年程度は風雨にさらされている状態となりますので、少なからずサビが発生してしまいます。このサビがついている状態で塗料を塗ってしまうと、新しく塗った塗料の中で金属の部品はサビたままになっていますので、パッと見ただけではわからないような内部でサビが進行してしまい、気づいたころには鉄製の部品はサビで使い物にならなくなるという最悪な状況に陥ってしまうことがあります。

また、そこまでひどい状況にならなくても、サビが浮いている鉄製の部品に塗装を行っても、それは鉄製の部品そのものに塗料を塗ったのではなく、サビに塗料を塗っただけになりますので、サビがはがれた時には一緒に塗料もはがれてしまうといった状況にもなり得てしまいます。

そのため、鉄製の部品にでたサビについて、しっかりと落とす必要があるのです。では、「我が家は、外壁はすべて木製だからケレン作業は要らないよね」と、言われる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、木製の外壁材を使用している場合は、長年の風雨によって材木が毛羽立っていたり、へこみや傷などで外壁材に様々な汚れがついてしまっています。表面の汚れをしっかりきれいにすることもケレン作業の一つなのです。

また、素材の表面に微細な凹凸を作ることで、外壁材に塗料が密着させることができるため

塗装の耐久性が向上します。さらに、ケレン作業では古い塗膜の除去も行います。これまで長年の間、外壁材を守ってくれた古い塗膜ですが、すでに役割を終えて、十分な機能性を発揮できなくなってしまっています。経費がもったいないからと、この古い塗膜の上から新しい塗料を塗ってしまうと、新しい塗料は外壁材に密着せずに、古い塗膜についてしまいますので、古い塗膜がはげ落ちると同時に、新しい塗料もはがれてしまうという問題があるのです。

そのため、ケレン作業によってしっかりと古い塗膜をはがしておく必要があるのです。(ここが優良業者の見極めどころです)

ケレン作業は必要か?

 すでに、説明しているとおり、ケレン作業をしっかりと行わなければ、外壁材と新しい塗料がしっかりと密着しませんので、塗料の耐久年数が非常に低いものとなってしまうことになります。過去に、ケレン作業の手を抜かれていたことによって、通常7年~10年は持つといわれている外壁への塗装が、わずか1年~3年で剥離の症状が現れ、仕方なく再度外壁塗装を行ったという方もいらっしゃいます。そのため、外壁塗装を行う際、ケレン作業は必ず必要な作業となるのです。

なお、ケレン作業にかかる費用については、現在の外壁の状態によって実施するケレンが異なることから、その外壁を実際に確認してみなければ判断することができません。

参考:外壁塗装工事後の塗膜の剥がれを防ぐために

ヨコイ塗装のケレン作業

 ヨコイ塗装では、外壁塗装の品質はどれだけ丹念に下地処理を行ったかで決まると考えています。そのため、下地処理の1プロセスであるケレン作業についても一切妥協を行うことはございません。

サビを除去すべきところはすべて除去し、毛羽立った木材は、すべて修復し、古い塗膜は徹底的にケレン作業を実施いたします。そのため、他の業者よりもケレン作業に関する費用が高いというケースや、作業日数が多いというケースも出てしまいます。しかし、ここで時間や費用をしっかりとかけてでも、ケレン作業を妥協なく行うことで、高品質な塗装に仕上げるために必要な時間と費用となっています。他の業者よりも少し高く、また工期も伸びてしまいますが、最初のケレン作業をしっかりと行っておくことで、外壁塗装の仕上がりはとてもきれいに仕上がりますし、その耐久年数も長くなりますので、長期的に見た場合、外壁塗装にかかる費用は安くなるとかんがえられます。 

ケレン作業の重要性

 ケレン作業は、外壁塗装工事の品質を決定する非常に重要な作業であると説明しました。なぜ、ケレン作業が重要なのかというと、ケレン作業を行わずに、サビや汚れ、古くなった塗膜の上から塗装を行うと、塗装する面に大きな凹凸があるため塗装にムラが生じてしまい、美しく塗ることができません。

また、そのようにして行われた塗装は、外壁にしっかりと塗料が乗っておらず、サビや汚れの上に塗料が乗っているという状態ですので、外壁からサビや汚れが剥がれ落ちるときに、塗料も剥離してしまいます。また、外壁に塗料が乗っていませんので、サビや汚れと外壁の間に空洞ができてしまいます。その隙間は、塗料による防水性能は期待できませんので、水が入り込んでしまうと、家の内部が腐食してしまうという問題もあります。

つまり、ケレン作業は外壁塗装の美観だけでなく、耐久性にも大きく影響する重要な作業であると言えます。

ケレン作業の内容

 ケレン作業は、鉄の部分のサビをしっかり落とす作業がメインとなります。では、木造部分にはケレン作業を行わなくてもいいのかというと、そうではありません。木造部分では、サビはありませんが、木の毛羽立ちなどによる凹凸を慣らす作業が必要となります。

また、完全にツルツルに磨かれた状態では、逆に塗料が付着しません。そのため、細かな傷をつけて、塗料の乗りをよくするのもケレン作業の目的の一つと言えます。

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ケレンの種類

ケレン作業は、外壁の状態によって、2種ケレンから4種ケレンの中から、適切なケレンを行います。

  • 1種ケレンはサビや腐食が相当ひどい場合に使われることがありますが、一般住宅で行われることは、まずありません。なぜなら、一般住宅の場合において、1種ケレンが必要な場合は、その部分を取り換えてしまうほうが安価であるためです。1種ケレンは、ブラスト工法によりサビや古い塗膜を除去する方法になりますが、ブラスト工法は粉じんや騒音など、環境への配慮が必要とされていますので、非常に高価な作業となってしまいます。
  • 2種ケレンは、重度のサビや腐食がある場合に行われるケレン作業です。2種ケレンでは、電動工具を使用して、徹底的にサビや古い塗膜を除去します。2種ケレンも、非常にコストと手間が発生するため、取り換えの方が安価な場合が多く、一般住宅ではあまり使われることはありません。価格は、1㎡当たり1,400円~2,200円が相場となっています。
  • 3種ケレンは、サビや古い塗膜の劣化がひどくなく、サビていない部分や塗膜が劣化していない部分が残っている状況で使われるケレン作業です。3種ケレンは、主に手作業か電動工具によるブラッシングでサビや古い塗膜と除去します。3種ケレンが、ケレン作業において最も選択されているケレン作業になります。価格は、1㎡当たり500円~1,200円が相場となっています。
  • 4種ケレンは、サビや古い塗膜がほとんどなく、表面を洗浄するレベルできれいにできる状態の場合に選択されるケレン作業です。主に手作業で、紙やすりを使用して行われます。価格は、1㎡当たり200円~400円が相場となっています。

 

まとめ

 ケレン作業はサビや汚れ、腐食の度合いによって、コストが大きく異なります。特に、1種ケレンや2種ケレンを行わなければならないほど、重度なサビや腐食がある場合は、ケレン作業ではなく、取り換え作業になりますので、非常に高価な工事となってしまいます。

 しかし、そこで取り換えを行わずに、塗装でだましだまし使っていたとしても、塗装自体の耐久性も下がるうえに、塗料がしっかりと付着しませんので、家そのものの耐久性も下がってしまう事となります。そのため、1種ケレンや2種ケレンが必要な状態まで進んでしまうと、非常に高いコストを支払わなければならなくなるのです。

しかし、3種ケレンで対応できる状態で外壁塗装工事を定期的に行っておけば、サビや汚れ、腐食も定期的にきれいに取り除かれていますので、比較的安く、塗装もいい状態をキープすることができます。さらに、塗膜が古くなる前に塗り替えますので、防水性能も高く、家へのダメージも少なくて済みます。(ここでの作業の質が、品質につながり、良い職人かどうかの分かれ目になります。)そのため、定期的に外壁塗装工事を行うことで、外壁のメンテナンスを行うことをおすすめいたします。

外壁塗装工事の助成金を受けルポイントは? |扶桑町の外壁リフォーム【ヨコイ塗装】

https://youtu.be/cGfjA08ytE4

2月になると塗装工事の補助金が締め切りの時期になってきました。今日は外壁塗装工事における助成金(補助金)を受け取る方法についてお話しします。

扶桑町の場合、1,000,000円以上の工事で200,000円の補助金が支給されます。外壁塗装の補助金は絶対に使用したほうがいいです。扶桑町近郊で塗装工事をしているとあまり知っていない方がいらっしゃいます。金額的にも200,000円と言うかなりの大きい金額がもらえる可能性があります。せっかく扶桑町に住んでいるのでしたら使用しないでは無いですよね。また申請が通らない事はほとんどないです。ポイントは3つです。

  1. メーカーによっては色の種類が少ないこと。
  2. 役場の締め切りが近い工事になると、納期に回せないといけないため、工事が雑になる可能性があること。
  3. 2回目の申請はできない事です。なるべく大きい金額で申請をすること。

外壁塗装の補助金は絶対に使用したほうがいいです。扶桑町の場合、1,000,000円以上の工事で200,000円の補助金が支給されます。

http://www.j-reform.com/reform-support/joho/list

申請と補助金の受け取り方

補助金の受け取り方ですが、多くの場合は工事終了前に申請を行い、工事終了後に補助金を受け取るというケースが多いようです。この申請も、自分でしなければならない場合や、業者が手続きを行う場合など、自治体によって様々となっています。扶桑町の住宅助成金の申請は、お仕事等でお忙しい方が多いので、ヨコイ塗装で代行させて頂いております。

扶桑町での補助金申請

 扶桑町では「扶桑町環境にやさしい住宅改善促進事業」として、扶桑町内に本社を有する施工業者を利用して行う工事に対して最大20万円の補助金を支給する制度が平成29年4月3日(月)より開始されました。

①「扶桑町環境にやさしい住宅改善促進事業」で補助金を受けるには

「扶桑町環境にやさしい住宅改善促進事業」による補助金を受けるには、工事前に申請を行う必要があります。また、平成25年、26年、27年、28年度に補助金を受けている方(および同一の住宅)、町税等の滞納がある方については補助の対象となりません。

②補助金の対象となる工事

対象の工事は、既存の住宅(自己所有に限る)の修繕や補修など、10万円以上の住宅改善工事で、その工事を扶桑町内に本社を有する施行業者に依頼したものに限られます。また、令和2年2月28日(水)までに工事を完了しておかなければ補助金の対象とはなりません。

③補助金の支給額

 「扶桑町環境にやさしい住宅改善促進事業」の補助金は、通常の塗装工事であれば、「住宅改善工事」として、工事にかかる経費の10%(上限10万円)が補助金として支給されます。また、同時に遮熱塗装工事や断熱性能を高める工事を行った場合、「環境にやさしい住宅改善工事」として、「住宅改善工事」と合わせて、工事にかかる経費の20%(上限20万円)が補助金として支給されます。

④補助金をうけるまでの流れ

「扶桑町環境にやさしい住宅改善促進事業」を利用して補助金を受ける場合、最初に事業内容の相談を行うところから開始します。次に補助金交付申請書を提出し、約1週間程度で送付される「交付決定通知」を待ちます。この「交付決定通知」を受け取る前に着手された工事は補助金の対象となりませんので、この交付決定通知が送付されるまで工事の着手を行わないよう注意が必要です。

 その後、工事を実施し、工事の完了次第「実績報告」を提出します。この実績報告は工事終了後30日以内(もしくは平成30年2月末日までの早い日)に提出する必要があります。実績報告の提出から1ヶ月程度で補助金が支払われます。

3.まとめ

 定期的に行わなければならないメンテナンスではありますが、その費用面から塗装工事を行っていない方もいらっしゃるかと思います。このような自治体からの補助金は、その工事を少しでも安く実施できるチャンスとなります。補助金を受けるための手続きは多少めんどうではありますが、それによって受け取れる補助金の額を考えれば、十分にお得な制度であるといえます。

 今回、愛知県扶桑町で「扶桑町環境にやさしい住宅改善促進事業」として塗装工事も対象となる補助金制度が4月3日から開始されました。塗装工事だけでも工事費用の10%、上限10万円という比較的大きな金額が補助金として支給されますので、ぜひ、この機会に有効活用されてはいかがでしょうか。

参考:プロが教える塗装工事の正しい工程と大事な目的

 

外壁塗装工事にかかる料金の公開|扶桑町の外壁リフォーム【ヨコイ塗装】

外壁塗装工事にかかる料金を公開!

外壁塗装は、持ち家のメンテンナンスとして7年から10年に1回は実施しなければならず、その費用も比較的高額となります。

今回は、そんな外壁塗装の料金を工程別、塗料別に見ることで、おおよそどのくらいの料金が適正価格なのかを確認していただきます。ここから大きくはずれた価格(高すぎるor安すぎる)の場合は、その価格設定や工事の内容を慎重に確認したほうがいいでしょう。

参考:外壁塗装相場

1.外壁塗装の工程別費用内訳

 外壁塗装には、主に事前準備、下地処理、下塗り、中上塗りという工程があります。ここでは、それらの工程別に費用の内訳を確認していきます。なお、中塗りと上塗りについては、使用する塗料によって価格が大きく異なりますので、次項目で詳しく説明します。

− 事前準備

外壁塗装の事前準備には、足場の作成や養生といった作業があります。

 ・足場の作成

足場の作成は、2階建てであれば坪単価で500円~800円程度となります。3階建の場合、足場の高さが必要となりますので、同じ面積であっても坪単価は800円~1,200円とやや高くなります。

 ・養生

養生を行う範囲の坪単価として300円~500円程度となります。

参考:塗装工事の養生テープの種類と使い分けに関して  

・下地処理

 下地処理では、高圧洗浄による外壁の洗浄、破損した箇所の補修やシーリングの打ち直しといった作業があります。

高圧洗浄
専用の高圧洗浄機を使用した外壁の清掃は、坪単価150円~300円程度となります。

下地の補修
傷んだ下地を補修しなければならない場合、その箇所や大きさによって価格は大きく異なります。坪単価にした場合、価格は10,000円程度から20,000円程度と非常に幅広い価格帯となります。補修しなければならない範囲があまりに多すぎる場合には、外壁を塗装するのではなく、貼り替えを行うほうが安くつく場合があります。

シーリングの打ち直し
シーリング部分の劣化により、シーリングにヒビや溝がある場合、シーリングの打ち直しを行う必要があります。シーリングの打ち直しにかかる費用は、坪単価で500円~1,000円程度となります。あまりに劣化の範囲が広く、劣化の進捗状況も進んでいるようであれば、シーリングの打ち替えを行う必要があります。その場合、坪単価で1,000円~1,300円程度必要となります。


 − 下塗り   

下塗りでは、専用の塗料を使用して外壁と塗料を密着を高める効果のある専用の塗料を使用して塗装を行います。この費用は、坪単価で500円~1,000円程度となります。

2.塗料の種類と料金

塗料には、アクリル系塗料から光触媒塗料まで、大きく分けて6種類程度に分類することができます。最も安価であればアクリル系塗料から、その値段について確認します。

(1) アクリル系塗料

最も安価で、耐久性の低い特徴のあるアクリル系塗料の坪単価は、30,000円~40,000円程度となります。アクリル系塗料を使用すると、耐久性が低いことから、頻繁に外壁塗装を行わなければなりません。現在滅多に使われる事はありません。

(2) ウレタン系塗料

次に、少し前まで人気の高かったウレタン系塗料の坪単価ですが、こちらは35,000円~45,000円程度となります。

(3) シリコン系塗料

今最も人気の高いシリコン系塗料は、坪単価で35,000円~50,000円程度となります。

(4) フッ素系塗料

現在、住宅でも使用されるケースの増えてきたフッ素系塗料は、坪単価で40,000円~60,000円程度となります。

(5) 断熱塗料

塗料の中に断熱効果のある素材を入れた断熱塗料は、坪単価45,000円~60,000円程度となります。

(6) 光触媒塗料

現在、もっとも高価と言われている光触媒塗料ですが、その費用は坪単価50,000円~70,000円程度となります。

3.まとめ

以上のように、外壁塗装はその工程別や塗料別に料金を算出することができます。もちろん、外壁だけでなく屋根も同時に塗装する場合は、金属部分の補修もしくは木材部分の補修を行う場合は、その価格が追加で上乗せとなることに注意が必要です。これらをすべて合計した場合の価格が、外壁塗装の価格相場であるということがいえます。

例えば、住宅の面積が20坪から30坪未満の場合、外壁塗装にかかる費用は1,000,000円程度となります。もちろん面積が増えるにつれ、価格は高くなってしまいます。例えば、30坪から40坪未満の場合、1,050,000円程度、40坪から50未満の場合、1,200,000円程度、それ以上の場合は状況によって異なりますが、概ね1,500,000円となります。

これら相場の価格から大きく異なっている価格を提示された場合、あまりにも安すぎる契約、もしくは高すぎる契約につて、しっかりと確認しなければなりません。見積もりを取得する際には、合計金額だけでなく契約書の各項目で相場から逸脱しているものがないかの確認をしっかり行い、不明点があれば、契約前にしっかりと聞いておきましょう。

 

☎0587−93−1546

塗装工事における塗料の品質と道具について|扶桑町の外壁リフォーム【ヨコイ塗装】

 塗装工事を行う上で、どれだけ高品質な工事を行えるかについては、職人さんの腕にかかっているといえます。しかし、いくら腕のいい職人さんであっても、品質が悪い塗料を使用していたのでは、高品質な工事を行うことはできません。なぜなら、塗料こそが、塗装工事の主役であるためです。塗装工事における塗料と職人さんの関係は、車とドライバーに例えることができるでしょう。いくら腕のいいドライバーであっても、車が欠陥品であれば、いい運転をすることができません。逆に、車が高性能であっても、ドライバーの腕が悪ければ、これも、良い運転ができません。車が高性能でドライバーの腕もいいという関係で初めて、良い運転を行うことができます。塗装工事でも、塗料の品質と職人さんの腕の良さがそろって、初めて高品質な工事を行うことができます。

今回は、そんな塗装工事の主役である塗料の品質についてご説明します。

1.塗料メーカーによる品質

 塗装工事で使用する塗料といっても、様々なメーカーから発売されています。有名なところでは、日本ペイントやエスケー化研、関西ペイントという大手3社があげられます。ついで、日進産業、アステック、水谷ペイントといった中堅の塗料メーカーも存在します。特に、大手3社に関しては、その品質について、日本だけでなく世界中で高く評価されていると言われています。その為、国内のシェアで見た場合、大手3社で9割ものシェアを誇っていると言われています。

 塗料メーカーが発売している塗料については、一定の品質が保証されています。その中でも、各塗料メーカーによって得意な分野があり、

例えば、大手3社の場合は、

  • 日本ペイントはシリコン系、フッ素、光触媒といった塗料に、
  • エスケー化研はアクリル系、水性シリコン系の塗料に、
  • 関西ペイントは、ウレタン系、シリコン系の塗料に

強いと言われています。つまり、各塗料メーカーで得意としている塗料を使用することで、高品質の塗料を使うことができるということになります。

参考:ウレタン塗装について

2.オリジナル塗料の品質

 一部の塗装業者では、自社で開発したオリジナルの塗料をすすめるケースもあります。このオリジナル塗料を使用するケースは2通りあります。1つは、大手ハウスメーカー等でまれに行われることですが、どうしても市販の塗料では実現できない色や機能を実現させるために、本当に自社でオリジナルの塗料を開発するというケースです。この場合のオリジナル塗料については、塗料メーカーの塗料よりも全体的な品質は低くなりがちですが、大手ハウスメーカー等が求める色や機能については、他ではない色、機能を出すことができます。

 もう1つのケースは、他社が開発したOEM商品を、相場をごまかすために「オリジナルの塗料」としているケースです。この場合は、塗装業者の利益確保が目的ですので、品質の割に価格が高い、もしくは価格は非常に安価であるが、品質が非常に悪い塗料となっているケースが大半ですので、注意が必要です。

3.塗料を塗るための道具

 職人さんの腕がよく、塗料も高品質なものを選択したとしても、実際に塗料を塗る道具が悪くては、キレイに塗ることができません。先程の車で例えるなら、この道具は車の「タイヤ」に相当する部分です。いくら車の性能が良くても、「タイヤ」がつるつるでは、上手く走らせることができません。

 では、塗料を塗るための道具にはどのようなものがあるのでしょうか。

①ローラー

 ローラーは、外壁塗装でよく使われる道具で、一般的には6インチのスモールローラーがよく使用されています。外壁部分によって、差し込みのタイプや直径の太さ、ローラーの長さ、毛の長さ、毛のタイプといった異なるローラーから、最適な道具を選択して塗装工事を行います。

参考:塗装工事におけるローラーの使い捨てについて

②ハケ

 細い部分や細かい部分をキレイに塗るために必要な道具がハケになります。ハケも、塗料を塗る部分に応じて、筋違ハケや目地ハケといった、異なる形のハケを使い分けます。また、毛の種類も、ヤギ・ブタ・ウマ・樹脂といった種類を使い分けて使用します。

4.まとめ

 塗料も塗料を塗る道具も、様々なメーカーから様々な品質・種類のものが販売されています。塗料については、基本的にはメーカーから販売されている塗料を使用して、塗装する外壁の色を作成する方法が一般的となっています。塗料メーカーは、塗料の作成を専門的に行っていますので、塗料の品質に関しては申し分ありません。特に、日本の3大メーカーと言われている3社は、明治や大正の時代から塗料を作成していますので、その間のノウハウも盛り込まれた塗料として信用することができます。

道具については、通常は、職人さんが自分に合っている道具をチョイスして使用しているはずですので、無理に別の道具を使用させたとしても、上手く使うことができません。利益重視ではなく、品質重視の職人さんが使用している道具については、職人さんが自らの経験を元に、こだわりをもって、その道具を選択していますので、高品質な塗装工事が可能となっています。

扶桑町、大口町、犬山市、江南市で外壁塗装でお悩みの方は、ヨコイ塗装にお気軽にご相談ください。

☎0587−93−1546

外壁塗装工事におけるひび割れ補修の仕方

外壁が劣化した場合に発生する症状の一つである「ひび割れ」ですが、壁にひび割れがあると、外観上も良くありませんが、放置しておくことで、家そのものの耐久性の低下につながる状態と言えます。今回は、そんなひび割れについて、状態ごとの補修の方法をご説明いたします。

1.ひび割れの状態について

 外壁にひび割れが生じているといっても、全てが同じ症状ではありません。外壁のひび割れが、どこまで深くまでひび割れしているかによって、補修方法は大きく異なります。

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①浅いひび割れ

 浅いひび割れは、「チェッキング」や「ヘアークラック」と言われ、外壁に塗られている塗膜のみがひび割れている状況の事を言います。この状態のひび割れは非常に細く、ひび割れは塗膜のみですので、早めに外壁塗装工事を行うことで補修することが可能です。 浅いひび割れの原因は、塗膜の経年劣化や、塗装時の下地処理等の不手際などが考えられます。

②深いひび割れ

ひび割れが外壁材にも影響している状態が、深いひび割れとなります。深いひび割れには、乾燥クラック、構造クラック、縁切りクラックという3つのパターンがあります。

  • 乾燥クラックとは、モルタル外壁で発生しやすいひび割れです。モルタル外壁は、ペースト状のモルタルを完全に乾燥させた後に塗装工事を行うことで仕上げますが、ペースト状のモルタルを乾燥させる過程で水分の蒸発による収縮が発生し、それによってモルタル外壁そのものにひび割れが発生し、れが塗膜にまで伝達することによって発生します。
  •  構造クラックは、建物や外壁そのものの構造的な欠陥や、不同沈下などの原因によって、外壁そのものがひび割れしてしまう現象のことを言います。寒冷地において、外壁が凍結と融解を繰り返すことによっても発生する可能性があります。
  •  縁切りクラックは、モルタル外壁において、モルタルの塗り継ぎ部分に発生するひび割れとなっています。通常、モルタル外壁は、一度に一面を仕上げることとなりますが、部分的なやり直しなどの原因によって、古いモルタルと新しいモルタルが塗り継ぎされている場合、収縮の差によりひび割れが発生してしまうことがあります。これを縁切りクラックといいます。

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2.ひび割れの補修に関する検討

 ひび割れは放置しておくと、塗膜によって防いでいた水分がひび割れ部分から侵入してしまい、外壁材や建物の内部を腐敗させてしまうことにつながります。そのため、ひび割れについては、できるだけ早めの補修をおすすめしますが、ひび割れの大きさによって、緊急性が異なります。

 塗膜のみがひび割れしている浅いひび割れの場合、幅が0.3mm以下であれば、ひび割れが外壁材まで到達していないことが多いため、すぐに補修しなくても問題はありません。ただし、ひび割れの幅が広くなっていないか、定期的にチェックすることが必要です。幅0.3mm以上のひび割れが見つかった場合、補修を検討しなければなりません。特に、幅1mmを超えるひび割れは、ひびが外壁材にまで到達している可能性が高いため、必ず業者による調査が必要となります。また、幅3mmを超えるひび割れが見つかった場合、外壁材そのもののひび割れも懸念されますが、すでに内部に水分が侵入していると見て間違いありません。幅3mmを超えるひび割れを見つけた場合は、早急に業者に補修を依頼する必要があります。

3.ひび割れの補修方法

 塗膜にしかひび割れが発生していない浅いひび割れや、外壁材も少しひび割れしているが、細いひび割れで済んでいる間は、外壁塗装工事を行うことで補修ができます。細いひび割れ程度であれば、下塗りで埋めることができますので、問題はありません。

 外壁材に少し大きめのひび割れが発生している場合、ウレタンもしくは変成シリコンのコーキング材でひび割れを埋めておきます。このコーキング材を埋める方法として、VカットとUカットという方法があります。VカットやUカットは、コーキング材を入れるひび割れ部分を、V字もしくはU字にカットし、コーキング材をしっかり充填させる目的で行われます。

 コーキング材でひび割れを埋めた後は、フィラー塗付を行います。フィラー塗付はひび割れ部分を平滑にするために使われます。さらにそこから、凹凸処理(塗料をしっかり乗せるために、あえて細かい傷をつける処理)を行い、塗装工事を行います。ひび割れ部分は、コーキング材で埋めていても、構造クラックや縁切りクラックのように根本的な原因を解決することができないものについては、ひび割れが進行することが考えられます。そのため、ひび割れ部分には、ひび割れが進行するのに合わせて追従することができる弾性塗料を使用することが望ましいとされています。

特に、ひび割れが発生しやすいモルタル外壁の場合は、よく使用されています。ただし、サイディングボードに対しては、外壁材の膨れの原因になるため、使用することができませんので注意が必要です。

参考:コーキングとシリコンの違いについて

参考:プロが教える!塗装工事の正しい工程と大事なの目的

外壁塗装工事の流れについて|扶桑町の外壁リフォーム【ヨコイ塗装】

塗装工事と言っても、外壁に塗料を塗るだけではなく、様々なプロセスがあります。各プロセスでどのような工事を行うのかについて、ご紹介させていただきます。

お問い合わせ・現地調査・見積もり・ご契約

  まず初めに、塗装工事をご依頼いただく前段階として、お客様からお問い合わせをいただきます。お問い合わせの段階では、お客様が望まれている工事の内容や、劣化が認められた部分、大まかな環境をご確認させていただきます。

しかし、お問い合わせいただいた際の内容だけでは、詳細な状況はわかりかねますので、次に、実際に現地調査を行います。お客様からお問い合わせ時にご確認させていただいた劣化部分を実際に確認して、どのような塗装工事を行うべきかの判断や、施工環境の確認等を実施します。この段階で、ようやく塗装方法についてご提案させていただくことができます。

また、見積書の作成等も、現地調査が終わってから作成することとなります。この段階で、不明な点や確認したい点は、細かくお話しいただくと、さらにご要望にあった工事ができる可能性が高まります(屋根や外壁の状況次第では、全てのご要望にお応えすることができない場合があります)。工事内容、見積もりについて、ご納得いただけましたら、工事の契約となります。

契約完了後、実際の工事の日程調整や工事の計画に関する打ち合わせを行います。

工事の前準備

 塗装工事は、どうしても塗料の匂いや足場組み等による音が発生しますので、工事の前準備として、近隣の方々への挨拶と、工事の概要のご説明を行います。外壁塗装におけるトラブルとして、近隣住民の方々からのクレームという問題が非常に多く発生していますので、この事前準備は欠かすことができません。可能であれば、家主様からのご挨拶もあれば、より心証がよくなりますので、家主様からのご挨拶も行っていただければと思います。

現場管理アプリがオススメ

現場管理アプリを使って進捗状況を把握することが品質につながります。工事の揉め事を減らすためにも内容を見える化しておきましょう。また言った言わないのコミニケーションのズレが 起こりにくくするためにもアプリの活用をお勧めしております。

塗装工事の工程とそれぞれの納期

 塗装工事は、ただ屋根や外壁に塗料を塗るだけではなく、様々な準備や工程があります。まずは、工程ごとの作業期間について確認してみましょう。

①ご近所様へのご挨拶

 塗装工事を行うにあたり、騒音や塗料の臭いはどうしても発生してしまいます。そのため、はじめにご近所様へ、塗装工事を行う旨のご挨拶に訪問します。このご挨拶については、1日で完了することができます。

②足場の組み立て

 塗装工事を行う場合、高所の塗装も行いますので、職人が安全に工事することができるように足場を組んで作業を行います。この際、建物の周りに置かれてあるお荷物で移動可能なものについては、足場を組む際に移動をお願いすることもありますので、ご協力をお願いします。

屋根や外壁を塗装するために、職人が作業を行うための足場を組みます。こちらについても、1日あれば作業は完了します。また、状況によりますが、①と②をあわせて1日で行うこともあります。

③屋根や外壁の洗浄

塗装工事で最も重要なプロセスとなります。初めに、屋根や外壁の高圧洗浄を行い、汚れをしっかりと落とします。この高圧洗浄を疎かすると、汚れの上から塗料を塗ることになってしまい、屋根や外壁そのものに塗料が塗れていないという状況になってしまいます。

そうなると、汚れが剥がれる際に、塗料も同時に剥がれてしまい、通常7年~10年は持つと言われている塗装が、1年程度で剥離してしまうというケースもあります。そのため、塗装前に、しっかりと汚れを落とし切ってしまう事が非常に重要なプロセスとなっています。

 実際に塗装する部分の汚れやカビ・コケを、高圧洗浄によって除去します。この洗浄については、塗装範囲の広さや業者によって大きく期間が異なります。塗装範囲が狭い場合は1日で完了しますが、広い場合は、それなりに日数がかかります。また、同じ塗装面積であっても、簡単にしか洗浄しない業者は短時間で終了させるのに対し、丁寧に行う業者は、その何倍もの時間をかけて洗浄します。

この洗浄については、丁寧に行えば行うほど、仕上げの品質に影響します。雑な洗浄歯科していない場合は、汚れの上から塗料を塗ることとなり、綺麗に塗れないばかりか、耐久性も低いものとなってしまいます。そのため、この洗浄の工程は時間をかけて実施する業者を選択した方がいいでしょう。

※高圧洗浄後はしっかりと外壁を乾かす時間をとることが大切です。壁に水分が含まれるている状況下での塗装は剥がれの事故につながるからです。

③下地処理

下地処理(クラック補修)

外壁にクラックがある場合は、その補修を行います。

下地処理は、塗料を塗る前に、古い塗膜を除去したり、ヒビやクラックを補修する作業になります。この工程についても、屋根や外壁の状態によって、納期は大きく異なることになりますし、業者によっても納期が大きく異なります。長年、メンテナンスを行っていなかった外壁や屋根の場合、ヒビやクラックの発生がどうしても多くなってしまいますので、その補修に時間がかかってしまいます。しかし、定期的にメンテナンスを行っている場合は、ヒビやクラックの発生が少ないため、短期間で終わらせることができます。

特にモルタル外壁の場合は、10年程度でも多くのクラックが発生する場合がありますので、下地処理として、経年劣化によって発生した細かなクラックを補修します。クラックの補修については、表層部分のみで留まっているような軽微なクラックであれば、下塗り材による刷り込みという作業を行います。これを行っておくことで、何も処理を行わずに塗料を塗るよりも耐久年数が向上します。

 また、クラックが深部にまで達する重度のクラックであった場合は、刷り込みを行ったとしても、軽微な地震等でひびが動いてしまい、効果がなくなることがあります。そのため、弾力性のあるシーリング材でクラックを埋める作業を行います。

また、同じ状態であっても、簡単にしか下地処理を行わないは短時間で終了させるのに対し、丁寧に行う業者は、その何倍もの時間をかけて下地処理を行います。これも、洗浄と同様に仕上がりの品質に大きく影響しますので、しっかりと下地処理を行ってもらう業者を選択した方がいいでしょう。

下地処理(塗膜の剥離)

塗料によってできた塗膜が、経年劣化によりチョーキングしている場合など、すでに塗膜が劣化している場合は、塗膜を剥がす作業が必要となります。劣化している塗膜も、外壁についている汚れと同様に、その上から塗料を塗った場合、劣化した塗膜が剥がれてしまう際に新しい塗料も剥がれてしまうという問題が生じます。そのため、劣化した塗膜についても、必ず剥がす作業が必要となります。

下地処理(パターン補修)

クラックの補修や劣化した塗膜の剥離を行った際に、その部分だけ他の部分とは外壁の見た目が異なってしまいます。このまま塗装工事を行ってしまうと、塗料を塗った後も、そこだけが違う仕上がりとなってしまいますので、この時点でほかの外壁に合わせた不陸調整やパターンの吹き付けを行います。この作業は、特にモルタル外壁で重要なポイントとなっています。

下地処理(シーリング処理)

サイディングボードを使用した外壁では、塗装工事を行う前にシーリング処理を行う必要があります。ヒビが入っているシーリングや、痩せてしまったシーリングを補修せずに塗装したとしても、塗膜だけでは防水しきれず、シーリング部分から浸水し、建物内部からの腐敗につながります。そのため、シーリング部分の補修は、必ず実施しなくてはなりません。

 コーキングの劣化に伴うコーキングの処理に必要な期間は、3,4日程度となります。こちらも建物の大きさや劣化しているコーキング部分の多さによって所要日数が大きく異なります。たまに前回の施工業者さんが、コーキングの3面接着をされいることがあります。こういった場合、コーキング撤去に手間がかかり時間が大幅に遅れます。

※コーキングはコーキング自体のひび割れ防止の為、両サイドだけの2面接着が正しい施工になります。

ケレン作業

ケレン作業に必要な期間は、2日~3日となります。ただし、修繕しなければならない部分が、非常に大掛かりな場合は大工さんに修繕を依頼する必要がございますので、その場合は数日から数週間かかる可能性があります。

④養生

下地処理まで完了すると、実際に塗料を塗るための養生を行います。塗装する範囲によって異なりますが、養生に必要な期間は1日~2日となります。この養生作業の後は、建物に熱がこもりやすくなりますので、必要に応じて塗装工事業者の確認の元、通気孔をあけるなどの対処を行うこともできます。

下地処理を行う際にも、必要に応じて実施しますが、本格的な塗装工事を行う前には必ず養生作業を行い、塗料が付着してはいけない部分を保護します。この養生作業の目的は、塗料の汚れから保護することですが、養生をきれいにできるかどうかで、塗装の仕上がりが大きく異なります。

例えば、外壁と窓の境界線ですが、境界線に沿って真っすぐ養生できていれば、非常に見栄えのいい塗装が行えます。しかし、養生のテープが歪んで貼られていた場合、仕上がりも歪んだ状態となってしまいます。そのため、養生作業は、塗装工事をきれいに仕上げるために最も重要なプロセスであるという業者さんもいらっしゃいます。

しかし、「ただ、まっすぐ貼るだけ」と思われるかもしれませんが、場所によっては、いびつな形であったり、凹凸のある外壁に対する養生であったりと、仕上がりは職人さん腕に大きく左右される工程になります。

参考:塗装工事の養生テープの種類と使い分けに関して

⑤下塗り・中塗り・上塗り

下塗り

ここから、本格的な塗装工事となります。業者さんによって、屋根から始める業者さんと外壁から始める業者さんがいらっしゃいますが、いずれにしても下塗り、中塗り、上塗りというプロセスで、それぞれの部分を塗装します。つまり、必ず3回塗ることとなります。

1回目の塗装である下塗りは、中塗り、上塗りの塗料をしっかり接着させることと、屋根や外壁の劣化により、塗料を吸い込んでしまう事を防止すること、上から塗る塗料の色を出しやすくすることという、3つの目的で行います。

  1. 最初の目的である「接着させること」についてですが、中塗りの塗料や上塗りの塗料は、接着性が高くありませんので、そのまま屋根や外壁に塗った場合は、塗装が剥離しやすくなります。しかし、下塗り用の塗料は、屋根や外壁との接着性が高く、また塗料も接着しやすい素材ですので、下塗りを行っておくことで、塗料の剥離を予防することができます。  
  2. 次の目的である「吸い込みの防止」ですが、屋根や外壁が劣化してしまうと、防水性能が著しく低下してしまいます。そのため、そのまま塗料を塗ってしまうと、塗料そのものが吸収されてしまい、塗料の使用量が大幅に増加してしまいます。それを防止するため、下塗りを行い、防水性能を低下させている細かなヒビや穴を埋めてしまいます。
  3. 最後の「塗料の色を出しやすくする」という目的については、大きく色を変える場合でなければあまり必要はありませんが、元が濃い色の外壁であった場合、それを消そうとすると、何度も塗る必要が出てきます。そのため、中塗りや上塗りで使用する塗料より安価な下塗り用塗料で希望の色に近くしておくと、色あせて来た時も目立ちにくく、塗装の回数を増やす必要がなくなり、余計なコストが発生しないというメリットがあります。

必要な期間は2日~4日となります。材料によって塗りやすさが変わります。また匂いが特に気になるようになるのはこの時期からになります。

中塗り

下塗りが完了すると、次は中塗りです。下塗り用の塗料は白か透明であることがほとんどですので、中塗りによってはじめて屋根や外壁に色が付きます。さらに、その色をしっかりと出すためにもう一度塗装を行います。これが上塗りです。

中塗り・上塗りの目的は、色を付けることによる屋根や外壁の美観を良くするという目的の他に、家そのものの耐久性を上げるという効果があります。中塗りや上塗りで使用する塗料は、種類にもよりますが、防水性能や断熱機能、遮熱機能がある塗料が使われます。これにより、屋根や外壁から侵入する水分を遮断し、家の内部の腐敗を防止することができます。中塗り・上塗りで使用する塗料によって、その効果は大きく変わりますので、ここで使用する塗料の種類については、業者さんと事前に十分、話し合っておく必要があります。

中塗りに必要な期間は2日程度となります。下塗り後も、完全に塗料を完成させたうえで上塗りを行うこととなりますので、下塗り同様、冬場や梅雨、雨天時には期間が延びることがあります。※ポッドタイムと言って、「23°前後では、〇〇間隔を開けること」と塗料の缶に記載があります。気になる人は業者さんに見せてもらってくださいね。

上塗り

塗装の仕上げとなる上塗りに必要な期間は2日程度となります。こちらも、完全に塗料が乾燥させる必要がありますので、中塗り同様に、塗料が乾燥しにくい季節には期間が延びることがあります。

ベランダ防水処理

 上から一番塗料のかかりやすいベランダは最後に仕上げます。防水処理に必要な期間は3日~4日となります。

鉄部の錆止め

鉄部の錆止めに必要な期間は1日~2日となります。錆止めを塗る鉄部が多ければ多いほど、所要時間は多く必要となります。

軒裏・鼻隠し・雨どいの塗装

軒裏・鼻隠し・雨どいの塗装に必要な期間は5日程度となります。それぞれの塗装を別々に実施する場合、軒裏に1日~2日、鼻隠しに3日程度、雨どいに3日程度の日数が必要となります。

漆喰工事

屋根の漆喰部分が腐食している場合に実施しなければならない漆喰工事に必要期間は、3日程度となります。漆喰の損傷が大きければ、修復に時間が必要となりますので、劣化状況次第によって期間が延びることがあります。

※通常は塗装工事と並行して作業が出来ます。しかし駐車場とかの兼ね合いから、工事期間に影響が出ることもあります。

⑥点検・手直し

 上塗りまで実施すれば、塗装工事は概ね終了です。最後に仕上げのチェックと手直しを実施します。この期間は短ければ1日で完了します。冬季や梅雨の時期など、塗装工事に向かない季節に行った場合は、手直しに時間が掛かる可能性があります。

⑦足場等の片付け

最後に、片付けを行って終了となります。この工程は概ね1日で完了します。

参考:プロが教える!塗装工事の正しい工程と大事な目的

納期と品質について

 一部の工程でも説明しましたが、ただ納期を早めるだけでしたら、洗浄や下地処理で手を抜くことで納期を短縮することは可能です。実際に、一部の業者ではそのような作業によって、品質の悪い塗装工事がされているようです。

 多少、期間はかかってしまっても、塗装部分の洗浄や下地処理といった塗装を行う上で品質を左右する重要な工程については、丁寧に実施してもらえる業者に依頼すべきです。そうすることで、仕上げが綺麗になるばかりか、家を守るための塗料の効果が十分に発揮することができ、耐久性の高い屋根や外壁とすることができるのです。塗装工事の期間短縮はあまり求めないほうがよいです。

 前述したとおり、ヨコイ塗装での塗装工事に必要な期間は3週間前後となります。これは平均的な現場での算出した期間となります。塗装工事では、ケレン作業といった品質につながる大切な作業があります。旧塗膜をしっかりと取らないで塗装することは誰にでも出来ることです。※しかしながら塗り終わった後では、素人さんには見分けがつかない苦しいところです。結果、工事期間を短縮することができます。しかし、数年後にはケレン作業が及ぼす外壁の状態は目に見えてわかります。下地作業にかける日数や作業姿勢これをじっくりと見極めて業者を選んでくださいね。

家主様のチェック

  塗装工事後の状態を家主様にご確認いただきます。業者さんによっては、塗装の塗り漏れや、ムラが残っているケースが稀にありますので、家主さんの目でしっかりと状態をチェックしていただくことが重要となります。

後片付け

家主様のチェックに問題が無ければ、養生の取り外しや足場の解体、周辺の清掃を行い、外壁塗装工事は完了となります。また、この時点で家主様への引き渡しとなります。

アフターフォロー

  この点は、業者さんによって大きく異なる部分となりますが、定期便の発送や、塗り替え時期のご案内を行う業者さんもあります。アフターフォローがしっかりしている業者さんですと、問題が発生した場合も安心できますね。

共働き世帯でよくある外壁塗装のトラブル

 共働きでご自宅に誰も居ないことが多いご家庭での外壁塗装のトラブルが多数報告されています。外壁塗装を行う際には、お客様とのコミュニケーションを欠かすことはできません。しかし、ご自宅にお客様がいないことをいいことに、大切なコミュニケーションをないがしろにし、トラブルに発展するケースがほとんどです。具体的は、以下のようなトラブルが多く発生しています。

①希望していた色とは違う色で塗装された。

外壁の色を決める際にも、どのような色がいいのか、まずはおおざっぱな色から、徐々にご希望の色に合わせて試し塗りを重ねて、お客様が本当に出したい色を決めていくという工程があります。例えば、グレーな外壁と希望したとしても、ご自宅の陽の当たり方や周りの住宅の雰囲気、屋根の色、サッシの色、ドアの色などから、どのような「グレー」が最適なのか、お客様としっかり相談して色を決定します。

しかし、一部の業者では、色見本の指定だけを確認し、その後の詳細な打ち合わせを行わないまま、不在にしている時間帯に、施主が決めた色で塗装されてしまうというケースがあります。もちろん、色を決めた責任はお客さま自身にあります。しかしながらカラーシュミレーションをいくらパソコンや色見本でやったところ、リアルに塗ってみないと感じは掴めないものです。仕事を終えて、帰宅した際に目にするのは、想像していた色と違う自宅の外壁となり、愕然とするでしょう。

それでも帰宅時には業者も帰っており、色の調整がつきにくく、電話ではらちがあかないものです。そのため、希望が通らず我慢される方もいらっしゃいます。

②工事の進捗が分からない。

 外壁塗装の作業は日中行いますが、共働きの世帯では、日中、自宅に誰も居なくなってしまいます。そのため、工事の進捗が分からないという問題があります。外壁塗装では、養生や足場の作成により実際の進捗が分からないのに加えて、実際に作業しているところを見ることができませんので、今、何を行っているのかが分かりません。

③手抜き工事を見抜きにくい。

 ②ともつながる話ですが、実際に作業を行っているところを見ることができませんので、手抜き工事を行われていたとしても、なかなか発見することができません。

例えば、下地処理を行うのに通常数日間かかるところ、半日程度で雑に終わらせられていたとしても、工事の進捗状況が分かりませんので、どうなっているのか知る手立てがありません。

 そのまま、塗装工事が終了し、品質の悪い外壁塗装となっていたとしても、それに気付くのは工事が終了し、支払い後というケースから、トラブルに発展することがあります。

2.共働き世帯がトラブルを防止する方法

上で紹介したトラブルは、いずれも業者とのコミュニケーションをしっかり取らなかった(取れなかった)ことにより発生しています。そのため、これらのトラブルを未然に防止しようとする場合、業者がコミュニケーションをとってこなかったとしても、積極的にコミュニケーションを取りに行く必要があります。

それでも、コミュニケーションをとろうとしない業者は、ご自宅が不在なのをいいことに、手抜き工事を行おうとしている業者と考え、別の業者に依頼することも検討されるべきかと思います。ただ、多くの業者は、日中ご不在がちでコミュニケーションが取れない場合、コミュニケーションを取りやすい週末などにしっかりと話を行い、お客様のご納得の上で工事を実施しますし、その工事の進捗状況は逐一報告されています。そのため、少しでも「おかしいな」と感じた場合は、注意深く業者をチェックするようにするのが、トラブルを未然に防止する方法となります。

(現場コミュニケーションアプリ)